あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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【ネタバレ有】「ジュマンジ2/ウェルカム・トゥ・ジャングル」感想・考察と8つの疑問点を徹底解説!/TVゲームとして復活!家族で楽しめるテーマパーク的冒険活劇!

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【2018年4月20日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

本国アメリカに遅れること4ヶ月、満を持して日本公開されたファミリー大作映画「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」を公開日に見てきました。この日は、僕の小学生の息子の春休み最終日。映画館は昼間から中高生で大混雑でした。

早速ですが、感想・考察等を織り交ぜた映画レビューを書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が一部含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル」の予告動画・基本情報

▶映画「ジュマンジ」公式予告動画
※画像をクリックすると動画がスタートします


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【監督】ジェイク・カスダン(「ゼロ・エフェクト」「バッド・ティーチャー」他
【配給】ソニー・ピクチャーズ
【時間】119分
【原案】絵本「JUMANJI」

2017年度、アメリカ映画興行成績において、恐らく最大のサプライズ・ビッグヒットとなった本作。制作費は約100億円と、クリスマスシーズンを想定したそれなりの規模で制作された娯楽大作映画ではありましたが、クリスマスが終わって年が開けても勢いは止まりません。予告編でも謳われているように、日本での公開が始まる前には、最終的に900億円を超える世界的な超ビッグヒットになったのでした。

そんな本作でメガホンを取ったのは、大人向けコメディやいわゆる「シットコム」を中心としたテレビドラマで実績を挙げていたジェイク・カスダン監督。父親のローレンス・カスダンもまた、ハリウッドで実績のある脚本家・映画監督として活躍していますね。

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引用:Wikipediaより

本作は、ジェイク・カスダン監督が得意とするコメディ路線と、父親譲りのテーマパーク的な冒険譚が絶妙のさじ加減で融合したファミリー映画となりました。特に、映画のこういったシーンは、インディ・ジョーンズ シリーズ第1弾「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」のワンシーンを彷彿とさせるものがあり、オールドファンをニヤリとさせたかもしれませんね。

▼父親譲りの場面演出もちらほら?!f:id:hisatsugu79:20180408164127j:plain
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Choose

ところで、今回色々リリースされていた予告編動画を見ていて特に面白かったのが、下記で紹介する「ジュマンジ」の裏テーマソングです。実は、第5の主人公アレックス/シープレーンを演じるニック・ジョナスは、俳優業だけでなく、兄弟で「ジョナス・ブラザーズ」というアイドル(系)グループにも所属しており、歌も歌えるのですね。

残念ながら本編では披露されていませんが、円盤が出た時にボーナス・トラックに収録されているかもしれません。チーム内の俳優たちの雰囲気も非常に良さそうで、見ていて非常に楽しい動画でした。お時間があればぜひチェックしてみて下さい!

▶映画「ジュマンジ」裏テーマソング?!
※画像をクリックすると動画がスタートします


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2.主要登場人物・キャスト

スペンサー/スモルダー・ブレイブストーン博士
(現実:アレックス・ウルフ/ゲーム:ドウェイン・ジョンソン)
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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer 
今やハリウッドを代表するマッチョ系俳優へと上り詰めたドウェイン・ジョンソンですが、本作では、潔癖症でゲーム好きなひ弱な青年、スペンサーの性格を受け継いで、弱気でチャーミングな一面をたっぷり楽しめます。決してマッチョ系一辺倒ではなく、コミカルで意外性ある器用な演技もできる、この「幅の広さ」こそが、ドウェイン・ジョンソンの強みなのでしょうね。

フリッジ/ムース・フィンバー
(現実:サーダリウス・ブレイン/ゲーム:ケヴィン・ハート)
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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer 
ムース・フィンバーに起用されたのが、アメリカを代表する黒人コメディ俳優・ケヴィン・ハート。アメリカ屈指のスタンドアップ・コメディアン(ピン芸人)として、巨大会場も満員にできる実力を持っています。だから、映画内でもやっぱり彼の一挙手一挙動がなんだか笑える感じなんですよね。柔軟なキャスティングだと思いました。

