かるび(@karub_imalive)です。
6月17日にリリースされた映画「キング・アーサー」を見てきました。
奇才、ガイ・リッチー監督独特のセンス爆発な独自解釈での高品質なリメイク作品。こんなに面白いのに、アメリカで大爆死したなんて信じられません。
早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。
- 1.映画「キングアーサー」の基本情報
- 2.映画「キングアーサー」の 主要登場人物とキャスト
- 3.結末までの簡単なあらすじ・ストーリーの紹介
- 4.映画「キングアーサー」の感想・評価
- 5.映画「キングアーサー」をもっと面白く見るための6つのポイント~伏線・設定を徹底考察!~
- 6.「アーサー王伝説」を扱ったおすすめ映画作品を紹介!
- 7.まとめ
- 8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など
1.映画「キングアーサー」の基本情報
<映画「キングアーサー」公式予告>
※下記画像をクリックすると動画がスタートします
【監督】ガイ・リッチー(「シャーロック・ホームズ」「コードネームUNCLE」他)
【配給】ワーナー・ブラザーズ映画
【時間】126分
スタイリッシュでテンポの良い作品制作で、世界中に根強いファンがいるガイ・リッチー監督。これまで評判を得てきた得意の犯罪群像劇ではなく、新境地となった「ファンタジー伝記モノ」で勝負をかけてきました。
ところで、「アーサー王伝説」といえば、古代イングランドを舞台にしたヨーロッパ古典文学の王道中の王道作品です。これまで書籍・演劇・映画・音楽と、巨匠達によって様々なジャンルで無数の作品が発表されてきました。しかし、「映画」に限って言うと、やや古風で小難しいイメージがあるためか、「アーサー王伝説」関連作品は、ここ最近は世界的なヒット作品には恵まれていません。
本作も例外ではなく、2017年5月中旬にアメリカで封切りになって以来、2017年夏シーズンでは最大の大コケ作品になりつつある模様。興収はともかく、その「中身」はどうだったのでしょうか。以下、感想を書いてみたいと思います。
2.映画「キングアーサー」の 主要登場人物とキャスト
1本の映画で出演するキャラクター数が突出して多いガイ・リッチー作品。今回もたくさんの登場人物が映画冒頭から容赦なく出てきます。しかし今作は男子しかいません!女性キャラは出てくるけど、名前がなかったりチョイ役だったりと、極端に男子に偏った出演比率になりました。(それがアメリカでこけた遠因とも言われているけど・・・)
アーサー(チャーリー・ハナム)
引用:「キングアーサー」オフィシャルHPより
最初はオーディションすら受けさせてもらえなかったところから、チャンスの細い糸を手繰り寄せて見事主演を射止めたのはイギリス人俳優のチャーリー・ハナム。
直前まで出ていたドラマシリーズが薄幸なガリガリのキャラだったせいか、映画パンフレットには「筋トレ頑張った」って3箇所くらい書いてあります(笑)「パシフィック・リム」「クリムゾン・ピーク」など、コンスタントにハリウッド大作への出演が続きますが、もう一つメジャーになりきれない感じ。今作でどうなるでしょうか?
