あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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「日本を変えた千の技術博」を詳細レビュー!大量600点の充実展示は見どころいっぱい!【展覧会感想・レビュー】

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【2018年11月29日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

ここ数年、富岡製糸場が国宝指定されたり、全国各地の博物館ではご当地の産業遺産を収集展示する常設コーナーの整備が進んできたり、工場見学がちょっとしたブームになったりと、歴史的な技術遺産に対する興味関心が高まって来ていますよね。

そんな中、明治期以降における日本の科学技術の発達史をわかりやすく総覧できる力の入った特別展「日本を変えた千の技術博」が10月30日から国立科学博物館でスタートしました。

明治維新の文明開化から昭和の高度経済成長期頃まで、日本人のライフスタイルを大きく変えてきた様々な技術的な革新や発見を、全国から集められた貴重な産業遺産や重要文化財の資料展示で振り返る凄い展覧会です。

明治維新以降の約150年間で、我々の先人たちが苦労して積み上げてきた科学技術の歴史を振り返ることで、たくさんの学びが得られる良い展示でした。早速ですが、展覧会の感想や、見どころを徹底的に紹介していきたいと思います。

1.特別展「日本を変えた千の技術博」とは?

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今現在、わたしたちが普段生活する中で、電気やガスなどのインフラ設備、洗濯機や炊飯器、テレビや電話などの家電製品、自動車や鉄道などの乗り物など、身の周りで当たり前のように存在している便利なものの大半は、驚くべきことに150年前には何一つ存在していませんでした。

それらは一つ一つ、我々の先達が新発明や発見など、技術的なブレイクスルーの積み重ねにより、150年という途方もなく長い時間をかけて作り出してきたものばかりなんです。

本展「日本を変えた千の技術博」では、明治維新後から昭和高度成長期まで日本人の暮らしや産業、街づくりやコミュニケーションのあり方を変えてきた様々な科学技術に着目し、8つの章立てで約600点の機械装置や各種素材、歴史資料などを使い、150年間にわたる日本の科学技術の発展を振り返ろう、という壮大なテーマの展覧会です。

国立科学博物館の館蔵品を中心に、全国各地から「機械遺産」「未来技術遺産」「重要文化財」に指定された貴重なアイテムが大集結した展示は圧巻。ザーッと見ていくだけでもなにか1つや2つは絶対心に残る展示があると思います!

ちょうど、公式Twitterにて15秒の紹介動画をアップしてくれていますので、引用して紹介しますね。

2.「日本を変えた千の技術博」での4つの見どころ・注目ポイント

今回の展覧会で出展されている展示総数は約600点。膨大な量です。一見、何をどう見たらいいのかわからなくなってしまうくらい、展示アイテムが溢れかえっています!そこで、僕が展覧会に行ってきて感じた見どころ・注目点を4つに絞ってご紹介したいと思います!

注目ポイント1:インパクト抜群!巨大な展示物

まず今回の展覧会では、まさに「大きな鉄の塊」とでも言うべき、巨大な展示物が非常に目を引きました。早速いくつか紹介してみますね。

▼ブルドーザー
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コマツブルドーザーG40(小松1型均土機)所蔵:コマツ

世界最古クラスのブルドーザーの1台。第二次世界大戦後、フィリピンに駐在した米軍によって海底に沈められ、数年後海底から引き上げられた時、普通にエンジンがかかったそうです。そのまま地元の農家に払い下げられ、現役で絶賛稼働中だったのを見たコマツ社員が仰天したというスペシャルな逸話付き。まさにレジェンドマシンなのです。

▼エレベーター(のかご)
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日本で3番目に設置された乗用エレベーター 所蔵:国立科学博物館

1901年大阪市の日本生命保険本店に設置されたイギリス、オーチス製の乗用エレベーター。展覧会場でまさか模型ではなく、本物を観れるとは驚きました。エレベーターのカゴの入口が、古い洋画などで良く出てくる、折りたたみ式なのも味わい深いです!

