あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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【ネタバレ有】映画「トリガール!」感想・レビューと11の疑問点を徹底解説!/コメディ色が強すぎて残念な面もあったけど、土屋太鳳の新たな一面が見れたのは良かった!

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かるび(@karub_imalive)です。

9月1日に公開された新作「トリガール!」を見てきました。今年に入ってから、土屋太鳳の作品は「PとJK」「兄に愛されすぎて困ってます」と欠かさずチェックしてきました。うーん、さすがに高校生役は限界だろう・・・と思っていた矢先、ようやく実年齢相応の大学生役であります。

やっぱり、大学生役はいいですね!そして、これまでの純真で清楚でちょっと脇の甘い(?)感じのスイーツ女子系とは違い、今回は快活で体育会系な毒舌キャラ!かわいいんだけど、男子顔負けのワイルドさが素晴らしい!

作品は、徹底したコメディにこだわって制作された反面、ストーリーやテーマがややボケてしまった感はありますが、率直な感想を書いてみました!

※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「トリガール!」の予告動画・基本情報

▶映画「トリガール!」公式予告動画
※画像をクリックすると動画がスタートします


動画がスタートしない方はこちらをクリック

【監督】英勉(「ヒロイン失格」「高校デビュー」他)
【配給】ショウゲート
【時間】98分
【原作】中村航「トリガール!」

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引用:映画『トリガール!』公式サイト

本作で監督を努めたのは、「ヒロイン失格」「高校デビュー」など恋愛コメディ映画に定評のある英勉(はなぶさつとむ)監督。2016年は珍しく映画新作のリリースがありませんでしたが。2017年後半から「トリガール!」に続いて乃木坂46メンバーを主演に据えたアイドル映画「あさひなぐ」、年末に恋愛コメディ「未成年だけどコドモじゃない」、さらに2018年に入っても「3D彼女リアルガール」と、2016年の空白を埋めるように得意分野である少女漫画原作の恋愛・青春モノ映画でのリリースラッシュであります。

その作家性は非常に濃く、意外性のあるキャスティング、演出面での引き出しの多さ、原作の世界観や写実的な表現を犠牲にしてまでも、登場人物一人一人のキャラクターをはっきり立てることを優先するキャラクター原理主義的なアプローチは、若手監督の中でも突出して個性的です。

今回の「トリガール!」は、原作者の中村航の作風も、どちらかと言えばライトノベル、ライト文芸に近い、ポップで明るい世界観なので、英監督と相性が良さそうに見えましたが、どうだったでしょうか・・・。つづきは感想で書いてみたいと思います。

2.映画「トリガール!」主要登場人物・キャスト

鳥山ゆきな(土屋太鳳)
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引用:映画『トリガール!』公式サイト
撮影当時21歳と、ようやく実年齢に近い大学生役となり、今年出演した「PとJK」「兄に愛されすぎて困ってます」でなんとなく漂っていたコスプレ感はありません。過去2作とはまた違ったコメディエンヌぶりを発揮しており、英勉監督から、新たな一面をきっちり引き出されています。年内は「8年越しの花嫁」、2018年も「累 かさね」「となりの怪物くん」と主演が続くなど絶好調ですね。

坂場大志(間宮祥太朗)
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引用:映画『トリガール!』公式サイト
珍しくラブコメ要素のある映画での出演となりました。イケメン男子が集結した「帝一の国」とは全く違うワイルドな男らしい演技。アドリブ全開の熱量の高い演技は良かったと思います。今秋、個性的なヤクザ映画「全員死刑」での初主演も決まっています。

高橋圭(高杉真宙)
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引用:映画『トリガール!』公式サイト
土屋太鳳とは「PとJK」でも共演していましたが、不良役からスイーツ映画の王子様のような役柄まで器用にこなす実力派俳優。この後も、「散歩する侵略者」(SF)、「プリンシパル」(恋愛)、「世界でいちばん長い写真」(青春モノ)など、幅広いジャンルで主演から助演まで引っ張りだこですね。2017年~2018年にかけて本格ブレイクしていく予感がします。