ヴォーティガン(ジュード・ロウ)
引用:「キングアーサー」オフィシャルHPより
「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」に続いてガイ・リッチー監督作品での起用は2回目。ジュード・ロウが悪役を務めるのは非常に珍しく、「ロード・トゥ・パーディション」(2002)以来となりました。
メイジ/魔術師(アストリッド・ベルジェ=フリスペ)
引用:「キングアーサー」オフィシャルHPより
数少ない本作での女性キャラクターとして活躍。スペイン人の父、フランス人の母の間に生まれ、現在はフランスで活躍中。英語圏(=ハリウッド)の映画にも2011年から出演中で、ハリウッドのブロックバスター大作は今回が初となります。気のせいか若干セリフが少なかったような。
ベディヴィア(ジャイモン・フンスー)
引用:「キングアーサー」オフィシャルHPより
1997年、スピルバーグ「アミスタッド」シンケ役でブレイクしてから、フランス映画、ハリウッドと忙しく活躍を続けています。直近は「ターザン:REBORN」(2016)の酋長ムボンガ役など、アフリカ系の出自を最大限活かした幅広い活躍が目立ちます。
その他もいっぱい出演者がいるのですが、とりあえずこの4人をまずは抑えておけば、最低限、話の骨格は抑えられるはずです。
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3.結末までの簡単なあらすじ・ストーリーの紹介
ヴォーティガンのクーデター、アーサーの追放
何世紀もの昔、モルドレッドという暗黒魔法を使う悪の魔法使いが猛威を奮っていた。彼は、巨大な戦闘象とともに、キャメロット城へ進軍していた。圧倒的な巨象のパワーになすすべなく劣勢に立たされていたユーサー・ペンドラゴン王の軍隊だったが、王は意を決して自ら単騎で敵と渡り合った。伝家の宝刀「エクスカリバー」を振りかぶってモルドレッドを一閃のうちに倒すと、ユーサー王はブリテンの地に平和を取り戻した。
しかし、しばらく後、ユーサーの弟、ヴォーティガンがユーサーに対して謀反を起こした。ヴォーティガンは、自らの妻、エルサを刺殺して、生贄を捧げて悪魔と契約し、強大で邪悪な力を得た。ユーサーは、彼の妻イグレーンと幼子アーサーを城から逃し、ヴォーティガンの兵隊「ブラックレッグス」から逃れさせようとしたが、イグレーンは殺害されてしまった。
若きアーサーは、船で単身ロンディニウムへと流れ着き、売春宿のスラムで一人育った。師、ジョージから商売とカンフーを教わり、肉体的にも強くなったアーサーは、気の合った仲間とつるみ、けんかに明け暮れる日々を送っていた。ひ弱なアーサーは、成長して自然に仲間たちのリーダーになっていった。
スラムから始まったアーサーの戦い
ある日、アーサーは、北欧から来ていたヴァイキング、グレービアードに襲われた売春宿のルーシーを守り、彼らを脅して追い払った。しかし、そのヴァイキングは現国王ヴォーティガンの直属部隊「ブラックレッグス」の客将だった。王によって保護されているヴァイキングを攻撃したため、逆にアーサーが反逆罪に問われることになった。アーサーは捕らえられ、国王の元へと連行されることになった。ブラックレッグスは、アーサーの目の前でルーシーや他の売春婦達を殺して、アーサーを挑発した。
エルサを殺して力をつけたヴォーティガンだったが、彼の不安は尽きなかった。世間で噂されている「聖剣伝説」が気になっていたのだ。悪魔の力をつけたヴォーティガンに対抗する真の王が聖剣とともに現れる、という伝説だ。折しも、城の側にある湖の水位が下がり、行方不明になっていたエクスカリバーが、湖底の石に刺さっているところが見つかったのだった。
ヴォーティガンは、キャメロット城の地下で、彼に力を授けた悪魔、セイレーンに相談したが、セイレーンは「塔」の建設を急げと告げた。まだ十分に力を得ていないと感じた彼は、アーサーを殺して、大地に刺さる聖剣を奪うことで、彼の支配を盤石なものにしようとしていた。
王は市民を一人ずつ城に連行し、聖剣を引き抜ける人物を探していた。そして、アーサーの順番がやってきた。彼は、衆人環視の下、石にささった聖剣エクスカリバーをゆっくりと引き抜くとまわりにどよめきが起きた。しかし、心身にすごいエネルギーが流れ込んだアーサーは、耐えられずその場で失神してしまった。
アーサーは、キャメロット城の地下牢で目覚めた。ヴォーティガンがやってきて、先代王に対する忸怩たる思いを聞かされた。アーサーは、王位に興味は全くないから釈放して欲しいと懇願したが、近日中に処刑されることになった。
