あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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【ネタバレ有】「ジャスティス・リーグ」感想・解説と10の謎・疑問点を徹底考察!/DCヒーロー全員集合での集大成的映画!

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【2017年12月9日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

11月23日に公開された、アメコミヒーロー映画の総決算「ジャスティス・リーグ」を見てきました。マーベル作品とはまた少し違った面白さが感じられて楽しかったです。

早速ですが、映画を見てきた感想や詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が一部含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「ジャスティスリーグ」の予告動画・基本情報

▶映画「ジャスティスリーグ」公式予告
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【監督】ザック・スナイダー
【脚本】ジョス・ウェドン(途中から監督引き継ぎ)
【配給】ワーナー・ブラザーズ
【時間】120分

2013年、映画「マン・オブ・スティール」で始まったDCコミックスのスーパーヒーローたちが同じ世界の中で活躍する「DCEU」(DCエクステンデッド・ユニバース)のハイライトとなるのが本作「ジャスティス・リーグ」です。ライバルであるマーベルの「アベンジャーズ」に遅れること6年、紆余曲折を経てようやくリリースとなりました。

本作でまず最初にメガホンを取ったのは、DCEU作品シリーズ全てに製作総指揮として加わり、自らも「マン・オブ・スティール」(2013)「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」(2016)の監督を務めたザック・スナイダー。事実上、DCEU第1期作品群のダークでシリアスな世界観を作り上げた功労者でもあります。

しかし、今回変則的だったのは、撮影が一旦終了し、ポスト・プロダクション作業に入っていた2017年3月、ザック・スナイダー監督が唐突に休養・降板となったことです。実の娘に不幸があったことがきっかけだったようです。

▼監督はジョス・ウェドンへとバトンタッチf:id:hisatsugu79:20171125220601j:plain
引用:IMDB.com

後を引き継いだのは、今作で元々「脚本」担当として入っていたジョス・ウェドン監督。「アベンジャーズ」「アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン」と、大人数アメコミヒーロー活劇での経験と実績を買われ、この後の映画「バットガール」での続投も決定しています。

この監督交代時に、エンディングを含む大幅なストーリー変更が同時に行われました。そして、シリアスでダークな従来路線からさらに軽めのタッチへと脱却を図るため、大規模な再撮影が敢行されました。最終的な制作費は、350億円程度に膨らんだそうです(どうやって取り返すんだ・・・^_^;)

2.映画「ジャスティスリーグ」のヒーロー達を紹介!

「ジャスティス・リーグ」の6人のヒーローのキャストや特徴は?

映画「ジャスティス・リーグ」では、迫りくる悪と対決するため、ブルース・ウェインことバットマンが、彼を中心とした、5人のメタヒューマン達+スーパーマンが加わった6人編成のチームを作り上げます。まずは、ワーナーが特別編集した、90秒でわかるキャラクター紹介動画をぜひチェックしてみて下さい!わかりやすく、コンパクトによくまとまっています!

▶90秒でわかる!「ヒーロー紹介動画」
※画像をクリックすると動画がスタートします


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以下、個別に6人のキャラクターを順番に紹介していきますね。

バットマン(ベン・アフレック)
★強靭な肉体と精神、金に物を言わせたガジェット
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引用:JUSTICE LEAGUE - Official Trailer 1 - YouTube
リーダーでありながら、一人だけ「メタヒューマン」ではなく、あくまで「人間」であるバットマン。実は仲間内では最弱なのですが、経験と根性と職人的ヒーロー魂で、監督兼マネージャーとして仲間たちを引っ張ります。集団体制になると、完全に縁の下の力持ち的存在に。元中間管理職の社畜だった身としては、今作での彼の涙ぐましいリーダーシップのあり方には物凄く共感できるものがありました(笑)

ワンダーウーマン(ガル・ガドット)
★スキル:超人的な戦闘能力、剣・盾・ロープ
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引用:JUSTICE LEAGUE - Official Trailer 1 - YouTube
何事もなかったような顔して出てきますが、前作「ワンダーウーマン」から99年後を描いている本作。撮影に入る前は、バットマンと恋仲になる(?)という噂もありましたが、バットマンとは何事もなく、逆にスケベオヤジアクアマンから好意的な目線を送られていました(笑)100年以上生きてるのに機械類にはめっぽう弱いローテクぶりが唯一の弱みでしょうか?