島村和美(池田エライザ)f:id:hisatsugu79:20170903010212j:plain
引用:映画『トリガール!』公式サイト
「オオカミ少女と黒王子」「ReLifeリライフ」など、青春恋愛ものでのヒロインの親友役が定位置になりつつありますが、本作もやはり2番手クラスの役柄。今秋、久々に「一礼して、キス」で主演を務める予定ですが、正直な所もう少し舌足らずな発声を改善して演技力を磨かないと、この位置から抜け出すのは厳しいのでは?と思わされます。素材は最高なんですけどね。

古沢(矢本悠馬)
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引用:映画『トリガール!』公式サイト
この夏、大ヒットした映画「君の膵臓をたべたい」では主人公、春樹の友人、ガム君がひょうひょうとした役柄で独特の存在感を放っていました。本作もタイプは違いますが、個性的な役柄を演じきりました。今後、「ポンチョに夜明けの風はらませて」「ちはやふるー結びー」が待機中です。もう27歳なのに、未だに高校生を演じてもそれなりに違和感がないのも凄い。

その他、英監督の作品ではよくコメディ・リリーフとして登場する芸人系ゲスト枠では、ペラ夫を演じたナダル(コロコロチキチキペッパーズ)轟二郎、ひこにゃん(人間ですらない!)など。そして実際に鳥人間コンテストの実況を務めている羽鳥慎一も出演しています。

3.途中までの簡単なあらすじ

この春、1浪して雄飛工業大学に通うことになった鳥山ゆきなは、初日から理系大学独特の雰囲気に幻滅していた。クラスで仲良くなった島村和美以外の男子は、どこを向いてもほとんどチェック柄のシャツにメガネのオタク。明るくリア充な大学生活の夢は打ち砕かれ、早くも投げやりなゆきなは、サークル勧誘にも和美に誘われるままに、人力飛行サークル「Team Birdman Trial」へと入っていった。

しかし、ゆきなは、部室で声をかけてきたイケメン部長、高橋圭におだてられ、流されるままに和美と共にTBTへと入部し、そこで年に1回のイベント、鳥人間コンテストでのパイロットを目指すことになった。サークル内には、神出鬼没なアナウンサー声が特徴のペラ夫、オタクオーラ全開の設計責任者古沢など、個性的な面々が揃っていた。

ゆきなは、圭から、圧倒的な力量を持つものの、去年の失敗のトラウマから立ち直れず部活から遠ざかっていたパイロット候補である坂部先輩を紹介されたが、坂部先輩は、居酒屋でゆきなを見るなり「女にはムリだ」と言い放った。ゆきなの初対面の印象は最悪だった。

しかし、ゆきなに触発された坂部は、部活に復帰する。そして、パイロットを選ぶオーディションでは、坂部と圭が圧倒的な実力で選出された。面白くないゆきなだったが、部員総出で夜通し行われたテストフライトを見て感動し、退部を思いとどまる。そして、テストフライトで全治2ヶ月のケガを負った圭に代わり、ゆきなが坂部とともに今年の鳥人間コンテストのパイロットに決まった。

以後、ゆきなと坂部のトレーニングが始まった。食事制限とダイエットで体づくりに取り組むゆきなと、トレーニングの合間にプールでトラウマ解消を目指す坂部。しかし、最大の問題はゆきなと坂部の相性だった。二人はいつも言い争いばかりで、回りを不安にさせた。

フライト直前の最終飛行テストでも、二人は息が会わず、テストは中止となるのだった。周りは不安になったが、和美だけは、二人の間の独特なケミストリーを感じ、手応えを感じていた。

そして、迎えた「鳥人間コンテスト」当日。機体、パイロット共に最高の仕上がりで臨んだ「アドラー号」は、部員全員の夢を乗せて琵琶湖の大空を舞い上がるのだった。果たして結果はどうなるのか?奇跡は起きるのだろうか?

