あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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【ネタバレ有】映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」 感想・レビューと10の疑問点を徹底解説!/不気味の谷を越えた!リアルな猿たちがスクリーンで大活躍!【聖戦期/大戦記】

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かるび(@karub_imalive)です。

10月13日に公開された猿の惑星の最新作「猿の惑星 聖戦記 グレート・ウォー」を見てきました。2011年から始まった「シーザー」を巡る3部作の最終話となる作品です。(しかしそれにしてもこの「聖戦記」という単語、聞きなれないですよね・・・。「聖戦期」とか「大戦記」とか間違えて検索したりTwitterにアップしてる人続出^_^;)

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、ストーリーの考察・解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」の予告・基本情報

▶猿の惑星「公式予告動画」
※画像をクリックすると動画がスタートします


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【監督】マット・リーブス(「猿の惑星:新世紀」「クローバー・フィールド」他)
【配給】20世紀フォックス映画
【時間】140分

オリジナルシリーズの前日譚としての位置づけで、進化した猿「シーザー」の一生を描いた、2011年から始まるリブートシリーズの第3弾。シリーズ最終章らしく、140分とかなり重めの長編となりました。

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引用:http://www.imdb.com/name/nm0716257/mediaviewer/rm602707712

本作のメガホンを取ったのは、前作「猿の惑星:新世紀」に引き続き、マット・リーブス監督です。「創世記」の後、「新世紀」の監督に内定していたルパート・ワイアット監督が急遽(もめて?)交番した後、ピンチヒッターで引き継ぎ、作品は無事にヒット。その実績を買われて、本作も手がけることになりました。

アメリカでは夏休みシーズンに公開され、気になる興行収入も、ここまで全世界で約4.8億ドルと順調に推移している模様です。

ゴジラやキングコングなど、これまで数々の「怪獣の中の人」を演じた、シーザー役のアンディ・サーキスは、ひょっとしたらアカデミー賞を初受賞するモーション・キャプチャー俳優になるのでは?ともささやかれています。

2.映画「猿の惑星:聖戦記(グレートウォー)」主要登場人物・キャスト

主要登場人物

シーザー(アンディ・サーキス)f:id:hisatsugu79:20171014051330j:plain
引用:War for the Planet of the Apes | Official Trailer| 20th Century FOX
猿の集団を率いる王。最も知能が高く、英語を今や自由自在に操ることができる。いわば、人類に一番近づいた猿。人類との平和共存や、猿同士の団結を重視しているが、大佐に妻と子供を殺されて、一転して復讐に心を奪われてしまう。このあたりも人間らしい「弱さ」が備わってきた証拠なのでしょうか。

大佐(ウディ・ハレルソン)f:id:hisatsugu79:20171014051451j:plain
引用:War for the Planet of the Apes | Final Trailer | 20th Century FOX
自らの信念に縛られ、狂信的な思想を持つに至ったテロ集団のリーダー。特にシーザーを殺害することで、猿の集団を滅亡に追い込もうと画策する。絶望的な状況で、集団を率いるリーダーの孤独さやつらさも伝わる好演でした。

モーリス(カリン・コノヴァルf:id:hisatsugu79:20171014050922j:plain
引用:War for the Planet of the Apes | "One Incredible Story" | 20th Century FOX
霊長類保護施設で、初めてシーザーと手話で会話した古参の部下。穏やかな性格で、シーザーの参謀的存在。旅の途中でノバを気にかけ、養女として面倒を見るようになる。なお、モーションキャプチャー担当は女性俳優です。

ロケット(テリー・ノタリー)f:id:hisatsugu79:20171014052006j:plain
引用:War for the Planet of the Apes | "Their Reign Begins" | 20th Century FOX
霊長類保護施設で、シーザーが来る前はボスザルだった。シーザーと戦って負けを認めて以来、モーリス同様刎頚の友になる。友を救うためには自己犠牲もいとわない勇敢さも持ち合わせるチンパンジー。

