あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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年末年始の帰省・Uターンラッシュの高速渋滞で、できるだけ消耗しない対策を考えてみた

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【2016年12月31日更新】

かるび(@karub_imalive)です。年末年始は京都の実家です。

僕は、例年、東京から京都へ車で帰省します。

2015年-2016年の年末年始は、12月30日が帰省ラッシュのピークでした。ちょうどこの日に京都へ帰ったのですが、東京-京都間450キロの間で、3度渋滞に巻き込まれました。今年の帰省往路?走破タイムは休憩3回を含み、8時間ジャスト。家族が誰も運転できないので、一人で8時間運転しっぱなしだったのはかなりつらい。

そして、復路も同じく2回マイルドな渋滞に引っかかりました。やっぱり年末年始はある程度渋滞が避けられないわけです。

・・・とは言え、ここ数年密かに渋滞研究を進めてきて、個人的にはかなり成果を上げてきているんです。今日は、帰省ラッシュで高速渋滞にハマってしまった時、これをどう切り抜けるか、少しでも渋滞を上手くやり過ごすための方法を、以下にまとめてみたいと思います。

前提:渋滞の定義って?

まずはここから考えてみたいと思います。これは、渋滞予報士がゆく~!! | 第1回 | ドラぷらで明確にされています。

時速40km以下での低速走行あるいは停止発進を繰り返す車列が、1km以上かつ15分以上継続した状態というのが渋滞の定義なんだ。

高速道路の法定速度は、80km/hか100km/hのところが多いので、通常の法定速度の半分以下になった時を、おおむね「渋滞」と定義しているんですね。また、渋滞表示板の最小単位が「これより1km3分」等、1km以上で表示される理由も分かりました。(渋滞500mとかないよね)

対策1:渋滞にハマらない努力をするのがまず最善手

渋滞を避けるために取りうる最大の戦略は、「渋滞にハマらない」努力をすることです。いろんなソースにありますが、渋滞予測やリアルタイム渋滞情報を見て、出来る限りオフピークでの高速利用を心がける、また、迂回ルートを検討する。あるいは、最悪車を使わない、と言う手もあります。順番に見ていきましょう。

1-1、渋滞予測やリアルタイム渋滞情報で情報武装

分割民営化で地域別にサイトが別れて実に分かりづらいのは愛嬌としても、NEXCO各社の渋滞予測は非常に役に立ちます。Web上のニュース等は、ほぼ全部がこれらサイトの引用のはずです。以下、貼っておきますね。

年末年始期間の渋滞予測|NEXCO西日本
ドラプラ/年末年始渋滞予測のPDF|NEXCO東日本(お薦め)
渋滞予測|NEXCO中日本

そして、日本道路交通情報センターの渋滞予測も非常におすすめです。幾つかの道路情報アプリは、ここの渋滞予測を引っ張って表示していると思われます。

高速道路渋滞予測|JARTIC

リアルタイム渋滞予測も、日本道路交通情報センターのデータが役に立ちます。これまたスマホアプリでは、こちらのデータを整理して表示するものが多いんじゃないかな。

道路交通情報NOW!!

1-2、ポイントは、少しでも出発時間をずらすこと。

複数ソースがありますが、NEXCO東日本の渋滞予報士コラムから引用します。

じゃあ五代目に質問!
「今日は渋滞が予測されている」という場合、どうすれば渋滞にあわずに高速道路を利用できるでしょうか?

サーパええっ。うーん、うんとー。

かとうさん「時間をずらす」のが一番なんだ。

サーパどらみちなんだー、そんなの簡単じゃん。

かとうさん単純なんだけど、1時間ずらすだけでも随分変わるものなんだよ。
渋滞予報を見て、出発を早めたり、逆に後ろにずらすのもアリだね。

 

いや、もうこれしかないでしょう。全ての基本ですね。オフピーク利用を心がける。これが最強の対策です。今年度も、オフピークでの利用促進キャンペーン「渋滞減らし隊」。去年までは東名・中央の両高速で行われていましたが、今年は中央高速で実施されます。

渋滞減らし隊キャンペーン

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前日までにサイト登録を済ませて高速をETCでオフピーク利用すると、SA/PAでのお買い物券がもらえたりするそうです。こういうのをうまく活用して、楽しんで取り組むと良いですよね。

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1-3、2016-2017年の帰省ラッシュ・Uターンラッシュはどうなるの?