ちなみに、普段の本業では、こんな感じ。

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引用:Netflix「ケヴィン・ハートのまじウケる」一場面より

マーサ/ルビー・ラウンドハウス
(現実:モーガン・ターナー/ゲーム:カレン・ギラン)
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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer 
マーベルヒーロー映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのネビュラ役で人気を不動のものにしたカレン・ギランがセクシーな女戦士を演じました。色んな所で指摘されていましたが、現在上映中の人気ゲームからのスピンオフ映画「トゥーム・レイダー」シリーズの主役、ララ・クロフトそっくりの衣装でしたが、狙っての敢えての演出だったのかも。

ベサニー/シェリー・オベロン教授
(現実:マディソン・アイスマン/ゲーム:ジャック・ブラック)f:id:hisatsugu79:20180407103918j:plain
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer 
ゲーム世界でのオベロン教授を務めたジャック・ブラックは、ニック・ジョナス同様、俳優業の傍ら歌手業も務める多彩な才能を持つ俳優。おデブなキャラクターなので、大抵はコメディ・リリーフ的な役柄が多く、個人的には「キング・コング」(2005)での業界臭あふれるうさんくさい映画監督役が非常に印象的に残っています。今回は「心は女」「外見はオッサン」という非常に難しい役柄を務めています。

アレックス/シープレーン(ニック・ジョナス)f:id:hisatsugu79:20180408095844j:plain
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer #2
ジュマンジ内のパーティは、「イケメン白人男性枠がない!」と思っていたら、5人目のメンバーはガッツリアイドル系俳優を配置してきました。徐々にゲームのプレイヤーが増えていく過去作「ジュマンジ」「ザスーラ」同様、途中からの登場です。

3.途中までの簡単なあらすじ

1996年。ある朝、父親がジョギング中にビーチで拾ってきた謎のボードゲーム「ジュマンジ」に、ゲーマーだったアレックスは見向きもしなかった。しかし、ある夜、箱の中から妙な太鼓の音が聞こえてきたので、変に思ったアレックスは、もう一度その箱を開けてみた。すると、最初に見た時ボードゲームだったその箱の中には、テレビゲームのカセットが入っていた。早速取り出してプレイしてみたアレックスだったが、謎の光と共に、ゲーム世界へと吸い込まれてしまった。

それから20年が経過した2017年。4人の高校生が、「ジュマンジ」世界へと囚われることになってしまった。気弱なゲームオタクのスペンサー、筋肉系アメフト部員のフリッジ、自分大好きなSNS女子ベサニー、ガリ勉で気難しい性格のマーサの4人だ。その日、4人はそれぞれ学校で起こした問題行動に対して、罰として学校の地下倉庫に集められ、書類整理をさせられていた。そこで、4人は、なぜか倉庫内に置かれていた「ジュマンジ」を偶然みつけてしまい、退屈しのぎにゲームを始めてしまったのだった。こうして、4人もまたゲーム世界へと吸い込まれていった。

ゲーム内に放り込まれた4人は、まず自分たちがゲーム内のキャラクターへと変わっていることに驚愕した。スペンサーはマッチョで勇敢な冒険家・ブレイブストーン博士に、フリッジは小柄な動物学者フィンバーに、ベサニーはデブでメガネの中年オヤジ姿で地図専門家のオベロン教授、そしてマーサはセクシーな女拳闘士・ラウンドハウスに変わっていた。

ゲーム内でのライフは3回まで。腕に残りライフが黒い線で表示されるシステムだ。ジャングルには危険がいっぱいで、カバに食べられてしまったり、ガケから落ちたりして簡単に死亡してしまう。一度死亡すると、残りライフが1つ減って、瞬時に死んだポイントの上空から落ちてくる仕組みだ。

