あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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見逃すな!「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は、極上の名画が楽しめる最後のチャンス!【展覧会レビュー・感想/ビュールレ展】

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【2018年3月16日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

2月14日から、国立新美術館にて「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」がスタートしました。個人的に2018年上半期最注目の展覧会の一つでもあったので、非常に楽しみにしていました。

タイトル通り、国立新美術館の広々とした巨大な展示空間に、選び抜かれた全64点の「至上の」印象派絵画群が集結していました。

雑誌や本の画像でよく見るルノワールやセザンヌ、ファン・ゴッホの名作達を日本で見る最初で最後のチャンスとなるかもしれない今回の展覧会、絶対に見逃すわけには行きません!早速行ってきましたので、詳細なレポートをまとめてみたいと思います!

※なお、本エントリで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・掲載させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

1.「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」とはどんな展覧会なの?

2018年2月から、スイスのE.G.ビュールレ・コレクション財団が保有する印象派名画の作品群が、東京・福岡・名古屋と国内3箇所を巡回して披露されることになりました。

日本でも、海外の有名なコレクターが収集した絵画を一挙に見れる絵画展が、たびたびコレクターの名前で「◯◯コレクション展」と銘打って開催されていますよね。

例えば、アメリカの収集家で見てみると、西洋絵画では100万人以上の記録的な動員数となった「バーンズ・コレクション展」(1994)や、伊藤若冲作品の世界的な収集家でもあるジョー・プライスが伊藤若冲の国宝級作品を一挙に大放出した「プライス・コレクション展」(2013)などは、アートファンの記憶に残る展覧会となりました。

また、バーンズと並ぶ印象派絵画の大収集家、ダンカン・フィリップスのコレクションが一挙展示される「フィリップス・コレクション展」2018年秋に三菱一号館美術館で開催されることが決まっています。

そんな中、今回開催されている「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は、スイスの大収集家、エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1965)が戦前に構築したプライベートコレクションの中から、印象派の画家達を中心に厳選した約60点を紹介する展覧会なのです。

▼エミール・ゲオルク・ビュールレ、1950年頃
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Photo: Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)

工作機械の会社を興して大成功を収めたビュールレは、1936年頃から印象派絵画の収集を始め、その晩年期に、一気にコレクションを拡充することに成功します。そして、1950年代には約600点もの作品を保有する、世界的に有数なフランス印象派絵画の大コレクターになっていました。

今回の「至上の印象派展ビュールレ・コレクション展」は、前回横浜美術館で1991年に開催された展覧会以来、実に27年ぶりの開催となりました。前回とはラインアップが大幅に入れ替わったビュールレ・コレクションの2回目の日本でのお披露目は、アートファンなら絶対見逃せない大切な展覧会となりました。

・・・

もう一度、大事なことなので言います。

・・・

絶 対 見 逃 せ な い 大切な展覧会となりました。

その理由とは・・・ ?!

2.今回の「ビュールレ・コレクション展」がどうしても見逃せない3つの理由とは?

見逃せない理由1:日本で初公開となる超名作揃いの作品が多数!

今回の展覧会では、ビュールレが収集した約600点のコレクションから、知名度が非常に高く、美術史の観点から見ても特に価値の高い作品64点が厳選されています。

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フィンセント・ファン・ゴッホ《日没を背に種まく人》1888年 油彩、カンヴァス73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

例えば、上記のファン・ゴッホ「日没を背に種まく人」などは、美術の教科書で採用されていたり、学校の図工室にポスターが貼ってあったりして、見たことがある!という人も多いのではないでしょうか?

そんな有名な絵画群のうち約半数が、日本で初公開となるのです。これはもう行くしかありませんよね?!行くしか、ありません!!

見逃せない理由2:でも、もう2度と日本で見れないかもしれない?!

エミール・ゲオルク・ビュールレの死後、彼の収集した膨大なコレクションは遺族が設立したE.G.ビュールレ・コレクション財団によって、自宅別棟の個人美術館で公開されてきました。

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ビュールレ財団が管理するプライベート美術館
Photo: Hans Humm, Zurich

しかし、2008年、セザンヌ「赤いチョッキの少年」など4枚の絵画が武装した強盗窃盗団に強奪されたことをきっかけに、2015年いっぱいで同美術館は閉鎖されてしまいました。(※その後、盗難にあった4枚の絵画は、数年後に無事発見され、戻ってきています)

その理由とは、プライベート美術館では絵画を守るための十分なセキュリティ設備を確保できないと判断されたからです。それ以来、ビュールレ・コレクションは誰も見ることが出来ない状態になっていました。この状況を打開するため、財団は、2020年までにそのコレクションを一括してチューリヒ美術館に移管することを決定したのです。

普通に「作品ファースト」という観点で考えると、「うん、それなら良かったよね・・・。一件落着」という話になるのですが、じゃあ日本のアートファンの立場から見るとどうなのか?と言うと、また話は変わってきます。

なぜなら、一旦チューリヒ美術館に移管・収蔵された後は、それ以降、ビュールレ・コレクションの珠玉の作品群を海外へ搬送するのが難しくなりそうだからです。つまり、日本でビュールレの集めた印象派の傑作群を「展覧会」と言うかたちで気軽に楽しめるのは、恐らく今回の展覧会がラストチャンスになる可能性が濃厚だということなんですね。

だから、絶対に見逃せない展覧会なのです!