▼ロータリーエンジンで動く伝説のスポーツカーf:id:hisatsugu79:20181105063720j:plain
マツダ コスモスポーツ 所蔵:国立科学博物館

世界でたった1社だけロータリーエンジンの実用化に成功したマツダ自動車が、初めて販売した量産型ロータリーエンジンを搭載した自家用車(にしてスポーツカー。)車をそのまんま展示室に持ち込むとはさすが。これは目を引きました。

ちなみに、ロータリーエンジンを縦に切った実物も車の側に展示されています。これはわかりやすいですよね。

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左:12A型ロータリーエンジン(カットモデル)
所蔵:国立科学博物館

▼日本初の国産メインフレーム!f:id:hisatsugu79:20181105063345j:plain
HITAC5020 所蔵:国立科学博物館

IBMの汎用機と互換性のある(要するにほぼコピー)日本初となる日立製作所製の国産大型汎用機(大型コンピュータ)。僕も前職のSE時代、富士通とIBMのメインフレームの保守をやっていたので、実物第一号を目にすると感慨深かったです。その後改良された現役のメインフレームと、少なくとも外観はあんまり変わってないんですよね。

驚いたのは、その内部の配線です・・・。

▼タコ足配線どころではない驚愕の内部f:id:hisatsugu79:20181105063243j:plain
HITAC5020 所蔵:国立科学博物館

どうですか、このびっしりとつながれた配線。凄まじい。もちろんこれは全部手作業で一つ一つつないでいったのでしょうから、組み上げる時は途方もない作業量だったでしょう。

注目ポイント2:黎明期の珍しい家電製品や懐かしい情報機器

技術の進歩に伴って、第二次大戦後、庶民生活にも電化製品が普及していきます。本展では、実用化黎明期の非常に珍しい家電製品を観ることができました。

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電気冷蔵庫 SS-1200型
所蔵:東芝未来科学館/東芝ライフスタイル

こちらは最初期の電気冷蔵庫。頑丈そうな鉄扉で、まさに「冷気は絶対逃さん!」といった感じですよね。冷蔵庫というより巨大魔法瓶のようにも見えました。

ちなみに、冷蔵庫が普及するまでの間、庶民がもっぱら使っていたのがこちら「氷蔵庫」です。

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氷像庫 所蔵:東京電力ホールディングス 電気の史料館

電気冷蔵庫が普及する以前は、近くの氷屋で買ってきた氷を、この氷像庫の上段の扉に入れ、その冷気で下段に入れた野菜や果物、肉などを冷蔵していたそうです。外見はほぼタンスと同じような木製家具に見えますよね。

続いては、これは家電製品というよりアイデア製品の範疇に入るものなのですが、面白かったのでご紹介。

▼手動洗濯機
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かもめホーム洗濯機 所蔵:国立科学博物館

取っ手の部分を持って、ぐるぐる自分の手で回すと、洗濯物を洗うことができるという意味で、ある意味非常にエコな製品。たらいに洗濯板でゴシゴシやっていた時代に比べたら、洗浄力は確実にアップしてそうですし、体力的にも楽そうです。

▼皇居で使われたバッテリー式電気扇風機f:id:hisatsugu79:20181105063324j:plain
「電気扇」所蔵:国立科学博物館

こちらは皇室が所蔵していた、初期のバッテリー駆動式扇風機。まだプラスチックが普及する前に製造されているため、鉄製で妙な高級感があります。それにしても、羽がほぼむき出しなので、一歩間違ったら確実に指を切断する危険な装置に見えました(笑)

▼一見謎の棒に見えるのですが・・・
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耐久電熱投げ込み湯沸器 所蔵:国立科学博物館

展示を見たときは、なんてワイルドな装置なんだ!と笑ってしまったのですが、あとで調べてみたらこの電熱コイルで水を温める「投げ込み式ヒーター」は、現在でも小型軽量化されてキャンプ用、非常用、または工業用に現役で販売されているのです!