そんな戸惑う4人の前に現れたのは、「ジュマンジ」内のゲーム案内人、ナイジェルだった。彼はゲーム内のNPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)だった。ナイジェルの説明によると、ヴァン・ペルトという悪者が、伝説のジャガー像から緑色に光る宝石「ジャガーの目」を奪い、「ジュマンジ」の世界に呪いをかけたというのだ。この呪いを解くため、4人はナイジェルが奪還した宝石と「ジュマンジ」の地図を受け取って、再びジャガー像に宝石をはめ込んで「ジュマンジ!」と叫ぶ、というゴールが設定された。

早速、4人は地図を頼りに、「失われた断片」を探すという最初のミッションを遂行するため、市場へと向かう。その旅路の途中で、4人は敵と遭遇する中、それぞれの個性や弱点を徐々に把握してゲーム世界に順応していった。ヴァン・ペルトのバイク部隊の襲撃もかわし、なんとか市場へとたどりついた4人は、謎解き「失われた断片」を探す中、シープレーンという若き男性に出会う。このシープレーンこそが、20年前に失踪したアレックスであり、彼の存在こそが「失われた断片」だったのだ。

こうして、5人全員揃った仲間たちは、ジュマンジの呪いを解くために、いよいよ最終目的地、ジャガー像へと向かうことになったが、彼らにはさらなる試練が待ち受けていたのだったーーー。 

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4.映画内容の簡単なレビュー!(感想・評価含め)

ドウェイン・ジョンソンの弱気なヒーロー像が新鮮

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer #2

本作で面白かったのは、現役の高校生たちが、ゲーム内に吸い込まれた時、まるで自分とは違う正反対の特徴を持ったキャラクターを強制的に演じなければならない設定です。4人は、「ジュマンジ」という非日常空間の中、否が応でも自らと全く違う「他人」の中に入り込むことで、価値観や考え方の多様性や、その中で力を合わせて一つの物事を達成する苦労や面白さを体験していくんですよね。

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer

やっぱり正反対の役柄を急にやれ!と言われてもなかなかできないものです。特に、現実世界でスクールカースト最下層にいるスペンサーとマーサが、よりによって劇中でお互いの気持に気づき、気持ちの悪いキスシーンを映画館の大スクリーンで見せられた趣味の悪さ(?)には大笑いでした。

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必死に自信のなさを克服しようと葛藤する
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer

そして、注目したいのは、主演・ドウェイン・ジョンソンの演技です。普段のマッチョな「ザ・ロック」的なキャラクターとは違い、元の弱気で潔癖症のスペンサーが透けて見えるような、弱々しい少年のような立ち振舞いが、いつものドウェイン・ジョンソンと全く違っていて見ごたえがありました。(もっとも、彼自身は、すでにマッチョイメージが定着していた高校時代、内面ではうつを抱えていたことをインタビューで告白しており、案外自分自身のリアルな過去を再現した演技だったのかもしれません)

しかしこの人は本当に器用ですね。キャリアを積むごとに、単なるマッチョ俳優の枠を越えて、どんどん演技に深みや幅が付け加わっている感じがします。このあと5月にも「ランペイジ」という、彼が主演した似たような感じの(?)大作映画の公開が控えていますが、両方見て、演技を見比べてみるのも面白いかもしれません。

あくまでゲームとしてメタ的視点をキープしながら進むストーリー

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer

ゲーム世界で繰り広げられる冒険やアクションの数々は、80年代あたりから続く、テーマパーク的な王道のジュブナイル系(といっても顔はオッサンだけど)アクション冒険活劇ですが、この映画には、少しひねりが効いているのですね。

それが、映画全編を通してキャラクター全員が持っている「ゲームプレイヤーとしてのメタ視点」です。彼らはあくまでVRゲーム的にゲーム空間へと没入する一方、ちゃんと「自分たちはTVゲームをやっているんだ」という意識を持って、冒険を進めていくのが新しいのですよね。

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巨大なステータス画面が空中に突然登場!
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer #2

