あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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【ネタバレ有】映画「ジオストーム」感想・考察と7つの疑問点を徹底解説!/巨大予算で制作された愛すべきB級作品でした!

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かるび(@karub_imalive)です。

1月19日に公開された、ディザスター映画の大作「ジオストーム」を見てきました。宇宙空間でのアクションシーンから、地上で起こる様々な天変地異に加え、サスペンス要素もある作品です。公開初週の土日では、なんと5週連続興収・動員数No.1を記録してきたスター・ウォーズに代わり、見事No.1に輝きました。

早速ですが、感想・考察等を織り交ぜた映画レビューを書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が一部含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「ジオストーム」の予告動画・基本情報

▶「ジオストーム」公式予告動画
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【監督】ディーン・デブリン(「スターゲイト」「インディペンデンス・デイ」シリーズ、「GODZILLA」脚本担当など)
【配給】ワーナー・ブラザーズ
【時間】109分

今回メガホンを取ったのは、本作が初監督作品となるディーン・デブリン。元々は、パニック映画・ディザスター映画の脚本やプロデュース業を中心に活動してきている人で、特にローランド・エメリッヒ監督とは、「インディペンデンス・デイ」シリーズや、「GODZILLA」など、超大作パニック映画にて何作もタッグを組んでいます。

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引用:Dean Devlin | Leverage Wiki | FANDOM powered by Wikia

恐らく、そのあたりの実績が買われて、今作の監督に抜擢されたものを思われますが、やっぱり初監督作品でいきなり大作映画はきつかったようで、本作がリリースされるまでの間、様々なトラブルがあったようです。

その最大の試練となったのが、2015年中に行われた関係者向け試写会です。ここでの反応が芳しくなかったため、ワーナーは演出・脚本担当やを差し替えての大規模な撮り直しを敢行。この時に新たに加わったストーリー部分もあれば、降板した俳優もいたようです。結果として、他作品との上映時期の調整も含め、当初2016年1月公開予定だった公開時期は、2017年10月へと大幅に後ろ倒しとなったのでした。

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Rotten Tomatoesでは驚異の13点と超低評価!

せっかく撮り直しまで行った本作でしたが、テコ入れの甲斐なく、それでもRotten TomatoesやIMDB等、評価サイト上での点数も最悪となってしまい、本国アメリカでは見事に大コケ。2017年度最大の爆死案件となってしまったのでした。

そんな紆余曲折を経て、とうとう日本で公開された本作。意外なことに、5週連続興収・動員数第1位だった「スター・ウォーズエピソード8」を抜いて、1月3週目の興収トップに立ったではありませんか!若い人からの評判も良いみたいで、日本ではそこそこのスマッシュヒットになりそうですね。

ちなみに、ちょっと事前に話題になっていたのが日本語吹き替え版でのブルゾンちえみの声優デビュー。こちらの動画を見る限り、喋り方とか性質とか、映画吹き替え俳優としてかなり素質あるかも。

▶「ジオストーム」ブルゾンちえみ吹き替えサンプル
※画像をクリックすると動画がスタートします


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2.映画「ジオストーム」主要登場人物・キャスト

ジェイク・ローソン(ジェラルド・バトラー)f:id:hisatsugu79:20180123102643j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
映画「300」で一気に知名度を上げ、それ以来ひたすら筋肉系俳優としてイメージが定着してきたジェラルド・バトラーですが、今回は頑固で現場叩き上げな天才技術者として主演を務めます。とは言ってもそこは筋肉俳優たるところ、宇宙船外のマッチョなアクションから銃撃戦までちゃんとやってくれていました(笑)

マックス・ローソン(ジム・スタージェス)f:id:hisatsugu79:20180123102508j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
「クラウドアトラス」「鑑定士と顔のない依頼人」など、ハリウッド作品でもいくつか出演はありますが、最近はTVドラマが主戦場。大規模なブロックバスター映画への出演は、今回が初めてとなります。

