あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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ムンク展は名作「叫び」が来日!楽しい仕掛けが満載の展覧会でした!【見どころ解説・感想・レビュー・混雑対策】

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【2018年11月10日最終更新】
かるび@karub_imalive)です。
2018年秋の上野公園は、西洋美術の展覧会で花盛りです。一足早く上野の森美術館で始まった「フェルメール展」、国立西洋美術館で好評開催中の「ルーベンス展」に続いて、10月27日から東京都美術館で満を持して「ムンク展」がスタートしました。

展覧会の目玉となる作品は、西洋美術史に残る屈指の名作《叫び》です。これを見なくてははじまりません。しかし、今回の展覧会はそれ以外の展示も見どころいっぱい。展覧会がスタートして約1週間経過しましたが、予想以上にお客さんも来ています。これは混雑する前にしっかり見ておかなくては!と思い、急いで2回見てまいりました。早速ですが、その感想やレポートを書いてみたいと思います!

※なお、本エントリで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

1.ムンク展とは

オスロ市ムンク美術館の全面的な協力を得て、展示作品全てがムンク作品で構成された贅沢な今回の「ムンク展」。目玉作品《叫び》をはじめとして、ムンクが生涯で描いた油彩画の傑作を中心に、版画や素描、セルフポートレート写真などバラエティに富んだ出品作品約100点が展示されています。 

展覧会のプロモーションも秀逸。来場者を楽しませるいくつもの念入りな仕掛けや、充実したグッズコーナーなども非常に好感でした。たとえばお笑い芸人・バイきんぐ小峠さんを起用した、《叫び》の中の絵の人になりきったコスプレ撮影などはなかなか面白いですね。(下記でコスプレのメイキング動画が上がっています!時間のある方は是非) 

2.ムンクって誰?~1分でわかるムンクの生涯~

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エドヴァルド・ムンク 会場内解説パネルから引用

さて、実際にムンク展の感想レポートに入る前に、簡単に画家・ムンクについて簡単に紹介してみたいと思います。こうした画家についての背景知識を少しでも展覧会の前に仕入れてから出かけると、鑑賞が捗りますからね!

エドヴァルド・ムンク(1863ー1944)は、1863年、ノルウェーのローテンに生まれ、当時クリスチャニアと呼ばれた首都オスロに生後間もなく移住します。ムンクは5歳の時に母・ラウラ・カトリーネを、ついで14歳の時に姉・ソフィエを結核で亡くしました。

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《死と春》1893年

この幼少期に体験した身近な大切な人の病と死は、ムンクのその後の性格形成や精神性に大きく影響を与えました。ムンクはこの病と死への不安や恐怖を、絵を描く=祈りに変えることで乗り越えようとしたと言われています。

ムンクは1885年、1889年~92年、1896年~97の3回に渡ってパリに滞在して作風の土台を固めていきます。1回目の短期滞在では印象派に心を奪われ、2回目の留学時で、スーラ、ゴッホ、ゴーギャン、ロートレックや世紀末美術に共感し、3回目ではナビ派や象徴主義の画家たちと交流を持つなど、西洋美術における当時最先端の潮流に影響を受け続けました。

ムンクの作品内における人間の内面を反映した強く激しい感情表現は、持病の精神の病と背中合わせでした。1908年、症状が悪化するととうとう入院。8ヶ月間の療養生活を送ることになります。

退院後は放浪生活をやめてノルウェーに戻り、制作を再開。以後は狂おしいまでの感情表現はトーンダウンしていきますが、代わってマティスやボナールのように豊かな色彩が新たに加わるようになります。この頃、20代~30代に手がけた代表作が評価され、ムンクの画家としての名声が確立し、50代中盤以降は、国内で巨大壁画の制作を手がけたり、国内外で回顧展が開催されるようになっていきます。

しかし70代後半に入り、ナチス・ドイツがヨーロッパで台頭し始めるとドイツ国内にあるムンク作品は「頽廃芸術」として没収され、ノルウェーはナチスの占領下に置かれます。

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頽廃芸術展に訪れたナチス高官/Wikipediaより

1943年12月、自宅の窓を爆風で吹き飛ばされますが、それがきっかけで重い気管支炎にかかり、翌1944年1月23日、亡くなりました。死後、遺言により彼が残した全ての作品はオスロ市へ寄贈されましたが、所有していた作品は約2万点にも及んだそうです。 

3.ムンク展の5つの見どころを紹介!