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4.映画「トリガール!」の感想・評価~色々と惜しい作品だった~

英勉監督の作家性が必ずしもプラスに働かなかった、何か物足りない作品

本作は、興行的にはかなり厳しそうなものの、実際に見に行った人の感想を見ると「今期最高のコメディ映画だった」「爆笑だった」と高評価だった人が多かったようですね。

しかし、残念ながら僕はそこまで作品に入り込めないものがありました。確かに、各シーンで細かくネタを入れてきたり、コメディ的な遊びが多用され、アイデア満載の工夫が詰まった演出は見応えがありました。

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二人だけのシーンはアドリブ全開の丁々発止のやりとり!
引用:映画『トリガール!』本予告 - YouTube

キャラクターも申し分なく立っていますし、演技上の裁量が与えられ、アドリブ全開でのびのび演じていた主演陣も悪くなかったと思います。このあたりは、英勉監督の作家性が全面に出た結果ですね。

ただし、本作ではその監督の圧倒的な個性や演出力が、効果的に作用したか?といえば少し微妙だったのではないかな?と思います。

ネタやコメディに走りすぎ、ストーリーの大切な部分が流されていった

鳥人間コンテストは、箱根駅伝や高校生クイズなんかと同じで、競技当日の結果だけでなく、そこに至る努力・苦難のプロセスや感動ストーリーも含め、ドキュメンタリー的な見せ方で共感を生んできた番組なんだと思うんです。

だから、製作中の取材段階で拾えた逸話を元に、脚本を練り込み、映画的な演出を強化することで、より質の高いストーリーに仕上げることも可能だったはず。

ですが、本作では、変化球的なアプローチに終始し、真正面から「鳥人間コンテスト」というテーマにぶつかるのを避けたきらいがあります。実話のドキュメンタリーには勝てないと考えたからでしょうか?

結果として、スラップスティック・コメディ一歩手前くらいにまでコメディ要素を詰め込みすぎた分、人間同士がぶつかる葛藤や、成長に至るプロセスをきちんと描ききれていなかったかなと。

また、シリアスなシーンまで、オチをつけて落とした上、合理的な説明もなくテンポよくストーリーが進んでしまうので、映画のキャラクターに感情移入することが非常に難しく感じました。

例えば、僕が引っかかったのはこのあたりのシーンです。

・圭がケガをしたあとの会議シーンで、坂場が、ケガをした圭を簡単に切り捨てて、「ゆきなじゃなきゃ飛ばない」と断言する根拠がよくわからない。出会って数日なのにそこまでなぜ言い切れる?
・圭がパイロットを諦めなければいけない無念さが描かれていない。あっさり自分自身の夢を手放しすぎるのでは?
・少し喧嘩をした程度で、大切な直前飛行テストを簡単に中止して、ぶっつけ本番で挑むのがよく分からない。安全性確保のためにもここでテストを中止するのはありえないのでは?
・直前まで前兆もなく、フライト中に突然大声で告白するのが唐突すぎる。(原作では何度も坂場先輩の言葉にならない好意が繰り返し伏線として描かれている)

ある程度テンプレ的な演出が出尽くして、演者のレベルが落ちる学園恋愛青春スイーツ映画であれば、「ヒロイン失格」のような演出過剰な変化球的なアプローチは逆に新鮮で良いと思うんです。

でも、「鳥人間コンテスト」のようにスポ根的で専門的なジャンルを扱う時は、写実的な描写やもう少し自然なストーリーの進行の方が良かったと思います。少なくとも、丁寧な描写を積み上げ、クライマックスで大きなカタルシスを感じさせてくれた原作小説の感動を越えることはありませんでした。残念・・・。

とはいえ、土屋太鳳をはじめ、俳優陣の新たな個性が引き出されたのは良かった

ストーリー全体にはもう一つ乗れなかったのですが、キャラクターや俳優の魅力はきっちり120%引き出されていたのはよくわかりました。このあたりは、さすが英勉監督の真骨頂としか言いようがありません。

過去作でも、「ヒロイン失格」での桐谷美玲の見せた新たな表情や振り切ったコメディエンヌ振りに圧倒されましたが、本作では特に主演・土屋太鳳のパワフルな毒舌・絶叫全開の全力演技が素晴らしかったです。

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引用:映画『トリガール!』本予告 - YouTube

また、自由にのびのび演じることができた現場では、俳優同士のアドリブの応酬が生み出すライブ感や意外性も十分引き出されていたと思います。(編集段階で締める部分をもうちょっと締めてあれば尚良かった)

少なくとも、土屋太鳳ファンにとっては、新たな表情や演技を堪能することができた非常に見応えのある映画になったのではないでしょうか?