サラ・ウィルソン(アビー・コーニッシュ)f:id:hisatsugu79:20180123102612j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
お前はAKB48か!ってツッコミたくなる、恋愛禁止の大統領付警護(シークレットサービス)を熱演。オーストラリア出身ですが、近年は安定的にハリウッド作品での出演が続いています。ブロックバスター映画は「ロボコップ」以来キャリア2作目となりました。

ウーテ・ファスビンダー(アレクサンドラ・マリア・ララ)f:id:hisatsugu79:20180123102539j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
主演級の存在感がありましたが、実はこのウーテ、当初脚本にはなかった役柄なのだそうです。再撮影時に、ストーリーに厚みを持たせるため、ISSにてジェイクのパートナー役として急遽新たに追加されました。ルーマニア出身ですが、本作も含め、映画内での国籍は、ドイツ人として振る舞うことが多いようですね。

レナード・デッコム(エド・ハリス)f:id:hisatsugu79:20180123102501j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
出てきた瞬間に、「あ、今回の悪役はこいつか」と条件反射のようにわかってしまう、悪役が最も似合うハリウッド俳優のうちの一人。もちろん、今作でも期待通り悪役側のキーマンとして頑張ってくれています!

アンドリュー・パルマ大統領(アンディ・ガルシア)f:id:hisatsugu79:20180123102447j:plain 
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
キューバ・ハバナ出身の俳優。作中で扮するパルマ大統領の「パルマ」は、彼の生まれ故郷、キューバにて早逝したパルマ王子から採ったそうです。典型的なマフィアのチンピラ役というイメージがありましたが、今作では大統領を演じるという意外性がよかったです。 

デイナ(ザジー・ビーツ)f:id:hisatsugu79:20180123102819j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube
次作は「デッドプール2」の主演級に抜擢された、ドイツ語・フランス語・英語の3ヶ国語が堪能なトリリンガル女優。まだ26歳なので、今後主演級でどんどん活躍しそうな次世代の俳優ですね。

3.途中までの簡単なあらすじ

2019年、アメリカ・中国を中心に、17カ国が協力して作り上げた気象コントロール衛星ネットワークシステム「ダッチボーイ」が国際宇宙ステーションISS上に構築された。これにより、各地で異常気象や自然災害に悩んでいた世界各国は、安定した気候を享受できるようになっていた。

「ダッチボーイ」を開発し、その運用責任者の任に当たっていたのは、天才エンジニア、ジェイク・ローソンだった。しかし、ジェイクは、政治家や役所との折衝を軽視し、たびたびアメリカ連邦政府の意向を無視してシステムの強引な運用を行ったため、査問委員会にて解任されてしまう。皮肉なことに、後任の責任者には、政府にて国務次官補の任にあたっていた実弟、マックス・ローソンが指名された。これを機に、ローソン兄弟の仲は決定的に悪くなってしまった。

それから3年後。2022年になり、「ダッチボーイ」の不具合により、アフガニスタンで局所的に村全体が寒波に襲われ、一瞬で村人が凍りついてしまうというトラブルが発生した。不祥事の露見を恐れたアメリカ政府は、大統領主導で秘密裏に問題解決を図ろうと画策し、ローソンを通じてISSに再びジェイクを送り込むことを決定した。

失職して以来、妻子とも離別してフロリダにて隠遁生活に入っていたジェイクは、最終的にマックスの説得に応じ、再びISSへと向かったが、その間にも香港では街の中心部から噴火が始まり、東京では巨大な雹が降るなど、ダッチボーイの動作不良に伴って自然災害が世界中に広がっていた。

ISSでの調査を進める中、ジェイクは「ダッチボーイ」の不具合は悪意を持つ内部関係者が仕込んだウィルスの作用による誤作動によるものであると見破り、右腕・ウーテとともに犯人探しに奔走する。状況証拠から、ジェイクはホワイトハウスの内部関係者が画策した内部犯行であると考え、地上でも調査を進めるマックスと連携するのだった。そして、オーランドで次期大統領選のための大規模集会が開催されていたその時、事態は大きく動き出した。果たして、ジェイクとマックスは真犯人を追い詰め、ダッチボーイを守ることができるのかーーー。

