あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

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祝開館!混雑注意!すみだ北斎美術館のオープン初日「北斎の帰還展」に行ってきました!

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【2016年11月24日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

僕の地元、両国に新しい美術館「すみだ北斎美術館」が11月22日にオープンしました。様々な問題がある中、紆余曲折を経て、構想から数年がかりでようやく開館にこぎつけることができました。

江戸東京博物館に続き、自転車で10分弱の距離にできた美術館。これはいかねば!ということで、早速行ってきましたので、以下レポートを書いてみたいと思います。

1.すみだ北斎美術館とは

<すみだ北斎美術館公式動画>

動画がスタートしない方はこちらをクリック

すみだ北斎美術館は、2016年11月22日にオープンした、日本で「葛飾北斎」をテーマとした浮世絵や日本画の専門美術館です。墨田区が30年来かけて進めてきた一大事業として、日本各地から有志やコレクターの協力を得て建てられました。

場所は、JR/地下鉄大江戸線両国駅から徒歩7分程度の好立地。葛飾北斎が生まれ暮らした本所割下水に建設されました。

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外観はかなり派手で、近未来的な感じ。世界的に有名な建築士、妹島和世氏の設計です。エントランスでチケットを買ったら、一旦4階まで上がってから、階段を降りながら展示を見ていくような動線になっています。f:id:hisatsugu79:20161122172640j:plain

ちょうど横には、遊具も充実した緑町公園も併設されているので、子供連れで来ても遊ばせるスペースがちゃんとありますよ。f:id:hisatsugu79:20161122172840j:plain

また、1F部分にはそれぞれ図書室、グッズ販売コーナー、小ホールなどがありました。

図書室内は撮影禁止なので、外から外観だけ。葛飾北斎や浮世絵、日本画についての蔵書や、過去の展覧会の図録などが揃っています。f:id:hisatsugu79:20161122180113j:plain

講習会や地元の趣味の集まりなどで使えそうな会議スペース。ブロガー内覧会などもやってくれたら嬉しいなぁ。f:id:hisatsugu79:20161122180247j:plain

お祝いの花もたくさんきています。地元墨田区の企業が多いように思います。f:id:hisatsugu79:20161122180400j:plain

そして、こちらがグッズコーナー。オープン初日なので、飛ぶように売れています!f:id:hisatsugu79:20161122180801j:plain

ちょうど、地元の東京MXテレビのYoutube公式でマスコミ向けの内覧会を18日取材した動画が上がっているので、これが一番わかり易いかも。

<美術館の様子(東京MX)>

動画がスタートしない方はこちらをクリック

2.オープン初日の混雑状況

小規模な美術館だし、まぁ大丈夫だろう・・・と思っていたら、予想外にチケット購入の列が混雑していました。僕が行ってきた午前11時30分で、約15分待ち。会館を出た14時には、30分待ちくらいになっていました。f:id:hisatsugu79:20161122172935j:plain

美術館1Fロビーにスペースがないこと、不慣れな受付のオペレーションなども重なり、恐らく年末年始あたりまで、土日は大混雑するものと思われます。

上記写真のプラカードには「お手持ちのチケットをご用意下さい」と書かれていますが、事前に企画展のチケットを持っていけば、並ばず入れます。ただし、プレイガイドやコンビニでは販売していていないので、現状では素直に並ぶか、時間をずらして入場するのが良いと思います。(ただ、許容範囲を超えて人が来たら、チケット購入だけでなく、入場制限がかかる可能性もあるかも) 

3.構想30年、所蔵点数は約1800点

すみだ北斎美術館の建設が最初に墨田区で構想されたのは、今から27年前の1989年。墨田区にランドマーク的な文化遺産をまとめるハコものを作ろう!ということで、「北斎館」(仮称)という名称で、計画が進められていきました。

以来、為政者が変わっても粛々と計画は進められ、約20億円をかけ、開館までに約1800点もの多数の北斎作品等のコレクションを収集していきました。

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(引用:http://ose.blog.so-net.ne.jp/2015-01-24

集められた作品は、北斎やその弟子、同時代の浮世絵師などの日本画作品を中心に、その収蔵品は、大きく3つのコレクションに分かれます。

コレクション1:ピーター・モース コレクション
1993年、来日中に急逝した北斎の世界的なコレクターとして有名な同氏の遺族の意向を受け、その大半のコレクションを買い取り、収蔵品としました。

コレクション2:楢崎宗重コレクション
さらに1995年には、浮世絵研究の第一人者、楢﨑宗重氏のコレクションを加えたのが二つ目の柱。

コレクション3:墨田区が独自に買い付けたその他のコレクション
そして、その間も個人や閉館された美術館から墨田区がコツコツ買い付けを進めてきた独自のコレクションが3つ目の柱です。今回の展覧会「北斎の帰還」展のメインで出展されている「隅田川両岸景色図巻」は、圧巻の出来でした。

次回企画展では、いわば、すみだ北斎美術館の功労者であるモース氏と楢崎氏をフィーチャーしたコレクション展が企画されています。

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4.展示の内容

すみだ北斎美術館は、小規模館ながら、常設展示コーナーと企画展示コーナーの2つのセクションがあります。それぞれ部屋は独立していますが、基本的には企画展示のチケットで両方入ることができます。

4-1.常設展示コーナー

エレベーターで4Fへ上がると、左手に常設展示コーナーがあります。企画展チケットで入れるのは当日限り。ここでは、数点の写真撮影不可の作品を除き、全展示撮影OKとなっているのは嬉しいところです。f:id:hisatsugu79:20161122183637j:plain

北斎の画業を年代別に振り返る展示を中心に、浮世絵の作り方や北斎のアトリエ(想像図)、家系図など、コンパクトに良い感じでまとまっています。代表作「神奈川県沖浪裏」「凱風快晴」なども撮影OK!

