読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

採用担当として、休職者の職場復帰支援で心がけていることについて

雑記
★今週のイチオシ記事 →→「Kindle Unlimited」の活用法を考える!
スポンサーリンク

f:id:hisatsugu79:20160206175016j:plain

かるび(@karub_imalive)です。

人には得意、不得意があるっていうけど、努力しなくても、割と人より簡単にできてしまう、いわゆる天賦の才を、皆一人一つは何かしら持っているものだと思います。

自分の場合、与えられたギフトのうちの一つとしては、誰かの話を「聴く」能力、楽しく雑談する能力がそれにあたるのかな、と最近感じています。

そういえば、自分の話をしたい人はものすごく多いですが、しっかりと誰かの話を「聴ける」人って少ないと思いませんか? 僕は、人の話を聴くのがあまり苦になりません。そして、職場では敵を作らず、年齢の壁なども関係なく、誰とでも楽しく仕事をすすめるのが得意です。単に人畜無害なだけなのかも(笑)

まぁ、割とありきたりなスキルではありますが、企業の採用担当をやっていると、結構それが生きてくる場面があります。

その一つとしては、休職者のフォローアップ。

これまで、様々な事情で精神面/肉体面で変調をきたして会社を休職する人のお世話を何人もさせてもらいました。今日は、ちょっとそのあたりの話を書いてみたいと思います。

ITシステム開発企業は休職者が一杯

僕の会社は、ITシステム開発業界で、客先に常駐したり、持ち帰って一括でシステム開発を受託開発する中堅企業です。いわゆるSierというやつですね。

Sierという業界は、とにかくストレスフルな職場が多いです。プロジェクト毎に環境が変わり、色々な人と慣れない環境で働かないといけません。良いプロジェクトもあるのですが、長年働いていると、どうしてもハズレプロジェクトに当たることがあります。それはもう、避けられない。

もちろん、会社としては精一杯セルフケアに加え、管理職からの定期ヒアリング等、メンタルケアで色々な手は打つのですが、それでも精神面/肉体面で変調を来たして休職に追い込まれてしまう人が出てきてしまいます。

そんな時、よく彼らのお世話役を会社から仰せつかることが多かったのです。

休職者のフォローアップでは何をするのか 

一旦休職に入ったら、まず復職までのプランを主治医の診断書や意見を参考にしながら、休職者と一緒に話し合って確認していきます。そして月に1回傷病手当の提出や、休みの間の事務処理などもフォローアップしていきます。

メンタル面が原因で会社を長期間休職する人は、きちんとフォローせずに放置していると会社が決めた休職期間中を休んでしまい、休んでいるうちに気持ちが萎えて、そのまま退職に至るケースが多いです。

いや、フォローアップを行ったとしても、最終的には復職に導けずにうつ症状が長引いてしまい、そのまま退職となるケースもたくさんあります。

そこで、フォローしていく僕のスタンスとしては、まずは彼ら休職者の話をとにかくしっかり聴くこと。そして、結果には期待しないで彼らに寄り添い、安心感を持ってもらいながら、復職への道筋をつけていくこととなります。

どうやって休職者の気持ちをほぐしていくのか

まず、自分はカウンセラーではありません。なので難しい技法は使わないし、使えない。

その代わり、心がけるのは1つだけ。それは、休職者の話を徹底的に聴き、楽しく雑談することです。

これは、採用担当で10年間取り組んでみてわかったことなんですが、採用されたばかりの人や、休職者など、立場が不安定な人は、ものすごい不安と闘いながら日々過ごしているのです。

そこで、ひたすら雑談をして、とにかく休職者の話を聞いていきます。1回のセッションは、1時間位でしょうか。その中で、仕事とは全然関係ない雑談をしたり、話を聞いてひたすら共感したり。世間話だけして終わることも多々あります。(会社には、なんか色々話したことにして体裁整えて報告しますが)

休職者の人と向き合うのに、こちらから余計なアドバイスや力の入った話は無用だし逆効果になるんですよね。余計な気を使わせてしまうので。

役に立った傾聴の技術

話を聴いていく中で、一つだけカウンセラーの技術を援用しています。それは、「傾聴」というコミュニケーション技法。少し前、もう少し意識の高い時に(笑)、一時期カウンセラー的な資格を取得しようと思って塾みたいなものに通ったことがあります。

最終的には面倒になって資格取得はしませんでしたが、そこで得た最大の知見が、「傾聴」という技術でした。「傾聴」とは、文字通り、相手の話をしっかり聞くことであり、そのための技術体系全般のことを指します。詳しい話は、hirosanさん (id:b-zone-salariedman) の、以下の4記事が非常にわかりやすくまとまっています。

