あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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巨匠たちの入魂作品が続々!特別展「皇室ゆかりの美術」【展覧会感想・レビュー】

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[2018年11月26日最終更新]

かるび(@karub_imalive)です。

平成最後の年となった2018年、来年の新天皇即位、改元を睨んで皇室関連のニュースが取り沙汰されることも多くなってきましたよね。30年続いた「平成」が終わろうとする中、一つの時代の歴史の区切りを感じさせるような象徴的な出来事や事件も多く報道されています。

そんな中、山種美術館ではタイムリーな展覧会として、特別展「皇室ゆかりの美術」が始まりました。山種美術館が所蔵する豊富なコレクションをベースとして、外部の美術館や個人から作品を集めて企画された、非常に力の入った展覧会でした。

早速ですが、館内の展示の様子や感想レポートを書いてみたいと思います!

※なお、本エントリで使用した写真は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

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古代中国の超絶技巧!「神々のやどる器展」の凄すぎる造形美!【展覧会感想・レビュー】

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かるび(@karub_imalive)です。

日本がまだ縄文時代で、狩猟・採集生活に明け暮れていた時、大陸の中国では、すでに殷・周といった広大な国土を治める統一王朝が成立し、高度な青銅器文明が栄えていたことって知ってます?

学生時代、世界史が苦手だった僕は、恥ずかしながら40歳になって根津美術館で中国古代の青銅器コレクションを見るまでそのことを全く知りませんでした。

だって信じられます?古代ローマやギリシャなんかよりもはるか昔、3000年以上も前に、精巧な文様を刻みつけられた複雑な形をした青銅器を日常的に使っていた文明があったんですよ?

今回の「神々のやどる器」展は、泉屋博古館が所蔵する国内屈指の青銅器コレクションが集結した凄い展覧会です。数ヶ月前、チラシをひと目見てから「これは絶対行く!絶対レビューを書く!」と一人テンションを高めて待ち焦がれていた展示。早速、見てきた感想・レビューをまとめてみたいと思います!

※なお、本エントリで使用した写真は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

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プロフィール/ブログ「あいむあらいぶ」について

かるび(@karub_imalive)です。

いつも当ブログ「あいむあらいぶ」をご覧いただき、本当にありがとうございます。こちらのページでは、初めてご訪問頂いた方のために、当ブログ「あいむあらいぶ」と私こと「かるび」の自己紹介をしています。

管理人「かるび」について

ハンドルネームの由来

「かるび」というハンドルネームは、元々ブログを始める前、20代の頃に趣味のヘヴィメタルからインターネットの掲示板等で交流するために使っていたことに由来します。学生時代一人暮らしを始めた頃から20代の間は無類の焼肉好きだったので、焼肉を食べている時にハンドルネームを決めました。

とにかくインターネットが大好き

1995年、大学の情報処理センターでインターネットを知って以来、ずっとネットにどっぷり浸かっています。1999年頃にネット環境とノートPCを手に入れて以来、2ちゃんねるや趣味の掲示板などに入り浸り、テキストサイト全盛期から欠かさずネットと接してきました。

2002年頃から、当時(今も)趣味だったテキストサイト回りをするうち、趣味の掲示板を渡り歩くようになり、オフ会なども積極的に出席して、ネットを介して友人もできたりしました。「自分も情報発信してみたいな」と思いつつも、優柔不断な性格のため、なかなか本腰を入れて自分のサイト運営までには至らず。

ネットでアウトプットを始めるまで

現在のブログ「あいむあらいぶ」を開設する前に、3回ほど無料ブログを散発的に始めたことはありますが、仕事が忙しかったり、テーマが曖昧だったりで全て短期間で挫折。主にここまで「読み手」としてネットに関わってきました。

2012年頃、Facebookに興味を持ち、一時期は友達が1000人、フォロワーが1500人ほどになるほどどっぷり浸かっていましたが、情報発信のやり方やコミュニケーションに違和感を感じて休止。