4.映画「ジオストーム」のレビュー(感想・評価)

過去のディザスター映画の焼き直し作品の枠を出なかった作品

「インディペンデンス・デイ」(1996)、「アルマゲドン」(1998)、「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)、「2012」(2009)など、1990年代後半から、CG、VFX技術の発達とともに、地球規模で起こる壮大なディザスター映画が頻繁に制作されてきました。90年代までは、単に災害描写をリアルにCGで再現するだけで、それなりに高評価が得られたものですが、最近では、例えば「インディペンデンス・デイ:リサージェンス」(2016)が酷評されたように、目の肥えた観客は、災害描写のスケール感やインパクトだけでは、すでに驚かなくなってきています。

その為、2010年代の災害映画では、例えば「カリフォルニア・ダウン」(2013)のように巨大災害を描きつつも徹底的に家族の話だけに絞り込むとか、「イントゥ・ザ・ストーム」(2014)のように映像表現にPOV(主観視点)を織り込むことで真新しさをだしたりと、ひねりを効かせた作品が一定の評価を得てきたように思います。

そんな中、久々に出てきた大作路線の系譜に連なる、伝統的な王道ディザスター映画が、この「ジオストーム」でした。かつて「2012」評で、評論家の宇多丸は、ほぼすべての災害描写が盛り込まれたこの映画を「幕の内弁当みたいな災害映画」と論評しましたが、今回のジオストームはそれ以上です。

地震・竜巻・津波・火山噴火・雹害・寒波など、あらゆる気候災害がなんでもあり「全部のせ」状態で無節操に描かれたことに加え、「ゼロ・グラビティ」(2013)そのまんまの宇宙空間での船外活動アクションシーンも入れた、超特盛り状態であります(笑)

そんな中、妻と別居中で一人暮らしの天才科学者である主人公は、災害対応中に異性のヒロインとそこそこいい感じになりつつ、最後は「アルマゲドン」「ディープインパクト」同様、自らの「死」と引き換えに地球を救う・・・という大規模災害映画の王道パターンで大団円へと向かいます。主人公のキャラ設定からエンディングまで、見事に過去の話題作をあちこちトレースしている徹底ぶりです。

よって、基本的には真新しいところがほとんどなく、目の肥えたファンにとっては「うーん、これどこかで見たような展開だよね」と、なるのは仕方がないところでしょうか。独創性・新規性がなく、ストーリーに厚みがないため、「Rotten Tomatoes」等、アメリカの各評価サイトでの驚異の低評価は、まぁこれは致し方ないところでしょうね。

随所に工夫しようとした苦心の跡は見られたが・・・

もちろん、随所に工夫しようとしていた要素はありました。「ジョーズ」(1977)や「ダンテズ・ピーク」(1997)のように、災害対策が用意されていたとしても、そのシステムを運用する人間の未熟さ・愚かさが二次的に災害規模を大きくしてしまうという伝統的なテーマも盛り込まれていたし、「ザ・コア」(2003)のようにシステムを軍事転用する、悪意ある政府中枢の人間の陰謀を暴くというサスペンス的描写に厚みをもたせようとしていた点は、いちど内部レビューの酷評で崩壊しかけた映画製作を、頑張って立て直そうとしたんだろうな~と思わされる点でした。

リアリティを欠いたご都合主義的展開

しかし、やっぱりちょっとリアリティにかけた不自然な描写が多すぎましたね。なんとかストーリーを盛り上げようとするあまり、用意された演出やギミックが「ケレン味」を越えて完全に安っぽく、ご都合主義的になりすぎている点で、結構きつかったかも。

