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東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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「驚異の超絶技巧展」は神技級の職人芸が味わえる、絶対にオススメしたい美術展!【展覧会レビュー・感想】

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【2017年9月28日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

見てきた人があまりの凄さに、「凄い・・・」「ヤバい・・・」くらいしか言葉が出てこないほど凄まじい職人芸を体感できる展覧会が、この秋、東京・日本橋で口コミで広がり、人気になっているのをご存知でしょうか?

19世紀後半に入って登場した「写真」によって、写実表現の主役から降りたかに見えた絵画や工芸。それ以来、主流派のアーティストたちは、写実の世界から距離を置いて、より抽象的・観念的な世界で、いかに個性を際立たせるかに執心してきました。

しかし、明治期以降においても、工芸の世界では単なる「写実」を超えて、やりすぎなくらい「超絶技巧」な職人技を、ひたすら愚直に追求をする作家達も一定数存在しました。ものづくりの世界において、無名ではあるけれど、精密機械を作る技術者や天才的な職人たちが今も町工場にいるように、アートの世界でも、明治期以降、2010年代の現代に至るまでとんでもない達人たちが実はゴロゴロいたんですね。

この「驚異の超絶技巧展」では、とことん「リアルで細密な世界」を追い求めたアート職人たちが心血を注ぎ込んだ逸品が、所狭しと展示されているのです。

言葉で表すよりは、実際に行って見てきて頂くのが一番なのですが、本当に見る価値のある、凄い展覧会なので、以下、簡単にレポートを書いてみたいと思います。

※本エントリで使用した写真は、「ブロガーナイト」という内覧会企画にて、予め主催者の許可を得て撮影したものとなります。あらかじめご了承下さい。

1.超絶技巧の世界とは

冒頭で書いた通り、21世紀に入った最近まで、アートの世界では、まず独創的・個性的・コンセプチュアルであることが求められ、「写実的であること」「技巧的であること」に対しては、正当に関心が払われてきたとは言えませんでした。

何が描いてあるんだかわからないような落書きみたいな現代アートが、オークションで何十億円と値を飛ばす中、何千時間と投入して、丹精に、精巧に作られた工芸品が、わずか10万円、20万円の値しかつかない現状。

一方、精密技術や手工業など、アート以外のものづくりの現場では、現代でも日本人の持つ技術力や感性は世界中で高く評価されてきています。それならば、アートの世界でも同様に「職人芸で魅せる美しさ」がもっと評価されてしかるべきですよね。

江戸・明治期以降、脈々と職人の世界で受け継がれてきた日本固有の伝統工芸の世界。実は、こうした究極の技術で生み出された美しい作品を、もっとちゃんと評価していこうよ!という流れが、ここ数年美術界で盛り上がってきているのです。

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その起爆剤となったのが、明治学院大学の山下裕二教授がプロデュースした、2014年の「超絶技巧!明治工芸の粋」展です。もともと「超絶技巧」というワーディングは、ショパンやリスト、パガニーニなどのピアノやバイオリンなど、クラシック音楽の文脈で使われてきた言葉ですね。それをアートの世界に当てはめて、ファンの想像力をうまく掻き立てたのです。

「超絶技巧」というバズワードを使ったことも奏功し、木工、金工、七宝、陶芸、自在置物、水墨画、、、等々、超人的な製作技術で最高の作品を生み出した明治期のアーティストたちをフィーチャーしたこの展覧会は、全国5箇所を巡回して、中規模以下の工芸展としては異例の9万人の動員を達成したといいます。

それ以来、「超絶技巧」はアート界で静かなブームとなっており、最近では毎年東名阪のどこかの美術館で、似たようなコンセプトの工芸展が開催され、いずれも好評を得て盛り上がっています。僕も、昨年2016年は、東京芸術大学美術館で開催された「驚きの明治工芸」展でブログ記事を書いています。

2.今年の「驚異の超絶技巧展~明治工芸から現代アートへ~」の特徴とは?