ちなみに、自身の経験からなのですが、大型連休のUターン高速渋滞対策としては、「最終日」にゆっくり帰れ!というのが僕の持論です。カレンダーや天候等の変動条件もあり、一概には言えないですが、概ね大型連休は、「最終日1日前」が一番の渋滞ピークになります。ただし、今年はカレンダーの並びが悪く、1月4日から仕事始めとなる会社が多く、Uターンラッシュは1月2日、1月3日に重なってしまいますね。1月4日が初仕事の人はもう気合いを入れて渋滞を切り抜けるしかないようです・・・

実際、今年度の年末年始休暇で、渋滞長30km以上が予測されている一覧表を見ると、、、

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高速渋滞 年始の日並び悪く、2・3日上りに集中|エンタメ!|NIKKEI STYLE

これを見ると、圧倒的に1月2日(土)が酷いですね。確かにサラリーマン心理として、次の日から会社なら、前日はゆっくりしておきたい、というのはよく分かります。

対策2:でも渋滞にハマってしまった時は

上記のような対策を取りつつも、どうしてもわかっててもその日に帰らないと行けない!という方も多いと思います。よって、現実的にはある程度の渋滞は覚悟しなきゃいけないでしょう。そんな時どうするか?です。

2-1:渋滞にハマった時は、基本的には下道には降りない

まずこれ。つい一般道に降りたほうがお金も節約できるし早いだろう、と考えてしまいがちですが、連休時などの大渋滞は並走する一般道も、車で一杯。さらに抜け道を知らないと、ドツボにはまります。下道のほうが確実に時間がかかるケースが大半です。ソースが少し古いですが、こちらのエントリに「渋滞学」の元祖である西成教授によると、

高速道路の大渋滞 「下道の方が早い」と考えるのは愚の骨頂│NEWSポストセブン

「高速道路で時速20kmなら、並走している一般道路は時速5km。ただし、首都高速では一般道に降りてもさまざまなルートがあるので、下道を選んだほうが早い場合もあります」(西成教授)

とのことです。

僕のこれまでの経験では、例外的に下道に降りたほうが早くなるケースは、以下の2点のみ。

▶1km10分を超える事故渋滞(車線が1つ塞がっているなど)が起きている時
▶40kmを超える自然渋滞(東名・関越・東北道・中国道で頻発)

上記2点については、並行する国道などで大迂回したほうが早くなるケースが多いです。おそらく、1月2日、1月3日の関越道、東名高速、東北道については、迂回用の下道が早いケースもありますので、万一に備えて迂回路を調べておくと良いと思います。

例えば、よくあるケースとして、連休最終日に東名上り大和トンネルを先頭に、御殿場まで50kmとか。こういうケースなら、御殿場ICか沼津ICで出て、箱根山越えをして箱根ターンパイク(箱根新道は昔は使えたけど、今は却って地獄の渋滞に巻き込まれて使えません)~小田原厚木道路経由で大迂回して帰ったほうが30分~60分程早くなります。

東北道は、並行する新4号が使えますし、首都高で詰まった場合、5号線は降りてR17号かR254号を走って都心へ入るなど、たいてい使える代替ルートがあります。

2-2:渋滞に捕まったらまず一番左の走行車線へGo

渋滞の最後尾に取り付く前に、是非やっておきたいことは一番左の走行車線へレーンを変えること。走行車線のほうが流れが早いからです。

高速道路が詰まり、スピードが落ちてくると、追い越し車線の方が圧倒的に車両の数が増えてきます。みんな少しでも早く帰りたいからですね。なので、渋滞時は右車線の方が車の数が多く、流れが悪くなります。

もう1点の理由としては、特にUターンラッシュでの大都市圏への上り線は、インターチェンジで、出て行く車のほうが入ってくる車より多いからです。インターチェンジを通過するたびに、走行車線の方が車両数が常に少なくなっていくわけです。

これは、幾つかのデータもあります。

走行車線と追越車線は結局どっちがスムーズ?【検証しました】 | ライフハッカー[日本版]

