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あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

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【ネタバレ有】映画「ひるなかの流星」感想とあらすじ・伏線の徹底解説/王道のラブコメ青春ストーリー!

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かるび(@karub_imalive)です。

3月24日に封切られた青春ラブコメ映画「ひるなかの流星」を見てきました。イケメン教師と生徒でフツーの女子高生を取り合うという、女性目線での理想的な(?)ラブストーリーでした。EXILEファミリーが主役で、かつ、春休み上映ということもあり、観客の9割以上が女性で占められて非常に肩身が狭い中、ガッツリ朝イチから見てきました!(スイーツ映画大好きだし・・・)

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

1.映画「ひるなかの流星」の基本情報

<映画「ひるなかの流星」公式予告動画>

動画がスタートしない方はこちらをクリック

【監督】新城毅彦(「四月は君の嘘」「潔く柔く」他多数)
【配給】東宝
【時間】119分
【原作】やまもり三香「ひるなかの流星」(全12巻+外伝1巻)

原作12巻分を、コンパクトに過不足なく凝縮して上手くまとめています。原作からカットされたエピソードや主要登場人物もいますが、基本は原作で描かれたストーリー通りの展開でした。主役達の頑張りもあって、世界観はきっちりと維持されていたように思います。

2.主要登場人物とキャスト

原作ではサブキャラもたくさん出ていたのですが、映画では主演の3人+ゆゆか+すずめのおじさん以外は出演していますが、ほぼモブキャラ同様の扱いでした。時間の制約から、徹底的に三角関係を見せることに絞ってきています。でもこの徹底的な絞り込みのお陰で、一つ一つの行動に気持ちが揺れ動くすずめの心情表現がすごく生きて来ています。

与謝野すずめ(永野芽郁)f:id:hisatsugu79:20170325023939j:plain

2015年、実写版「俺物語」のヒロイン役に抜擢され、そのスマッシュヒットで注目を浴び、今年は「ひるなかの流星」の他に、「帝一の國」「ピーチガール」など立て続けに主演クラスでの映画出演が決まっている永野芽郁。

原作でのキャラ設定どおり、田舎から出てきて垢抜けない風貌に、ピュアで実直な憎めないキャラクターを時にはコミカルに、そして大事な部分ではシリアスに演じ分けます。思っていたより100倍演技が上手でびっくりしました。将来本物の女優に成長する大器だと思います。

馬村大輝(白濱亜嵐)
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主演が決まってから、EXILE仕様から普通の高校生らしい雰囲気を出すため、トレーニングをやめて筋肉を落とし、食事制限をして日焼けサロンに通うのをやめたという面白逸話がパンフレットに!劇場初日だったからなのか、彼のファンがかなり詰めかけている印象でした。演技は思ったより良かったかも。少しSで不器用なニュアンスはよく出せていると思います。

獅子尾五月(三浦翔平)
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原作での先生らしからぬ「軽さ」や、肝心なところで自分から逃げる弱さはよく出ていたと思います。あまり感情を表に出さず、心情を表現しなくてはならない役どころですが、ちゃんと心情は伝わる演技になっていました。

猫田ゆゆか(山本舞香)
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すずめに好意を抱く馬村にヤキモチを焼き、最初は悪役的な存在ではじまり、すずめと仲良くなってからは力強い味方になる役どころ。原作に忠実なセリフが多いのですが、演技力にかなり問題がありました。このテイクでよくOK出したなと思うようなセリフがいくつもあって、頻繁にイライラさせられます。もう少し練習してから演技してくれ・・・。ただ、見た目はモデル上がりということもあり主役より確実にスペックが上に見えます(笑)

熊本諭吉(佐藤隆太)
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すずめの叔父。バングラデシュに旅立ったすずめの父にかわり、実質上父親としてすずめの保護者となる役どころ。獅子尾先生の前に立ちはだかります。

その他、原作ではそれなりのポジションとして描かれる仲良しグループの猿丸、犬飼、亀吉、鶴谷などはほぼモブキャラに近い扱いで、いずれも無名の新人さんでしたのでここでは割愛します。

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3.結末までの詳しいあらすじ(※ネタバレ注意)

3-1.東京での新生活と獅子尾先生への初恋

与謝野すずめは、高校2年生。この春から、急遽東京の叔父の家に居候することが決まり、実家から叔父、熊本諭吉の家へ上京するところだった。実家の父母が仕事で突然バングラデシュに赴任することになったためだ。

