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あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

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人は何歳までなら未経験からITエンジニアとしてデビューできるのか検証してみる

就職・転職
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かるび(@karub_imalive)です。

実はワタクシ、今でこそSier業界で採用・営業・管理系の仕事をしていますが、昔はシステムエンジニアでした。31歳で才能の限界を感じて早期引退しましたが、元々は、27歳の時にこの業界に未経験で入れてもらいました。

特に採用担当になってからは、会社の方針もあり未経験者の採用・育成に力を入れてきましたが、たまに50歳とか60歳でも未経験者のエンジニア志望の方の応募があります。

SierにおけるITエンジニアは、現在人手不足もあって、未経験者にとっては大きな就職のチャンスだ!と言われています。では、果たして上限として何歳くらいまでなら就職してキャリアを作っていけそうなのか、採用する企業側から見た視点で考えてみたいと思います。

応募者の上限はどんなものなのか

まず、このIT業界におけるシステムエンジニア/ネットワークエンジニア、プログラマー(Web等も含め)で、新卒以外で業界未経験から入社したい人って、どれくらいの年齢層が多いのでしょうか?

雇用対策法では、年齢を理由に応募を妨げてはいけないため、ネットやハローワークの求人票に「○○歳以上/以下お断り」となどとは書けません。したがって、単に「未経験者OK」と書いて求人しますから、割りと幅広い層から応募があります。

かるびの体感値としては、これ、意外と平均年齢が高いイメージです。平均年齢は30歳位でしょうか?ボリュームゾーンとしては、25歳位のいわゆる第二新卒層から、35歳くらいのミドル層位までが多いようです。

ただ、中にはIT系の職業訓練などを受講して応募される方の中には、60歳以上の方もいます。おそらく訓練校の先生から「ダメ元でもとにかく就職活動しなさい」と言われているんでしょうね。

大手Sierは中途未経験採用をしない

当たり前のことですが、大企業は基本的に即戦力中途採用しか行いません。未経験者をわざわざ入社させるメリットがないからです。Sierでは採用即稼働につながるのであれば、紹介会社に100万円単位でお金を支払ってもすぐに回収できるから、割をお金をかけてまでも技術力を持った経験者を採用します。また、技術力のある経験者側も大企業を積極的に転職先対象とすることが多いです。

中途未経験採用を行うのは中小のSier、ソフトハウス

 逆に中小のソフトハウスでは大半の会社が「バリバリ経験者は欲しいけど、採用予算もないし、企業ブランドもないため、いい人が来ない」ことに悩みます。でも、それなりの離職者が毎回発生するため、採用は一定数行っていかないといけません。

そこで、選択肢として「未経験者を採用して育成する」方針が浮上します。仕方なくそうせざるを得ないのです。しかし、そこに難しさがあります。

中小Sier、ソフトハウスは基本的に客先常駐メイン

これは転職活動をすればすぐにわかりますが、面接のために訪問したソフトハウスに、どうも人気(ひとけ)があまり感じられないことがあります。主力の技術者がみんな客先のプロジェクトへ常駐しているからですね。かるびもソフトハウスを回って転職活動していた時に、「大丈夫かなこの会社」と思ったことが何回かあります。

そして、ここが未経験者採用の大きなポイントとなります。

客先常駐案件は入場前に面談がある

少し専門的な話になります。

客先プロジェクトへ常駐で参画するには、派遣契約と請負契約(準委任契約含む)の両契約方法があります。そして、そのどちらの契約方法であっても、業務開始前に面接行為は行ってはいけません。・・・が、この業界、「面接します」とハッキリは言いませんが、「業務打ち合わせをやります」「顔合わせをします」みたいな形で、事実上の面接形式での参画技術者のスクリーニングを行います。

その面談で、顧客側(元請Sierだったりしますが)がOKを出せば、晴れて契約成立、各エンジニアが月額○○万円、という人月単価式契約で、作業現場へ参画していく流れとなります。そこがキーポイントです。

未経験者には面談をパスすることが非常に難しい

顧客側の視点に立って考えてみます。システム開発案件を外注に出す時、人月いくら、で契約して発注を行いますが、その支払対価の元となる評価基準は、技術力となります。相手の技術者の持っている技術力を図り、それに対して人月60万、70万とお金を出すのですね。

そこで、顧客側としては、未経験者に来られてもハッキリ困るわけです。「未経験ですが頑張ります!」と顔合わせの場で気合を出されても「いや、それならわざわざ外注に出さないし。今回は技術を持っている人に来て欲しいのですみません」となりやすいわけですね。