見逃せない理由3:初心者から上級者まで楽しめる、わかりやすい印象派絵画

僕もアートファンになってから、年間100件以上の展覧会に通い続けているのですが、やっぱり安心して見れるのは、日本人の西洋絵画に対する心の原点(?)というべき印象派の展覧会じゃないでしょうか?

今回の展覧会では、一部のモダンアート作品を除き、ほぼ全ての出展作品が肖像画・風景画・生物画といった「具象絵画」ですし、まったくわかりにくいところがないのも良いところです。

初心者から上級者まで、幅広く楽しめるし勉強になる、それが今回の展覧会のひとつの大きなウリだと思います。気軽に恋人・家族を連れて来れますね?!

そして、本展では、音声ガイドが一般用とジュニア用の二つに分かれて用意されているのも嬉しいところ。

▼音声ガイドは2種類用意されているf:id:hisatsugu79:20180221040458j:plain

僕は、毎回必ず音声ガイドを借りるようにしているのですが、今回2つとも借りてみたところ、特に「ジュニア版」のデキが非常に良かったです!超初心者でも絵画に興味を持てるよう、非常に上手に誘導してくれる語り口に引き込まれ、大人が聴いても全く違和感はありませんでした。

是非、音声ガイドもおすすめなので、借りてみてくださいね。

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3.ビュールレ・コレクション展での最大の「見どころ」は、印象派の巨匠達が残した渾身の作品群!

さて、今回の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」では、印象派/ポスト印象派に属するとされる巨匠たちの作品が、ほぼ完璧に網羅されているのです。ここでは、この展覧会で絶対に見ておきたい8人の印象派/ポスト印象派の巨匠たちの作品を紹介しますね。

マネ

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エドゥアール・マネ 《ベルヴュの庭の隅》1880年 油彩、カンヴァス91×70cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

1874年にスタートした「印象派展」には作品を出展することはなかったものの、1860年代から、印象派の画家達と親しく交流し、その大胆な革新性で彼らの精神的な支柱となった画家、エドゥアール・マネ。そんなマネの作品も数点来日しています!

ルノワール

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ピエール=オーギュスト・ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》1880年 油彩、カンヴァス65×54cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

2016年夏に東京・大阪で開催された過去最大級の回顧展「ルノワール展」では出展されなかった名作中の名作。何度か持ち主を変えた後、第二次大戦中、ナチスドイツに略奪され、戦後、奇跡的に発見されてビュールレ氏の元へ回ってきたというドラマチックな来歴もあります。今回の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」のポスターにも選ばれた本作は、1880年代、ルノワールが新しい作風を模索しはじめる直前に描かれた、写実性が前面に出た大傑作であり、本展のハイライトでもあります。

ドガ

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エドガー・ドガ《14歳の小さな踊り子》1880-81年(ワックスによる原作)/1932-1936年(ブロンズによる鋳造)ブロンズ、着彩、木綿のスカート、絹のリボン、木製の台 高さ98cm(ブロンズ部分)

踊り子の姿など、人物を描いた作品が多いドガですが、今回の展覧会では、ドガが「第6回印象派展」に出展した踊り子の彫刻作品から制作されたブロンズ像「14歳の小さな踊り子」が出展されていました。

コルセットとチュチュを着せられた本作は、今でこそ普通の銅像に見えますが、当時の印象派展では「あまりにリアルである」と批評家たちに大きなインパクトを与え、絶賛/批判両方の反響があったそうです。

シスレー

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アルフレッド・シスレー《ハンプトン・コートのレガッタ》1874年 油彩、カンヴァス46×61cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

シスレーは、生涯にわたってほとんど風景画のみを描き、画家としてデビューしてから、亡くなるまで画風がほとんど変わりませんでした。ある意味もっとも印象派画家らしい画家だったといえそうです。

本作では、印象派画家たちが生み出した技法「筆触分割」によってみずみずしく描かれた水面と、水面で遊ぶ人々と、イギリスののどかな農村の風景が一体となって溶け込んでいます。これぞ印象派!という感じの風景画で、見ていて、いつまでも飽きの来ない作品でした。