スーパーマン(ヘンリー・カビル)
★チート級の強さ、目から炎、口から吹雪
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引用:Batman v Superman: Dawn of Justice - Official Teaser Trailer [HD] - YouTube
空を飛び、目から熱線、口から吹雪を出し、超怪力。全てを超越した無敵な存在のため、正直彼が100%稼働する前提のストーリーは非常に作りづらいのではと思えるほどの強さ。ゴジラとスーパーサイヤ人を足したような存在です。前作でこんな奴とまともに戦おうと思ったバットマンは凄い!

アクアマン(ジェイソン・モモア)
★海棲の半神半人。陸でも超強い!
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引用:JUSTICE LEAGUE - Official Trailer 1 - YouTube
北欧系メタルバンドのフロントマンのようなロンゲのマッチョ姿は、どことなく「マイティ・ソー」の主役、ソーを連想させるキャラクター。海にも陸にも自分の居場所がなく、終盤で開き直ってからは水を得た魚のようなはしゃぎぶりがちょっと可愛かったです。TVシリーズで活躍してきた人で、ドラマ「ベイウォッチ」主役、「ゲームオブスローンズ」カール・ドロゴ役で有名です。

フラッシュ(エズラ・ミラー)
★超高速移動、タイムトラベル、発電能力

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube
その超高速に動けるスキルを使って、仲間の戦闘を間接的に助けたり、傷ついた人を救助するなど、チーム内にあって、敵とは一切戦わない特殊な存在として描かれたのは斬新でした。ただ、走るだけでも色々できるものなんですね~。チーム内では、コメディ・リリーフ的な立ち位置で笑わせてくれます。なお、スキルは「X-MEN」のクイック・シルバーに似ており、どちらが速いのか興味はつきません^_^

サイボーグ(レイ・フィッシャー)
★機械や情報機器へのハッキング
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引用:JUSTICE LEAGUE - Official Trailer 1 - YouTube
全身機械なので、一見打撃系が強そうに思えるのですが、得意とするのは機械いじりとハッキングという、見た目に比べて繊細なタスクを本領とする伸び盛りの新米ヒーロー。フラッシュもそうですが、チームで行動しながら経験を積み、成長を重ねる姿が頼もしかったです。演じるレイ・フィッシャーの哲学的な眼差しもGood!

3.途中までの簡単なあらすじ

レックス社の若き悪の総帥、レックス・ルーサーがゾッド将軍の死体と自らのDNAを融合させて作り上げた怪物、ドゥームスデイ。この化物との死闘によってスーパーマンが死んでからしばらくして、早くも地球には次の脅威が迫りつつあった。

スーパーマンの死をきっかけとして、3万年前に一度は撤退していったステッペンウルフと、恐怖を食らうパラデーモンの大群が、再度地球征服に乗り出したのだ。時空を越えて地球へ襲来したステッペンウルフは、彼らの悪の力を増幅する「マザーボックス」を奪還しようと動き出した。これを守護するアマゾン族、アトランティス族は、ステッペンウルフの前に敗れ去り、相次いでマザーボックスは彼らに奪われていく。

脅威に気づいたバットマンは、ワンダーウーマンと共に地球を救うためのチーム作りに着手する。世界各地に未だ知られざる超能力を持ったメタ・ヒューマンのスカウトに奔走するバットマン達。海の半神半人・アクアマン、超高速移動ができるフラッシュ、不死の機械の身体を持つサイボーグが集まり、ステッペンウルフ軍団と必死に戦った。しかし、急造のチームは力を発揮しきれず、力不足を痛感するのだった。

そこで、彼らはスターラボが保有していたマザーボックスの力を使い、スーパーマンを蘇らせた。蘇生したスーパーマンは記憶が混濁し、バットマンたちに攻撃を仕掛けてしまう。元恋人、ロイス・レインのフォローによりスーパーマンの記憶は戻ったが、そのすきを突いて、ステッペンウルフに最後のマザーボックスを持ち去られてしまった。

ステッペンウルフは、いよいよマザーボックスの力を使って地球征服へ乗り出すが、それを阻止するため、バットマンたちは最後の戦いに挑むのだったー。

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4.映画「ジャスティスリーグ」の感想・評価

フルに映画を楽しむためには、欠かせなかった予習・復習

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube

元来貧乏性なのか、行くからには元をしっかり取ってやる!と、自分はわりと事前に予習をしてから映画館に行く方なのですが、今回の「ジャスティス・リーグ」ほど予習に手こずった映画はありませんでした。