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そんな中、満を持して開催された今年の超絶技巧展。山下裕二氏の全面プロデュースでは2度目の開催となる今回は、出展作品の対象となるアーティストを明治期だけでなく、現代作家まで広げることになりました。

実は、現代でも、昔の職人を凌駕するとんでもないレベルの作品を作っている若手作家はかなりいるんです。しかし、残念ながら彼らにはほとんど知名度がない現状。

そこで、今回、そんな彼らのすごい作品を埋もれされておくわけには行かない!ということで、展覧会マニアと言っていいほど、全国のありとあらゆる美術展・ギャラリーを知り尽くした山下教授が、自らの足と人脈で集めてきた選りすぐりの現代作家達の作品を、明治期のレジェント級作家と一緒に並べることにしたのです。

見ればわかりますが、現代の作家も本当に凄い!!というか、むしろ僕は現代作家の作品のほうに、より惹かれる作品が多かったとすら感じています。

3.超絶技巧な作品を一挙紹介!!

ということで、長々と前口上を描いてしまいましたが、実際に画像を見ていただく方がいいですね。早速ですが、特に会場内で印象に残った作品を、いくつか紹介したいと思います!

3-1.安藤緑山のリアルな野菜・果物の象牙彫刻

まず、恐らく最大点数が出展されている、伝説の彫工職人、安藤緑山が手がけた象牙彫刻の数々を紹介します。安藤緑山は、明治~昭和にかけて活躍した作家ですが、近代の工芸家であるにも関わらず、その生い立ちから経歴まで、ほとんど何もわかっていない謎のアーティストです。作品だけ残すことができれば、それで満足だったのでしょうか・・・。

安藤緑山は、主に野菜や果物を超写実的に象牙で作り上げるだけでなく、本物そっくりに彩色する超絶的な技術を持っていました。本展では、比較的最近見つかった「胡瓜」をはじめ、珠玉の作品群が展示されています。

▼安藤緑山「胡瓜」f:id:hisatsugu79:20170923133139j:plain

つづいては、まるでキノコ狩りに行ってきたような採れたての椎茸・しめじ・松茸などを掘り上げた「松茸、占地」

▼安藤緑山「松茸、占地」f:id:hisatsugu79:20170923133358j:plain

▼安藤緑山「柿」
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▼安藤緑山の作品群。まだまだ沢山あります!f:id:hisatsugu79:20170923134620j:plain

3-2.やっぱり超絶技巧と言えば宮川香山!

超絶技巧のプチブームは、宮川香山から始まったと言っても過言ではないくらい、最近ではかなり知名度が上がってきている明治の陶磁器作家です。これは、ちょうど万国博覧会で受賞して、一番油が乗っていた時期に手がけていた「高浮き彫り」手法で制作された作品です。もはや、陶磁器なのか何なのか分からないくらい、ツボの周りの装飾がヤバいことになっています・・・

▼初代 宮川香山「崖ニ鷹大花瓶」f:id:hisatsugu79:20170923133622j:plain

こちらが、拡大図。花瓶に止まって睨みを利かす猛禽類。本物そっくりな物凄い精巧さです。陶磁器なので、普通に釜に入れて焼成するんですが、焼きあがったらこれが釜から出てくるんだから凄すぎます・・・

▼初代 宮川香山「崖ニ鷹大花瓶」(部分拡大図)f:id:hisatsugu79:20170923133632j:plain

続いて、宮川香山をもう一丁。

こちらも非常に有名な宮川香山の作品です。雪のようにつららが垂れ下がっているのも幻想的で良いのですが、一番のポイントは、陶器の中を洞窟のようにくり抜き、巣のようにして、中に小動物を配置していることなんです!

▼初代 宮川香山「氷窟鴛鴦花瓶」
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洞窟の部分を拡大してみます。やっぱり、鳥のような小動物(おしどり)が中に入っていますね・・・どうやったらこんなのが作れるのか、奇想天外な着想とそれを支える驚異の技術力に脱帽です・・・

▼初代 宮川香山「氷窟鴛鴦花瓶」(部分拡大図)f:id:hisatsugu79:20170923133827j:plain

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3-3.現代作家たちの並外れた才能が大爆発!