ノバ(アミア・ミラー)
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引用:War for the Planet of the Apes | Final Trailer | 20th Century FOX
言葉を喋れない少女役に抜擢されたアミア・ミラー。TVシリーズの子役やCM・モデル等で多数の露出を経て、近年は映画にも進出。試しにGoogle画像検索をかけたら、モデルっぽい画像が多数ヒット。映画では「ライト/オフ」(2016)でヒロイン役の少女時代を演じるなど、今後の活躍が楽しみです。

3.途中までの簡単なあらすじ

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引用:Rise of the Planet of the Apes | Teaser | 20th Century FOX 

サンフランシスコの製薬企業ジェネシス社が作り出した認知症への特効薬は、猿達の知能を飛躍的に高めたが、人類に対しては死に至る殺人ウィルスとして機能した。薬の効果により知能の高まった猿達は、霊長類保護施設を抜け出し、シーザーをリーダーとして国定公園の森林に定住した。

一方、人類にあっという間に感染が広がった「猿インフルエンザ」は猛威をふるい、15年後、世界中の人類は絶滅の危機に瀕していた。高い身体能力と知能で人類を凌駕し始めた猿達に対して、危機感を抱いた人類は、2年前からシーザーたちと断続的な交戦状態にあった。

シーザーたちは、森の奥深くに砦を築き、専守防衛に徹していたが、「AΩ」をシンボルマークとして、「デス・スクワッズ」部隊を率いる「大佐」(ウディ・ハレルソン)は、シーザーを執拗に付け狙い、森の奥深くまで攻め込んできた。

一度は防衛に成功するものの、再度数名で潜入してきた「大佐」に妻と長男を殺害されたシーザーは、安住の地を求めて移住への旅に出た猿の群れを離れ、数名の部下と「大佐」への復讐の旅に出た。

海辺や雪深い山奥を超えるうちに、シーザーたちは「猿インフルエンザ」の体内での突然変異によって喋れなくなった人間の少女「ノバ」(アミア・ミラー)や、別の動物園で生き残り、脱走して隠遁生活を送っていた「バッド・エイプ」を仲間に加えた。

しかし、雪深い山の奥に築かれた「大佐」の要塞に到着したシーザー達が目にしたものは、劣悪な収容所で虐待され、強制労働させられていたシーザーの仲間たちだった。シーザー自身も捕まってしまい、絶体絶命の中、シーザーの最後の戦いが始まるのだった・・・。

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4.映画「猿の惑星 グレートウォー」の感想・評価

単純に大規模な合戦ものかと思っていたら、全然違ってました

「なぜ、人間が滅亡して猿が地球の支配者になってしまったのか」という、「猿の惑星」オリジナルシリーズに接続する「前日譚」シリーズの最終章となる第3弾。英語の原題でも「War for the planet of the apes」とあったように、コバの裏切りにより猿と人間の間の対立が決定的になってしまい、事実上「戦争状態」に突入してしまった前作「猿の惑星:新世紀」のラストを受けて、今回はいよいよ人間VS猿の激しい戦争ものかな?!と思っていたら、そんな単純な話でもなかったです(笑)

確かに戦闘シーンらしいシーンは、オープニングやクライマックスで少しあるんですが、ずーっと戦うわけじゃなくて、時間帯によって、映画のテイストがガラッと変わるのです。

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復讐の旅に出るシーザー(前半)
引用:War for the Planet of the Apes | Teaser Trailer 20th Century FOX

前半は、主人公、シーザーの復讐の旅を丁寧に描きます。雪の降る山を越えたり、海岸を歩いたりと、亜人型モンスター編成での冒険ファンタジームービーか、ロードムービーのようなテイストです。(町田智浩氏はイーストウッドの西部劇みたいだと評論してました)

そして、後半は一転して脱獄ものに。収容所であっさり捕まったシーザーが、一旦見捨ててた仲間たちと収容所で合流し、外側にいるモーリス達と連携しながら苦労して脱獄するプロセスを丁寧に描かれました。