例えば、フィールドにいると、ドラクエのような巨大なコンソール画面が彼らの眼前に現れて、そこで彼ら自身の弱点や特技(スキル)を確認できたり、映画冒頭とラストで出てくる案内役のナイジェルや、敵の雑魚キャラが同じセリフばかり繰り返すNPC(ノンプレイヤーキャラクター)の特徴を帯びていたり。

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弱点である「ケーキ」を食べてアッサリ爆死!
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer 

また、ゲーム内であっさり痛みもなくサクッと死んでしまうスピーディな展開や、死んだら上空から五体満足な状態で復活する演出、さらにそれらを逆用して、冒険を有利に進めようとする各キャラクターたちの機転など、このあたりの細かい工夫は、見ていて非常に新鮮でした。

「ソードアートオンライン」等に代表される、オタク系青少年向けに作られた日本のライトノベルやアニメなら当たり前すぎる描写ですが、とうとうハリウッドの娯楽超大作でもこういう演出が普通に使われ、しかも世界的に大ヒットする時代になったのですね・・・。

キャラの掘り下げ方が若干雑だった

唯一少し不満だった点は、各キャラクターの内面への掘り下げ方が中途半端だったかなという点です。リアル世界では普段言えないような本音をアバター上でお互い言い合う展開は、極めて自然な流れだと思うのですが、やっぱりちょっと展開が忙しすぎて、ひとりひとりがトラウマを解消して成長するプロセスや、メンバー間の葛藤を描くシーンが極めて薄口で、記号的になってしまった感がありました。

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer

例えば、何かをやろうとして、「やっぱりできない、僕には無理だ」と落ち込んだ時、誰かが「お前はできる、大丈夫だ」的に励ますようなやりとりが何度かあるのですが、どのキャラも一言声をかけられただけで、速攻で立ち直って成長するんですよね。ドラマっぽい、「ため」が全くないのです。

また、ひどい罵り合いをしても、次の瞬間には何もなかったかのように冒険を続けていたり。「今落ち込んでいたのは何だったんだお前!」と何回も映画を見ながら心の中で突っ込みたくなるシーンがありました。

5人も主人公がいて、ゲーム内でのスキルや弱点をこなしつつ、さらに心理面での描写を描きこむ、となるとやっぱり少し演出が粗めになってしまうのは仕方ないとは思うのですが、それなら主人公のスペンサーだけでも、もう少し掘り下げて描いてほしかったかなと思いました。(割りと高いレベルでバランスよくまとまっているので、敢えての苦言です) 

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5.映画「ジュマンジ/ウェルカムトゥジャングル」に関する8つの疑問点~伏線・設定を徹底考察!(※強くネタバレが入ります)~

ストーリーや設定について、本作をより深く理解するために要点となりそうなポイントについて、考察や情報をまとめています。内容上、映画を1度見終わった人向けのコンテンツとなりますので、ここからはネタバレ要素が強めに入ります。予めご了承下さい。

疑問点1:映画のタイトル「ジュマンジ」の意味とは?

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer

「ジュマンジ」とは、主人公たち4名が劇中で吸い込まれてしまうゲーム世界のことですが、本作のベースとなった映画「ジュマンジ」(1995)に主演したロビン・ウィリアムズの説明によると、「JUMANJI」という言葉はアフリカのズールー語で、英訳すると「Many effects」(色々な効果)という意味なのだそうです。

元々はすごろくゲームであり、さいの目が出たポイントに止まると、様々な特殊効果が現実世界へと飛び出してくるゲームらしいネーミングですね。

疑問点2:登場人物たちの設定は?