見どころ1:ムンクの代表作「叫び」

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《叫び》1910年?

今回の展覧会で絶対に見ておきたいのが今回初来日した世界的名作《叫び》です。作品を保護するため、この《叫び》と他3点の関連作品だけ照明が落とされ、展示スペースがものすごく広く取られています。

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《叫び》特設展示コーナー

《叫び》の前はいわゆる「ドライブスルー形式」で、絵画を観るためだけの専用列に並んで、作品の前をゆっくり通過しながら鑑賞するスタイル。11月2日(金)夜間開室で2度目に観たときは、やはり《叫び》の前だけ長蛇の列ができていました。少し後ろからなら並ばずに鑑賞できますので、じっくり見たい方は、案外後ろから頑張って首を伸ばして鑑賞したほうが捗るかも。

一方、絵の後ろには、詳しい解説パネルが。

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壁には、ムンクが《叫び》を制作した時の心情を綴った有名なテキストの一部が抜粋されています。そう、これを読むとわかるのですが、《叫び》は、画面手前の男=ムンクが叫んでいるのではなく、男を取り巻く世界が叫んでいるのですね。

また、こんなパネルも用意されています。

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実はこの《叫び》、展示作品以外にも3種類+版画作品のバリエーションがあるのです。どれも構図は基本的に同じなのですが、各作品を描いた時のムンクの精神状態の違いからなのか、背景の色使いや画面後景の2人の男の向きや姿勢など、微妙に全て異なっているのです。内面の心情変化により、刻々と世界の見え方が変わっていくムンクの視点を比較鑑賞することができて、面白いですよね。

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《絶望》1894年

また、関連作品として《叫び》のすぐ横に展示されている、ほぼ同じ構図で描かれた《絶望》と《叫び》を「色彩」に着目して見比べて観ると興味深いです。不安や恐怖が「青」や「深緑」「赤」のコントラストで表現されていることが多いのに対して、絶望はほぼ「黒」一色なのですね。 

見どころ2:生涯にわたってたくさん描いた「自画像」

「私は自分が見えたものを描くのではない。自分が見たものを描くのだ」と語り、世界をありのままに観察するより、自分自身の心情や内面をありのままにキャンバスに表現しようとしたムンク。

そんな彼にとって、常に一番近くにいる「自分自身」に真っ先に興味が向くのは極めて自然なことだったのかもしれません。ムンクは生涯で約70点の自画像を描いたとされますが、本展でも80歳の時の絶筆作品を含め、多数の自画像が展示されています。

中でも特に注目したいのがまずこちらの自画像。

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《地獄の自画像》1903年

背景には真っ赤に燃える炎のような赤と、大きな黒い影が。本人の顔は赤く塗りつぶされ、なぜか上半身素っ裸です。ただ事ではない構図から、狂気や死のイメージを連想してしまいます。ストイックなまでに自らの内面に宿る痛みや苦悩をキャンバスに叩きつけた、ムンク自画像作品の中で屈指の傑作だと思います。

続いて、こちらは展示室のラストを飾る晩年の作品。

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《自画像、時計とベッドの間》1940~43年

しかしこの絵の中のムンクは、生気もなく腕もダラッと弛緩していて、画面からは死相が色濃く漂っています。50代で隠遁生活に入り、名声や名誉は得たが、晩節を見届けてくれる家族や恋人は側にいない・・・。孤独な人生を送ってきた男の寂しい最後ということなのでしょうか。画面を支配する寒色系の色使いからも強烈な寂寥感が感じられた、印象深い作品でした。

ところで、どの本やガイドブックにも書いていないのですが、ムンクは自画像を描く時、自分の顔などにアクセントとして必ず「緑色」を使うんです。顔の輪郭線だったり、目や耳のパーツだったり、緑色のズボンを履いていたり。ムンクにとって「緑」って特別な色だったのかもしれませんね。

