あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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風景画で心を癒やそう!「風景との対話」展のブロガー内覧会に行ってきました!(損保ジャパン日本興亜美術館)

かるび(@karub_imalive)です。

※ブログ内の写真は、主催者の撮影許可を得て掲載しています。

12月1日(木)に開催された、東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館のコレクション展「風景との対話」展のブロガー内覧会に行ってきました。

開始前の集合写真
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東郷青児が生前に集めたコレクションを中心に、美術館の保有する「風景」をテーマとした作品が80点あまり集められた展覧会。決して派手で目玉作品がどどーんとあるわけではありませんが、都会のど真ん中で疲れた時にフラッと立ち寄りたくなる展覧会です。(あと、安いし!)

ということで、簡単な感想レポートを書いてみたいと思います。

1.混雑状況と所要時間目安

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いつもながらゆったりと見れる損保ジャパン日本興亜美術館。ここが劇的に混雑したのを長らく見たことがありません。いつも快適に見て回れます。おおよそ儲けてやろう!という執着が全く感じられない美術館であります。(いい意味でね!)僕も前職で仕事に疲れた時、営業中によくフラッと入ったものです・・・

2.「風景との対話」展の特徴は?

親会社が合併を繰り返して美術館の名前がコロコロ変わってて、そのたびに美術館の名前が長くなっていくわけですが^_^、損保ジャパン日本興亜美術館は、もともとは1976年に芸術家、東郷青児が自分自身の作品と、パリや日本で収集した自らのコレクションを収蔵・展示するために「東郷青児美術館」として創設されました。

その東郷のコレクションを核として、様々な個人や法人からの寄贈・寄託、同美術館の買い上げた作品などを合わせると、現在は850点ほどが収蔵されています。

その収蔵品のうち、だいたいいつも見れるのは、常設コーナーで飾られている超大物3点(ゴッホ「ひまわり」、ゴーギャン「アリスカンの並木道」、セザンヌ「りんごとナプキン」)や、東郷青児、グランマ・モーゼスの作品くらいのもの。(毎回行くたびにゴッホのひまわりを見るとホッとします・・・)

しかし、それ以外の作品については、こうして年に1回~2回の特別展示でしか見ることができないのですよね。

今回は、「風景との対話」ということで、風景画を中心に、シュルレアリスムや風景画的な要素を多く含んだ現代アート作品、約80点が展示されています。複数点出品されている東郷青児、グランマ・モーゼス以外は、1名1作品ずつ展示されたバラエティに富んだ展示内容なのも面白いです。

3.展示区分

展示は、以下の区分で展示されています。

  • 第1章▶フランスのエスプリ
  • 第2章▶東郷青児の旅(東郷青児特集)
  • 第3章▶日本の風土
  • 第4章▶異国の魅力
  • 第5章▶意識の底の地
  • 第6章▶日常の向こう側(日本の現代画家)
  • 第7章▶世界の感触
  • 第8章▶思い出のニューヨーク州(グランマ・モーゼス特集)

このうち、個人的には、第1章「フランスのエスプリ」が非常に印象的でした。東郷青児のフランスでの修行時代、現地で交流した同世代の画家たちの風景画を一挙に見比べて楽しむことができました。

4.個人的に気に入った絵画達

左:エドゥアール・ジョルジュ・マカヴォイ(無題)
右:ギー・バルドーヌ(無題)f:id:hisatsugu79:20161205223703j:plain

えー、二人とも知りませんでした(^_^;)。でも2枚ともさわやかな水色を基調に、橋のある風景を描いた涼し気な作品で、非常に気に入りました。左の絵は、空の青なのか、水の青なのかもはや境界面がわからないほど、ノリノリで水色が画面いっぱいに広がっているのが良かったです。テンションが高いうちにささっと仕上げたのかな。

右:ユトリロ「モンマルトルのサクレ=クール寺院」f:id:hisatsugu79:20161205224348j:plain

冬の寒空の街並みを風情たっぷりに描いたユトリロの作品。少しだけ遠近法が歪んでいるところとかもユトリロらしい人間味を感じます。・・・というか外国人作家ではユトリロぐらいしか聞いたことがある作家がいなかったので、勉強不足を痛感した展覧会でもありました・・・(^_^;)

左:井上覚造「猟人日記」f:id:hisatsugu79:20161205225113j:plain

日本のシュルレアリスム画家の100号ほどの大きな作品。実際にはあり得ないような重力に逆らったような積み方で形作られた石のアーチが味わい深かったです。不思議と引き込まれる力がある作品だと感じました。

左:大渕陽一「八重の里」
右:錦織重治「待春」f:id:hisatsugu79:20161205224731j:plain

ともに、日本の冬景色を抒情的に描いた作品。右側は、財団が独自で毎年開催している絵画コンテストの秀作として、美術館で買い上げた作品です。日本の美しい寒村の原風景は、ずっと見ていたいような気持ちにさせられるので、大好きなモチーフです。

ゴッホ「ひまわり」
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(引用:Wikipediaより)

そして、展示会のラストを飾るのはやっぱりこれ。これを見ないと、個人的には東郷青児記念美術館は見終わった気がしません(笑)

安田火災がバブル絶頂期に手に入れた、50億円のゴッホは今日も健在でした。今購入したら50億なんかじゃすまないんじゃないでしょうか。よくぞ安田火災は売らずにキープしてくれました。ムリかもしれないけど、さっさと国宝指定して欲しいとまで思っている、ゴッホ不朽の名作です。

とにかくここに来たらこれを見て帰る。そういうルーティーンになっているので、今回も「よしよし、まだあるな」と確認してから帰途につきました。

5.他美術館との相互割引

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本展示会では、少し遠いですが、埼玉県立近代美術館で開催中の、「日本におけるキュビスム―ピカソ・インパクト」展と相互割引を実施中です。「風景との対話」展のチケットを持っていくと、入館料が2割引きになります。

僕も、個人的に非常に気になっているので、12月中に行ってくる予定です。楽しみ。

6.まとめ

今回の「風景との対話」展では、これまで出品されたことがほとんどなかったレアアイテムも結構出展されているようです。一口に「風景」といっても、バラエティに富んだ様々な画家の色々な作風が楽しめる展覧会です。600円で、気軽に入って楽しめるカジュアルな展覧会ですので、是非足を運んでみて下さい。

それではまた。
かるび

展覧会開催情報

◯所在地
〒160-8338 東京都新宿区西新宿1-26-1
損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
◯最寄り駅
新宿駅から徒歩7~8分/都営大江戸線都庁前駅から徒歩5分程度
◯会期・開館時間
2016年11月26日~2016年12月25日
10時00分~18時00分(入場は30分前迄)/毎週月曜休館
◯入館料(コレクション展なので安い!)

一般600円、大学・高校生400円、中学生以下無料
◯公式HP
http://www.sjnk-museum.org/
◯アクセス