ピサロ

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カミーユ・ピサロ《ルーヴシエンヌの雪道》1870年頃 油彩、カンヴァス43.5×65.5cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

ピサロもまた、シスレー同様、ほとんどの作品を風景画が占める作家です。幼少時は南米カリブ海の西インド諸島で育ち、20代になってからパリへと移住しました。印象派画家の中では最年長として、マネ同様、グループの精神的な支柱であったとされます。

印象派展立ち上げの中心メンバーでもあったピサロは、第1回から第8回まで開催された印象派展に、唯一全展出品しました。

僕は印象派作家が描く作品の中でも、特に雪景色の絵画が好みなのですが、今回出展されているこの雪景色を描いた作品は、本当に味わい深く、いつまでも見ていたいと思わされる傑作でした。

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セザンヌ

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ポール・セザンヌ《赤いチョッキの少年》1888/90年頃 油彩、カンヴァス79.5×64cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

今回の展覧会のハイライトの一つとも言える、セザンヌの代表作「赤いチョッキを着た少年」。全体的に暗めの青系統でまとめられ、よく見ると両腕の長さが全然違うのです(!)でも、ぱっと見た感じは特に違和感を感じず、絶妙のバランス感を保っているという、セザンヌならではの不思議な空間描写能力が冴え渡った本作。少年のつぶらな瞳も素朴な感じで素晴らしいです。

ゴッホ

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フィンセント・ファン・ゴッホ《花咲くマロニエの枝》1890年 油彩、カンヴァス73×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

2016年には「ゴッホとゴーギャン展」が開催され、現在、2017年~2018年にかけて、「ゴッホ展」が日本を巡回中ですが、「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」で出展されている全64点中、最大の6点がファン・ゴッホの作品となっています。まさに、「プチ・ゴッホ展」でもあるわけですね。東郷青児記念損保ジャパン美術館ではファン・ゴッホの「ひまわり」がいつでも楽しめますし、ここ数年、日本で毎年ファン・ゴッホの秀作をまとめて楽しめるなんて本当に贅沢な時代だなぁと思います。

モネ

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クロード・モネ《ジヴェルニーのモネの庭》1895年 油彩、カンヴァス81.5×92cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

印象はと言えばやっぱりこの人、モネですよね。「印象派」と名付けられた由来でもある問題作「印象、日の出」を第1回印象派展で出展して以来、亡くなるまで印象主義を貫いたモネ。本展では中期の作品が2点、そして最晩年の巨大な作品が出展されています。上記作品「ジヴェルニーのモネの庭」は、1880年、終の住み処として定めたジヴェルニーへと移住したあと、自宅の庭先に植えられた花を描いた作品です。

そして、展示の最終室にはモネの巨大な障壁画「睡蓮の池、緑の反映」が展示されているのですが、嬉しいことにこちらの1作品は写真撮り放題となっています!(※フラッシュ撮影や自撮り棒・三脚の使用は禁止&館内の案内には従ってくださいね)

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クロード・モネ《睡蓮の池、緑の反映》1920-26年頃 油彩、カンヴァス200×425cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)Photo: SIK-ISEA, Zurich (J.-P. Kuhn)

▼写真OKの看板が出ているf:id:hisatsugu79:20180221040308j:plain

この、「睡蓮の池、緑の反映」は、もともと装飾画を意図して描かれていたので、非常にサイズが大きいのです。実際にどれだけ大きいか、人物を入れて撮影してみました。

▼「睡蓮の池、緑の反映」は大きい!!

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クロード・モネ《睡蓮の池、緑の反映》1920-26年頃 油彩、カンヴァス200×425cm ©Foundation E.G. Bührle Collection, Zurich (Switzerland)

キャリア後期に入ると、モネは、「積み藁」「ルーアン大聖堂」といった、有名な連作作品を手がけるようになりますが、中でも、ジヴェルニーの自宅に造成した池に浮かべた睡蓮を描いた「睡蓮」は生涯で200点以上描いています。

本作「睡蓮の池、緑の反映」は、その中でも最晩年に属する作品で、オランジュリー美術館を彩るための大装飾画を描いた際、美術館に納入されず、自宅に残されたいくつかの作品のうちの一つです。最晩年、視力も衰えたモネが描いた抽象絵画に近い作品ですが、味があって個人的には大好きな作品です。

4.展覧会を見終わったら、充実のグッズコーナーへ!

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今回の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」では、出口を出たところに特設のグッズコーナーも充実していました。全体的にピンク色のキーカラーで彩られたグッズ特設会場で見つけた、特に見ておきたいグッズを幾つか紹介しますね。

▼まずは押さえておきたい!公式図録f:id:hisatsugu79:20180221034805j:plain

今回の公式図録では、作品1点1点に非常に詳細な解説がついており、巻頭・巻末のビュールレ・コレクションに関する解説も読み応え抜群でした。AmazonやKindleでは手に入らず、この特設会場でしか買えません!ちょっと重いかもしれませんが、値段も手頃ですし、一生の思い出になる図録は是非手に入れておきましょう!