見どころ3:見比べる楽しさも!連作シリーズの名作

積みわらやルーアン大聖堂を繰り返し違う季節・時間帯で何度も描いたモネのように、ムンクも自らの画業のコアとなる一つのテーマを掘り下げ、構図や技法、キャンバスを変えたり、モチーフをマイナーチェンジしながら描き続けました。

たとえば、こちらの一つになって溶け合うカップルを描いた「接吻」シリーズ。

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左:《接吻》1897年
右:《月明かり、浜辺の接吻》1914年

複数の油彩作品だけでなく、木版画、銅版画など、様々な「接吻」シリーズが本展で展示されています。

また、2017年には「怖い絵展」でも紹介された有名な「マドンナ」シリーズの連作も、3作揃い踏み。ムンクの女性への憧憬と恐怖を、神秘的な象徴主義絵画的タッチで描いた傑作。少しずつ色合いを変えた連作が3つ並んでいます。どれが自分の好みなのか見比べる楽しさがありました。

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《マドンナ》1895/1902年

非常に珍しい石版まで展示されていました。

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《石版(マドンナ、吸血鬼Ⅱ)》1895/1902年

見どころ4:色使いやタッチを存分に楽しむ

ムンクは眼の前に見えた風景や繰り返し取り上げたモチーフを通して自分の内面の感情や観念を、色使いや筆さばきに乗せてキャンバス上で表現しようとしました。

本展で展示されている作品でも、《叫び》のようにうねるような色彩の線や、自画像で多用される「緑」など、工夫がこらされた作風を味わうことができます。

僕が特に印象的だと感じたのは、垂直方向にまっすぐ強く太い線をすばやく描くことで画面内に生々しい臨場感やただならぬ雰囲気がもたらされていたこの2作品。

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《マラーの死》1907年

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《クピドとプシュケ》1907年

普通、ブログ用に400~500pxに小さく圧縮すると、絵画の筆触、タッチなどはほとんど見えなくなってしまうものですが、この2作品はサムネイル化してもなお、十分筆さばきの感触を感じることができます。今、この絵の中でなにか良くない「事件」が進行しているかのような雰囲気、伝わってこないでしょうか?

また、こちらの、慟哭する女性の作品にも非常に惹かれました。

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《すすり泣く裸婦》1913~14年

顔を埋め泣きじゃくる女性が座るベッドの「赤」、掛け布団の「緑」と反対色を大胆にの組み合わせた色彩が、女性の感情を強く伝えてきます。女性の悲しいオーラが転写されたような壁の模様も印象的です。さらに、女性の体の輪郭線にも緑色が使われ、悲しみで体が冷たくなっている感じも受けます。

家に架けてあったら気が滅入りそうですが、強い引力を持つ作品だと思いました。

また、自由に色彩の組み合わせて生き生きと描かれているのが、ムンクが手がけた一連の肖像画です。例えば下記の3枚を見てください。

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どれも色彩のトーンが全然違いますよね。左端の女性は「紫」と「緑」の組み合わせ、真ん中の男性は「黄色」と「赤」の組み合わせ、右端の男性は「青」と「赤」の組み合わせで、意外性あふれるカラフルな色使いが凄い。

自分の心に見えたままのイメージを、決してカオスにならないよう、色彩に一定のリズム感を保ちながらしっかりキャンバスに置いていっているんです。精神的な脆さ、弱さを常に心に抱えながら画業に向かう一方、計算高い一面も伺えました。

見どころ5:意外に明るい?!晩年の傑作

1908年、診療所で約半年間の療養生活を終え、ノルウェーへと戻って安定した生活基盤の下で制作を開始したキャリア後期、ムンクは「不安、死、絶望」といった自分の内面の負の感情ではなく、光の明るさや生命の輝きといった新たなテーマにもチャレンジするなど、色彩が明るくなって作風が変化します。