そして、2015年になり、40歳の誕生日を迎えます。人間誰しも年を重ねて順番に老いていくのはわかっていたことですが、「40」という数字のインパクトに打ちのめされました。40歳という人生の折り返し点まで来たのに、未だに大好きなインターネットで何もできてない。会社生活以外で何もないのに、ただ仕事漬けのまま流されていく日々に危機感を覚えました。(遅いですよね/笑) 

そこで「情報発信する」ことで、何かが変わるかもしれない。Facebookでは上手く行かなかったけれど、ブログなら思ったことを好きなように発信できる可能性があるのでは?と思い直し、勢いでブログを開設しました。以前に無料ブログで何度か失敗しているので、今度こそ、という思いから、思い切って最初から独自ドメイン+有料会員でスタート。そして今に至ります。

思い切って会社を辞めた

ブログを始めてから、自分の中で下した一番大きな決断が、「会社を辞めたこと」。17年間、馬車馬のように働いてきたので、退職後1年間は、専業主夫として充電期間に当てることにしました。当時中小企業とはいえ、そこそこの要職に就いていたことから退職意志を表明してから時間がかかりましたが、2016年6月ようやく退職。以後は読書や映画、美術館通いなど、社会人になってから忙しくてできなかったことを楽しみました。

現在はライター兼ブロガーとして活動中

そして43歳となった現在、趣味として初めた映画・アートを活動の中心として、ブログや他のWeb媒体に寄稿するなど、ライター兼ブロガーとして活動中。未だに年収はサラリーマン時代の8割程度ですが、最低限健康で文化的な生活を家族とともに送ることができています^_^

ブログ「あいむあらいぶ」について

ブログ名の由来について

ブログ名は、中学生の時に初めて好きになったヘヴィ・メタルバンド、HELLOWEENの名作「Keeper of the Seven Keys Part1」のオープニングチューン「I'm Alive」から頂きました。「会社をやめたけど、まだまだここで頑張ってますよ」という意味も込めてつけました。どうですか、いい曲でしょ?(笑) 

ライターとしての活動実績

紙媒体

2018年10月、ライターとして初めて紙媒体のムック本制作に関わらせて頂きました。それが、「フェルメール会議」(双葉社)です。先輩アートブロガーの「青い日記帳」Takさんからお声がけ頂き、お手伝いさせて頂きました。

こちらでは、会議でのインタビュアーを務めるとともに、フェルメールの作品解説の約半数を担当しました。

Web媒体

◯週刊ニッポンの国宝100 Facebook担当
2017年9月~2018年10月にかけて、小学館の「週刊ニッポンの国宝100」SNS担当として、Facebookページにて「国宝応援団K」という名前で寄稿していました。

◯Webメディア「楽活」
こちらでは、ライター兼サイト保守担当として活動中。2018年1月~9月まで、約30記事を寄稿しています。(2018年10月~12月までリニューアル準備中)

◯和樂Webマガジン「INTOJAPAN」
2018年9月より、和樂Webマガジンにおいて、週1ペースで寄稿中。展覧会レビューや、日本美術をテーマにコラムを書かせていただいています。 

掲載広告について

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3.免責事項

当ブログ「あいむあらいぶ」に掲載された情報を利用される場合は、ご自身の判断と責任においてそれらをご利用ください。当ブログの情報を利用することによって生じたトラブルや問題に対しては、責任を負いかねます。予めご了承ください。

あいむあらいぶの近況

2018年11月16日時点で、トータルPVは約2200万PV。月間PV数はかなり変動があるのですが、概ね約50万PV~70万PVで推移しています。アート系の記事は女性読者が多く、人事労務やキャリア系、映画系の記事は男性読者が多くなっています。全体としては、女性読者が若干多くなっています。

お問い合わせや掲載の依頼など

お問い合わせや原稿・ブログ掲載の依頼などは、こちらへお願いします。2営業日以内に折り返しお返事いたします。

https://ws.formzu.net/fgen/S33068729/

 

美術展は2回目からが面白い!深い鑑賞体験が得られる展覧会「複数回鑑賞」のススメ

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かるび(@karub_imalive)です。

展覧会、好きですか?