本作をより楽しむためには、それぞれのキャラクターが持っている「スキル」や「弱点」に着目して見ていくといいですね。下記の通り、一覧表にまとめてみました。

▼各キャラクターの特徴まとめ一覧表f:id:hisatsugu79:20180408162137j:plain
スキル・弱点は映画パンフレットより抜粋引用

こうして一覧にして眺めてみると、ジュマンジのゲーム世界に入って冒険をする正味約90分の中で、彼ら5人、それぞれ全てのスキル・弱点設定がストーリー内で余すこと無く活用されているのですよね。

また、現実世界でリア充&スクールカースト強者だったメンバーほど、外見・肉体的な弱点を持たされ、そうではない二人(スペンサー、マーサ)はわかりやすいハリウッドスター的な外見・スキルを持たされているのも面白いですよね。このあたりのバランス感、本当によく考え抜かれた設定だと思いました。

疑問点3:本作で出てきたNPCとはどんな存在なの?

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer #2

NPC(ノンプレイヤーキャラクター)とは、ゲーム内にてプレイヤーが操作しないキャラクターを指す用語です。映画内では、まだRPG系ゲームソフトが発展期だった90年代らしく、NPCが同じセリフしかしゃべらない設定になっているのが、妙なところでリアルでした。

いわゆる最近のラノベ系RPGアニメで描かれる大規模VRMMO(仮想現実大規模多人数オンライン)ゲームでは、NPCのほうがマイナーキャラともいえますが、本作は古き良き(?)据え置き型ゲームなので、本作の主人公たちが出会う人間のキャラクターは、ヴァン・ペルトを除いて全員NPCなのでしょう。

疑問点4:「ジュマンジ」のゲームルールとは?

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer #2

本作のゲームルールは、「ソードアート・オンライン」等の最近の複雑なMMOゲームに比べると、わかりやすくシンプルでした。

・プレイヤーは、選択したアバターの能力が使える。
・プレイヤーは全員で協力して、ジャガーの像を目指す。
・ジャガーの像にエメラルドの宝石をはめて、「ジュマンジ」と叫ぶことでゲームクリアとなる。
・プレイヤーは3機用意されており、残機は各プレイヤーの腕に黒い線で明示される。
・プレイヤーが死亡した場合、残機があれば、装備・持ち物はそのままでその場の上空から降ってくる。
・残機がゼロになってしまった場合、口移しで蘇生処置を行えば、自分の残機を分けることで仲間を蘇生させることができる。

こんな感じですが、最初に案内人ナイジェルから受けたゲーム説明は極めて雑だったため、各プレイヤーは、実践で(時には偶然に)ゲームを覚えていくことになります。映画内の登場人物同様、ゲーム内のルールを手探りで習得していくプロセスが、ハラハラさせられるポイントでもありましたね。

疑問点5:ヴァン・ペルトの目的とは?なぜ主人公たちを追い回すのか?

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer

ヴァン・ペルトの目的は、「ジュマンジ」世界の全ての源であるエメラルド色の宝石「ジャガーの眼」を奪い、ジュマンジ世界に呪いをかけ、世界を支配することでした。

しかし、ヴァン・ペルトのすきを見て宝石を奪ったナイジェルは、新たに「ジュマンジ」へとやってきた4人に、宝石を渡してしまいます。それを察知したヴァン・ペルトは、4人の道中で待ち受けて、宝石を奪い、再びジュマンジ世界を完全支配することを目指していたのです。

疑問点6:本作は、前作「ジュマンジ」とつながっている3つの物理的証拠とは?

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Blu-ray and Digital Trailer 

本作は、前作「ジュマンジ(1995)」と世界観、設定をゆるく共有している「続編」であるとみなすことができます。ゲームのシステムは、ボードゲームからTVゲームへと変わり、ゲームの主戦場は現実世界からゲーム内の世界へと変わりましたが、共に「熱帯」をサバイバルするゲームであるという共通点があります。それ以外にも、2つのストーリーは時間を隔てて、物理的に同じアイテムを共有しているという証拠もあるのです。

まず、1つ目は、ゲーム内の世界です。本作でアレックスが1996年から2017年までの21年間(ゲーム内では数ヶ月)住んでいたジャングル内の小屋の元の持ち主は、前作の主人公アラン・パリッシュでした。(小屋に刻まれた『ALAN PARRISH WAS HERE』「アラン・パリッシュここにあり」という署名が、映画内で一瞬映し出されたことで判明)彼もまた1969年から1995年まで26年間、ゲーム内の世界に住んでいたのです。