今作は、元々180分尺で撮影された作品を、編集で凝縮して、120分に詰め込んでいるため、単位時間あたりの情報量が多くて、前作までの細かい設定が頭に入っていないと、単純な戦闘アクションシーン以外の部分が100%頭に入りづらいように感じます。

まず、新規で登場する重要人物の多さです。今作では、まずアクアマン、サイボーグ、フラッシュと一気に3人も新キャラが登場して入り乱れます。それぞれのバックストーリーが、早めのカット割りでどんどん紹介されていくので、よく見ると実はきっちり描くべき最低限の設定や伏線は描けているのですが、理解が追いつきません。

これに加えて、過去作から受け継いだ設定や引用が多いのに、説明がほとんどないため、彼らが「何をやっているのかがよくわからない」のです。

例えば、いきなりポンと出て来る「マザーボックス」という設定や、どこからともなく、関連する伏線もなく出て来る新しいヴィラン「ステッペンウルフ」。そして、なぜ唐突にステッペンウルフとマザーボックスを取り合う展開になるのか、なぜスーパーマンが「マザーボックス」で生き返っちゃうのか?、、、

あまりに唐突な感じがして「誰これ?」「何なのこの変な箱は?」といきなり出てきた情報をどうも咀嚼しきれず、どうしてもストーリーへ没入できる感じが薄いのですよね。(僕だけ?)

結局、鑑賞1度目は消化不良感のあるまま、気がついたら120分が終わっていました。そこで、これはいかん!ということで、購入したパンフを熟読し、ネット記事を沢山読み、過去作を再度丁寧に復習してみると、「BvS」「MoS」「ワンダーウーマン」と、過去作にほとんど今作のヒントが細かく散りばめられているんですよね・・・。

翌日、しっかり復習をして再度臨んだ2回目の鑑賞。すると、今度はしっかり楽しむことができました。特に、直前の「バットマンVSスーパーマン」のアルティメット・バージョンを見ておくことで、本作の理解度がぐっと増して楽しめるようになります!

2人の監督の作家性が良い感じで融合した佳作でした

本作は、クレジットこそザック・スナイダー監督一人ですが、事実上ザック・スナイダーとジョス・ウェドンの二人体制で製作されています。今作で非常に良かったのは、この二人の作風が上手く融合できているなということ。

まず、ザック・スナイダー監督の作り出す戦闘・アクションシーンのアイデアは本当に引き出しが多いなと感じます。CGを多用したスケール感の大きい場面設定や戦闘・アクションシーンのシークエンスは見どころたっぷりです。

さらに、18番の超スローモーションも健在。前作「ワンダーウーマン」でもパティ・ジェンキンス監督は、ザック監督の作風を忖度したのか(?)やたらアクションシーンでスローダウンしていましたが、本作はもっと顕著です!フラッシュの見せ場はほぼ100%超スローモーションシーンであります。最も速いヒーローの活躍シーンが最も遅いという、不思議な矛盾(笑)

一方、ジョス・ウェドン監督の持ち込んだテンポの良さや、フリの効いたセリフ回し、軽口をたたきあうユーモアあふれたコミュニケーション、それぞれの個性を上手く表現したチーム同士の連携プレイも見応えたっぷりです。これまで重厚なシリアス路線で進んできたDCEU作品において、目立った転換点を感じさせる変化をもたらしてくれました。

それでも、個人的には「ダークナイト・トリロジー」以来、DC作品の重苦しいシリアスな展開が結構好きだったので、是非また円盤発売となった時に、「ザック・スナイダー版オリジナル180分アルティメットバージョン」を見てみたいと思います。(絶対発売されると思うし)

「希望」で始まり、「希望」で終わった有終の美

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube

前作「バットマンvsスーパーマン」は、まさかのスーパーマンの国葬で終わるというビターエンドとなりましたが、本作では冒頭でスーパーマンが「希望」を語り、ラストシーンではその恋人であるロイス・レインがいわば鑑賞者の気持ちを代弁するかたちで、「希望」について語って締めくくっていました。

