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あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

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「戦国時代展」の感想/戦国時代マニアの心をくすぐる要注目の展覧会!

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かるび(@karub_imalive)です。

11月23日から江戸東京博物館で開催中の「戦国時代展」に行ってきました。応仁の乱から始まり、信長が天下統一するまでの室町時代末期の100年間を様々な角度から大特集した、戦国マニア必見の展覧会でした!

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以下、感想レポートを書いてみたいと思います。

1.混雑状況と所要時間目安

冬休み~年始は非常に混雑しそうですが、土日以外は並ばずに入れそうです。江戸東京博物館は、入場時よりもチケット購入時に列ができやすいので、できればプレイガイド等で入場券を手に入れておくことをオススメします!

所要時間は、展示内容が気に入るかどうかでかなり変わってきそう。もしあなたが屈指の戦国マニアなら、3時間は覚悟して下さい(笑)普通の美術系クラスタの方なら、1時間くらいでOKかも。僕は、ちょうど90分くらいで見終わりました。

2.音声ガイドは戦国無双から4名登場!

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(引用:戦国時代展公式HPより)

声優マニアや「戦国無双」好きなら、必ず借りたくなると思います。内容も、各キャラクターの寸劇が多くて、ガイドというよりライトな副音声を聞いている感じでした(笑)個人的にはもう少し硬派にしてほしかったけど、「戦国無双」ファン向きに思い切ってサービスした感じの内容です!

3.戦国時代展とは?

展覧会での「戦国時代」の区分

戦国時代の区分、つまり、いつから「始まり」、いつ「終わったか」については、諸説それぞれ別れるところですよね。様々な区分があります。例えば、僕が戦国時代の始まりとして長年認識していたのは、ゲーム「信長の野望全国版」のシナリオがスタートする1560年、つまり桶狭間の戦いからでした。

実際は、もっと早くから戦国時代に突入していたわけで、本展覧会では、おおよそ享徳の乱、応仁の乱が勃発した1450年~70年代をスタートとして、織田信長が足利義輝を京都から追放した1573年までの約100年間を「戦国時代」として取り扱っています。

戦国大名に着目した総合展示

戦国時代の特徴といえば、『下克上』により日本各地で名乗りを上げた「戦国大名」が大活躍したことです。本展覧会では、北は伊達氏、上杉氏から南は大内氏、毛利氏に至るまで、戦国時代の有力な大名たちにフォーカスした総合的な展示が行われます。

合戦の様子、外交戦、文化、肖像画、彼らが大切にした遺品など、様々な角度から大量のアイテムが前後期で入れ替えでどどーんと展示されます。その数、なんと国宝38点、重要文化財34点を含む、全部で264点(東京展)にもなる大型展示なのです。

東京展に続く京都展、山形展の全容は明らかになっていませんが、東京展だけに限って言うと、前期展示(11月23日~12月25日)は主に西国大名の特集、後期展示(1月2日~1月29日)は東国大名の特集になっています。

4.僕が考える戦国時代展の4つの見どころ

本展覧会は、戦国時代についての総合的な展覧会です。大きめのテーマでの総合展示は、物量に圧倒される凄さはあるのですが、その反面、漠然としてて焦点がぼけやすい欠点もあります。戦国時代展も、ややその気配があるかな。。。漫然と見ていると、「うーん、結局なんだったんだ?」という感想になりそう。

展覧会では、展示は章立てして区切られているのですが、ややわかりにくく感じました。そこで、僕が考える本展覧会の着目点・みどころを、4つに絞ってみました。もしよろしければ参考にしていただければ幸いです。

4-1.戦国大名の肖像画

「顔が見える野菜」じゃないですが、写真がなかった当時、彼らの外見的な容姿や人となりを知る最大の手がかりは、絵師たちが残した絵画です。本展覧会には、戦国時代で活躍した大名や著名人たちの「肖像画」がたくさん出展されています。まずこれでイメージをつかむといいんじゃないのかなと思います。

織田信長像
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上杉謙信像
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(引用:http://www.n-story.jp/topic/88/page1より) 

三好長慶像
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(引用:Wikipediaより)

4-2.戦国大名が大切にした遺品

戦国大名達が命をかけて戦い、毎日を生き抜く中で、特に大切に取扱い、現代に至るまで残ってきた武器や防具などの銘品たち。その遺品に伝わる逸話も含めて、一つ一つ非常に見どころが多いと感じました。刀剣や甲冑、戦場で使用する道具など、様々な戦国時代ならではのアイテムが出展されています。

刀 義元左文字 無銘f:id:hisatsugu79:20161201141356j:plain

桶狭間の戦い(1560)の際に、討ち死にした今川義元が携帯していた刀と言われ、戦いの後、織田信長が愛用した名高い名刀。

ちなみに、有名な「鬼切」、「五虎退」が1月2日からの後期展示で並べられます。刀剣コーナーだけ、人だかりになるため特設の順番待ちの柵が出来ていますよ。(東京展)

色々威腹巻 兜・大袖付
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尼子経久が愛用したと言われる変わり兜。大胆な葉っぱの形が非常に珍しいです。

泥足毘沙門天立像
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上杉謙信が信仰し、愛蔵した毘沙門天像。ある日、謙信が帰城し、祈祷をしに毘沙門堂へ上がったところ、堂内には泥のついた足跡が毘沙門天像まで続いていました。そこで、「毘沙門天が一緒に戦場に来てくれたのか」と謙信は驚き喜び、これを「泥足毘沙門天」と呼ぶようになった逸話があります。気品のある小さな毘沙門天像です。