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE Vignette – “Evolution”

また、前作のラストシーンでは、「ジュマンジ」がフランス北部の海岸へと流れ着いたシーンで終わりますが、本作ではアレックスの父親が、やはり海岸に埋まっていた「ジュマンジ」を拾うシーンで始まるのです。前作のエピローグと、本作のプロローグが、つながっているのですね。(ただ、なぜか場所はフランス北岸からアメリカ東海岸に変わっていましたが・・・)

さらに、ゲーム内で登場するヴァン・ペルトの存在も、2つの世界のつながりを強く感じさせる存在でした。前作では、彼は現実世界へと戻ったアランを追って、ボードゲームから飛び出してきて執拗にアランを狙う狂気のガンマンでした。

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前作のヴァン・ペルトも結構怖かった
引用:映画「ジュマンジ」(1995)の一シーンより

本作では、ボードゲームからTVゲームへとアップデートされた影響なのか、姿形は大幅に若返りましたが、TVゲーム版ジュマンジでも唯一のNPCではないキャラクターとして、主人公たちを襲う敵キャラとして健在でした。

疑問点7:ラストシーン・結末の考察~エンドロールの最後は次作への伏線?

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引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE - Official Trailer

最後にジャガーの像へとたどりついた5人は、待ち伏せていたヴァン・ペルトを撹乱しながら無事に宝石を像の目にはめ込み、ジュマンジの呪いを解いて、ゲームをクリアすることに成功します。

こうして現実世界に戻ってきた4人は、再び高校生の日常へと戻って行きました。しかし、ゲームでの過酷で特別な経験を通して、4人は互いを認めあい大きく成長し、真の友人同士になっていました。冒険を通して、スペンサーは勇気と自信をつけ、フリッジとスペンサーは幼年期のように親友に戻りましたし、ベサニーはすでに自撮りには興味はなく、ゲーム内のキャラクターだったオベロン教授の特殊スキルの影響を受け、アウトドアで大自然を体験してみたいなんていい出す変わりようです。

そして、5人目の仲間となったアレックスは、4人とは違い、彼がゲームを開始した時点の1996年に戻り、二人の子供と幸せな家庭を築いていましたね。(でも相変わらずメタル好きなのは変わらず、メタリカのメタTを着ていたのは微笑ましかった)

そして、4人は高校へ戻り、2度とゲームがだれかを吸い込んでしまわないよう、フリッジがボウリングの玉でジュマンジを壊してしまい、そこで映画は終わりました。

ただ、ちょっと面白かったのが、エンドロールの最後で、例の低い太鼓の音が映画館に鳴り響いて終わっている演出ですね。「ああ、これはジュマンジはまだ死んではいないのだな」と。

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一晩でボードゲームからTVゲームへ進化したジュマンジ
引用:JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE Vignette – “Evolution”
思い返してみると、一晩でボードゲームからファミコン型TVゲームへとトランスフォームしたり、前作で川に捨てられたにもかかわらず、全く無傷で海岸に流れ着いたように、「ジュマンジ」には、驚異的な耐久能力があるのです。ボーリングの玉でちょっとぐしゃっとなったくらい、なんともないのかもしれません・・・。

疑問点8:続編はあるの?

本国アメリカをはじめ、記録的な大ヒットとなった本作は、当初明確にフランチャイズ化(シリーズ化)を目指して製作されたわけではありませんでした。しかし、アメリカのWebサイト「コライダー」での報道によると、ソニーはすでに次回作に向けて脚本検討に入ったようです。

次回作製作にあたっては、ゲーム内でのキャスト陣(ドウェイン・ジョンソン、ケヴィン・ハート、ジャック・ブラック、カレン・ギラン)をそのまま全員起用する大前提ですが、今回登場した高校生たちの再登板があるかどうかは未定なのだそうです。

その他、まだリリース日や冒険の舞台、本作との接続性など、どうなるのか詳細は未定のようですが、楽しみにしたいですね。宿敵、ヴァン・ペルトも一段と強敵に進化していそうです。

独創的な映画パンフレットが鑑賞記念におすすめ!