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Amazon.co.jpより引用

「熱した鉄の棒を水の中に入れたら水が温まるだろう」というストレートな発想は、ある意味単純でわかりやすいからこそ、21世紀の今でもちゃんと製品として生きているんですよね。

続いては、時代を先取りしすぎた(?)ために、惜しくも普及しなかったアイデア家電製品を紹介しておきますね。

まず、こちらのテレビウォッチ。時計とテレビをいっぺんに楽しめる、当時のハイエンドデジタルウォッチ。

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セイコー テレビウォッチ 所蔵:セイコー

ですが、チューナーが完全に外出しなので、かろうじてモニターは腕時計上で共有されていますが、正直あまりスマート感がありません(笑)ウォークマンのように、爆発的に普及するまでには至らなかったようです。

続いて、セイコー社からもう一つ画期的なアイデア製品を。 1984年に発売された、世界初となるコンピュータ付きデジタルウォッチです。

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セイコーUC2000(腕コン) 所蔵:セイコーミュージアム

こちらも、かなり頑張って小型化されていますが、やはり入出力用のインターフェイスが少し野暮ったい感じにも見えます。今見たら、「うーん、これは難しいな」という感じに見えますが、約30年後に登場するスマホを大きく先取りした発想は凄いです。

続いて、こちらは今の40代以上の方なら、緑の電話が普及する前に電話ボックスでよく見かけた電話機です。

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左:電話ボックス用公衆電話(黄色)所蔵:NTT技術資料館
右:5号自動式公衆電話(赤電話)所蔵:NTT技術資料館

遠距離に電話をする時に、10円玉を入れまくったり、入れた100円玉が果たして何秒持つのだろうかとドキドキしながら通話した思い出が懐かしいです。

そして、こちらは懐かしの大型計算機!

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電子式卓上計算機 コンペットCS-10A 所蔵:国立科学博物館 

僕がまだ小学校低学年の頃、父が大切に自宅で保管してました。使わなくなったからおもちゃにしていいよ、と言われ、めちゃくちゃ叩いたり、足し算、引き算をしてみたりして色々遊んだ記憶があります。結構投げたり叩いたりしても壊れなくて、頑丈なんですよね(笑)

また、日本初のワープロも!

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日本語ワードプロセッサ JW-10 所蔵:東芝未来科学館

通称「オフコン」という名称で日本で普及した、机やプリンタと一体化した巨大マシンです。今となったら巨大で野暮ったいだけに見えますが、それまで全て手作業で書類を作っていたオフィスに初めて入ったときは画期的なツールだったのでしょうね。

そして、最後にPCゲーマーなら懐かしのNECのPC-9801を。

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パーソナルコンピュータ PC9801シリーズ 
所蔵:国立科学博物館

DOS-Vを搭載したIBMのPC-AT互換機が日本に入ってくる直前までゲーム用、オフィス用で最も普及していたNEC黄金期の製品。オフィス用では一時期80%以上の出荷シェアを誇っていた名機であります。

僕も小学生の頃、パソコンマニアの父親がいる友人の家でよくゲームやりました。ファミコンよりグラフィックがきれいだったんですよね。ファミコンにはないエ◯ゲーも友人宅にはあったような・・・。

注目ポイント3:むき出しの機械構造を楽しむ!

僕が明治期~昭和初期にかけての産業遺産を観るとき、いつも楽しみにしているのが、機械構造やメカニズムが醸し出す機能美です。どの産業分野においても機械化が始まった初期段階では、機械の可動部分がむき出しだったり、比較的つくりが単純だったりして、機械の構造が把握しやすいんですよね。

今では3次元CADに3次元プリンタの普及で、精緻な構造もPC上でじっくり設計できるようになりましたが、当時は全て図面も手作業なら、制作も手作業。昔の人は、設計ツールも乏しく、生産設備もろくにない中、よくこんな機械を手作業で作れたものだな、と見るたびに感心してしまいます。

たとえばこちらのスターリングエンジン。

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スターリングエンジン 所蔵:国立科学博物館

今から約140年前に製造された、熱交換を行うことでエネルギーを得るタイプの原始的なエンジン。理論上どんな燃料を使っても動くので、環境保全の観点から、140年のブランクを経て現在再び脚光を浴びているというのだから驚きですね。上部の水車のような大きな車輪が力強さを感じさせます。

