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あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

スキーはもうオワコンなの?衰退の原因と復活へのカギを考えてみた

趣味
★今週のイチオシ記事 →→→「君の名は。」ネタバレ感想・解説
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かるび(@karub_imalive)です。

スキーに行ってきました

少し更新が空きましたが、2泊3日でこの週末、裏磐梯スキー場にスキーに行ってきました。2年ぶりで体は動きませんでしたが、楽しかったです。

さて、そのスキー場で気づいたのが、とにかく人が極端に少ないこと。前から、不人気だって聞いてたし、ここ最近はリフトで行列したこともありませんでしたが、ここまでとは思いませんでした。

どんな状態だったかというと、こんな感じです。

2月12日(金)午前中の写真を見てみましょう。

客少なっ!!

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遠くの方に写っているのも、地元の小学校「裏磐梯小学校」の体育の戸外授業でした。純粋なスキー客って、数十人といなかったんではないかと思います。

そして、午前中は全く滑れない嫁と、今回がスキー場デビューとなる6歳の息子を親子レッスンに送り込んだのですが、その親子レッスンも、参加者は我が家だけで、事実上のプライベートレッスン状態。お得でした\(^o^)/

いや、まぁいいんですが。

・・・

・・・経営、大丈夫?!

いや、きっと大丈夫じゃないでしょう。

恐らく、スキー場のリフト券代や飲食部門などでは利益が出ていないはず。実際、今回行った裏磐梯スキー場では、人が来ない平日の火曜日、水曜日、木曜日はハイシーズンでも閉鎖しています。

昔は間違いなく人気があったはず

昔はこんな不人気なスポーツじゃなかったのですが、、、
思い返すと、初めてスキーに連れて行ってもらったのは小学校4年生だった1986年でした。以後、スキー好きな父親に連れられて、毎年のようにスキーに行っていました。その当時は、超絶人気があったことを覚えています。
1987年に、更にそのブームを加速させたホイチョイ・プロダクションズのバブルトレンディドラマ映画3部作の第2弾、「私をスキーに連れてって」がその流れを決定づけました。

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51CJZ05UIRL.jpg

(引用元:Amazon.co.jpより/原田知世かわいい。)

先日、初めてBSの再放送で見たのですが、なんかダサくて懐かしい映画でした。スキー場に男女6人できゃっきゃうふふする姿は実に微笑ましい(笑)80年代バブル全盛期のリア充の生態がよくわかります。若者はスキーバスやマイカー(映画ではカローラレビン86だった)で週末はスキーに行っていました。スキー場は若者の恋愛・遊びの主戦場だったのです。

僕は、当時まだ小学生でしたので、そういった一番美味しいところ(?)は蚊帳の外でしたが、それでもスキー場に若い人が多く、活気があったことだけは覚えています。

当時は何をするのにも大渋滞しました。高速道路も、スキー場の駐車場も大渋滞でどこもいっぱいでした。ちなみに、スキー渋滞の最高記録は、2003年2月14日の関越道でのものです。練馬IC-赤城IC間で渋滞105kmというとてつもないものでした。

スキー場の中もリフト待ちで大渋滞でした。滑って降りてくるのはものの2~3分なのに、リフトに乗るのに60分待ちとか当たり前です。

そのくせ、メシは全部レトルトでバカ高い。お決まりのレトルト系カレーライスが、ゲレンデ内の山小屋では1杯1,200円とかですから。

ブームが終わって長期低迷期に。

バブルの時期はそんな異様な光景だったのですが、そこから約30年弱。冒頭の写真のように、スキーは完全にオワコンと化してしまったように見えます。


こちらの図を見てください。

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(引用元:観光庁:スノーリゾート地域の活性化に向けた検討会資料より)

1998年にピークを迎えたスキー/スノボ人口1800万人は、2013年時点でピーク時の約4割である、770万人へと減少しています。

また、実施率、すなわち1シーズンに1回でもスキー場に足を運んで楽しんだ人は、全国民の5.8%と1994年のピークの10.9%から半減していますね。

廃業するスキー場も多数。

ピーク時には、バブルの勢いでリゾート乱開発を進めた結果、全国にスキー場は1,000箇所以上あったとされます。さすがにユーザー数がこれだけ減ってしまった結果、赤字等で倒産・廃業するスキー場が多数出ました。