最寄り駅の吉祥寺駅で降りたが、すずめは東京の町や人並に圧倒されていた。地図を見ながら叔父の家を目指したが、敢えなく道に迷ってしまう。困り果てて井の頭公園の側まで来た時、すずめは空に流れ星を見たような気がした。そして、それまでの疲れが出たのか、その場で目を閉じて眠りに入り、後ろに倒れ込んでしまった。

ちょうどその場を通りかかったのは、獅子尾五月。叔父の諭吉とは大学時代の知り合いで、眠ってしまったすずめを諭吉の家に運び込んでくれたのだ。

すずめが目を覚ますと、叔父の諭吉が抱きついてきた。ついで、獅子尾と初めて会話を交わすと、獅子尾から「ちゅんちゅん」という変なあだ名をつけられてしまった。その日は、腹いっぱい食べて、翌日から早速学校に通うことになった。

翌日、すずめが登校すると、なぜか学校に獅子尾がいた。なんと、獅子尾はすずめの高校の世界史の教師であり、すずめのクラス担任だったのだ。慣れないすずめに対して学校で親切にする獅子尾。

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すずめは、早速クラスで自己紹介を済ませると、最後列の自分の座席へと移動した。授業が始まったが、教科書をまだ持っていなかったので、横の席の馬村大輝に見せてもらったが、赤くなってきちんと会話にならない。

昼休みになった。初日で友人もいないすずめが、屋上で一人昼ごはんをたべていると、獅子尾がフォローにやってきた。徐々に獅子尾に対して好感度がアップするすずめだった。

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放課後、すずめは下駄箱のところで馬村と出くわした。馬村に教科書のお礼を言いつつ、友人になってほしいと手を差し出したが、馬村は恥ずかしそうに答えるのだった。

翌朝、登校時にすずめは馬村を見つけ、色々話しかけていると、周りの男子が騒がしくなった。馬村が女子と話をするなんて滅多になかったことだからだ。馬村に密かに思いを寄せる猫田ゆゆかは、すずめを近日中に開かれる「移動教室」自分たちのグループに誘い出した。こうして、すずめは少しずつ東京での友人が増えていった。

移動教室の日。渓流釣りが一段落した後、ゆゆかから薪小屋へ集合指示がかかっていると教えられたすずめは、一人山間の薪小屋へと移動したが、方向音痴なすずめは見事に迷ってしまう。しばらくすると、馬村がついて来てくれた。

馬村と一緒に下山して宿舎へ戻る途中。ガケから落ちたり雨に降られたりして、すずめは疲れから発熱してしまう。山小屋で雨宿りし、雨がやんだちょうどその時、獅子尾がすずめのところへかけつけてくれた。すずめが次に目が覚めると、宿舎の部屋の中に獅子尾と二人きりだった。獅子尾は、部屋の電気を消すと、部屋の中にホタルを放ってすずめを元気づけてくれたのだった。

数日後、すずめはゆゆかの移動教室での不誠実な言動を確かめようと、体育館に愉々家を呼び出した。どうやらゆゆかはすずめに馬村を取られてしまうと思ったらしく、あのようなことをしたのだという。つかみ合いの乱闘になったが、そこを馬村たちに見られてしまい、すずめは急遽機転をきかせて、レスリングの練習中なのだとごまかした。それ以来、打ち解けた二人は親友になった。

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その日の放課後、ゆゆかはすずめにファッションの意識改革をすべく、化粧や髪型をセットしていた。まるで別人のように可愛くなった自分の姿を見てとまどうすずめ。教室で一人カーテンにくるまっていると、そこへ獅子尾が現れた。獅子尾はすずめの垢抜けた格好を見るなり、固まってしまい声が出なかった。そして、すずめは、この日、獅子尾に恋したことをハッキリ自分で自覚した。

3-2.獅子尾先生への告白、失恋

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しばらくした休みの日。思いがけなく、すずめは叔父の家を手伝っていたところ、獅子尾もやってきて、手伝うことになった。二人は、食材の買い出しを楽しみ、思わぬ初デートとなったのだった。そんなすずめの変化を、ゆゆかは目ざとく気づいていた。