僕は、以前サラリーマンを辞めると決めてから、それまで忙しくてできなかった趣味の一つとして、美術展めぐりをはじめました。それ以来3年間、がっつりはまっています。はじめはモネとかレンブラントといった西洋絵画の巨匠の展覧会を混雑に耐えながら回っていました。が、次第にSNS経由でいろいろな展覧会を知るようになり、日本画、陶磁器、茶道具、ファッション系、刀剣・甲冑類、書跡、産業系、サブカル、アニメ・・・等々、いろんな展覧会を回るようになりました。

気がついたら、ここ最近では春と秋のハイシーズンでは月20~30程度回るようになり、両足までどっぷりとアート鑑賞沼に浸かっている状況です。

このようにたくさんの展覧会を回り、量をこなす一方で、ふと昔の展覧会を振り返ってみると、「漠然とした印象以外に、何を見たのか全然思い出せない」ことがよくあることに気づきました。

もともと僕は映画やTVドラマなどを見てもすぐに内容を忘れていく方で、きっと記憶力があんまり良くないんだろうなとは思っていたのですが、やっぱり1度見た展覧会の内容はちゃんと覚えておきたいですよね。

そこで、展覧会に行ったら、関連付けて思い出せるように併設のレストランでご飯を食べてみたり、力を入れてブログに書いて残したりといろいろやってみました。その中でで、最大の成果を挙げるに至った取り組みがありました。

それが、今日ご紹介するシンプルな方法「展覧会の複数回鑑賞」です。

一度見たらそれで終わりにするのではなく、期日を変えてもう1度同じ展覧会に通う。このシンプルな方法で、割と劇的に内容を記憶に保持することができるようになりました。以降、詳細について書いてみたいと思います。

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凄まじい画力の猫絵師・陳珮怡の個展に行ってきた!【感想・レビュー】

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かるび(@karub_imalive)です。

上記の画像、どう見ても写真に見えますよね?!

でも、違うんです。これは写真ではなく、実際に岩絵の具で描かれた細密絵画の一部なのです。しかも、原寸大ではなく拡大部分画像なのに、全く筆使いの跡が見当たりません!すごすぎます。

最近の美術展では、「超絶技巧」という単語をしょっちゅう聞くようになりました。丁寧な手仕事で仕上げられた細密工芸や細密画の展覧会が一気に増えてきた感触があります。また、細密絵画ばかりをコレクションしたホキ美術館、陶磁器や七宝などの優品が世界的に注目される清水三年坂美術館など、「超絶技巧」系の作品を主に収集している美術館の人気も高まってきています。

そんな中、今回行ってきたのが、銀座「ぎゃらりい秋華洞」で開催されている「ネコ」の超リアルな細密画で注目されている台湾出身の画家・陳珮怡(チン・ペイイ)さんの個展です。

早速ですが、感想レポートを書いてみたいと思います!

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【2018年秋・冬の美術展】絶対おすすめの注目展覧会ベスト20!【見どころ・開催情報まとめ】

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【2018年11月11日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

10月も後半になり、ようやく秋らしさ全開になってきました。秋といえばやはり芸術の秋。2018年秋も、首都圏・関西圏を中心に、過去最強クラスの西洋美術の名画・名作が続々と日本に上陸してきます!もちろん、それを迎え撃つ日本美術のラインナップも超豪華!国宝級の仏教美術はもちろん、日本美術史における巨匠たちをフィーチャーした展覧会が開かれる予定です。

そこで、本エントリでは、2018年秋~冬にかけて行われる各種展覧会の中から、”これは絶対見逃したくない”展覧会約20展を、簡単な見どころと開催情報を含めてまとめてみました。

それでは、順番にみていきましょう!

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ムンク展は名作「叫び」が来日!楽しい仕掛けが満載の展覧会でした!【見どころ解説・感想・レビュー・混雑対策】

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【2018年11月10日最終更新】
かるび@karub_imalive)です。
2018年秋の上野公園は、西洋美術の展覧会で花盛りです。一足早く上野の森美術館で始まった「フェルメール展」、国立西洋美術館で好評開催中の「ルーベンス展」に続いて、10月27日から東京都美術館で満を持して「ムンク展」がスタートしました。

展覧会の目玉となる作品は、西洋美術史に残る屈指の名作《叫び》です。これを見なくてははじまりません。しかし、今回の展覧会はそれ以外の展示も見どころいっぱい。展覧会がスタートして約1週間経過しましたが、予想以上にお客さんも来ています。これは混雑する前にしっかり見ておかなくては!と思い、急いで2回見てまいりました。早速ですが、その感想やレポートを書いてみたいと思います!