今回の展覧会では、明治期の工芸作家達も物凄い腕前なんですが、それ以上に新鮮だったのは、現代の工芸家達が手がけた作品群でした。明治期からの系譜に連なる王道の超絶技巧作家もいれば、現代ならではのモチーフと着想で、オリジナル作品を作り上げる人まで様々です。

でも、共通して言えることは、どの作品にも半端ない労力と時間がかかっているということ。1つの作品に数ヶ月かかることなんて当たり前で、時給換算すると100円、200円の世界なのだそうです。少しでも多くの人に、彼ら現代作家への注目度が上がってほしいなぁと思います。

▼山口英紀「右心房左心室」f:id:hisatsugu79:20170923133857j:plain

遠くから見ると、首都高速の間に高層ビルが屹立する、普通の写真作品に見えるんですが、これがなんと、写真ではなく水墨画なんですよね。筆と墨だけで描かれているという・・・

で、近くまで寄っていっても、やっぱりとても水墨画には見えないこの超絶技巧ぶり。どうやってこんな細密な筆使いができるのでしょうか・・・

▼山口英紀「右心房左心室」(部分拡大図)f:id:hisatsugu79:20170923133932j:plain

また、都心の何気ない風景を2枚一組で組み合わせ、日本の心臓部である東京都心とかけて、心臓に見立てた構図も秀逸でした。

続いては、日本独自の進化を遂げ、伝統工芸の一分野となった「自在置物」。昆虫や動物などの「模型」を鉄細工で精巧に作るだけでなく、手足の関節や体節を動かすことができる、いわば高級な「玩具」としての性格もある伝統工芸品なのですが、現代、その第一人者として活躍するのが満田晴穂です。

まだ若干30代の若手作家ですが、伝統工芸のグループ展ではひっぱりだこの人気作家となっており、個展も頻繁に開催しています。そんな満田晴穂が今回の展示で出展したのがこちら。

▼満田晴穂「自在十二種昆虫」(部分)f:id:hisatsugu79:20170923135135j:plain

今にも本当に動き出しそうなほど(実際触ると動くんですが)精巧な作りに、惚れ惚れしますね。ちなみに、満田氏のTwitterを見ていると、熱い昆虫愛が伝わってきます。本当に昆虫が好きなんですね・・・^_^

続いて、ちょっとユーモアのセンスがあるこちらの作品。

▼臼井良平「Untitled」
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ちょっと変わり種の超絶技巧分野としては、水の入ったペットボトルそっくりのガラス細工を作る臼井良平。ペットボトルはどう見てもプラスチックにしか見えませんし、ペットボトルを通して見える液体の質感など、驚異的な再現です。

続いて、一枚の鉄をひたすら叩いて叩いて、立体的な作品を作り上げる「鍛金」の世界では、とんでもない凄腕作家、本郷真也氏の作品が凄すぎます!

▼本郷真也「暁」
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もともとは、これが一枚の鉄板だったなんてとても信じられません。今にも飛び立ちそうな見事な質感でした・・・。

本郷氏の作品をもう一つ。全て鉄でできている見事な作品です。

▼本郷真也「柿に雀蜂」
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つづいては、「木彫」の世界を紹介します。こちらは、一本の木から全て掘り出した、「一木造」という制作方法で作られた作品。野菜の実、茎、葉っぱ、そしてセミも全て1本の木から彫り出されているなんて信じられないですよね?