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戦闘は始まるが、人間対人間の戦いだった・・・
引用:War for the Planet of the Apes | Final Trailer | 20th Century FOX

猿が全員脱出後、ラスト手前でようやく(お待ちかねの?!)大規模な戦闘が始まりますが、戦闘シーンはもはや猿VS人間ではなく、人間VS人間の戦いなんですよね。飛来する戦闘ヘリは、砦に対して無差別に爆撃を加えますが、肝心の猿は戦場にはいなかったという・・・(笑)

そして、猿達の「約束の地」を目指すラストシーンはまるでモーセの出エジプト記のような展開に。もともと1作目の段階で、出生後、周囲から隠されて育てられたシーザーは、旧約聖書のモーセのメタファーでは?と言われていましたが、土壇場でシーザはモーセそのものになりました。

しかし、映画が終わってからよくよく考えてみると、この映画では全体としていろいろな「戦い」を同時多層的に描いていたんだなと気付かされます。「人間VS猿」の大きな対立構造の中で、集団レベルでは「人間VS人間」「猿VS猿」、そして、個人では「シーザーVS大佐」という戦いを、一つの大きな物語の中でドラマチックに封入した、よくできたシナリオだったんだなと唸らされました。

作品を追うごとに、少しずつ進化・成長する猿達

丁寧に描かれていたな~と感心だったのは、作品を追うごとに少しずつ進化を重ねていくシーザーやモーリス達でした。特に、シーザーの言語能力の発達ぶりが凄いです。

1作目では、「No!」とか片言の単語レベルだったのに、2作目では、手話を交えた簡単なブロークン・イングリッシュが使えるまでに発展。そして、今作ではとうとう、普通に人間とよどみ無く会話をしています!

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実は喋れるモーリス
引用:War for the Planet of the Apes | "Bad Ape and Maurice" Clip | 20th Century FOX

他のキャラクターでは、モーリスも発話できるようになっていましたね。ノヴァに名前をつける時、シーザーを看取る時など、大事な場面限定でしたが、手話だけでなく喋れる能力を獲得していました。

さらに、今作から出てきた「バッド・エイプ」。なんでジャケット着てるんだろうと思っていたら、パンフレットに「進化して毛が抜けた」と書かれていて驚愕!彼は1代の間にチンパンジーから類人猿へと進化していたのでしょうか?!

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体毛の1本1本までリアルに再現するCGの凄さ!
引用:War for the Planet of the Apes | Teaser Trailer 20th Century FOX

こういった微細な変化を表現するCG技術の発展も凄かったです。猿ごとの微妙な表情の違い、体毛の1本1本迄細かく再現した美麗な画像など、モーションキャプチャーからCGを作り上げる技術は、もはや完全に「不気味の谷」を超えましたね。

1作目「ジェネシス」のゴールデンゲートブリッジでの攻防戦などは、3Dアクションのゲーム実況を見てるのか?っていうくらい、明らかに「作り物感」が目立ってましたから、わずか6年でここまで進歩するとは凄いものです・・・。

少女「ノバ」の極めて重要な位置づけ

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引用:War for the Planet of the Apes | Official Trailer| 20th Century FOX

物語中、何と言っても素晴らしかったのは、若干13歳の新人俳優アミア・ミラーが演じた少女、ノバの存在です。話せないため、表情や動作だけで演技をやりきらなければならない難易度の高い役柄ですが、見事な演技と存在感が光りました。

同じ20世紀FOXの映画「ローガン」でも、やっぱりダフネ・キーン演じる、喋らない少女「ローラ」が独特の魅力を放っていたのを思い出しました。あるいは、最近の日本映画なら、4月に封切られた「無限の住人」でも、キムタクの相棒は若干17歳(設定)の杉咲花でしたし。やはり、男性要素が強めの「西部劇」的なロードムービーには、こうした謎めいた少女が絶妙にハマりますね。