ツッコミどころを上げたら20、30では利かないのですが、代表的なところを上げてみると、たとえば、

・ジオストーム「カウントダウンタイマー」表示
→「ジオストーム」が何かすら誰もわかってないのに、突然「あと90分」でジオストーム発生・・・みたいなタイマーがカウントダウンを始めるのっておかしすぎますよね。失笑モノでした(笑)
・なぜか「ダッチボーイ」に自爆装置がついている
→絶対不要な機能でしょう!自爆しなくても、システムをシャットダウンすればいいだけなのでは??
・再起動しただけでウィルスが駆除可能?!
→普通、再起動しただけで治るのはウィルスとは言わないのでは・・・

といった、物語の根幹部分の仕掛けについて、適当すぎる設定がB級映画感を醸し出していましたね。僕も見ながら何箇所か失笑してしまいました・・・。

でも、楽しめないわけじゃない。個人的にはそれなりに満足した作品

さんざんこき下ろしておいて最後にフォローするわけではありませんが、だからといって鑑賞後にふつふつと怒りが湧いた・・・とかそういうことでもなく、個人的には結構楽しんで見ることが出来たと思います。

全編を通して、ほぼ全てがどこかで見た類型的な展開・演出に過ぎないのですが、映画館という大スクリーンで、最新鋭のCGを駆使した迫力映像を見るのはやっぱり楽しいですし、何と言ってもこれだけの災害描写は邦画ではまだ予算的・技術的に難しいからです。

すでに現実世界では見ることのできないスペースシャトルが、映画内ではいまだ現役で、しかも基地に数十機ならんでいるシーンは凄く壮観で、ちょっと上がりましたし、特に宇宙空間での一連のアクションシーンは個人的に好きでした。

また、なんだかんだで宇宙が大好きなオタクっぷりがおちゃめだったジェイクや、倉庫で寝泊まりするウーテ、最初意表を突いてまさかの「善人」なのか?と期待させて、やっぱり悪いのはお前か!と笑わせてくれたエド・ハリスなど、クスっとできる箇所がそこそこあって楽しめました。

本作は、リアリティやオリジナリティをとことん追求したい上級者にはキツい作品となりましたが、もしこれがディザスター映画初体験!という人や、B級映画的なご都合主義的展開を笑い飛ばせる人であれば、楽しめるポイントはかなりあると思います。(僕はそういう点で後者のタイプでした・・・)</p

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5.本作最大の見所である、ディザスター描写をピックアップしてみた

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

本作では、ダッチボーイの暴走により、ありとあらゆる自然災害が世界中で引き起こされました。どんな災害が引き起こされたのか、適当にツッコミを入れつつ簡単にまとめてみました。

5-1:大寒波(アフガニスタン・ムンバイ)

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

まず、映画冒頭では、猛暑の中、アフガニスタンの砂漠ある集落だけ、人間が瞬時に凍りつくほどの大寒波に見舞われました。自然現象としてはありえない局所的な異常気象から、ダッチボーイの不具合が疑われることになります。

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

そして、リオデジャネイロでは海水浴客でごった返すビーチに、突如として大寒波が襲来。海岸から逃げる間もなく瞬時に凍りつく海水浴客は、怒涛の火砕流で生きたまま人が焼かれた映画「ポンペイ」の大寒波版ですね。でも、「さすがにこれはありえんだろう!」と笑ってしまいました。

科学的根拠も何もない不自然な現象ですが、過去のブロックバスター系ディザスター映画にはない、現実離れした設定がそこはかとないB級映画感を醸し出します。

5-2:火山噴火・地震(香港)

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

つづいて、香港では繁華街の中心部から突如として大噴火。巨大断層が走るロサンゼルスの都心で噴火が起こる映画「ボルケーノ」へのオマージュでしょうか。落ちた卵がアスファルトで卵焼きになるシーンは結構笑えました。

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

そして、噴火により地盤がゆるくなった香港の都市部では、ドミノ倒しで高層ビルが大崩壊!こちらは、映画「カリフォルニア・ダウン」のビル倒壊シーンを想起させました。まぁ、やりすぎですよね(笑)