いわば、この映画は、ヒーローたちが団結して心に「希望」を見出せるようになるまでの起承転結をわかりやすく描いたストーリーでした。

「ステッペンウルフを倒す」ことを目標に、バットマンの元へ集結した5人でしたが、それぞれがそれぞれの「恐怖」や「不安」を抱えていました。しかし、5人で行動するうちに、やがて団結力は「恐怖」や「不安」を乗り越える原動力になり、最終戦で彼らは完全に一つになって互いに連携し、助け合って悪へと立ち向かいます。そこでは「恐怖」は完全に消えており、代わりに「希望」が宿っていました。その象徴こそが、スーパーマンだったのですよね。

「希望」はいつだってそこにあり、あきらめずに「希望」を追い求めれば、かならず見えてくるんだ、と前向きに締めくくった本作。設定や伏線の難解さに翻弄される中で、この「希望」というテーマは、明るくなった映画のトーンとともに、非常にわかりやすく自分の心にも響くものがありました。

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5.映画「ジャスティスリーグ」に関する10の疑問点~伏線・設定を徹底考察!~

本作をより深く理解するため、ストーリーや設定について、その要点となりそうなポイントを考察してみました。内容上、映画を1度見終わった人向けのコンテンツとなりますので、ここからはネタバレ要素が強めに入ります。予めご了承下さい。

疑問点1:本作のヴィラン・ステッペンウルフとは?どこから来たのか?

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引用:Wikipediaより

本作のヴィラン、ステッペンウルフとは、惑星アボコリプスの種族「ニューゴッド」の一族で、アポコリプスの王、ダークサイドの腹心の部下です。3万年前、ダークサイドの命により、3つの「マザーボックス」の力を使って地球を征服しようとしました。しかし、人間、アマゾン族、アトランティス族や神々らが力を結集した結果、ステッペンウルフは敗北し、一旦は地球を去っていきます。(その際、強大なパワーを持つマザーボックスの危険性を恐れた地球の人々は、人間・アトランティス・アマゾン族でこれを分割管理することにしました)

しかし、前作「バットマンvsスーパーマン」において、世界に混乱と不安をもたらそうとしたレックス・ルーサーは、次なる手として、ステッペンウルフにコンタクトを取っていたのです。そして、スーパーマンが死んだことをきっかけとして、ステッペンウルフは手下のパラデーモンたちを引き連れて地球へとやってきました。地球人に奪われたマザーボックスを取り返し、その力を使って自らのパワーを増強し、地球を征服しようとしたのです。

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引用:Communion WarnerBros.Official Youtube - YouTube

ステッペンウルフは唐突に現れたように見えますが、後に発売された「バットマンvsスーパーマン アルティメット・エディション」を見てみると、SWATがアジトでステッペンウルフとコンタクトしているルーサーを逮捕するシーンが入っています。英語版ですが、ワーナーからその部分の公式動画も公開されていました。

▶「BvSからカットされた衝撃シーン」
※画像をクリックすると動画がスタートします


動画がスタートしない方はこちらをクリック
というか、このシーンを通常映画公開版から削除しちゃダメでしょ(笑)次へとつながる最重要なブリッジであり、今後ヴィランを集めてチームづくりへと邁進する(であろう)ルーサーの行動を説明したエピソードだったのに・・・。

疑問点2:マザーボックスとは一体何なのか?

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube

マザーボックスとは、もともとはステッペンウルフの母星アポコリプスの技術で作られたアーティファクトで、超大量のエネルギーを凝縮し、高速で循環させる一種の大容量高性能バッテリーのようなものでした。

このエネルギーボックスを使用することで、惑星のテラフォーミングから死者の蘇生、バイオメカトロニクスの改善、惑星間のワープなど、既存の地球科学では不可能な様々な技術を実現することができました。

マザーボックスの存在自体は、古代の地球でも民間伝承として伝わってきており、どういう入手経路かは明らかにされませんでしたが、アメリカ政府が接収した3つのマザーボックスのうちの一つは、クリプトンの技術を研究するスターラボの所長、サイラス・ストーンによって秘密裏に研究が続けられていました。

上述したように、よくよく考えればこのマザーボックスは元々ステッペンウルフの持ち物であり、地球征服はともかくも、ボックスを取り返しに来るのは当然の流れだよな・・・と思って映画を見ていましたが・・・(苦笑)

疑問点3:フラッシュの能力はどこで身につけたのか?