今作も、ノバがいることで、ストーリーにすごく深みが出ているのですよね。

まず、直接的には大佐を倒すためのウィルスの媒介者としての存在ですよね。彼女がシーザーに差し入れた「人形」を拾い上げた大佐は、彼女が持っていたウイルスに感染してしゃべれなくなって死亡します。

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危険を冒してシーザーを助けたノバ
引用:War for the Planet of the Apes | Official Trailer| 20th Century FOX

また、ノバはシーザーにとっての精神的な支柱にもなりました。息子と妻を大佐に殺され、人間への復讐心に取り憑かれてしまったシーザーに対して、危険を犯してシーザーを献身的に支えることにより、シーザーに「猿らしい」心とリーダーシップを取り戻させました。

また、猿の集団の中に完全に溶け込み、心を通わせ合っているノバの存在は、「猿を徹底排除するしか人間が幸せになる道はない」と狂信的に思い込んでいる大佐へのアンチテーゼですし、約束の地で将来の人間と猿が共存共栄する希望的未来を予感させる象徴ともなっています。

殺伐としたシーザーの復讐劇、猿と人間の戦争、猿達の虐待や脱獄など、暗いトーンのシーンが続く中、猿と人間をつなぐ唯一の架け橋として極めて重要な役割を果たしていたと思います。

贅沢かもしれないけど、もう少しだけ人間側のドラマも見たかった

1作目、2作目もそうでしたが、このリブートされた「猿の惑星」シリーズでは猿側のドラマ・心情描写は非常に生き生きと、時間をかけて深く描かれるのですが、その反面、人間側のドラマがかなりペラペラになってしまっています。

今作でも、結局大佐以外の人間はほとんどモブキャラでした。シーザーに見逃されたのに、最後にシーザーに致命傷を追わせたゲスなプリーチャー以外は、名前すら出てきません。また、大佐と対立する政府軍がどんな陣容なのかもわかりませんし、息子のエピソード以外、大佐自身の過去もよくわからないという・・・。

この点、オリジナルの「猿の惑星」は割りと「猿側」「人間側」を均等に描き分けていたと思うので、もう少しだけ人間社会の様子にも言及してくれても良かったのかな、と思いました

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5.映画「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」に関する10の疑問点~伏線・設定・ストーリーを徹底考察!~

本作をより深く理解するため、ストーリーや設定について、その要点となりそうなポイントを考察してみました。内容上、映画を1度見終わった人向けのコンテンツとなりますので、ここからはネタバレ要素が強めに入ります。予めご了承下さい。

疑問点1:人類はなぜ絶滅の危機に瀕していたのか?

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引用:Rise of the Planet of the Apes | Teaser | 20th Century FOX 

15年前、サンフランシスコの製薬企業ジェネシス社の神経科学者、ウィルが作り出した認知症特効薬「ALZ113」を実験中に浴びてしまったフランクリンから始まった「猿インフルエンザ」。これにより、体内にウィルスに対する抗体を持つ僅かな人々を除いて、全員死亡してしまいます。残った人類たちは、世界各地のコロニーに集まり、大幅に文化・技術レベルが後退したディストピア的な環境で生き延びていました。

しかし、15年後、彼らの体内で突然変異した猿インフルエンザにより、人類は言葉を話す能力を失う者が続出し、これをきっかけとして、「大佐」狂信者集団と北部のアメリカ軍の間で内戦まで勃発します。

こうして、人類はあっという間に絶滅の縁まで一気に追いつめられたのでした。こんな危機的状況になっても、猿と和解しないどころか、内戦をやっているようでは先が思いやられますよね・・・。

疑問点2:幼いヒロイン「ノバ」に込められた意味とは?話せないノバはなぜ隔離した小屋に住んでいたのか?