CGの力がなくては成立しなかった企画

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引用:映画『トリガール!』本予告 - YouTube

また、本作クライマックスで、実際にチームTBTの「アドラー号」が琵琶湖の空に飛翔するシーンは、発射台も含めてすべてCGで描きこまれています。和製CGにしてはかなりしっかり描かれていたことに感心。

機体の羽のしなり方、風に煽られて方向感を失う場面、上下に高度を上げ下げする場面など、つい先日に「鳥人間コンテスト」で見たとおりのイメージで、本当に精巧に作られていて良かったです。ハリウッドじゃなくてもここまでできるんだなと唸らされました。

少なくとも、本作ではこのCGのクオリティが水準に達していなかった場合、評価に直結する問題になっていたはずです。パンフレットに書かれていたとおり、「映画のもう一つの主役」は間違いなくCGを制作したVFXチームだったと思います。

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5.映画「トリガール!」をもっと楽しむための11のポイント~伏線・設定を徹底考察!~

疑問点1:本作でテーマとなった「鳥人間コンテスト」ってどんな競技なの?

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引用:鳥人間×宇宙兄弟|鳥人間コンテスト|読売テレビ

鳥人間コンテストは、今もイギリスで行われている「Birdman Rally世界大会」を参考に、1977年に第1回が始まりました。当時は独立した大会ではなく、「びっくり日本新記録」というバラエティ番組から派生した一企画としてスタートしています。そんな第1回大会の最高記録はわずかに82.44メートルでしたが、その後各参加者のレベルが急激に上がります。

当初はグライダーのような滑空機が主流でしたが、1980年代からは、コックピットに座ってプロペラを回して人力で飛行する「プロペラ機」が出現します。当初は単なる奇抜なアイデアレベルに過ぎませんでしたが、1990年代からは滑空機の記録を超えるようになり、琵琶湖北岸へと到達する20キロオーバー超えが続出します。2003年には琵琶湖大橋まで到達する34654.1メートルが出ました。

これにより20km地点での「折り返し」ルールが制定されますが、2017年にはとうとう森精機の社会人チームが往復40km完全制覇を達成するなど、技術進歩・ノウハウの蓄積によりますます各チームの競争が激化しています。

疑問点2:「トリガール!」でモデルとなった大学や団体は?

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芝浦工業大学の2人乗りプロペラ機(2016年)
引用:トリペディア|鳥人間コンテスト|読売テレビ

原作者、中村航氏の母校でもある、芝浦工業大学「Team Birdman Trial」がモデルとなっています。重量は1.5倍だけど、出力は2倍に出来るのでは?という着想から、同大学では伝統的に2人乗り人力プロペラ機に挑戦を続けています。ちょうど、映画主演の土屋太鳳も応援にかけつけた2017年のコンテストでは、同大学新記録となる6625.68mを記録しました。

今回の映画化では、男女二人乗りでコンテストに挑むストーリーとすることで、映画ならではの物語性を出せるのでは?という成算から映画企画が進んでいったといいます。

疑問点3:「鳥人間コンテスト」飛行禁止区域とは?

鳥人間コンテストには、安全上の配慮から、土手の上や浅瀬など「飛行禁止区域」が設定されています。パイロットは、飛行禁止区域に入る前に機体を捨てる=墜とすことが求められます。オンエアはされていませんが、過去、飛行機が制御不能になって桟橋に突っ込んだり、湖岸に墜落して重大事故寸前だった事例もあるようです。

一度事故を起こしてしまったら、皆で歴史を作りあげてきた大会そのものが中止になる重大なリスクもあり、大会側は、飛行禁止区域を飛んだチームを「危険行為」とみなし、失格処分とした上、翌年以降の出場停止処分を科すなど、重いペナルティを設定しているようです。(例えば、2006年、東京工業大学は飛行禁止区域を飛び、失格処分となった)

映画では、飛距離が伸びたため、琵琶湖の対岸に接岸する手前で設けられた【飛行禁止区域」に侵入しそうになったため(+体力の限界を迎えたため)坂場先輩とゆきなは機体を落さざるを得ませんでした。

疑問点4:映画のロケはいつ行われたのか?