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube

フラッシュは、電気を纏い、超高速で疾走できる超能力を身につけたメタ・ヒューマンとして、レックス・ルーサーにピックアップされており、ルーサーの極秘ファイルを入手したバットマンによってスカウトされました。しかし、彼がなぜ「フラッシュ」となって特殊能力を身に付けたのか説明はDCEUにおいては、今のところぼかされています。単に、ある日の夜「雷に打たれて・・・」という単純な理由でした。

ちなみに、映画とは違うキャストで現在4期目を迎えているTVドラマ版では、その第一話にて、スターラボの粒子加速器が暴走大爆発した際、街中に様々な「メタヒューマン」が大量発生します。バリー・アレンもそのうちの一人であり、粒子加速器の事故の際に発生した落雷に打たれたことで、9ヶ月間の昏睡状態から目覚めた時、超スピードで移動できる超能力が備わったのです。

疑問点4:サイボーグはなぜ不死身の機械の体になったのか?

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引用:JUSTICE LEAGUE - Official Trailer 1 - YouTube

サイボーグことビクター・ストーンは、大学時代はゴッサムの大学で名アメフト選手でしたが、爆発事故で瀕死状態となります。そこで、スターラボの所長である、父・サイラス・ストーンが、政府から管理を任されていたマザーボックスのパワーを使って息子の体をサイボーグ化し、蘇生することに成功したのです。つまり、彼が機械の体でありながら、再生・進化できる自律性を獲得できたのは、マザーボックスの持つ神秘的な力によるところが大きいと考えられます。

▼スターラボで実験を繰り返すストーン博士f:id:hisatsugu79:20171125225601j:plain
引用:「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」より

ちなみに、その時の生体実験の様子は、その一部始終がサイラス・ストーンによって記録されており、「バットマンVSスーパーマン」で、ティザー的に紹介されていました。

疑問点5:バットシグナルとは?ライトを照らしていたオジサンは誰?

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube

バットシグナルとは、ゴッサム・シティ警察のゴードン市警本部長が、警察内では解決できない事件発生時や非常事態時に、バットマンを呼び出したい時に使う合図です。建物の屋上から、サーチライトを照らすと、空にバットマンのシルエットが浮かび上がる特殊な装置を使います。

ゴッサムシティ警察では、暴力を含めた非合法の解決手段を取ることもあるバットマンとは、基本的に折り合いが悪いのです。だからゴードン警部といえども表向き公的にコンタクトができないため、このような大掛かりな工夫を使わざるを得ないのですね。

疑問点6:アクアマンとは何者なのか?バックストーリーは?

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引用:JUSTICE LEAGUE - Official Heroes Trailer - YouTube

アクアマンは、地上の人類である父と、海棲人類の母(アトランティス人)の間に生まれた、半神半人的なメタヒューマンです。母は、アトランティスの女王アトランナですが、何らかの事情により、アクアマンを地上へと捨ててこなければならなかったようです。

このあたりのバックストーリーは、一旦ザック・スナイダーが完成させた初期バージョンでしっかり描かれていたようですが、公開された最終版では、同じくウィレム・デフォーが演じる予定だったアトランティス人の「Vulco(ヴァルコ)」同様、バッサリカットされてしまいました。この部分は、おそらく2018年末公開予定の「アクアマン」でガッツリ語られると予想されます。

疑問点7:スーパーマンはどこから来たの?母星や両親の存在は?

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崩壊するクリプトン星で死を悟る母親
引用:Man of Steel - Official Trailer #2 [HD] - YouTube

スーパーマンは、遠い宇宙の別星系、自然分娩で生まれた最後のクリプトン星人として、クリプトン星の危機を悟った両親によって緊急脱出ポッドに入れられて地球へとやってきました。地球より遥かに科学技術が発達した社会を築いていたクリプトン星でしたが、地下鉱物資源を乱獲しすぎたため、惑星が大爆発を起こしてしまいます。そのため、爆発直前にクーデターを起こして宇宙へ追放処分となっていたゾッド将軍と、脱出ポッドで逃されたスーパーマンのみ生き残ったのでした。

疑問点8:スーパーマンはなぜ復活したの?