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本作の映画パンフレットは、非常に独創的で面白いのです。いつものようにレジで購入すると、店員さんが渡してくれたのは、一見するとパンフレットには見えないなにか別のもの。よく見ると、映画内のオリジナル・ボードゲームをあしらったビニール袋でパッケージがシールしてあり、その中にパンフレットが入っていたのでした。

これを家に帰って開けてみると・・・

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こんな感じで、中には2つの小冊子が入っていました。1つはゲームの攻略本に見立てた小冊子で、もう一つは、映画内でオベロン教授(ベサニー)が持っていた、ゲーム内フィールドの地図を模したパンフレットです。

早速広げてみましょう。実際の「ジュマンジ」世界の地図の上に、各キャラクターの特徴や弱点がまとめられています。

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裏側には、さらにあらすじ、登場人物紹介などがぎっしり。

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さらに、もう1冊の小冊子も開けてみましょう。

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こちらは、読み物主体です。映画評論家による「ジュマンジ」レビューを座談会形式で詳しくまとめてくれています。

▼評論家によるジュマンジのレビュー対談f:id:hisatsugu79:20180408013421j:plain

さらに、映画内で登場した様々なジャングル内の動物たちについても特集しています。

▼ジュマンジ動物辞典f:id:hisatsugu79:20180408013449j:plain

といったように、今回のパンフレットは、普通の映画パンフレットと大きく違っていて、非常に面白い工夫が凝らされています。普段パンフレットを買わない人でも、非常に楽しめるし、映画鑑賞の記念としてはよく考えられた商品だと思いました。

念の為調べてみたら、Amazon等でも買えるようになっているみたいなので、リンクを置いておきますね。 

6.まとめ

「君の名は。」のように体が入れ替わったり、ちょっとしたタイムトラベルSF的な要素があったり、随所で笑えるコメディ要素があったり、90年代へのノスタルジー的要素があったりと、後から見てみれば、ファミリー向け娯楽映画として大ヒットするポイントが沢山用意されていた本作。子供から大人まで、色々な楽しみ方ができる作品でした。娯楽大作として、ゆったり見れる良作です。

それではまた。
かるび

7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

全ての原点となった傑作「ジュマンジ」

名優、ロビン・ウィリアムズの代表作となった「ジュマンジ」第1作目。本作とは逆に、ボードゲーム内のジャングルから、宿敵ヴァン・ペルト他、様々な動物たちが現実世界に出てきて、大騒ぎになります。テーマパークのアトラクションのように、あらゆる仕掛けで楽しませてくれるファミリー映画です。まだ13歳だったキルスティン・ダンストのフレッシュな可愛さもポイントが高かった(笑)

精神的続編?!映画「ザスーラ」

第1作とは直接的なつながりはないものの、ストーリー構成・ゲームシステムを共有する【精神的続編】として位置づけられた第2弾。地下室で「ザスーラ」というボードゲームを見つけた子供達が、否応なく家ごと宇宙空間へ飛ばされて、隕石や宇宙人たちと戦いながらゲームを進めていきます。不思議なスケール感と雰囲気を持った作品で、個人的には2度見返すなど面白く楽しめました。監督は、「アイアンマン」や「アベンジャーズ」シリーズを手がけたジョン・ファブローが務めています。 

ジュマンジの過去作品は、まとめてU-NEXTで!

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本作の土台となった先行2作品「ジュマンジ」「ザスーラ」は、U-NEXTで「見放題」配信中。本作を見て、もう少し見てみたいなと思った人は、1つずつDVDを買うよりも、まずはビデオ・オンデマンドで時間とお金を節約してみてもいいですよね。僕も今回、U-NEXTでそれぞれ2回ずつ見返してガッツリ予習できました!

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