中小Sierの採用基準は「客先面談を突破できるか?」

このような構造・ロジックがあるので、中小Sierにとっては、未経験者を採用する際は、目の前に座っている選考希望者が、入社後に早期に客先面談を突破できるコミュニケーション能力があるかどうか、案件参画を勝ち取ることで早期に戦力化できるかどうかをまず考慮に入れて採用面接を行います。絶対言わないですけどね。

自立した成長意欲も基準となる

これにプラスして、「成長意欲」も大事な要素になります。

一般にシステムエンジニア、プログラマーとして成功するには、最終的には自分の力で新技術を体得し、積極的に勉強し続ける素養が欠かせません。今、開発現場で通用している技術は10年後ほぼ使えなくなっていることが多いように、この業界は技術革新のスピードや流行り廃りが速く、「誰かに教えてもらおう」という姿勢では長い間一線級で活躍するのが難しいからです。

中小Sierでは、組織としてまとまって未経験者を育成していく人的・経済的基盤がないことが多いので、入社当初の初期研修はともかく、そのあと「自分でなんとか成長していける」人材でないと採用できないのです。

残念ながら、未経験から応募してくる人の特徴として、現状認識が甘く、誰かに教えてもらってなんとかしよう、と言うマインドを持った人が多いです。10人いたら7~8名はまず事前の勉強や業界知識、調査などが足りておらず、「成長意欲」という点で落とさざるを得ないのも確かです。

年齢が上がれば上がるほど顧客ニーズとミスマッチになる

一般的に、新卒から入社すると、最初の3年程度でプログラマーとして下積みを終え、早い人は20代後半からすでに現場でリーダー格のシステムエンジニアとして活躍し始めます。30代にもなると、現場で主力または中堅としてがっちりプロジェクトを牽引する役割になっていきます。

また、顧客側の現場リーダーも、早ければ30代前半位から任命されます。よって、顧客側企業が若い場合、自分より年齢の高い技術者を参画させるのは、スムーズな業務指示や指揮命令を行う際の不安要素となり、かなりの抵抗があります。

よって、年齢が上がれば上がるほど、顧客側が先入観として、年齢相応の技術力を期待してしまうので、「未経験者」として顧客に売り込むのが難しくなるわけです。

では、結局何歳が未経験デビューの限界なのか

ここまで背景を見てきましたが、この「面談力」「成長力」の基準から照らして考えてみると、楽観的に見たとしても、システム開発請負を主力とする中小Sierでは概ね30歳以下が採用基準になっているものと考えられます。

これまで、かるびが採用してきた中の最高上限は40歳でした。中小Sierの採用担当となって以来、未経験者も積極採用する方針の下、300名弱程度採用してきたデータの中からは、40歳を筆頭に、37歳の人を2名、35歳を5名程度・・・と言った感じでしょうか。かなりのチャレンジでした。

40歳の方は、結局1年で退職されました。前の職場の方が給与が高く、前職から再びお声がかかったからです。37歳で採用した2名は、入社して3年目になりましたが、頑張って現場でリーダー格として頑張っています。高年齢で採用された自覚からか、覚悟を決めて勉強に打ち込んだ成果が現れ、若手エンジニアより速く成長してくれました。

ただ、概ね30歳以上の未経験採用は、離職率も20代メンバーより高めとなります。前のエントリーでかるびの会社の離職率は10%~15%と書きましたが、入社して1年目の25%~30%位になるかと思います。会社としてクビにした・・・わけじゃなく、給与水準や成長力といった要素での本人都合の退職です。

結論

よって、正面から正攻法で未経験者としてSierやソフトハウスに入社するのであれば、その年齢上限は大体35歳前後となるかと思います。採用後の業務登用を前提に人員計画を立てる現状の中小Sier側の事情から、業界的にミドル層以上の未経験採用は難しい現状です。

最後に当たり前の結論となりますが、未経験者からITエンジニアとしてデビューしたいのであれば、「早ければ早いほどいい」のです。上限は35歳だって書きましたが、おそらく35歳の方なら平均数十社は面接を受ける必要があるでしょう。茨の道です。2015年現在、エンジニア需給は非常に逼迫しており、未経験者登用のチャンスはかつてなく広がっています。この業界で頑張りたいのであれば、今すぐに転職活動したほうがいいでしょう。

え、ミドル層以上でどうやってデビューしたらいいか?方法はないことはないと思っていますが、それはまた別エントリーで機会があったら書いてみたいと思います。

それではまた。

かるび