2学期も終わりに近づき、クリスマスパーティの時期がやってきた。すずめたちも、いつものメンバーで諭吉の家に集まり、クリスマスパーティを行った。ゆゆかから、先生も後でパーティに呼べ!とアドバイスを受けたすずめがLINEで獅子尾にメッセージを送ると、翌日が修了式で残業が立て込んでいる獅子尾からは、一旦断りのメッセージが来た。

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パーティが終わると、すずめは、後片付けのため2次会に参加せず帰宅しようとした。そこへ、馬村も付き添ってくれた。馬村と駅前のイルミネーションを見ながら、獅子尾への思いを馬村にも打ち明けたすずめ。今日が誕生日だというすずめに、馬村はその場で自分の巻いていたマフラーをプレゼントした。

その時、獅子尾からLINEが入り、仕事が終わったので叔父の家で急遽会うことになったすずめ。馬村と別れて、獅子尾に「寿司柄のネクタイ」をプレゼントした。獅子尾からは、水族館のチケット2枚をプレゼントとしてもらったすずめ。翌日、仕事が終わったらすずめと一緒に行こうと誘い出した。

諭吉は、外出先から戻ってくると、夜遅くまで二人きりでいる獅子尾とすずめの姿を見つけ、諭吉は獅子尾を問い詰め、責任ある大人としての行動を取るよう、獅子尾に強く自制を促すのだった。

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翌日、朝早くから馬村は獅子尾を待ち伏せしていた。「生徒をたぶらかしてんじゃねえよ」と馬村は獅子尾に抗議したが、獅子尾は馬村を軽くいなすのだった。

そして、放課後。昨日良い雰囲気になれたこともあり、すずめは職員室で獅子尾に告白した。しかし、獅子尾からは「ごめん、好きじゃなかった」と返され、昨日のイヴでの良い感じから、急転直下振られてしまったのだった。

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傷心で下校しようとしたすずめを下駄箱の前で呼び止めたのは馬村だった。馬村の前で思わず泣いてしまうすずめ。そして馬村は、すずめに「俺を好きだったら良かったのに」とその場で抱きしめた。悪いことに、その場面をゆゆかが見ていたのだった。獅子尾には振られ、ゆゆかには誤解され、すずめは後悔と悲しみで心がぐちゃぐちゃのまま帰宅した。

3-3.すずめの新たな恋

正月になった。バングラデシュから一時実家へと帰国するという母のスケジュールに合わせ、すずめは、思い切って実家に一旦帰ることにした。そして、新年度が始まったが、すずめは東京に戻らなかった。戻る気がおきなかったのだ。

そして、とうとう新年空けて2週間経過する頃、心配した馬村とゆゆかがすずめの実家までたずねてきてくれた。ゆゆかとは仲直りし、馬村からも戻ってこいと諭され、すずめは気持ちを入れ替えて東京に戻ることにした。新年最初の登校日、すずめは気持ちを強く持って獅子尾にも挨拶をした。少しずつ心を整えていこう、そう決意したすずめだった。

そして迎えた高3の春。獅子尾も担任を外れ、すっかり会わなくなったが、代わって馬村の存在がすずめの中では確実に大きくなっていた。1年生の中で、馬村の追っかけができるほど馬村は人気になっていた。

1年生を追い払うため、すずめは馬村のニセカノを務めることになった。馬村は、獅子尾の前で「もう俺たちつきあっているから近づくなよ」とすずめを抱き寄せてみせるのだった。

ニセカノごっこが終わり、1年生が寄って来なくなると、馬村はお礼にと、すずめを水族館に誘い、その帰り道に2度めの告白をした。すずめは、その場では上手く答えられなかったが、翌日朝、馬村の気持ちに答えたいと強く思えるようになったので、学校に行く前に馬村の家へ行き、「私と付き合ってください」と馬村に回答した。馬村も「これまで以上に大事にします」と優しい顔になった。

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馬村と付き合うようになってからしばらくして体育祭があった。体育祭の小道具係になったすずめは、馬村に手作りの鉢巻をつくることにした。それをじっとみていたのは、小道具係をまとめる担当になった獅子尾だった。しばらくぶりだったが、突然後ろから抱きしめられドキドキしてしまうすずめだった。