ノバは、元々「大佐」の要塞に住んでいましたが、猿インフルエンザが体内で突然変異し、言語能力を失いました。大佐の殺害を逃れるため、秘密の地下道を通って要塞の外へと逃げ出し、山奥の小屋でひっそり生活していたのです。

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シボレー・ノバのエンブレムから「ノバ」と名づけられた
引用:Wikipediaより

「ノバ」は、日本人ならどうしても某英会話教室を連想しますが、元々はラテン語で「新しい」という意味で、まだ見たことのないものや場所を象徴するキーワードです。文脈によって「新しい大地」や「少女」としても解釈することができるため、猿達にとっての約束の地を目指す今作のストーリーにぴったりの名前です。

人間らしさの源泉でもある「言語能力」を失い、でも外見は猿にも似ていない彼女が「私はエイプなの?」とモーリスに聞いた時、「お前はノバだよ」と答えたのが印象的でした。人間でも猿でもない、いわばハイブリッド的な「新しい、特別な存在」ということなんでしょうね。

また、1968年のオリジナル第1作「猿の惑星」でも、猿に奴隷としてとらわれている口の聞けない白人の美女(ヒロイン)が、「ノバ」という名前です。オリジナル版へのオマージュでもあるわけですね。

疑問点3:バッドエイプとは何者なの?なぜ英語が話せたのか?

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引用:War for the Planet of the Apes | Final Trailer | 20th Century FOX 

バッドエイプは、シーザーとは別にサンフランシスコ近郊の動物園に住んでいた猿です。シーザーから直接ALZ113を投与されていませんが、人類に蔓延した猿インフルエンザに感染し、知能が飛躍的に向上して喋れるようになったのです。

バッドエイプは、人類が話しているのをマネているうちに話せるようになりました。彼の身体的特徴として、毛が抜け落ちてしまい、外見的に人類に近い類人猿へと進化している点が見どころです。そのため、防寒対策としてダウンジャケットを着ていましたね。

疑問点4:大佐の組織のシンボル「AΩ」の意味するものとは?

「AΩ」とは新約聖書に頻出するワードです。ギリシャ文字の最初の文字「A(アルファ)」と最後の文字「Ω(オメガ)」が並ぶことで、「全て」「永遠」やそこから「全知全能の神」を想起させる象徴的な言葉ですね。人類の生存は我々にかかっている」という、彼らの戦う目的を究極の形で表したスローガンだったのでしょう。大佐は「X」型の十字架など、こうした聖書に関連するキーワードを使うことで、求心力を維持していたものと思われます。

もっとも、元ネタはオリジナル版「続・猿の惑星」と思われます。出てくる核弾頭のフィン(羽)に「AΩ」と書かれていました。

疑問点5:大佐側の組織にいた猿はなぜドンキーと呼ばれていたの?

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懐かしいあのゲームから・・・
引用:Wikipediaより

大佐側の組織に寝返った猿たちは、奴隷のように末端で使役されていました。彼らの体には「Donkey」と乱雑に焼き印されていたように、「ドンキー」は明らかに猿に対する「蔑称」です。

なお、マット・リーブス監督は、この「ドンキー」はドンキーコングから採ったとインタビューで語っています。シーザー側から寝返った最初の猿、レッドは大型の黒いゴリラで、たしかにドンキーコングのキャラみたいでした。。。

疑問点6:なぜ大佐は猿を使って「巨大な壁」を建設していたのか?

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引用:War for the Planet of the Apes | Final Trailer | 20th Century FOX 

大佐の究極の目的は「猿」を絶滅させることでしたが、彼は州境の北側にあるルイス・マコード基地のアメリカ軍とも対立していました。対立の原因は、猿インフルエンザの突然変異により言語能力を失った人たちを容赦なく殺害する過激なやり方が、投薬で治癒すると考えている人類の多数派に危険視されたからです。

近日中に攻め込んでくるアメリカ軍から身を守るため、要塞を強化する必要がありましたが、その際の働き手として、(用済みとなったら将来殺害する予定で)捕虜とした猿を壁の建設に当てたのでした。

疑問点7:なぜ大佐は突然喋れなくなって自殺したのか?