奈良時代や平安初期の仏像などが、「一木造」で彫り出されているのは、なんとなく元の丸太が想像できますが、この作品を見ても、少なくとも木の塊から削り出したとはとても思えません・・・しかも、この作品、ちゃんと自立してるのも凄いんですよね(笑)

▼大竹亮峯「飛翔」
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続いて、同じく「一木造」で彫られた木彫作品。空き缶とピラカンサは、それぞれ一木造で彫られています。そして、この前原氏ですが、たしかに芸大出身ではありますが、油絵が専門で、彫刻は全くの独学で極めたとのこと。半端ないです・・・

▼前原冬樹「一刻:空き缶、ピラカンサ」f:id:hisatsugu79:20170923135613j:plain

続いては、海外では「ジャパン」という通名で認識される「漆芸」の達人の作品です。作者の更谷氏は、世界でも珍しい漆作品の修復家として活躍する一方、自らも独創的な漆作品を作り続ける漆界の最強アーティストであります。

こちらは、海に浮かぶ「浮き」にカラフルなタコが絡みついている作品。ぶっちゃけ美しい?というより現代アート的な毒気もあるクセの強い系統の作品ですが、注目したいのはその超絶的な技術力です。

下地に漆を丹念に塗り重ねた伝統的な乾漆技法に、黄・黒・緑・赤の漆絵、蒔絵が丹念に施された、気の遠くなるような時間をかけて作られた写実的な作品。

「蒔絵」系作品は、江戸時代から変態的に手をかけられた呆れるほど精巧で美しい作品が多かったわけですが、この更谷氏は、伝統にとらわれず、新しいモチーフに挑戦するところが凄い!と思いました。

▼更谷富造「独歩」
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もう一つ。本当に漆作品なのでしょうか?何をどうやって作っているのか、制作プロセスが素人にはサッパリわかりません(笑)

▼更谷富造「夏の記憶」f:id:hisatsugu79:20170923133214j:plain

さらに、次は「金工」の職人さん。生の花を型取りして、それをアルミニウムで一つ一つ膨大な数のパーツを作り上げ、作品を作り上げるという、気の遠くなるような作業を繰り返して制作された作品。

ヤギや牛の頭骨は、どことなく「悪魔」を連想するようなモチーフですが、そうだとしたらこちらは美しく、幻想的な悪魔ですね。アルミニウムで作られた、無数の花々で装飾された耽美的な悪魔を見ていると、魅入られそうです・・・

▼高橋賢悟「flower funeral:Cattle」f:id:hisatsugu79:20170923133307j:plain

他にも、いっぱい面白い作品があったのですが、いい加減ブログが長くなりすぎちゃうんで、ここからは写真と作品名だけ紹介していきますね。

・・・

・・・

▼鈴木祥太「桜」(金属工芸)
(本当に金属製?!)
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▼橋本雅也「ソメイヨシノ」
(鹿の角を削り出して作る!)f:id:hisatsugu79:20170924011016j:plain

▼大竹亮峯「自在 眼鏡饅頭蟹」(木製自在置物)
(手足がちゃんと動くらしい・・・)
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4.音声ガイドや、撮影できる作品もあります

さて、そんな超絶技巧な作品ですが、残念ながら撮影は原則禁止。しかし、入り口に展示されている「撮影OK」の表示がある2点のみ、撮影が許可されています。「インスタ映え」する(?)作品なので是非どうぞ!

▼「撮影可」マークがある冒頭2点は撮影OKf:id:hisatsugu79:20170923131917j:plain

また、音声ガイドもちゃんと用意されています。特に、今回の作品群は、見ただけで作品の「凄さ」はある程度わかりますが、「どのように凄いのか?」音声ガイドで解説を聞くと、本当に驚かされます。見た目の凄さだけでなく、作家一人ひとりの制作プロセスを聞くことで、より深く「超絶技巧」の世界に入っていけますね。大量35分も録音されている音声ガイド、おすすめです!

▼音声ガイドは絶対おすすめ!f:id:hisatsugu79:20170923131934j:plain

5.グッズコーナーも充実!

そして、作品を見終わったら、是非グッズコーナーも覗いてみて下さい。今回は、凄い作品が多いので、図録と絵葉書が飛ぶように売れているそうです。気に入ったら、売り切れる前に早めに押さえてしまいましょう。

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▼絵葉書、クリアファイル、マグネットなどの定番商品f:id:hisatsugu79:20170923132832j:plain

あと、ここで売っているチケットファイルは、ちょうど美術展のチケット類がぴったり入るので、使い勝手が良くておすすめです。僕も使っています!