体育祭当日、チーム別対抗リレーのアンカーに、奇しくも馬村と獅子尾が同じ順番で出走することになった。すずめの見ている前で、闘志をたぎらせる二人。二人は夢中で競い合ったが、馬村がほんの少し先着した。

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「がんばれ」と小さくつぶやいたすずめだったが、果たして誰に向けての言葉だったのか、自分でもわからなかった。

期末試験が終わると、受験に向けた高原での特別合宿が開催された。すずめも、馬村を誘って申込を済ませた。体育祭の日以来、どうもぎくしゃくしていた馬村とすずめだったが、合宿でも今ひとつ改善しなかった。

そこへ、急に叔父の諭吉から獅子尾が事故にあったとの連絡があった。心が落ち着かないすずめに対して、馬村は決然と獅子尾の元にすずめを送り出した。中途半端な気持ちではいやだったからだ。

すずめは、急遽病院へ行くと、獅子尾は検査の結果大事には至らなかった。改めて獅子尾はすずめに「すきだ」と告げたが、すずめは「今大切にしたい人は先生じゃない」と獅子尾に告げ、再び合宿所へ戻るのだった。

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翌朝、一人湖畔の前でたそがれていた馬村の前に、すずめが走って飛び込んできた。すずめは、「私、馬村が好きだよ」と告げ、ふたりはその場でキスをして結ばれたのだった。馬村は、流星のような輝きはないけれど、いつでもそこにいてすずめを見てくれていた、「ひるなかの星」だったのだ。

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4.感想や評価(※ネタバレ有注意)

4-1.シンプルな「恋愛」だけの青春ラブストーリーが潔くて良い!

本作は、イケメン教師とイケメン男子と主人公が出会い、三角関係の末に、主人公が先生か友達のどちらを取るか、という純粋な恋愛モノでした。ストーリーに強力なフックを作り出す「タイムループ」も「記憶障害」も「重病」も「事故」も全く出てきません。

主人公たちは、お互いに「なんで私/俺のことを好きになったの」と相手に聞きますが、主役は3人とも「はじめて会ったときから、なんとなくいいなと思ってた」とか「他の人とは違う何かを感じた」と、それほど明確に好きになった理由も強く明かされません。

クリスマスパーティで告白したり、野外イベントで道に迷って雨に打たれ風邪を引いたり、本当にオーソドックスなストーリー展開なのです。

にもかかわらず、結構面白かった!

平凡な高校生活の日常行事の中で三角関係が発展し、最終的にお互いの気持ちをしっかり伝えあえるようになるまでのプロセスを描くだけで、ちゃんと甘酸っぱい感じの青春ラブコメに仕上がるのだな、と感心しました。

4-2.面白さの源泉は、主役の永野芽郁の抜群の存在感だった

特にストーリー上これは!という画期的な仕掛けやひねりがないのに、なぜ結構楽しめてしまったのでしょうか?

キャストにしても、事前に見た予告動画の雰囲気だと、三浦翔平と白濱亜嵐は良いとして、ヒロイン役の永野芽郁のパッと見の印象は、「あんまり可愛くないな~」、まだ17歳だけどちゃんとやれるのかな?というものでした。

ですが、映画が始まってみると、永野芽郁の演技が素晴らしかったのです。主演の三浦、白濱よりもしっかりと存在感を放っていました。喜怒哀楽がハッキリと表情に出るし、動いている姿はなんとなく小動物みたいな可愛さがあります。

そして、演技がも細やかで非常に上手。原作の雰囲気に合わせたコミカルな演技は良かったし、感情表現や細かい動きも非常に丁寧で自然でした。

たぶん、この永野芽郁のメリハリの効いたしっかりした演技のおかげで、すんなり映画に入っていくことが出来たのかな、と思います。映画内のキャラクター、与謝野すずめと実年齢が同じ若干17歳ながら、素晴らしい演技力です。

映画公開直前で収録されたインタビューを幾つか読んでみると、「今年はお芝居がしたい」「お芝居を頑張りたい」と、彼女には女優業への強いこだわりや、職人魂のようなものを感じます。顔の造形も声質も能年玲奈(のん)に似ているので、シリアスな演技から三枚目役まで、オールラウンダーとして幅広い配役にはまりそう。

今年ブレイクしそうな10代女優として結構名前を聞くようになりましたが、この映画の屋台骨を支えていたのは間違いなく永野芽郁の演技力や存在感だったと思います。次回作も凄く見てみたくなりました。