特に、知名度や雪量、広さ等で劣る町営等の小規模スキー場はかなり厳しく、たとえばこちらの魚沼市の「魚沼市営スキー場再編計画」なんかも、再編、と言いつつ、市営5スキー場のうち、4つを閉鎖しています。再編というか、縮小です。

また、こちらのサイトでは、そんな廃業したゲレンデを巡回して、丁寧に写真で記録して、興味深い取り組みをしています。廃墟マニア系に密かな人気があるサイトですね。

こちらを丹念に見ていくと、やはり小さくて、コースに魅力のなさそうな中小スキー場が廃業に追い込まれていることがわかります。

なぜこんなにスキーは廃れていったのか

ひとことで言うと、コスパが悪いからです。

まず、コスト面です。スキーはカネがとにかくかかるということ。交通費、ホテル代、ウェア代、スキー板代、リフト券代、など、準備段階から当日まで、お金が本当にかかるのです。実際、今回の旅行でも、ホテル他全部入れて親子3人で、2泊3日で150,000円位かかりましたから。

とはいえ、昔も今もお金はかかる金額は変わりませんし、今のほうが多分格安パックやリフト券割引サービス等、レンタル等の充実で、コストは確実に下がっています。

ではなぜ金が出せないのか?というと、バブル期のスキー場を支えた大学生などの若者層が、その支出に耐えられなくなっているから。

こちらを見てください。

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(引用元:私大新入生への毎月の仕送り額、過去最低額を更新:不動産トピックス 【不動産ジャパン】

バブル期には、大学生の可処分所得は73,800円ありましたが、現在は27,700円と、ほとんど親からの仕送りが期待できない状況となってきています。つまり、今、一番スキー場にとって来てもらいたい大学生にとっては、1回50,000円程度かかるスキーには手が出せない状況になっているんです。

次に、サービス面。こちらにも問題があります。ゲレンデ飯は昔からレトルト系メニューばかりで、しかも高い。スキー場に隣接するホテルは老朽化していて宿泊したいホテルがなかったり、スキー場の従業員のホスピタリティがなかったりと、全般的にサービス業としてのレベルが低いように感じられます。20年前からあまり変わっていないのではないでしょうか。

では、どうすればまたスキー場に人が来るんだろうか?

ここからは仮説になりますが、いくつか先行して事例があるので、それも含めて考えてみたいと思います。

大胆なフリーミアム施策①:雪マジ!19

これは、リクルート社が各スキー場に呼びかけ、進行形で全国規模で進んでいる施策ですが、「19歳は全員リフト券無料」という『雪マジ!19』という施策があります。

この雪マジ!19に賛同するスキー場では、シーズン中19歳である人は、リフト券がいつでも全部タダになります。リクルート社の分析資料によると、19歳という年齢は、一度小中学生の際にスキー/スノボに来たことがある若者が、一旦スキーから離れたところで、再度ハマるかどうかの分水嶺にある年齢なのだそうです。

だから、ここでスキー場に足を運んでもらって、潜在顧客層の掘り起こしをしよう!という意図があります。

たしかに、この施策はかなり有効かもしれません。ただし、あまり知名度が高いとは言えないので、そこがたまにキズではあります。ちなみに、福島県では20歳~22歳にもターゲットを広げて同様に無料化しています。

大胆なフリーミアム施策②:ガーラ湯沢のケース

同様に、新幹線自体を実質上無料送迎バス化し、タダにしてしまったJR東日本も、同社が経営する「ガーラ湯沢」の経営を盤石なものとしています。

ガーラ湯沢は、東京駅から新幹線で75分と近く、かつ改札を降りたらそのままスキー場のロッジで、流れ作業のようにレンタルを借りて、更衣室へ入っていけます。究極に楽ちんなのです。このガーラ湯沢ですが、新幹線東京発往復チケット、リフト券付きで平日8,500円という破格の値段で集客しています。正規価格なら、30,000円弱するのに(笑)