確かに「叫び」のような壮絶な情念渦巻く作風は失われてしまったかのように見えるため、作品のクオリティが落ちたと判断する見方もあるようですが、個人的にはキャリア後期の色彩あふれる作品には非常に好感が持てました。

例えば下記の作品。

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《星月夜》1922~24年

自宅の2Fバルコニーから見える夜の冬景色。遠くに街の明かりが見える一方、庭は分厚い積雪で覆われ、自宅から漏れ出た明かりが雪に反射しているロマンチックな風景です。画面右下にはムンクと思しき男性の顔が写り込んでいます。ムンクが描く夜空の透明感あふれる「青」が素晴らしかった1枚。

さらにこちら。

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《太陽》1910~13年

太陽が放つ光やエネルギーが画面いっぱいに爆発する、神秘的な空気感が感じられる作品。この作品に限っては、「不安」「死」「絶望」といったマイナスのイメージは一切感じられません。

キャンバスに近づいてみてみると、放射状に広がる太陽光線の部分が、厚塗りの油絵の具や、歯磨き粉をなすりつけるかのようにチューブからそのままキャンバスに載せられた絵の具など、斬新な筆さばきも見どころたっぷりでした。

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《狂った視覚》1930年

こちらは、晩年に目を悪くした時期に描かれた作品。それまで「緑」と「赤」、「紫」と「黄色」のように、反対色同士を巧みに組み合わせてインパクトの強い色彩が計算されて置かれていた画面とは違い、急にカオスな感じが出ています。

ランダムに置かれたような様々な色の線は、作風は違いますが、目を悪くして混沌とした作風へと変化していったモネの晩年作品とどこか似ているような雰囲気も感じられ、印象的でした。

4.楽しい仕掛けがいっぱい!ムンク展を満喫!

ムンク展では、展示作品以外でも色々お客さんを楽しませてくれる仕掛けが満載でした。ここまで多彩な企画をやってくれている大型展はなかなか珍しいのではないかと思います。是非、館内に来たからには全部味わってみてくださいね。

臨場感が味わい深い音声ガイド

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まずは音声ガイドから。人気声優の福山潤が、ムンクになりきって臨場感たっぷりに演じてくれています。変に大物芸能人を起用するよりも、やっぱりプロの声優が情感タップリにムンクの「画家の心の叫び」を解説してくれていたほうが嬉しい。これは良い起用でした。

ロビーの特設ディスプレイは必見

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また、入口前には巨大ディスプレイがお客さんをお出迎え。展覧会に合わせて制作された映像作品を放映していました。ムンクの筆致を元に新たに作り出された連続するイメージをアニメーションとして表現しているのだそうです。

入場前にこれを見ると、否が応でも期待感が高まりますよね!こちらはもちろん写真撮影し放題。展覧会を見終わってから、改めて見てみると色んな発見があるかもですね。

記念撮影コーナー

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もちろん、写真撮影コーナーもあります。《叫び》絵画写真をそのまま置くのではなく、画面中央の人物像が飛び出た立体パネルに仕上がっています。《叫び》の人物と肩を組んで撮影することもできます!

「DRAW! SCREAM」

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展覧会中、パソコンやスマホ、タブレットなどで自分だけの《叫び》を描いて、展覧会場出口すぐのところに設置されている専用ディスプレイに映し出して楽しむことができる「DRAW! SCREAM」というWebサービスが立ち上がっています。

絵を描く、といっても、テンプレートはすでにサイト内に用意されているので、画面手前の人物を指でドラッグして描くだけ。超簡単です。

たとえばこんな感じ。

▼タブレットで絵を描いていますf:id:hisatsugu79:20181027084753j:plain

僕も、試しに描いてみました。

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あとは、完成後に表示されるQRコードをスマホ等に表示させて、展覧会場のモニターの前にかざすだけ。

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簡単ですので、是非遊んでみてくださいね。優秀作品は、展覧会中に放送されるCMに起用されるかもしれないとのことです!

5.会場限定の公式グッズが史上最大級に充実!