この記事によると、実際に13回走行してみて、10回は走行車線が、3回は追い越し車線の方が早かったようです。実際、本日かるびが東京-京都間で3回渋滞に捕まった時、3回とも走行車線の方が速かったです。

さらに、こんな話もあります。

有名な道路系ライターの清水草一氏のコラムから。中央道の大月ー上野原間で実験した際、走行車線と追い越し車線の経過時間を計測すると、渋滞区間のみで10分の差がついたとのこと。バカにできない差です。

渋滞対策(2) -渋滞に遭遇したとき- No.02 | ドライブCh

たとえば中央道上り・大月から上野原までの12キロの渋滞区間でテストしてみたところ、一番左と右とでは66分対76分。約10分の差が付きました。これは無視できない差です。

渋滞に遭遇したらとにかくキープレフト。これはもう鉄則といっていいですね。

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2-3、付加車線、登坂車線は最大限活用する

渋滞時のキープレフトは理解している人が多いですが、付加車線や登坂車線、ゆずり車線って、結構空いていることが多いですね。これは、渋滞時であっても、「ルール違反なのかな?」と感じるからなのか、使わない人が多いからのようです。

が、結論としては、「渋滞時、追い越し目的でなく、60km/h以下であれば利用して良い。法的にも問題なく、実は道路公団も使用を推奨している」のです。

まず、登坂車線や付加車線は、高速道路ではなく、「一般道路」と法律上位置づけられています。よって、最高速度は60km/h。これを超えて走ることができません。

通常時は、これを追い越しのために活用すると、Wikipediaより、

「追い越しの際は(一部の例外を除き)左から追い越してはならない」と定めた道路交通法第28条違反となる。

となり、また、最高速度違反(60km/hを超える)のため、速度面でもアウトです。

ただし、渋滞時は話が別。渋滞時はそこまでスピードが出ないため、追い越しのために使うのではなく、かつ60km/hを超えなければ、法的には何の問題もありません。むしろ、渋滞解消のために積極的に使うべきなのです。

実際、NEXCOの記事によると、付加車線(登坂車線)を活用したほうが、時間あたりの通行可能台数が上がるとの分析があり、明らかに渋滞時は使用を推奨しています。

付加車線による渋滞対策|快適にご利用いただくために|NEXCO東日本の取り組み|NEXCO 東日本

また、財団法人高速道路研究会(ようするに国交省の外郭団体)がまとめたプレゼン資料では、こんな記事もあります。

http://www.express-highway.or.jp/jigyo/info/gijyutsu/2010/rpt2010006.pdf

通常の登坂車線方式では、なかなか利用されない=なんとか利用して欲しい、という思いが感じられます。

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そして、「マナー的に使いづらい」というドライバーのために、視覚効果を変更して通常車線のように運用することで、トラフィックを増やす試みなど、細かく対策されています。

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かるびもこの箇所、よく帰省時に利用しますが、確かに視覚的にこれなら使いやすく、対策後は付加車線利用率が上がっていることも体感的に感じました。

なお、この資料、道路マニアにはたまらん最高の資料です。是非好きな人はそれ以外の箇所も舐めるように読んで頂ければ(笑)

2-4、高速道路上での大迂回ルートの検討

最近の高速道路網は、3大都市圏ともようやくネットワーク化が進んできて、高速道路の大迂回ルートなども検討できるようになってきました。例えば、関越道は特に行楽シーズンなど、高坂SA/川越IC付近を先頭に50km以上の渋滞が発生することがありますが、こんな大迂回路が有効な時があります。(NEXCO東日本が作成したポスター)

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一般道に降りるのはタイムロスですが、同じ高速道路網、もしくは高規格一般道路を使う迂回路なら、十分に検討できますね。当日でも思い切ってルート変更してみることは可能です。出発前に、メインルート以外にサブルートを頭に入れておくと良いかもしれません。

まとめ:高速渋滞は工夫しだいで負荷軽減ができる

上記に書いたような対策を全部実行すれば、無策で臨むケースより、確実に1割、2割は普通に時間短縮が可能になりますし、ストレスも軽減できます。是非、いろいろ地図や渋滞情報とにらめっこして、自分だけの最適ルートマップを作っていって頂ければと思います。

それでは、しばし渋滞の事を忘れて正月を楽しみましょう。

皆様、良いお年を。

かるび