両方の策とも、リフト代や交通費をタダにして、スキー場内での飲食やおみやげ、レンタル等でお金を落としてもらうモデルです。

ガーラは一昨年、有給取って2回ほど行きましたが、若い人も多くてかなり盛り上がっています。雪質も上越地区では良く、こりゃ生き残るわな~。と思わされます。

経営主体の統廃合と垂直統合モデルでサービス向上を

パイが縮むなら、規模の効率性と役割分担を追求するしかなさそうです。スキー場からリフト券、ホテル、レンタル事業と、現状バラバラで非効率、かつ前時代的経営になりがちな状況を改善して、サービスの川上から川下まで専門業者に任せて一気通貫で提供するのが有力な解決策と考えます。

実際、北米地域では、「Ski Area Management」」と言って、スキーリゾート観光地経営は、一つの専門分野として、大学でも専門のコースができるくらいの経営分野としてみなされています。

アメリカやカナダでは、このビジネス上のフレームワークを元に、スキー場の専業マネジメント会社がスキーリゾートエリア全体の経営を行い、魅力的なサービスを効率的に創りだすことに成功しています。

日本でも、徐々に「日本スキー場開発」や「マックアース」といったスキーリゾート専業の運営会社が出てきました。両社とも、社長さんはまだ若い!

彼らのやり方は、概ねこんな感じ。まず、沢山のスキー場を保有したり・経営預託されることで、天候リスクを抑え、コストを圧縮して黒字化します。次に、あちこちで獲得した経営ノウハウを横展開して、スキー場自体を魅力あるものにしてさらにお客を呼び込む、そういうモデルで成功しています。

インバウンド需要を捉える(長期滞在需要と外国語対応)

現状は、ニセコ(北海道倶知安市)での成功事例があります。数年前から、特に南半球のニュージーランド人やオーストラリア人が、夏・冬問わず長期滞在を前提とした宿泊先としてニセコや白馬のコンドミニアムを選んだり、別荘を購入するケースが増えています。

現地では、外国人や、外国の旅行代理店、投資家の誘致活動から、地元スーパーやリゾート施設内での外国語対応までかなり対応が進んでいます。この成功例を他の地域にも並行展開し、外国人の潜在需要を掘り起こしたいところです。

ちょうど、都市部や一部の進んだ観光地でのインバウンド事業はかなり成功しつつあるため、スキー場でも先行事例を見ながら進めていけば、案外チャンスはあるのではないかと思います。

スノボに続く新スタイルへの対応

外国では、スキーやスノボ以外にも、クロスカントリースキーやフリースタイルスキー、冬山トレッキングなどのファンも増えており、各スキーリゾートで専用コースやトレーニングコースを開設して、ファンを取り込んでいます。

実際、アメリカの業界団体、Snowsports Insutries Americaのリサーチによると、フリースタイルスキーの人口が2009年の295万人から、2014年には446万人と激増しており、この波は必ず日本にも来るはずです。

実際、フリースタイルスキーは現在プロにより次々に大技が編み出されたり、日本人でも若年のトッププレーヤーが現れるなど、かなりの可能性がありそうです。ここにどう対応するかも鍵になると思います。

スノボが流行り始めた当初、対応が面倒なのか、危ないので単純に滑走禁止としたスキー場が多かったですが、同じ失敗をしないようにして欲しいですね。

まとめ

欧米やオーストラリアなどでは、スキーリゾートは基本的に日常空間からは遠いところにあり、長期滞在を前提としてお金をかけてゆっくり楽しむスポーツでした。例えば、アメリカ人は1回あたり平均7日間滞在するそうです。

これに対して、日本は国土が狭く、思い立てば車で2時間、3時間の近場のところに、日帰りでスキーを行ってきて楽しめる環境にあります。バブルの時のような熱狂はもう起こらないだろうけど、気軽に行って、気軽に帰って来れる。

実は、外国に比べて恵まれた環境にあるんですよね。こんな狭い国土に1,000箇所もスキー場があるってすごくないですか?

バブルの時期に獲得した年間1800万人の観光客は、恐らくもう戻っては来ないと思いますが、ポテンシャルは絶対あると思います。是非恵まれた観光資源を活かして、また盛り上げていってほしいなぁと思います。

それではまた。

かるび