今回のムンク展のグッズコーナーを担当しているのが、首都圏での美術展グッズ制作ではダントツのこだわりとクオリティの高さでマニアをうならせるEast社!たとえば、2018年だと、「仁和寺展」「プーシキン美術館展」「フィリップス・コレクション展」などを担当。

驚いたのは、その豊富すぎるグッズコーナーの品揃えです。図録や文房具、Tシャツやバッグ、食べ物など定番系はもちろん、ポケモンとの特別タイアップ商品やノルウェーや北欧ライフスタイルにちなんだ大型商品まで置かれています。

特に凄いのが、各商品における豊富なバリエーションです。たくさんの種類の中から好きな絵柄、銘柄を選べるのが嬉しいです。ちなみに、各種グッズは数量限定なので、早々に売り切れてしまうリスクもあります。迷ったら「買い」ですよ!

全3種類+特装版!公式図録

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まず最初に驚いたのが3種類の表紙が用意された公式図録です。さらに、特別ケースに封入された豪華特装版も入れると、全4種類販売されていました。中身はしっかりしたクオリティなので、安心してどれを買うか選べますね。

Tシャツ

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今回のムンク展では、展覧会のテーマにちなんだプリントTシャツが豊富に用意されていました。様々な色やテイストで10種類以上販売されています。

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一番人気はやはりこの《叫び》がプリントされたTシャツでしょうか。絵柄が自分の正面にプリントされた、気をてらわない正統派的なプリントTシャツですが、インパクトは抜群だと思います!

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マグネット

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展示されている作品の中から15作品が採用されたマグネット。最近の展覧会では、ポストカードが30種類、50種類と多種類用意されることは珍しくなくなってきましたが、マグネットがここまで多種類用意された展覧会は珍しいかも。

 

最強のネタ土産!?「ムーチョの叫び」

ネタとして一番頑張っていたタイアップ商品が、2種類用意された湖池屋「ムーチョの叫び」です。パッケージのインパクトが凄い!湖池屋の「ムーチョ」シリーズのイメージキャラだったおばあさんが2通りのパッケージ(カラムーチョとすっぱムーチョ)で登場。

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 パッケージの裏では画家(ムンク?)がおばあさんを描いていて、おばあさんの向こう側にいる男がカラムーチョとすっぱムーチョを食べているのが笑えます。コンビニの棚を見ていても最近アイデア商品が多くて元気なイメージがありますが、湖池屋の最近のハジけぶりは凄い(笑)

オリジナルのムンク美術館公認グッズも!

その他、展覧会オリジナルのインテリアグッズも素晴らしい。ムンク愛に満ち溢れた商品を見ているだけでも楽しくなってきます。

▼ムンクスクリームドーム
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北国であるノルウェーらしく、ドームをしっかり振ると、底に積もっていた雪が水で満たされたドーム内に拡散し、雪が降っているように見えます。ちょっとおしゃれなインテリアグッズです。

▼ムンク美術館公認「叫び」空気人形
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これまで世界各国で約45万体売り上げてきたという、ムンク美術館公認で制作された「叫び」空気人形。触ってみると独特な手触りもあって、くせになりそう。

北欧雑貨やインテリアグッズも!

その他、北欧デザインの小物や食器、インテリアグッズなども陳列されています。East社のバイヤーが厳選して会場に持ち込んだ品々はどれもセンスが良く、思わず衝動買いしたくなります。大物だと椅子やストーブなども売ってます(笑)

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▼ストーブまで売ってます!
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ポケモングッズ

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そして最後に注目しておきたいのがポケモンとのタイアップ商品。ぬいぐるみ、iPhoneケース、ハンドタオル、クリアファイルなど、ピカチュウや主要キャラたちが《叫び》とコラボしています!