4-3.繰り返し描かれる3人の関係

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本作では、主人公のすずめ、獅子尾先生、馬村の3人の関係は、最初から最後まで変わりません。その中で、すずめの「選択」が変わることにより、ストーリーが動いていきます。すずめにとって、獅子尾先生は「あこがれの存在であり、白馬の王子様」ですが、馬村は「いつもそばで支えてくれる同志」でした。この不変の構造が、主人公のすずめ目線で何度も何度もシチュエーションを変えて繰り返し描かれます。例えば、、、

◯夏の移動教室ですずめが遭難した時
馬村=ずっとすずめに付き添い、すずめの横にいた。
先生=夜になってから、すずめを助けに現れた

◯クリスマスパーティの夜
馬村=先生からすずめに連絡が入るまで、ずっとすずめの横にいた。
先生=残業後になって現れ、プレゼントを渡した

◯正月、すずめが実家に帰った時
馬村=すずめを迎えに、実家までわざわざ迎えに来てくれた。
先生=何もしなかった

◯クライマックスシーン
馬村=一緒に高原合宿にでかけ、すずめの横にいた。
先生=ケガをして入院し、すずめを呼び寄せた

立場の違いがあるにせよ、冷静に列挙してみると、これでは先生には勝ち目はありませんよね(笑)だんだん先生は酷くなっていく(笑)

夏の移動教室、冬のクリスマスパーティでは、獅子尾先生というあこがれの存在に目がくらんで、馬村の良さに全く気づかなかったすずめ。しかし、4度も同じシチュエーションを繰り返すと、さすがに自分にとって大事な存在なのはどちらだったのか、自然と結論が出てくるのですね。

4-4.自分の気持ちをきちんと伝えることが相手を思う最大の誠意だということ

今作のように、恋愛感情も複雑にからんだ人間関係の中では、しばしば相手の気持ちや好意にどうしても応じてあげられない状況は往々にして発生しがちなもの。本作ではそれに対して「YESであれNOであれ、自分自身の気持ちを正直にきちんと相手に伝えること」が一番の誠意である、という解答が示されています。(クライマックスシーンで獅子尾先生が自分自身のセリフとしてハッキリ言う)

最初にすずめが馬村を振るシーンでも、馬村がゆゆかを振るシーンでも、しっかり相手に対して誠意を持って「NO」を回答しています。劇中で、唯一(一度は)不誠実だったのが獅子尾先生でした。すずめの決死の告白をきちんと受け止めず、本心をごまかして立ち去ってしまいます。

本作は、予告編だけ見ると、主人公は受け身でいても、イケメンが次々に都合よく告白してくるといった、中高生向けのラノベによくありがちなペラい「逆ハーレム」に見えてしまうのですが、中身は意外に骨太でした。毎回周りの恋人候補の言動に動揺し、悩み抜き、その都度絞り出すように相手に自分の「ことば」を伝えようとするすずめや馬村の真摯さ、実直さが非常に印象的で良かったです。

5.伏線や設定などの解説(※ネタバレ有注意)

5-1.タイトル「ひるなかの流星」の意味とは?

「ひるなかの流星」とは、流れ星が文字通り昼間に見える流星のことで、十分にその流れ星が明るい場合、昼間でも実際に見えることがあるそうです。

すずめは、実家に住んでいた時小学校4年生の時に、熱を出して家へと早退する途中で初めて「ひるなかの流星」を見ますが、東京への上京時、湖の畔で、もういちど流星を見ることになります。

すずめにとって、この2度目の流星は、獅子尾先生の登場を暗示するものでした。ただ、「ひるなかの流星」は、ぱっと光ってあっという間に消えてしまうもの。つまり少女の初恋みたいなものでもあるわけです。

ストーリー終盤で、最後にすずめは馬村を選ぶわけですが、馬村は、すずめにとっていつも身近で安心させてくれる存在でした。それは、例えて言うと、光は弱く、昼間もすぐそこに気づかれることはないかもしれないけれど、いつも必ず空に出ている「ひるなかの星」だったのですよね。