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引用:War for the Planet of the Apes | Official Trailer| 20th Century FOX

ノバがシーザーの独房に差し入れた人形を、不用意に手づかみで拾ってしまったことが直接の原因でした。進化型猿インフルエンザウィルスのキャリアであるノバの持ち物を介して、彼にも感染してしまったのです。

元々、彼の集団では感染者を見つけ次第死刑とし、自らの息子ですら射殺したくらいでしたので、自らが罹患して、「人間」でなくなった以上、自決するしか道はなかったのでしょう。

疑問点8:前作「猿の惑星:新世紀」の主人公、マルコムはどうなったの?

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引用:Dawn of the Planet of the Apes [Movie Clip "Apes Don't Want War”

前作「猿の惑星:新世紀」の主人公で、コロニーの代表として国立公園内のダムを再稼働させるため、森の奥深くでシーザーと出会い、意気投合したマルコム。そんなマルコムと大佐は、2年前に、大佐がマルコムのコロニーに立ち寄った際、直接会って話し合いを持ちました。

シーザーのリーダーシップを高く評価していたマルコムは、大佐にシーザーと平和協定を結ぶよう進言しましたが、それが大佐の逆鱗に触れて、マルコムはその場で大佐に射殺されたのでした。(本編からはカットされていますが、ノベライズ版「猿の惑星:聖戦記」に詳細な回想シーンがあります)

疑問点9:シーザーの死後は誰が猿達のリーダーになったのか?

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引用:War for the Planet of the Apes | "One Incredible Story" | 20th Century FOX

明確には描かれていませんが、恐らく、オランウータンであるモーリスが次のリーダーになったのではないでしょうか?

モーリスは、1作目の「創世記」で霊長類保護施設の独房の中で、シーザーと最初に意気投合した最古参のブレーンですし、ラストシーンでもシーザーの側に最後まで付き添います。

また、映画「猿の惑星」では、「ザイウス博士」に代表される政治家・支配者階級はモーリスと同タイプのオランウータンで占められていたこともその根拠です。そして、当時、ザイウス博士を演じた俳優が、モーリス・エヴァンスでした。(モーリスは、恐らくここから名前を採ったと思われます)

疑問点10:続編はあるの?「猿の惑星」オリジナルシリーズとの関連性は?


引用:Amazon.co.jp

西暦3955年頃を描いたオリジナル「猿の惑星」シリーズでは、猿が繁栄し、人間たちが奴隷状態になった上、言語能力を失っている様子が描かれました。その理由や背景・経緯が、今回のリブート3部作で余すこと無く描かれましたので、「前日譚」として因果関係ははっきりありそうです。

ただし、リブート3部作の終了時は21世紀、オリジナルは40世紀と、2000年ほどタイムラグがあるため、いくらでもストーリーが作れます。さらに、興行的な見通しも悪くはありません。今作も公開3ヶ月で約500億円強の興収を稼ぎ出すなど、まだまだシリーズ化され、続編が制作される条件は整っています。

実際、20世紀フォックス映画では、これまでに出てきた別の猿(「バッド・エイプ」など)に焦点を当てて、スピンオフ映画企画を構想中とのことです。マット・リーブス監督も、「将来は人間VS猿ではなく、猿VS猿という構造で争いが起きるだろうから、またストーリーを考えて撮ってみたい」と続編への意欲を示しています。

まだ具体的に誰が監督でどういう内容で・・・と言うのは未決定ですが、可能性は十分あると見て良いでしょう。

6.まとめ

1968年のオリジナルシリーズの第1作目で、人種差別について鮮やかな切り口で風刺的に描いた時から、常に毎回の作品で社会的なテーマを反映した作品となっている本シリーズ。

今作でも、狂信的なカルトテロ集団、同じ人類同士で相争う虚しさ、戦争捕虜の非倫理的な強制労働など、現実にありそうなモチーフが沢山取り入れられている本作。見終わったあと、どんなテーマが隠されていたかを追究してみるのも面白いですね。力の入った作品なので、是非劇場で!(字幕も黄色で見やすいです!)

それではまた。
かるび

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映画「猿の惑星聖戦記」ノベライズ版

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