▼メモパッド・マグネット・一筆箋など
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▼色とりどりのマスキングテープ
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こちらは定番の文房具コーナー。セザンヌ「赤いチョッキの少年」とルノワール「可愛いイレーヌ」がプリントされた各種グッズや、多数の種類が揃ったマスキングテープなどが目につきました。

▼売れ筋No.1のトートバッグf:id:hisatsugu79:20180221034239j:plain

公式ツイッターでも「売れています!」とつぶやかれていましたが、白と黒で3パターン用意されたトートバッグは、見ていると確かに売れ行きがよい印象でした。トートバッグの横には、Tシャツもあります。

▼定番の書籍コーナーは初心者向けが充実f:id:hisatsugu79:20180221034309j:plain

そして、展覧会の予習・復習にかかせない定番の書籍コーナー。2018年の新刊を中心に、初心者でもわかりやすい入門書が充実していました。僕も、ここで「印象派への招待」を買いました! 

5.混雑予想と所要時間目安

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点数自体はそれほど多くはないので、サクッと見て回れば60分~90分程度あれば十分に楽しめるでしょう。間違いなく2018年上半期を代表する大型の西洋美術展となった本展ですが、意外なことに会期前半はそこまでまだ混雑していません。しかし、暖かくなったGW直前頃から、一気に混雑が始まると思われます。

展示空間自体はかなり広めに取ってあるので、恐らく滅多なことでは待ち時間が発生するまでの混雑は発生しないと思われますが、一つ一つの作品はそこまで大きくはないので、しっかり絵を楽しみたい!という人は、是非お早めにどうぞ! 

6.関連書籍・資料などの紹介

印象派絵画入門への決定版!「印象派への招待」

印象派絵画を紹介した易しめのムック本は数多く出ていますが、新しさとわかりやすさでは、本作が群を抜いています。特に、今回の展覧会に合わせて改定されているため、ほぼ展覧会内容と連動したコンテンツとして楽しむことができます。

印象派絵画の特徴・技法・西洋美術史におけるその立ち位置・主要な画家の紹介など、様々な観点からカラー写真や図表を使って非常にわかりやすく説明された誌面は、本当によく工夫されていました。これは買ってよかったです!

コンパクトで便利な事典「代表作でわかる 印象派BOX」

印象派の代表的な画家の生涯を解説するとともに、彼らの残した主要な絵画群150点をわかりやすく解説した、ちょっとした小事典です。印象派と周辺画家、合計32人の作品を収録しています。コンパクトで軽いので、寝る前に枕元に置いてちょっとずつ楽しんだりするのもいいかもしれません。これも良い本でした!

斬新な分析!「知識ゼロからの印象派絵画入門」

意外なところでもう1冊紹介しておきますね。もう亡くなったのですが、大橋巨泉が印象派絵画については数作解説書を出版しています。厳密には美術の専門家ではなかった大橋巨泉ですが、門外漢だからこその独自の視点と斬新な解説は非常に面白いです。(もちろん、基本的な事実関係や知識事項は外してませんから安心して楽しめます)

7.まとめ

西洋絵画の展覧会が特に充実した2018年の各美術展の中でも、印象派の作品見るなら本展が間違いなく一番!日本初来日作品も多数あり、しかもこれが事実上日本で見れる最後のチャンスとなるビュールレ・コレクションの優品の数々を、是非堪能してみてくださいね。僕も、期間中あと2回は最低でも現場で味わってこようと思います!

それではまた。
かるび

展覧会開催情報

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◯美術館・所在地
国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
◯最寄り駅
・東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口直結
・東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
・都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
※美術館に駐車場はありません。ご注意!!
◯会期・開館時間
2018年2月14日(水)~5月7日(月)
10時00分~18時00分(入場は閉館30分前まで)
※毎週金・土曜日、4月28日(土)~5月6日(日)は20時まで
◯休館日
毎週火曜日(※ただし5月1日(火)は除く)
◯入場料
一般1600円/大学生1200円/高校生800円
※中学生以下無料
※2月14日(水)~2月28日(水)は高校生無料観覧日
(学生証提出必要)
◯公式HP
・国立新美術館HP
http://www.nact.jp
・展覧会専用特設ページ
http://www.buehrle2018.jp/ 
◯Twitter
https://twitter.com/thisiskyosai
◯美術展巡回先

■九州国立博物館
2018年5月19日(土)~7月16日(月・祝)
■名古屋市美術館
2017年7月28日(土)~9月24日(月・祝)