聞き上手になるために1 興味と関心をもつ方法 - ちょっと自由に生きるコツ
聞き上手になるために2 シンプルな4つのかかわり方 - ちょっと自由に生きるコツ
聞き上手になるために3 話しを促す4つの技法1 - ちょっと自由に生きるコツ
聞き上手になるために4 話しを促す4つの技法2 - ちょっと自由に生きるコツ

要するに、この「傾聴」の技術を使い、短い時間の中で休職者達の話を聞き、心に寄り添って共感していけるかどうか?がカギになると確信しています。

単純に休職者と雑談するのは結構楽しい

意外と会社で休職者のサポートをしたがる人ってあんまりいません。通常業務で忙しいし、重苦しい雰囲気になりそうなので気が進まないのでしょう。

でも、僕は、結構休職者の人と話すのが好きなのです。実際、会って雑談をする中で、通常業務ではできなかった趣味や日常の話が何気に楽しいのですね。会社に隠れて色々遊んでたりするし(笑)

休職者の人って、仕事環境から離れているので、持っているオーラが仕事モードじゃなくて、良くも悪くも普段の素の自分自身に戻っちゃってるんですよね。

平日のクソ忙しい中、そんなのんびりモードの彼らとお茶をすすって世間話ができる。これは結構な愉悦なのです(笑)楽しいし、自分自身の癒やしにもなるのです。

また、何気にこれまでしっかりと話したことがなかった人と、のんびりした空間で色々な話をじっくり聞くのは、新たな発見もあって面白いんですよね。

不謹慎な話かもしれませんが、率直な感想なんです。

そして、この雑談と傾聴を通して、彼らの気持ちをほぐしていく中で、自分もくつろげるし、休職者側もがだんだんと復帰に気持ちが傾いてきてくれるのがこの仕事のやりがいなのです。

特にメンタルで大変だった人は、復職してもそうそう簡単に治ることがないのでその後も経過観察は大切なのですが、大事なのはまずは復帰してもらうことです。

印象深かったケース:スーパープログラマーAさん

これまでフォローアップをした休職者の中で一番印象深かったのは、メンタルを崩してしまって休職を余儀なくされたスーパープログラマーのケース。仮にAさんとしておきます。

Aさんは、自分が採用担当として未経験からプログラマーとして採用し、その後会社で急成長して2,3年で会社を代表するスーパープログラマーになった人材。いわば天才肌な人です。

しかし、天は二物を与えず。出来すぎるゆえにメンタルは繊細です。高稼働なプロジェクトで消耗し、Aさんは休職を余儀なくされました。

その後、Aさんは退職を願い出ます。しかし、Aさんに思い入れのあった僕は、皆が説得を諦めほぼ退職が決まっていた中、会社にかけあって思いとどまるように説得させてもらい、一旦休職してもらいました。

その後、1ヶ月に1度雑談をして、少しずつ復帰に向けて気持ちを高めてもらい、落ち着いたところで、無事に7ヶ月後に復職する運びとなりました。本当に嬉しかった。

復職後は、人間関係に負荷のかからない早速難易度の高い技術案件で大活躍してもらっています。メンタル的には本調子ではないものの、とにかく仕事場にいてもらうだけで、人より生産性が2倍、3倍と高いので助かるし、頭脳は天才なのに心は繊細なそのギャップが人間臭くて好きなんです。

復職に至るまで、やったことは、雑談だけ。たまに会ってお茶を飲みながら、ひたすら話を聴くようにしただけで、復帰に向けて気持ちを固めてくれました。

まとめ

と言った具合に、今の会社で採用担当になってから、退職やむなし、となって皆が匙を投げた人材も、とにかく話を聞いて、雑談を重ねてくる中で、何人かは仕事に戻ってもらえるように調整することができました。

まぁ、本当は休職しなきゃいけないような状況になってから話をしっかり聴くんじゃなくて、通常業務の中で管理職なり、プロジェクトマネージャーが異変に気づいて初動のケアをちゃんとやっていかないといけないんですけどね。

この春から、会社でやっとPMO(プロジェクト運用をバックアップする要員)を増員して常駐プロジェクトのヒアリングと精神面のケアを始めることになりました。これで、採用担当の休職者面談への出番がもうなくなることを、ちょっと期待しております。

それではまた。

かるび

PS 「雑談」については、こんな記事も書いています。もしよかったら、覗いてやってくださいませ~。