5-3:巨大竜巻(ムンバイ)

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

続いて、ムンバイで引き起こされたのは巨大竜巻であります。ただ、映画「イントゥ・ザ・ストーム」「ツイスター」のように竜巻に物が巻き込まれ、建物や森林がめちゃくちゃになっていくような詳細映像ではなく、とりあえずなんか黒い砂埃がくるくる回ってればいいんだろ、的なCGっぽい適当な映像に終止したのは少し残念。

5-4:巨大雹害(東京)

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

あれ、東京に雹が降るシーンって、「デイ・アフター・トゥモロー」でもやりましたよね・・・。場所から見て、恐らく銀座周辺のイメージしているものと思われますが、「デイ・アフター・トゥモロー」よりは東京の再現度は高かったと思います。ただ、こんなデカい雹って現実に降ったりするのかな?

▶「ジオストーム」東京災害シーン
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5-5:雷災害(オーランド)

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

黒幕である国務長官・デッコムは、大統領が演説を行うスタジアム内に雷を落とし、大統領を仕留めようと画策しましたが、サラの機転により計画は失敗。・・・というか、国務長官は大統領に付き添っていなきゃいけないのなら、自分自身も雷に巻き込まれる可能性があると考えなかったのでしょうか???

また、最終的にスタジアムに落ちた雷によって、スタジアムが爆発炎上していましたが、最初からスタジアムに爆薬でも仕込んであったの?って思えるくらい大爆発してましたね・・・

5-6:巨大津波(ドバイ・ロンドン)

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTubef:id:hisatsugu79:20180123104105j:plain
引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

そして、お約束の大津波です。見た目がわかりやすいからか、災害映画では、津波シーンは一番の出現頻度になります。でも、いつも災害映画見るたびに思うのですが、「ディープインパクト」「2012」「カリフォルニア・ダウン」をはじめ、どれもちょっと波高すぎじゃないですかね???(まともなのは「インポッシブル」くらいかと)ドバイなんかは、恐らくこのクラスの津波だと、国家全体が消滅するくらいだと思うのですが・・・ 

5-7.レーザービーム砲!(モスクワ)

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引用:GEOSTORM - CONTROL - YouTube

最後に、メチャ笑ったのが、モスクワを焼き尽くした高エネルギーレーザー光線です(笑)これって、すでに天変地異でもなんでもなくて、単なる通常兵器じゃないですか・・・。恐らく、通常時は出力を押さえた上でハリケーンなどに照射するために実装されたものと思われますが、こんな大出力で配備しなくても・・・

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引用:GEOSTORM - CONTROL - YouTube

まぁ、こういうやり過ぎ感も、本作に漂うそこはかとないB級感を醸成するのに一役買っているのは間違いありません(笑)

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6.映画「ジオストーム」に関する7つの疑問点~伏線・設定を徹底考察!(※強くネタバレが入ります)~

ストーリーや設定について、本作をより深く理解するために要点となりそうなポイントについて、考察や情報をまとめています。内容上、映画を1度見終わった人向けのコンテンツとなりますので、ここからはネタバレ要素が強めに入ります。予めご了承下さい。

疑問点1:主人公ジェイクはなぜ「ダッチボーイ」の管理の任を解かれたのか?

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

「ダッチボーイ」に対して開発の中心として携わったジェイクは、本番運用開始後も引き続きシステムの管理責任者として任命され、米政府の意向を受けて運営管理を行わなければなりませんでした。しかし、頑固者で事務的・官僚的手続きや上から縛られる不自由さが我慢できなかったジェイクは、度々米政府の承認・許可を得ずに現場での運用を行ったため、そのことを査問会で咎められたのです。しかし、査問会の場で、不機嫌そうな回答を繰り返し、査問担当の上院議員の心象を悪くしてしまい、ついには解任されてしまったのです。

疑問点2:主人公の弟、マックスは何者なのか?