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引用:Justice League - Comic-Con Sneak Peek [HD] - YouTube

バットマンたちは、マザーボックスの力によって機械生命体として蘇ったサイボーグに着想を得て、この力を同じようにスーパーマンに使うことで、スーパーマンが蘇るのではないかと考えました。

そこで、彼らは現在はアメリカ政府が管理しているクリプトン星の探査船内のジェネシス・チェンバー内にスーパーマンの遺体を掘り出して移動し、そこでマザーボックスに巨大な電圧をかけることによりスーパーマンを蘇らせることに成功しました。

これが可能となった理由としては、まず第一にクリプトン星人の遺体は腐らないことが挙げられます。(前作、ルーサーがでも探査船内の羊水に葬られていたゾッド将軍の遺体を引き上げた時も、腐敗一つせず羊水内に浮いていました。)

もう一つは、将来、クリプトン星人を人工的に育てるために特別に生成された「羊水」の存在です。羊水とマザーボックスが、フラッシュの流した高圧電流で活性化され、クリプトン人の全遺伝情報が体細胞内に記録されたスーパーマンの特殊な体と反応し、スーパーマンが蘇ったと考えられます。

疑問点9:結末/ラストシーン~エンドロールを考察!続編はどうなるのか

マザーボックスの三位一体の儀式が失敗に終わり、ワンダーウーマンとスーパーマンの連携攻撃によって、ステッペンウルフは自身の武器を壊され、追い詰められていきます。ここで「やられるかもしれない」という恐怖に襲われたステッペンウルフは、皮肉にも自身が連れてきたパラデーモンの群体に襲われ、 パラデーモンごとアポコリプスへと転送されていきました。しかし、ステッペンウルフの最終的な生死や、なぜ転送が起きたのかは明らかにされていません。

スーパーマンが蘇り、各チームメンバーはそれぞれの日常生活に戻りましたが、最後のエンドロールで見たように、刑期を終えて出所したルーサーが、新たなヴィラン、「デスストローク」をクルーザー内に招き入れて、「ジャスティス・リーグ」に対抗するヴィランだけのチームを作る構想を立てていました。

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引用:Deathstroke | DC Extended Universe Wiki |

デスストロークは、バットマンの宿敵であり、「死の一撃」の異名をとる暗殺者です。16歳で米軍入りしてから、違法な人体実験で肉体を強化された上、傭兵集団「チーム7」の一員となります。次男ウィリアム が商売敵に喉を切り裂かれたショックにより、声が出せなくなり、さらに妻に右目を撃たれたことで隻眼になり、以降トレードマークのマスクを被っています。まるで色違いの「デッドプール」といった雰囲気でした。

ルーサーの構想はまだ不明ですが、原作では、ルーサーは「インジャスティス・リーグ」という、スーパーマン達の「ジャスティス・リーグ」に対抗するグループを立ち上げています。原作通りなら、マーベルにはない、「ジャスティス・リーグ」VS「インジャスティス・リーグ」という団体戦が実現するかもしれません。これは楽しみです。

一方、バットマンの「バットケーブ」内に新設された会議部屋では、バットマンがアルフレッドに6つの円卓を準備するよう指示を出した時、「もっと座れる」とワンダーウーマンが示唆していました。これは、2019年~2020年に映画化が予定されている新たに「グリーンランタン」や「シャザム」もいずれ「ジャスティス・リーグ」に加入するであろうことを示唆しているのでしょうか?

疑問点10:監督交代でストーリーの結末が変更になった?

実は、今作はザック・スナイダー監督の撮影したマテリアルの約20%程度が、ジョス・ウェドン監督によって再撮影され、さらに大きくストーリーも変更になったとのことでした。シネマブレンドという海外サイトの報道によると、元々は、こんな感じだったそうです。

・バットマン達が倒したステッペンウルフは、後に控えるアポクリプト星の王、ダークサイドの使いに過ぎず、すぐにダークサイドがバットマン達の前に現れる。
・前後編2部作の後編、「ジャスティス・リーグ2」へ続く、、、という感じで映画が終わる。

しかし、これが関係者を集めた試写で非常に不評となったため、ザック・スナイダーの休養をきっかけに、前後編2部作構想から、1作完結のハッピーエンドへと改められました。

結果として、

・ステッペンウルフを全面的なヴィランとして描写を強化した。
・ダークサイドはほぼ今回のストーリーと無関係な存在とした。
・暗くシリアスなシーンをさらに減らし、コメディ要素を強化した。
・180分程度の上映時間を120分へと短縮した。これにより、特にアクアマンのバックストーリーが大幅に削除された。
・スーパーマンを大幅にクローズアップして描き出した。
・バットマンとワンダーウーマンの恋愛描写をなくした。代わりに言い争うシーンを追加した。(ベンアフのセクハラ騒ぎが勃発した今となっては大成功!)