続いては、飛行機のエンジン。

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二式一一五〇馬力発動機 所蔵:国立科学博物館

第二次世界大戦中、ゼロ戦などの戦闘機に積み込まれたジェットエンジンです。70年前のエンジンですが、かなりコンパクトなのに離陸時に最大1150馬力の出力が得られたというのだから凄まじい高性能です。今のF1マシンよりもパワーがあるのだから驚きですよね。

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帯締め用組ひも機 所蔵:東京農工大学科学博物館

紡績や製糸業における初期の機械設備は、カバーなどの覆いもなく非常に中の構造が見やすいのですよね。単純な仕組みながら、無駄がなく美しい機械装置にしばし見惚れてしまいました。 

注目ポイント4: 社会や生活を変えるカギとなった「新素材」

本展では、人々の生活や産業発展の「カギ」となった新素材の発明・発見に大きく寄与した機械装置なども展示されています。

たとえば、こちらの大きな装置。

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リンデ式空気液化分留器 所蔵:産業技術総合研究所

これは、「アンモニア」合成に必要な窒素ガスを、大気中の空気から分離して取り出す装置。1920年代、1時間に40m3もの窒素ガスを生産できたそうです。ここで取り出された窒素ガスと、アンモニア合成に必要な触媒を使って「アンモニア」を人工合成することができたのです。

「アンモニア」が大量に人工合成できるようになったことで、大規模な農業生産を支えるための化学肥料を安定的に大量生産できるようになったんですね。これによって、世界の食料問題は解決に向けて大きく前進したのです。

つづいて、日本が戦時中Uボート(潜水艦)でドイツから輸入したプラスチックの射出成形機。

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Isoma射出成形機 所蔵:旭化成

この射出成形機は、熱可塑性樹脂(加熱することで形を自由に変えられるプラスチック)を整形する装置で、プラスチック材料を溶かして高圧をかけて金型へと注入し、その後金型を冷やして成形する機械です。

現代で私達がよく使うプラスチックやポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの素材は、日本では1940年台からようやく作られるようになった比較的新しい素材なんです。今では生活の中で必需品として当たり前のように溢れかえっているのに、意外ですよね。

Isomaが日本に輸入されると、日本の各社は独自の射出成形機の開発を進める上でこれをお手本として徹底的に学び、構造を解析し尽くしました。つまりIsomaはまさに日本のプラスチック生産の原点と言えるのです。

3.充実!昭和の薫りがするグッズコーナー

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「日本を変えた千の技術博」のグッズコーナーは、恐らくここ数年に開催された国立科学博物館での企画展の中では、最大級の品揃えと売り場面積になっていると思います。

とにかく売り場が広い!そして、基本的にはどのアイテムも強く「昭和」を感じさせるレトロな商品ばかり。まさに40代以上を狙い撃ちしたような品揃え。家族で来ると、子供よりもパパの方がお土産選びに夢中・・・といった光景が目に浮かぶようです。

まず、真っ先に目に入ってくるのが「ハイカラ横丁」と銘打って設けられた駄菓子コーナー。コンビニの棚のようにぎっしりアイテムが詰まっています(笑)

▼ハイカラ横丁
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駄菓子は、お土産用に持ち帰れるように、全てお得用サイズとなっています。ラインナップは、たとえば、こんな感じ。

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今でもスーパーや駄菓子屋で現役で活躍中のお菓子もありますが、中には「えっこれまだ生産してたんだ!」と唸ってしまった珍しいものもありました。是非探してみてください。

また、こんなものも。

▼ホッピーグッズ
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ここ10年くらいで、勢いが復活した元祖・ノンアルコールビール「ホッピー」の居酒屋グッズが充実。「昭和」を強く感じさせるロゴがいいですよね。

▼ケロリングッズ
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ケロリンは、1925年に初めて発売された非ピリン系頭痛薬。なんともうすぐ発売100周年なのです。昔、温泉旅館や銭湯の大浴場で設置されていた風呂桶や椅子といえばこのレモン色の「ケロリン」が定番でしたよね。懐かしい。

▼巨大醤油差しボトル(500ml)f:id:hisatsugu79:20181105064204j:plain

最近あんまり見なくなった、お寿司や刺し身に必ずついていた、魚の形をしたプラスチック容器の醤油差し。その復刻版?として、元のサイズ(2.5ml)の約200倍の巨大な醤油差しが販売されていました。これ、ちなみに卓上で自立するそうです。ちょっとした水筒代わりにもなりますよね。 