※なお、本エントリで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

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【見どころ徹底解説】醍醐寺展は主力の寺宝が勢揃い!仏像好きなら絶対外せない展覧会!【展覧会レビュー・感想】

かるび(@karub_imalive)です。

2018年秋、首都圏で開催される展覧会は、仏教美術展が大当たりです。東京国立博物館で開催中の特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」 、三井記念美術館で開催中の特別展「仏教の姿」など、美しい仏像をしっかりしたディスプレイで魅せてくれる展覧会が目白押しです。

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そんな中、今回紹介させて頂くサントリー美術館で開催中の「京都・醍醐寺ー真言密教の宇宙ー」は、約15万点の文化財を所蔵する醍醐寺が、その寺宝の中から仏像・仏画・経典・書跡など、代表的なアイテムを選りすぐって展観する、力の入った仏教美術展となりました。

仏像好きならマストとも言える素晴らしい展覧会です。内容について取材させて頂きましたので、僕の感想を交えてまとめてみたいと思います。

※なお、本エントリーで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

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【XYLOLOGY(キシロロジー)】若手木彫作家が集った、異色の注目展覧会が面白かった!【展覧会感想・レビュー】

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【2018年11月5日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

ここ最近、美術館や博物館で開かれる展覧会では、仏像展が大ブレイクしています。鎌倉時代の仏像彫刻の傑作を集めた「運慶展」は期間中、60万人もの人出がありましたし、現在開催中の「醍醐寺展」(サントリー美術館)、「仏像の姿展」(三井記念美術館)、「快慶・定慶展」(東京国立博物館)など、いずれも非常に評判が良いようです。

その一方、仏像以外の木彫作品って、展覧会ではそもそも観る機会がほとんどないかもしれません。最近でこそ「超絶技巧」というくくりで、非常に精巧な工芸作品を集めた展覧会の中で紹介されたり、旅行先等でアートホテルや地域芸術祭の中で、ちらほら観ることも増えてきましたが、美術館等では若手木彫作家の作品をまとめて観る機会はまだまだ少ないのが現状です。

そんな中、木彫作品の面白さや多様性、可能性などを知ってもらいたい、という思いから、有志の若手木彫作家達が、自主的に立ち上げた企画が、今回取り上げる「XYLOLOGY(キシロロジー)」という展示イベントです。

上野の東京国立博物館のほぼ真裏にある古民家を借り切って、約2週間限定でスタートした展覧会、初日に行ってきましたので、簡単にレポート・感想を書いてみたいと思います! 

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【展覧会感想】ピエール・ボナール展の見どころを徹底解説!豊かな色彩世界をガッツリ味わえる37年ぶりの大回顧展!【詳細レビュー】

【2018年11月4日最終更新】
かるび(@karub_imalive)です。 

「色彩の魔術師」と呼ばれる西洋美術の巨匠は数多くいます。ネットでちょっと検索すると、モネやマネといった印象派から、マティスやデュフィ、シャガールといったフォーヴィスムやそれに続く20世紀前半の画家たちが続々引っかかります。

今回、国立新美術館にて大規模な回顧展が開催中のピエール・ボナールもまた、豊かで意外性あふれる色彩感覚で、独自の作風を打ち立てた近代西洋美術の巨匠のうちの一人です。

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会場入口

郊外で描いた明るい風景画はまるでモネやルノワールのような印象派作品に見えますし、静かで落ち着いた室内画は、一見するとマティスのような作風にも見えます。

今回の「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」は、東京では実に37年ぶりに開催された大回顧展となりました。ほとんどのアートファンにとって、生でボナールの作品をこれほど大量に楽しめる機会は恐らく初めてなのではないでしょうか?僕も、じっくり2回展覧会を見てきました。少し遅くなりましたが展覧会の感想とともに、見どころをご紹介します。

※なお、本エントリーで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

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