映画撮影は、2016年の「鳥人間コンテスト」が終わった直後、セットをそのまま残してロケが行われました。羽鳥アナウンサーも残ってロケに参加したようですね。

疑問点5:多景島にいた住職「轟二郎」って誰なの?

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引用:映画『トリガール!』公式サイト
物語の本筋とは直接関係ないお笑い芸人やタレントをいつもワンポイントのコメディ・リリーフで使う英勉監督ですが、今回もペラ夫先輩を演じたナダルの他に、マニアックな「轟二郎」をワンポイントネタとして多景島の住職としてクライマックスで起用してきました。

轟二郎は、鳥人間コンテストの前身バラエティ番組「びっくり日本新記録」に芸能人枠として参加し続けたコメディアンです。80年代はかなり芸人として知名度もあり、地上波TVにも出ていましたが、その後バラエティの第一線から身を引き、現在では故郷・静岡ローカルで活動しているようです。(アメブロの公式ブログは毎日の弁当のネタばかり・・・)

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引用:Wikipediaより
ちなみに、多景島は、琵琶湖上に実際に実在する島で、島には創立約400年となる見塔寺という日蓮宗のお寺が建っています。

疑問点6:結局何メートル飛んで、チームの成績は何位だったのか?

映画では、最後に落下してから、戻って夕日をバックに抱き合って終了・・・となってしまい、一体彼らがどれくらい飛んで、全体順位は何位だったのか明らかにされないままエンドロールへと突入していきました。

原作小説によると、飛行距離は10866.03mで、人力プロペラ機部門で13機中3位でした。映画企画・小説執筆時点で、モデルとなった芝浦工業大学の最高記録が2008年の3044mなので、大健闘というところでしょう。

疑問点7:謎のOB、ペラ夫先輩とはどんな人なのか?

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引用:映画『トリガール!』本予告 - YouTube

コロコロチキチキペッパーズのボケ担当、ナダルが演じたペラ夫先輩は、サークルの生き字引的な存在のOBで、現大学院生。活動を側で見守り続ける人です。

人力飛行の世界に魅せられた人ですが、その一方で現役時代にやり残した未練が残り、自分自身の新たなキャリアに踏み出せないでいるという内面的な課題を抱えていましたた。しかし、ゆきな達のビッグフライトを見て、ようやく卒業する決意がつきました。

英勉監督の演出で、神出鬼没の美声アナウンサー風の奇抜なキャラに仕上がっていたのは笑えました。ここでナダルを使うか!という・・・

疑問点8:ラストシーンからの予想~ゆきなと坂部先輩はこの後どうなるのか?

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引用:映画『トリガール!』本予告 - YouTube

後日のトークショーでゆきな役を演じた土屋太鳳が、「ゆきなはこの後もきっと坂場先輩と付き合うことはないと思う」と言っているように、映画では二人の行く末は描かれておらず、その後の展開は鑑賞者の想像に任されています。

小説版では、「ちょっと見た目がタイプじゃないです!」と言いつつも、その後に「見た目はナシだけど、嫌いじゃないです!」というセリフがあり、一瞬「好きだ」と返答してもいいんじゃないかと心のなかで迷っている描写もありました。が、やはり結末では二人は付き合うには至っていません。

原作のその後を描いた後日譚でも、坂場先輩とゆきなの関係性は膠着状態になっています。坂場先輩はその後留年が確定し、翌年のパイロットのオーディションに名乗りを上げるシーンがあります。ゆきなも恐らくパイロット候補なのでしょうから、ひょっとしたら将来的には二人はくっつく可能性もあるのかもしれませんね。

疑問点9:和美は誰が好きだったのか?