といった変更が加えられたそうです。

現在、大規模な再撮影・再編集された劇場公開版に対して、「バットマンvsスーパーマン」でも大好評だったように、DVD発売時に元々ザック・スナイダーが完成させていた「アルティメット・バージョン」を見たい!という声が非常に高まりつつあるようですね。

6.今作は映画パンフレットが素晴らしい!

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最近のアメコミ・ヒーローものは、非常にパンフレットが充実しているのですが、本作のパンフレットも、詳細な設定資料や魅力的なビジュアルで、非常にお買い得な1冊でした。マーベルに比較してDCコミックス系の映画については、書籍もまだ十分に出回っていないので、本作に関しては、この映画パンフレットが何よりも詳しい情報源だと言えそうです。

▼納得の情報量!資料集としても読み応え抜群!
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見てください、この情報量!各ヒーローのプロファイル、俳優や制作陣のインタビュー、そして、ザック・スナイダー映画についての見どころや、アメコミライター諸氏によるコラムなど、非常に手のかかったパンフレットでした。普通に書籍として余裕で通用するレベルです。

▼充実したヒーローたちのビジュアル!f:id:hisatsugu79:20171125132130j:plain

また、ビジュアル面もばっちり!映画の名シーンが、贅沢な美しいカラー写真で蘇ってくるようです。これは買ってよかった!

一応、ネットでもAmazon等で買える感じなので、リンクを置いておきますね。

7.まとめ

本作は、過去作を復習しつつ、何度も鑑賞することで、より深くストーリーを理解できるようになってきます。先に頂上対決を一気に描いたため、どうしてもプロットのディテールや、各登場人物の掘り下げが粗っぽいところとかはありますが、それでも、ヒーロー活劇としては十分楽しめる完成度に仕上がっています。是非、広い大画面の劇場でどうぞ!
それではまた。
かるび

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8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

予習・復習はここから「バットマンvsスーパーマン アルティメット・エディション」

本編でも描きましたが、 本作は、前作「バットマンvsスーパーマン」をきっちりと理解しておくことで、何倍も楽しめるようになります。特に、劇場公開版でカットされた「ジャスティス・リーグ」につながる重要シーンがこの【アルティメット・エディション】に多数入っていますので、今から見るなら絶対これがオススメ!

DCアメコミヒーローへの入門編に最適!「Pen+DC最強読本」

「ジャスティス・リーグ」を見るまで、正直なところあんまりよくわかっていなかった僕にとって、本作は非常にタイムリーな入門書となりました。「最強読本」と謳われている通り、本当にゼロから理解しやすく、よく練り込まれた内容の入門者向けムック本でした。これは買って損なしの保存版入門書です!

 

こちらも見ておきたい!「マン・オブ・スティール」

「ジャスティス・リーグ」で最後に登場する真打ち・スーパーマンの生い立ちから、地球での最初のエピソードを描いたDCEU第1作目の作品。クリプトン星人の恐るべき戦闘力は、まさにドラゴンボールのサイヤ人同士の戦いを想起させます!また、当然ながら1作目が「ジャスティス・リーグ」への伏線になっている箇所も多数ありますよ!

期間限定!Amazonの「DCストア」でグッズの品揃えが凄い!

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今回の「ジャスティス・リーグ」映画公開に合わせ、先日からAmazon内で、DCコミックスのアメコミヒーローを特集した「DCストア」が開設されています。ちょっと覗いてみたのですが、なんか凄い品揃え(笑)

▼Amazon内DCストア

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過去のDC系アメコミヒーロー達の映画・ドラマDVD、コミックス、フィギュア、キーホルダー、etcと、過去最高の品揃えでした!年末はグッズが売れるんでしょうね~。僕も気づいたら思わずワンダーウーマンのブルーレイとPen増刊「DCヒーロー特集」を購入してしまった・・・(笑)せっかくなので、こちらにリンクを置いておきますね!