しかし、先代王ユーサーの臣下だったヴェディヴィアは、魔術師マーリンの配下の女魔術師を地下牢に送り込み、処刑される前にアーサーを脱出させることに成功した。彼らはアーサーを隠れ家へと連れ出し、アーサーはそこでビルと対面した。
アーサー、打倒ヴォーティガンに立ち上がる
ヴェディヴィアは、アーサーに対してヴォーティガンを倒すように進言した。しかし、アーサーは当初、気乗りしない様子だった。
かつて、ヴォーティガンは、絶対的な権力を得るために、行動を共にしたモルドレッドを復活させるため、彼のかつての居城だった「メイジ・タワー」の建設を目指していた。しかし、ヴォーティガンが完成させた後、モルドレッドは制御不能なほど強大化することが目に見えていた。モルドレッドが力を手にしようとした時、先代王ユーサーが、エクスカリバーを湖の妖精から手に入れて、モルドレッドを封印したのだった。
メイジ(女魔術師)は、ベディヴィアに対してアーサーをダークランズにつれていくよう進言した。魔術師マーリンがかつてモルドレッドの塔を破壊した場所だ。アーサーは、そこで自分自身と向き合いながらエクスカリバーの習熟を目指した。
エクスカリバーは、しばしばアーサーに様々な映像を見せた。彼の両親が殺害されるシーンの一部始終の真相だ。ヴォーティガンによってユーサーの妻イグレーンが殺害された時、彼の父ユーサーは自己犠牲を払い、死してエクスカリバーとともに石化し、いつか息子、アーサーがこの剣を引き抜き、捲土重来を目指すことを期待して、湖底に沈んでいったのだった。ダークランズから戻ったアーサーは、ヴォーティガンを倒す決意が固まっていた。
アーサーと反乱軍たちは、地方の豪族・有力者たちとも連携して、ヴォーティガンと共闘しようとしていた。ヴォーティガンのメイド、マギーはヴェディヴィアが送り込んだ密偵だった。彼女は、ヴォーティガンが、ロンディニウムでヴァイキングと同盟を結ぼうとしていると報告してきた。そこで、アーサー達はロンディニウムでヴォーティガンを暗殺しようとした。
ロンディニウムに到着する寸前で、ヴォーティガンはアーサー達の計略に気づき、彼の軍隊とアーサー達の間で激しい戦闘になった。戦闘の末、仲間のルビオが負傷し、女魔術師がヴォーティガンの手に落ちた。バックラックとその息子のブルーは、ヴォーティガンの手下に捕まり、尋問されてしまった。ヴォーティガンは、息子の目の前で父、バックラックの耳を落とそうとしてブルーを脅した。アーサーはブルーを救出したが、バックラックはヴォーティガンに殺されてしまった。
ヴォーティガンとの最終対決、そして新たな王国の建設へ
作戦は失敗し、失意の中、アーサーはエクスカリバーを湖に投げ捨てた。この剣があるせいで、周りが皆不幸になるのだ。彼は森の中をさまよい、気がついたら湖畔のぬかるみに足を取られて倒れ込んだ。
しかし、エクスカリバーは湖の精に拾われ、彼の手へと戻された。彼女は、もしアーサーがこのまま逃げた場合、ヴォーティガンが暴走したビジョンを見せたのだった。人々は死に絶え、王国は滅亡へ向かっていた。
アーサーは、ヴェディヴィア、ジョージ、パーシヴァルと道中合流し、隠れ家へと戻った。しかし、隠れ家に戻ると、仲間たちはヴォーティガンの部下に急襲され、全員殺されていた。ヴォーディガンの部下はもし今日中に出頭しなければ、ブルーと女魔術師を殺すと脅した。
ベディヴィアが単身、ヴォーディガンの元へと向かい、エクスカリバーを差し出す代わりに女魔術師が解放された。ヴォーディガンは、引き続き、明日までにアーサーに単身出頭せよとベディヴィアに伝えた。
アーサーが城へと到着すると、女魔術師は巨大な蛇を召喚し、その蛇がヴォーティガンの部下達を食い尽くした。それをきっかけに、捕虜となっていた反乱軍たちが一斉に蜂起し、ヴォーティガンの軍隊たちと戦いだした。
ヴォーティガンは、彼の娘、カティアを生贄にささげ、彼の悪魔的な霊力を増強して、アーサーと最終対決臨んだ。アーサーは善戦したが、ヴォーティガンには叶わなかった。
アーサーが劣勢になった時、彼は、彼の傍らに立つ父、ユーサーのヴィジョンを見た。父は、「今こそエクスカリバーを使え!」と諭した。アーサーは、渾身の一振りで、ヴォーティガンをついに倒したのだった。彼のタワーが崩壊していく中、死にゆくヴォーティガンを見届けてアーサーは去った。
戦乱の犠牲者を弔った後、アーサーは円卓の騎士団を設立した。彼の仲間には、ビル、ジョージ、パーシヴァル、ヴェディヴィアがいた。彼は、ヴァイキングたちも従えて、王国を揺るぎないものにした。彼は、エクスカリバーを高々と掲げ、戴冠式に臨むのだった。
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4.映画「キングアーサー」の感想・評価
自由すぎる型破りなストーリーやキャラ設定!