唐草透彫烏帽子形兜f:id:hisatsugu79:20161201141320j:plain

上杉謙信が使ったと言われる、変わり兜です。頭部に「無」と描かれた、信仰心と深く結びついた一品。戦場ではド派手に見えただろうな~。

法螺貝
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真田家に伝わる法螺貝。戦場で合図のために使ったのでしょうか。見事な大きさの立派な法螺貝です。

4-3.合戦や外交戦の生々しい資料

戦国大名達は、平常時は合従連衡、計略などの頭脳戦、諜報戦を繰り広げつつ、戦場では戦いに明け暮れました。そんな彼らの活動を伝える様々な貴重な資料が展示されています。特に、肉筆で書かれた彼らの書状は、生々しくて非常に見どころだと思います。

毛利元就自筆書状
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「毛利・小早川・吉川」の3本の矢で力を合わせて国難に立ち向かわなければならない、と兄弟結束を説いた有名な毛利元就の自筆文書。本人の肉筆で、非常に長文の力の入った書状です。展覧会の目玉展示なので、人垣が出来ていました。

姉川合戦図屏風f:id:hisatsugu79:20161201141624j:plain

徳川・織田連合軍VS朝井・朝倉連合軍が戦った姉川の戦いの様子を描いた屏風。江戸時代に描かれ、徳川家を称えるために制作された屏風なのか、「織田軍」の姿がどこにも見当たりません(笑)

川中島合戦図屏風 米沢本f:id:hisatsugu79:20161201141615j:plain

5回にわたって戦われた、上杉謙信と武田信玄の有名な「川中島の戦い」における、最大の激戦になった第4回目を描いた(と言われる)屏風。一人ひとりの兵士を丁寧に描いた力作です。

武家諸法度(寛永令)
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(引用:江戸東京博物館HPより)

徳川家光により制定されたのが1635年なので、厳密に言うと戦国時代ではありませんが、ポスト戦国時代の武家の秩序を示す文書として、展覧会の最終コーナーで展示されています。保存状態もよく、非常に目についたので最後に紹介してみました。

4-4.戦国時代の文化

戦乱の世の中なので、どうしても戦乱で焼けたり逸失したりでその数は少なそうですが、足利義昭や織田信長を中心として、戦国大名の中には戦いの日々の中でも文化的な活動に造詣が深かった人も多かったようです。戦国時代に花開いた文化や、戦国時代に流行したアイテムを追っていくことで、美術史の流れがつかめるかもしれません。

平清泰西国三十三所巡礼納札
平清泰東国三十三所巡礼納札
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室町時代中期以降、東国・西国などで、寺院の三十三所巡りでの巡礼の旅は一般庶民から武士まで幅広く定着していきました。「平清泰」とありますが、東北地方の豪族、千葉清泰が中尊寺に奉納したものです。

華南三彩五耳壺
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15世紀~16世紀での戦国時代では、後の江戸時代に花開く古九谷や鍋島、伊万里といった洗練された「磁器」のうつわを制作する技術がまだありませんでした。この頃の大名たちは、京都の足利将軍家や貴族たちに倣い、中国大陸から景徳鎮や龍泉窯の陶磁器を手に入れ、祝祭時に使用したり観賞用に飾って愛でていたようです。

君台観左右帳記
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(引用:江戸東京博物館)

足利義政の東山御殿の飾り付けに関して、能阿弥や相阿弥が記録したマニュアルの写し。中国絵画の格付けや、美術・工芸の歴史、茶道の作法などの手引など、当時の貴族や大名、文化人たちが抑えておくべき文化的教養のまとめ本的な存在。

足利氏の力が弱まっていたとは言え、戦国時代においても将軍家は文化・教養のお手本としての権威はしっかり持っていたことが伺えます。

5.公式図録が超分厚い!

今回の展示は、前後期での展示替えがあることや、会場ごとに違うアイテムが出展されるので、3会場分全てを網羅した図録にはとんでもない分量の展示物が収録されています。少なくとも、今年見た中ではNo.1の分厚さでした。まさにマニア必携の書といえそうですね。

図録は、Amazon等では購入できません。いかのよみうりイベントグッズの専用Web通販サイトから購入できます。「遠くて行けないかも?」という人は、図録を購入して、戦国時代展の雰囲気をまず味わってみるのもいいかもしれませんね。

6.まとめ

タイトルにも書きましたが、本展覧会は、アート系のファンよりも歴史ファンや戦国時代ファンにぴったりの展覧会といえそうです。戦国大名達が残した、数々の歴史資料や銘品たちを心ゆくまで味わえる、マニアックな展覧会に仕上がっています。

是非、楽しんでみて下さい!
それではまた。
かるび

「戦国時代展」展覧会開催情報(東京)

◯展覧会の会期
2016年11月23日(祝)~2017年1月29日(日)
※前期:11月23日~12月25日
※後期:1月2日~1月29日
◯会場
江戸東京博物館

◯所在地
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1

◯最寄り駅
JR両国駅/都営大江戸線両国駅から徒歩2分程度

◯開館時間
9時30分~17時30分(入場は30分前まで)

土曜日は午後19時30分まで。
◯休館日
毎週月曜日

年末年始[12月26日(月)~1月1日(日)]
◯公式HP
http://hokusai-museum.jp/
◯Twitter
https://twitter.com/sengokuperiod
◯周辺地図
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