▼オススメのチケットファイル!f:id:hisatsugu79:20170923132958j:plain

さらに、所蔵品の定番ハガキは国宝・重要文化財を中心に大量にストックされています。こういうのをパラパラ見ているだけでも楽しいですね。

▼大量の絵葉書
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6.混雑状況と所要時間目安は?

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2014年の前回展では、美術工芸分野では異例となる、延べ9万人を動員した美術展。今回も非常に好評につき、恐らく会期後半になると、土日は結構混雑するでしょう。展覧会が始まって約2週間経過しましたが、ここ最近、平日朝一から開館を並んで待っている人が増えだしているとのこと。口コミで評判が広がっているようです。

▼9月27日、開館前の美術館の状況
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その展示作品の性質上、人がちょっとでも多くなってくると細部まで見ることが難しくなるため、できれば空いている会期前半にじっくり見ておきたいところです。

7.関連書籍・資料などの紹介

公式図録が良い出来です!

今回の展覧会は、優れた銘品が多数出展されていますので、後からゆっくり何度でも眺められる公式図録がかなり売れています。僕も入手しましたが、写真が大判かつ美麗で非常に良い出来でした。

▼公式図録
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中身は、こんな感じですね。流石に原寸大までは無理ですが、かなりクリアな大判な写真で、細かい絵柄・装飾までしっかり紙上で確認できますよ。

▼写真が美麗で良い!
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定番の別冊太陽ムック本「明治の細密工芸」

2013年に出版された、明治時代の超絶技巧を極めたレジェンド級の作家たちの作品を特集したムック本。現在の「超絶技巧」ブームの仕掛け人である、明治学院大学の山下裕二教授が全面的に監修しています。ここで取り上げられている作家、作品は、以降の「明治工芸」「超絶技巧」系の展覧会で、ほとんど出展され、人気化しています!

現代作家の特集が読み応え抜群!「超絶技巧美術館」

2010年代、まさに「今」最前線で活動している超絶技巧作家達を特集したムック本です。実際に、各作家たちにインタビューし、アトリエで制作風景も丹念に取材した、「超絶技巧」の裏側まで理解できる貴重な書籍。こちらも、展覧会をより深く理解するために役立ちます。ここで取り上げられた何人かの作家は、今回の「超絶技巧展」に出展しています。

2016年の超絶技巧系No.1展覧会の図録「驚きの明治工芸」

2016年秋に実施された超絶技巧系展覧会の公式図録です。Amazonでも手に入るので最後に紹介しておきますね。七宝、金工、自在置物、鍛金、彫刻、陶芸など、各分野における明治期の巨匠たちの作品群が一同に会した中身の濃い展覧会でした。こちらも、数少ない「超絶技巧」の世界を理解するための貴重な資料です。

8.まとめ

格言で「神は細部に宿る」っていいますが、この展覧会に出品されている作品を見ていると、本当に神が宿りまくっています。しかも、この超人的な技能は、誰が見たって一目瞭然で凄いことがわかるんですね。アートの知識ゼロでも、普段から美術館に行かない人でも、彼らの作品と対峙すれば絶対に何か感じるものがあるはずです。見た瞬間に「凄い!」と感嘆せざるを得ない、わかりやすさと凄まじさが同居した、本当に凄い展覧会です。

アートが好きかどうかは関係なく、単純に面白いし、驚きに満ち溢れた展示なので、是非足を運んでいただきたいオススメ美術展です!
それではまた。
かるび

展覧会開催情報

◯展覧会名
特別展「驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ」
◯美術館・所在地
三井記念美術館
東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号 三井本館7階
◯最寄り駅
■東京メトロ 三越前駅【A7出口】より徒歩1分
◯会期・開館時間
2017年9月16日~12月3日
10時00分~17時00分(入場は30分前まで)
毎週金曜日、9月30日は19時00分まで開館
◯休館日
毎週月曜日、10月10日
※ただし9月18日、10月9日は開館

◯公式HP
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html