ちなみに、原作では4巻でまだ友達同士の時、夜に流れ星を見かけます。馬村とわかりあえたとすずめが実感した時、それを象徴するかのように流れていきました。

5-2.運動会での馬村と獅子尾の競り合いがストーリーを予言している

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クライマックス直前の運動会のシーンで、馬村と先生がリレーのアンカーとして競り合うシーンがありました。すずめから見ると、ヒロインは客先で高みの見物と、逆ハーレム的な旨味爆発なわけですが(もちろんすずめは素直なのでただドキドキしているだけでしたが)よく見てるとこの二人の競り合いが、そのまますずめとの距離感を暗示しているのですよね。

バトンが渡ってからしばらくは、獅子尾先生が中盤までリードしていますが、それを猛然と追った馬村が逆転します。そこで、一旦馬村が引き離そうとしますが、先生も食らいついて追いすがります。でも、やっぱり最後の直線で馬村が先生を引き離したところでゴールとなりました。

これって、あとから映画を振り返ってみると、映画の展開そのままだっだなぁと。細かいところまでちゃんと詰めているものだなと関心しました。

5-3.馬村はなぜ女性が極端に苦手なのか?

映画内でもサラッと触れられていましたが、マンガ原作でより詳細に理由が描かれています。馬村は元々幼少時から、内向的で母親くらいしかまともに話せる相手がいませんでした。そんな馬村を母親も当初はよくかわいがっていました。

しかし、母親が会社の上司と不倫の末、駆け落ちして子供3人を置いて家を出ていってしまいます。それ以来、馬村は女性不信に陥ってしまい、いつのまにか女性と上手く話せなくなってしまったのです。

ちなみに、映画中なんども馬村が赤面するシーンがありましたが、あれはあとから明らかにVFXで色をつけていますね。。。

5-4.原作から削除された主要登場人物

◯つぼみ(獅子尾先生の元カノ)
獅子尾先生には、大学時代につきあった、つぼみという5歳上の元カノがいました。この元カノが、一度は本格的にストーリーに絡みつつ、後半までしぶとくサブキャラで出てきます。

◯やすお(実家での幼馴染の男子)
第1話で名残惜しそうにすずめを送り出し、番外編で東京に出て来てすずめに会いに来る3枚目。すずめが好きなようだが、当然ながら全くすずめには意識すらされていない。
◯皆川土牛(学校の1学年上の先輩)
4巻で初登場のときはキザでナルシストなウザキャラかと思いきや、巻数を経る毎にちょくちょく出てきては一途にゆゆかにアプローチし続け、最終的に付き合うことになった根性のあるところも見せた。

6.まとめ

決して派手な設定もなく、ベタベタとセリフで全部説明されるわかりやすい展開なので、目の肥えた映画ファンにはやや物足りない面もあるかもしれません。ですが、シンプルだけど主演のすずめ役の永野芽郁の好演もあって、少なくとも女性目線ではキュンキュンと楽しめる青春ラブコメに仕上がっていると思います。

スイーツ映画好きな僕としては、結構満足度の高い良作でした。原作と一緒に、是非どっぷり「ひるなかの流星」の世界にハマってみてくださいね。

それではまた。
かるび

他にもレビュー書いてます!
【映画レビュー】2017年3月現在上映中映画の感想記事一覧

7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

マンガ原作「ひるなかの流星」

映画で楽しめた人は、是非この機会にやまもり三香のマンガ原作「ひるなかの流星」を試してみてください!120分の映画に入り切らなかった様々なエピソードやマンガオリジナルの登場人物が出てきて、ストーリーを盛り上げます。特に、映画では省略された夏祭りや文化祭、初詣、海水浴など、これでもかと学園ラブコメで登場するお約束的なイベントがきっちりと描かれます。3/31までKindleで無料お試し版が読めます。

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映画「ひるなかの流星」ノベライズ

映画作品の忠実なノベライズ。映画の予習復習にぴったりだし、映画では伝えきれないセリフとして「言語化」できない詳細な心情変化も簡潔ながらしっかりと描かれています。映画本編で泣けた人は、ノベライズでも2度泣けるはず!!

ひるなかの流星 まんがノベライズ特別編 ~馬村の気持ち~

マンガ原作をそのままに、馬村の視点でストーリーをダイジェスト的に描きなおしたジュブナイル小説。小学生高学年から楽しめるように、若干セリフなどがわかりやすく置き換えられていますが、作品を違った視点から楽しめるので面白いです。何気にAmazonでかなり売れているらしい(笑)