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引用:映画『トリガール!』本予告 - YouTube

映画では、大学入学前から坂場先輩のことを知っている雰囲気で、二人きりで告白するシーンこそありませんでしたが、明らかに坂場先輩に片思いしている状態だったと考えられます。本番前日の坂場との二人きりのプールのシーンや、ゆきなが坂場先輩のグチや悪口を言うたびに妙にフォローに入る姿勢からもバレバレでしたね。

原作でも、後日譚を描いた短編集「恋を積分すると愛」中に、和美を主人公とするスピンオフで、坂場先輩に片思いする和美を描いた短編があります。興味があれば是非読んでみて下さい!

疑問点10:圭の彼女は?原作とはどう違っていたのか?

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通称「メガネ女子」。セリフは一言もない。
引用:映画『トリガール!』公式サイト

フライト中にゆきなに振られた坂場先輩が、ヤケクソになって圭の彼女をバラすシーンがありました。フライト中、圭と一緒にボートに同乗して琵琶湖を伴走していましたが、この人は「メガネ女子」というあだ名がついており、原作小説には登場しない映画オリジナルのキャラクターです。よく見たら美人なんですよね。見事にセリフが一言もなかったのは、敢えての演出なのだそうです。オタサーの姫的な立ち位置だったのでしょうか。

疑問点11:原作との主な設定の違いは?

原作小説とストーリーの流れは概ね同じですが、細かい設定が変わっています。以下、主要な設定の違いをまとめてみます。

・映画版では、圭は部長でしたが、原作では圭は2年生でした。
・居酒屋で坂場先輩が読んでいた小説は、映画版では「涼宮ハルヒの退屈」でしたが、原作では「お兄ちゃんとずっと一緒にいるって決めたのっ!」という架空の妹萌えライトノベルでした(笑)
・映画版では和美は広報担当ですが、原作ではエンジニアでした。
映画で圭の彼女だった「メガネ女子」は、原作では存在しません。その代わり、マイメロ先輩という男子に人気のある「オタサーの姫」的な女性メンバーがいます。
・映画版では古沢は設計責任者ですが、原作ではサークルの部長でした。
・原作では、坂場先輩に「悪魔の鉄槌」(ルシファーズ・ハンマー)、圭に「天使の翼」(エンジェル・ウィング)というあだ名がついています。

6.まとめ

本作は、英勉監督の作家性が良い部分にも悪い部分にも出た作品でした。涙を流すほど感動したい!という感じで見るよりも、頭を空っぽにして、気軽に娯楽作品として楽しむスタンスの方がこの作品にはフィットしているのかもしれません。決して悪い作品ではないと思います!

それではまた。
かるび

7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

原作小説「トリガール!」

元々中村航の作風自体もライト文芸的なポップな軽さがあり、映画の延長線上でサラッとストレス無く読めます。映画では描かれなかったパイロット班以外の裏方の苦労や、日々のトレーニングメニュー、全体サークル行事など、より詳しく描かれており、映画を見てから読むとより「トリガール!」の世界観が深く味わえます!

原作小説スピンオフ「恋を積分すると愛」

中村航の作家生活15年を記念して、後日譚2本と巻末に中村航×土屋太鳳の特別対談を収録したスピンオフ短編集。1本は坂場先輩への想いを綴った和美目線でのストーリー、そして、もう1本は裏方のエンジニアの男子達のサークル内恋愛をテーマとして描いています。映画試写を見てから書いたらしく、轟二郎についてもちゃんと言及されてました(笑)

鳥人間コンテスト30周年記念BOX DVD

読売テレビから公式グッズとして販売された、鳥人間コンテスト30周年を記念して制作された記念DVD。過去30年の歴史や様々な感動ストーリーが詰まったファン必携のアイテムになっています。 

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英勉監督のコメディに対する引き出しの多彩さ、アイデア力は、過去作を見れば本当によくわかります。未見の人は、まずは「ヒロイン失格」だけでも是非見て下さい!手垢がつきまくった学園青春恋愛ドラマも、まだ演出次第でここまで面白く出来るんだ!というのがよくわかります。

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