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

マックスは、ジェイクの実弟で、政治家です。国務次官補という、アメリカでは外交・内政に渡り幅広い権限を持つ実質上の「No.2」国務長官のすぐ下で事務的な補佐を行う副官に任命されていました。そのため、大統領や国務長官のすぐ側で仕えつつ、ダッチボーイの管理責任者を請け負っていたというわけですね。

劇中でもあったとおり、兄、ジェイクとは水と油のような関係であり、政治家になる前から兄・ジェイクの起こした騒動を収めてきた「ブレーキ役」でしたが、査問委員会での一件以来、感情的な対立がピークに達して、兄弟仲が特に悪化したという設定でした。

疑問点3:気象コントロールシステム「ダッチボーイ」の意味とは?

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TRAILER 2 [HD] - YouTube

これは、19世紀後半にオランダ系アメリカ人メアリー・メイプス・ドッジが書いた児童文学小説「銀のスケート ハンス・ブリンカーの物語」8歳だったオランダ人少年、ハンスが、水が漏れ出している堤防の穴に自分の腕を突っ込んで一晩耐えて、オランダを大洪水から救い、オランダの英雄となったという一節から名付けられました。

気象コントロール衛星が、ハンスのように世界の気象崩壊への最後の救いの手となることを願って名付けられた、そのネーミングセンスはなかなかのものですよね。

疑問点4:黒幕:デッコムは何を企んでいたのか?

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TEASER [HD] - YouTube

国務長官・デッコムの野望は、「ダッチボーイ」にウィルスを仕込んで、世界の気象異常を悪化させることにより、「ダッチボーイ」の2週間後の国際機関への管理引き渡しをなかったことにすると共に、「ダッチボーイ」を気象兵器として使い、オーランドで大統領を落雷により殺害し、自らが大統領になることでした。

(だとしたら、なぜ自らもオーランドで大統領の側にいたのか、ウィルスで暴走したダッチボーイを止めるためのパスワードが大統領しか持っていないという事実をどう思っていたのか非常に気になるところですが・・・)

疑問点5:「ジオストーム」とは結局なんだったのか?

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TEASER [HD] - YouTube

結局、映画にて再現されなかったので、それがどれほどのインパクトでどんな災害だったのかは不明なままでした(笑)ただ、映画内で説明されたのは、「ダッチボーイ」の暴走によって、各地で起きた気象災害がピークに達した時、巨大な未曾有の「嵐」=「ジオストーム」が起きる・・・とだけさらっと触れられていましたよね。

前兆現象を見せるとか、ほんの少しでもいいので、「ジオストーム」が何だったのか映画内で表現してほしかったですね。

疑問点6:気象コントロール衛星ネットワークは実現可能なのか?

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引用:GEOSTORM - OFFICIAL TEASER [HD] - YouTube

本作で見られたように、中央制御システム「ダッチボーイ」と、地球を取り巻く何万キロにも及ぶ巨大気象衛星ネットワークですが、現状の技術力ではまず「ムリ」なようです。もし仮に構築可能だとしても、建設だけで50年はかかるのではないかと試算されています。

また、現在、人工的に気象を制御するために取り組まれている試みとしては、主に

◯大気中の二酸化炭素量を減らす実験
◯大気中に微粒子を散布し、太陽光を遮る実験

がありますが、いずれもまだ実用レベルには程遠く、はっきりした効果も出ていないようです。映画内のアフガニスタン・リオデジャネイロであったように局所的に天候を激変させるのもほぼ不可能であり、逆に、こうした人工的な気象操作が、却ってリアルな「ジオストーム」を引き起こすきっかけになる可能性まであるとのこと。

