あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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社畜か独立か?サラリーマンは今後会社とどう向き合っていくべきか考える

こんばんは。かるびです。

今日はてなブックマークをみていたら、この朝日新聞の記事がバズっていたので自分も少しコメントしてみたいと思います。

digital.asahi.com

この記事で一番印象に残った箇所は、この部分。

2年前、約2年間勤めたその会社を辞めた日野さんは「やりがいを持って仕事に打ち込んでいる人を批判するつもりはない。多くの人は会社と自分の距離をうまく取れない『社畜』にはなりたくないと思っているけれど、どうしていいか分からないのではないか」と話す。

 ここにつきるよなぁ、、、と感じました。

自分自身の体験談を話します

少し自分語りになってしまいますが、このブログを始めるきっかけでもあるのですが、自分は来年までに会社を辞めて独立する道を選択する方向で今は固まってます。(上司にもやっとやめますと宣言したところ)ただし、その決断に至るまでのここ5年程はまさに上記のような感じでもやもやと悩みながら会社勤めを続けていました。

 話は遡りますが、20代後半の時、未経験からITエンジニアとして今の会社に就職した頃は今思うと結構ひどい環境だったんですが、全然平気だったんですね。

ITエンジニアを数年やって、その後営業職へ変わったのですが、なにをやっていても非常に新鮮で、会社の方針や方向性に特に違和感を感じませんでした。素直に目の前の仕事にガンガン打ち込めたというか。

正直残業代などもカットされたりと労基法的に厳密に見るとグレーな扱いも受けましたが、目の前の仕事から得られる高揚感・達成感・経験値が自分にとってかけがえのないものに思えたので、特に問題ありませんでした。

 それが、ある時をきっかけとして自分の内面を見つめなおすようになった頃から、徐々に自分の考える働き方やライフスタイルと会社の目指す方向性のズレが自分の中で大きくなり始めました。それまでいやでなかった深夜残業や、会社から指示された業務内容に対して違和感を感じるようになってきたんですね。

 自分の中でやりたい仕事、やりたくない仕事がある中で、やりたい仕事はもっとやってもいいなと思う反面、会社から押し付けられるやりたくない仕事が確実にあり、苦痛に感じる。

また、自分自身が理想とする仕事への取り組み方とは違う、利益を上げるための生々しい商慣習や決まり事、ルール。そして、自分よりも集団を必ず優先させなければならない暗黙の了解も自分を苦しめました。

「なんでこんなことしなきゃいけないんだ。」

 こういった葛藤が年々大きくなる一方で、それなりに昇進は順調でした。昇進とともに仕事量と求めれるクオリティは上がっていきます。すると、無意識のうちに日々の業務に対してモチベーションを下げないように、自分の考え方や生き方についてはできるだけ考えないようにするしかなく、会社の中でつける自分の仮面がどんどん分厚くなってきている実感がありました。

 いつしか、「会社をやめて自由になりたいな~」と感じ始めるものの、ネットやビジネス本などですでに独立して自由に仕事をしている人たちからの「ぐずぐずしてないでいますぐやめろ!」的なアドバイスには、「この人たち振り切れてていいなぁ」と思う反面、なんかこう、100%心から「あぁそうだな」と思えない自分がいたりして。

 

辞めたいなぁと思っていても現実には簡単に退職に踏み切れない

朝日新聞の記事にもありますが、こういった「やめたいなぁ」となんとなく思っているけど実際にはすぱっとやめて独立、転職するのができずにいる人って意外と多いんじゃないかなぁと思います。

 その理由としては、たぶん、今すぐ辞めても収入の当てがなく、明日の生活が保障されていないこともあると思います。そして、もう一つあるとしたら、会社や仕事のことが100%嫌いになり切れないから、という理由もあるのではないでしょうか。

 今の会社には違和感を感じる一方で、これまで自分が仕事と向き合ってきた中で自分が会社の中で培ってきた大事な人間関係や、まだ今の会社の中でも「やってみたい仕事」が多少なりともあるから、スパッとはやめます、と踏み切れない。

 でも一方で、会社に全部尽くして「はい、はい」と会社の指示に従って会社に身を任せて仕事に打ち込んだとしても、体力の低下から絶対的な物量をこなせなくなる40過ぎに待っているのはリストラや不本意なキャリア転換だったりするわけです。そんな日本企業の理不尽なところを我々はもう十分見てきたので、会社に自分の人生を100%預ける気にもなれない。

 

迷っていて当たり前。簡単に答えが出る課題ではない

そんな葛藤がみんな多かれ少なかれあり、だけどそういったもやもやした気持ちはどうしてもネット上の「自由」「独立」を唄う成功者からの「独立すんのか?それとも社畜のままなのか?」といった声には負けてしまいます。もやもやしつつ、日々の生活の中で何とか折り合いを付けながら会社生活に向かい合っている人たちの声は、いわばサイレント・マジョリティ的存在なのではないか。そう感じます。

 自分自身、氷河期世代に就職活動をして、1社目に就職した会社が実際に消滅した経験から、どんなに経営者が高い志を持っていたとしても会社組織を全面的に信用する気にはいまさらなれないのです。

2015年夏に40歳になったことを機に、この数年間ずっと繰り返してきた「やめるべきか」「続けるべきか」という自問自答にピリオドを打ち、とりあえず独立してみる!と決めました。

 自分の場合、方針が決まるまで5年以上と非常に時間がかかりました。今後サラリーマンが会社とどのように向き合い、どう働き方を決めていくかという課題は結局一人一人が真剣に考えていって自分なりに納得のいく答えを探し続けるしかないのではないか、と考えています。

 アドバイスを人に求めても、「独立しろ!」「会社員を絶対やめるな!」と人によって言うことは様々です。それは一人ひとりそれまで生きてきたバックグラウンドや考え方、方向性が全く違うから当然のことであり、誰か一人のアドバイスをそのままうのみにして、「そうか、じゃあ今すぐ社畜辞めて田舎暮らししようか!」とはなりえません。というか辞められる人はもうすでに辞めてますよね。

 しんどいかもしれませんが、仕事や生活のいろいろな日常的な場面で、丁寧に「自分はこれからどうしていきたいのか?」と考え続けることが一番大事なんだろうな、と思います。

 

ではまた!

かるび