富嶽三十六景「凱風快晴」f:id:hisatsugu79:20161122175819j:plain

解説展示「錦絵ができるまで」f:id:hisatsugu79:20161122181610j:plain

タッチパネルを触って理解を深める展示も!f:id:hisatsugu79:20161122181742j:plain

リアルな北斎の作業場模型f:id:hisatsugu79:20161122183349j:plain

質素な長屋で娘、お栄と二人で名作を次々と生み出していたのですね。非常に精巧に造られた模型で、実際に手のあたりが動いています。

4-2.企画展「北斎の帰還展」

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開館こけら落としの企画展「北斎の帰還」展の主役は、長らく行方不明となっており、100年ぶりにオークションで墨田区が競り落とし、日本へと帰還した長大な肉筆画の絵巻物「隅田川両岸景色図巻」です。

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(引用:今月22日に開館 「北斎美術館」目玉は“幻の絵巻”

洋風の遠近法を駆使し、両国橋から上流に遡り、吉原近辺にかけて(今の隅田川河口4km付近~10km付近)両岸の風景を写実的に描写した長大な絵巻物です。その長さは、約7メートル。北斎の手がけた作品中では最大の作品となります。

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(引用:今月22日に開館 「北斎美術館」目玉は“幻の絵巻”

北斎は、琳派風の肉筆画から、春画、浮世絵まで幅広くこなした器用なアーティストではありましたが、こんな洋風の絵巻物まで手がけていたとは知りませんでした。詳細まで丁寧に描きこまれており、見応えがある作品です。

その他、膨大なコレクションから肉筆画(花鳥画や仏画など色々)、版画、版本、摺物まで幅広く120点ほど出展されています。状態は飛び抜けていいわけではありませんが、バラエティに富んだ作品群は、いわゆる一般的な浮世絵師「北斎」というステレオタイプなイメージを壊してくれる面白い展示だと思います。

5.展示品はよかったけど、運営上の課題はまだまだ山積

常設展示や、企画展の展示物は非常に良かった反面、開館当初だからなのかその運営にはまだまだ課題がありました。

列挙してみると・・・

  • チケット購入者が捌ききれず、建物の外まで長蛇の列になってしまう
  • 部屋を移動するたびにチケットを見せないといけない面倒な動線
  • 2F~4Fの螺旋階段が狭くてすれ違いが危ない
  • 1F⇔2Fを移動する階段がなく、エレベーターでしか移動できない
  • トイレにウォシュレットがない(男性だけ?)
  • 企画展の音声ガイドが用意されていない
  • 海外観光客向けの多言語展示対応が不十分
  • ブログの更新が止まっている
  • TwitterやFacebookを効果的に使い切れていない

結構ありますね(^_^;)

そして、もう一つ。美術館に来たゲストが休憩できるカフェが併設されていないこともやや残念でした。展示を楽しんだ後、美術館オリジナルの軽食を頂いて、楽しい思い出を記憶にとどめて帰りたいところですが、見終わったらさっさと出ていかないといけないのはちょっと寂しい感じ。

せめて施設の周りに、提携できそうな受け皿になるカフェができればお客さんの満足度も上がると思いますが、現状ではそれもなく、展示を見終わったお客さんはストレートに両国駅前に帰るしかありません。それは、地域活性化の観点からも、もったいないのではないでしょうか?

すみだ北斎美術館は、運営準備段階から入札不調などコスト面で苦しんできましたし、開館後も、年間約1億円程度の赤字基調を見込むことから、美術館運営には厳しい目が向けられていることは確かです。だからこそ、運営面でまだまだやれることはいっぱいあるはず。是非、少しずつでいいのでより良い美術館にしていってほしいです。

と、最後に結構言いたい放題書きましたが、個人的にはかなり期待をしています。ほら、年間パスポートも買いましたよ!!
年間パスポート(3000円/1名)f:id:hisatsugu79:20161122175410j:plain

年間パスポートも購入したし、毎回気合を入れて展示替えも含めて皆勤するので、是非とも地元民や観光客に愛されるスポットになって欲しいです!

6.まとめ

世界的にも知名度が高い葛飾北斎をテーマにした美術館は、日本では意外に少なく、長野県小布施市の北斎館と、このすみだ北斎美術館だけです。立地は非常に良いので、今後海外からの観光客も多数来館が期待されそう。

両国駅前の新スポット「江戸NOREN」(11月25日オープン)や、江戸東京博物館と合わせて、1日楽しめるエリアになりそうですね。今後に期待です。

それではまた。
かるび

すみだ北斎美術館について

◯所在地
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7
◯最寄り駅
JR両国駅/都営大江戸線両国駅から徒歩5分程度
◯開館時間

9時30分~17時30分(入場は30分前まで)
◯休館日

毎週月曜日
◯公式HP
http://hokusai-museum.jp/
◯Twitter
https://twitter.com/HokusaiMuseum
◯周辺地図