本作の楽しみ方としては、あくまで「もしも・・・」の近未来SFとして捉えて、フィクションとして楽しむのが良さそうですね。

疑問点7:ラストシーン・結末についての考察

「ディープインパクト」や「アルマゲドン」のように潔く自分の身を犠牲にダッチボーイを再起動し、崩壊するISSと運命を共にするかに思えたジェイクとウーテですが、その崩壊中に、射出されず近くに引っかかっていた気象衛星ポッドに乗り込み脱出を図ります。同じくスペースシャトルで地球へ帰還中だったアルがそれに気付き、二人の乗ったポッドをシャトルにドッキングさせて奇跡の生還を果たしたジェイク達。ラストシーンはジェイクの一人娘、ハンナを間に挟み、のんびり兄弟で釣りをするシーンで平和に終わっていきました。

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大爆発するISS。アメリカはいくら賠償金を払うのか・・・
引用:GEOSTORM - CONTROL - YouTube

しかし、ここでもそれまでの伏線が回収しきれてないのですよね。ジェイクがウーテと新たな恋愛関係に入るのか、妻とヨリを戻したのか不明ですし、マックスとサラのその後も省略されました。

さらに、崩壊したダッチボーイは、その後復旧したとのことですが、誰がどうやって再構築したんでしょうか・・・^_^;アメリカのやらかした大失態は、国の根幹を揺るがすほどの天文学的な賠償金問題へとつながっていくはずですが、そのあたりは全く触れられず(笑)

7.まとめ

結論としては、あまり深く考えすぎず、ゆったりとポップコーンを食べながら映画館で楽しむべき作品だと思います!B級感ただようストーリー展開を笑いつつ、CGの美しさ、壮大なスケール感を味わってみてくださいね。

それではまた。
かるび

8.映画をより楽しむためのおすすめ関連ディザスター映画を一挙紹介!

おすすめ1:「2012」

宇多丸の映画批評で「幕の内弁当みたいな」なんでもありの災害映画、と評されたように、大規模自然災害もの映画として、ローランド・エメリッヒ監督があらゆる災害シーンを全部のせして制作した超大作。CGを多用した映像、大味なストーリーと、この手の災害映画を典型的に特徴づける作品で、行き着くところまでやり尽くした感がありました。

おすすめ2:「イントゥ・ザ・ストーム」

「竜巻」に特化した映画。竜巻ハンター、ユーチューバー、地元住民が入り乱れる群像劇として描かれましたが、竜巻シーンの超リアルな描写や、かなりしっかり描けているバックストーリー、POV(主観)視点映像を上手くMIXさせた工夫が素晴らしく、「竜巻映画」では現状No.1だと思います。

おすすめ3:「アルマゲドン」

名も無き市民が、その仲間と共に宇宙空間へと送り込まれ、地球に差し迫る巨大彗星へと対処するヒロイックなストーリー。主人公が自らの命と引き換えに英雄的な行動で地球全体を救う・・・というプロットや、ハードロック系ミュージシャンが主題歌やサントラを担当する流れは、その後様々な後続の災害映画で嫌というほど見ることになりました。災害映画の一つの形を作った作品。

おすすめ4:「カリフォルニア・ダウン」

津波・火山噴火・地震など、複合的な自然災害描写が最新のCG技術を使ってリアルに描かれます。興味深かったのは、本作では名も無きヒーローが地球(アメリカ)を救う・・・という話ではなく、ドウェイン・ジョンソン扮する主人公が徹頭徹尾「家族のため」だけに行動する点です。他に苦しんでそうな人々は完全無視(?)して、仕事も全部放り出して家族のためだけに奔走する割り切り描写は「新しい」と思いました。

おすすめ5:「ボルケーノ」

1990年代に制作されましたが、火山噴火モノでは、未だにこれがNo.1だと思います。市街地で大噴火が起き、街中がパニックになる中、トミー・リー・ジョーンズ率いる災害特命チームが、勇気とアイデアで街を救う話。マグマが生活空間のすぐ側でぐつぐつ燃えたぎる恐怖感をはじめ、人々のパニック描写や混乱した状況が非常にリアルに描けている傑作。