▼昭和の香りがするおもちゃを集めたガチャf:id:hisatsugu79:20181105064201j:plain

ちなみにガチャマシーンも8台設置されていました。これがまた昭和の妖しい雰囲気がただようネタ感満載で・・・

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たしかに1つは「千の技術博」公式グッズなのですが、ガチャマシーンのいくつかは、あんまり見たことのないものや、昭和な雰囲気がぷんぷん漂う怪しさ満点のグッズもありました。中には「在庫限り」で終了というレア(?)なものもあります!

4.より深く極めたい人には展覧会図録の購入がオススメ!

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今回の「日本を変えた千の技術博」では、限られた展示スペースの中、物凄い密度で多種多様な展示アイテムが詰め込まれています。沢山のテーマを幅広く見渡しすことができる反面、それぞれの展示アイテムに対する解説はわりとあっさりしています。

そこで、もっとそれぞれの技術や展示品に対して重要性や原理・構造などを深く知りたい!という人のためには、展覧会図録の購入を強くおすすめします!正直、この内容で2,000円は絶対お買い得だと思います。書籍で流通させたら、普通に3,000円以上してもおかしくはありません。

図録と言っても、いわゆる美術展的な作品の図版がメインであとはおまけ、みたいな構成ではなく、学校の資料集やムック本のように、図解+文章でしっかり解説してくれているのです。

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僕もあとで全ページ読み返してみて、それぞれの展示の意味や、技術の重要性をしっかりと理解することができました。ショップでは昭和グッズのインパクトが凄くてつい見逃しがちですが、展覧会の図録、本当にオススメなので是非手にとって見てくださいね。

5.混雑状況と所要時間目安

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オープンして最初の土曜日15時過ぎに子供と行ってきましたが、まだそれほど混雑している感じはありませんでした。今後、口コミやTV放送などで紹介された後、年末年始を中心に混雑するタイミングがあるかもしれません。展覧会公式Twitterアカウントをフォローして、当日の混雑情報などをチェックしておくといいですね。

展示資料が約600点もあるので、所要時間は人によって大きく変わるかもしれません。僕は1回目が120分、2回目は90分しっかり堪能してきました!

6.まとめと展覧会感想

今回の展覧会は、国立科学博物館らしく日本の「科学技術」発展史を真正面から取り組ね、超大盛りの展示内容となりました。個人的な感覚としては、よくできたまとめサイトを見ているような感覚に近くて、全く知らなかった分野については新鮮な驚きと学ぶ楽しみを得られた展覧会でした。

自動車や蒸気機関、航空機エンジンなど巨大な展示物から、懐かしい生活家電や情報機器まで、見どころ沢山の展覧会。この展覧会を入口にして、さらに今後興味のある分野については、それぞれの博物館や資料館を訪問して深掘りしていくのも面白いですね。見ごたえのある展覧会で、おすすめです。

それではまた。
かるび

展覧会開催情報

特別展「日本を変えた千の技術博」
国立科学博物館
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
◯アクセス
・JR「上野駅」公園口より徒歩7分
・東京メトロ銀座線・日比谷線「上野駅」7番出口より徒歩10分
・京成電鉄「京成上野駅」より徒歩10分
◯会期・開館時間
2018年10月30日(火)〜2019年3月3日(日)
午前9時〜午後5時
<金曜日、土曜日、10月31日(水)、11月1日(木)は午後8時まで>
※入場は各閉館時刻の30分前まで
◯休館日
毎週月曜日、12月28日(金)〜1月1日(火)、1月15日(火)、2月12日(火)
<ただし、12月24日(月)、1月14日(月)、2月11日(月)、2月25日(月)は開館>
◯入館料(当日)
一般1600円/小・中・高校生600円
◯関連サイト
・「日本を変えた千の技術博」特設サイト
http://meiji150.exhn.jp/
・国立科学博物館公式HP
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2018/meiji150/
・「日本を変えた千の技術博」公式Twitter
https://twitter.com/1000heritages