▼あざといくらいに可愛い「叫び」ぬいぐるみ
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▼ハンドタオル
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6.混雑状況と所要時間目安

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事前の下馬評では、「ルーベンス展」「フェルメール展」に比べると、少し集客的に苦戦するかもしれないという噂もあった今回のムンク展。フタを空けてみたら、実は一番混雑しているのが「ムンク展」だったようです。

上記のように、すでに休日は大混雑発生中。混雑状況は公式Twitterで随時発表されていますので、休日はこちらの公式Twitterで状況を確認しつつ、極力混雑しづらい午前中or午後16時以降に入館すると良いかも。

所要時間は、「叫び」で少し並ぶことも考えると、少し多めの90分~120分は見ておきたいところです。特に2019年1月に入ると、連日《叫び》をひと目見ようと詰めかけたお客さんでかなり大混雑しそう。

今でさえ混雑していますが、年明けに向かって混雑が解消していくとは考えづらいところ。極力早めにおでかけくださいね。また、金曜日は20時まで開館時間が夜間延長されます(入室は19時30分まで)ので、これを狙うのもいいかもしれませんね。

7.まとめ

《叫び》の人気ぶりを改めて体感した今回の展覧会でしたが、生涯にわたって描かれた自画像の変遷や、自身の内面を鋭くキャンバスに叩きつけた色彩や筆さばき、晩年の明るく色彩豊かな新境地など、非常に見どころが多い展覧会でした。また、超充実していたグッズコーナー他、ポケモンとのタイアップ、人気声優を起用した臨場感たっぷりの音声ガイド、記念撮影コーナーなど、お客さんを楽しませるための細かい工夫も好感が持てました。

2019年秋、必ず抑えてお生きたい西洋美術展のうちの一つとして、文句なくオススメの展覧会です。僕もあと1回~2回程度リピートしてみたいと思っています!

それではまた。
かるび

※記事内で引用した作品はすべてオスロ市立ムンク美術館所蔵
 All Photographs ©Munchmuseet

関連書籍・資料などの紹介

読みやすい入門用ムック本「ムンク展 公式ガイドブック」

《叫び》は有名な作品ですが、ムンクの作風自体は象徴主義~表現主義といった、20世紀の抽象絵画一歩手前のやや難解な作風です。展覧会と連動して、主な展示作品の徹底紹介や見どころをしっかり解説してくれている公式ガイドは、展覧会のお供として非常に役に立ちます。オールカラーで図解も多く、入門者でもしっかり理解できる良い内容でした。

マンガで伝記が登場!「ムンク」

地元、ノルウェー人作家によってアメコミ(バンドデシネ)風のマンガでまとめられた、ムンクの伝記マンガ。ドラマ性に満ちたムンクの生涯が、日本人とは全く違う感性でつづられます。アクの強さもありますが、恋愛や友人関係など、プライベートでの出来事も含めてムンクの画業を劇画タッチでいきいきと描いた力作でした。これで2000円は安いです。

読みやすさ抜群!一押し「ムンクへの招待」

ムンクへの入門書の中で、個人的に一押しなのがこの朝日新聞出版の「~招待」シリーズ最新刊となる本作。オールカラーなのはもちろん、わかりやすい図解や、今回の展覧会に出展されている代表的な30作品を1作品ずつ徹底解説してくれていて、初心者・入門者にとってかゆいところに手が届いたムック本です。「招待」シリーズの読みやすさは異常!

展覧会開催情報

ムンク展ー共鳴する魂の叫び
◯展覧会開催場所
東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
◯アクセス
・JR「上野駅」公園口より徒歩7分
・東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分
・京成電鉄「京成上野駅」より徒歩10分
◯会期・開室時間
2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)
9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)
※金曜日は20時まで開室
◯休室日
月曜日、12月25日(火)、1月1日(火・祝)、15日(火)
※ただし、11月26日(月)、12月10日(月)、24日(月・休)、1月14日(月・祝)は開室
◯観覧料(当日)
一般1600円/大学生・専門学校生1300円
高校生800円/65歳以上1000円
※中学生以下無料/※高校生は12月無料
※11/21(水)、12/19(水)、1/16(水)はシルバーデーにより65歳以上の方は無料。当日は混雑が予想されます。
◯問い合わせ先
03-5777-8600(ハローダイヤル)

◯関連サイト
・東京都美術館

https://www.tobikan.jp/exhibition/2018_munch.html
・ムンク展:展覧会特設サイト
https://munch2018.jp/
・ムンク展公式Twitter
https://twitter.com/munch2018