ガイ・リッチー監督といえば、ロンドンを舞台にしたクライム・アクションが大得意ですが、今作でも舞台は8世紀頃の「ロンディニウム」でした。結局ロンドンかよ!とまずは少し笑ってしまいます。
そして、主役のアーサーは、幼少時にロンディニウムの売春宿で、売春婦達を母親代わりに「ストリート・ギャング」的な青年に育ち、周りにもアウトローな仲間ができて・・・って、ここもなんだかんだで過去作品同様、やっぱり主人公は半グレ的な感じのキャラなんですね。こんな感じで、最初の数分で早くもガイ・リッチーの個性を120%感じられる独自展開に。
難攻不落?超巨大要塞
さらに、父親から代々居城にしているキャメロット城に築かれた要塞は、まるで「グレートウォール」や「進撃の巨人」でも出てきた堤防のような巨大建造物。8世紀頃の技術ではとても作れそうもない代物です(笑)そしてそれを軽々と越えてくる90m級の超巨大な象!キング・コングじゃあるまいし、自由すぎでしょ!
巨大な戦闘用象部隊
元々不明点が多く、古来から自由な発想で語られてきた「アーサー王伝説」ですが、ガイ・リッチーの濃ゆいリメイクは、あまりに過去のイメージとは違っていて斬新で良かったです。というか、むしろ他の関連作品を知らないほうが却って楽しめるかも(笑)
ガイ・リッチーの作品はとにかく忙しい(笑)
いつも思うんですが、彼の作品って、短時間で大量に登場人物が出てきて目まぐるしく人間関係が交錯するので、本当にスクリーンから目が離せないんですよね。
その上、多用される早回しのモンタージュ映像!今回はいきなり冒頭から炸裂です!5歳でロンディニウムの売春宿に流れ着いたアーサーが成人になるまでの彼の半生が、わずか1~2分で怒涛のように紹介されたのは参りました(笑)普通の映画なら15分~20分かけるところです・・・
その後も、短いカット割りで次から次へとストーリーが流れていくので、本当に気が抜けません。これから起こること・やることをさりげなくセリフで説明してはくれるんですが、それすらも速くて、気がついたら何かのアクションが始まっているという(笑)「あー、、、えーと、これは一体・・・」(心の声)みたいな感じになってて、ポップコーンなど食べてるヒマもありません(笑)
しかし、それこそがガイ・リッチー作品の真骨頂。大量の人物が怒涛の展開で有機的に絡み合い、ラストまで緊迫感を保ちながら動き続けるその手法は、今回のようなダーク・ファンタジー作品にも不思議とフィットしているような感じがありました。僕はこれは「アリ」だと思います。
そして、スローモーションを駆使した無敵のエクスカリバーが炸裂!!
アーサー王伝説でのエクスカリバーは、持ち主を選ぶだけでなく、持ち主の心の強さを試す鏡のような存在です。心が定まらずフラフラしているようだと、まともに使いこなせないのですが、 一端気持ちが入ったら、適当に振るだけで無双状態になる究極の武器であります。
本作では、主人公はずっとエクスカリバーを手にしているのですが、剣がそのポテンシャルを発揮するのは、わずか2回。中盤でメイジ(女魔術師)がピンチに陥った時に一瞬だけ偶然パワーを発揮すると、あとはラストシーンでのボス戦の時まで沈黙します。
今作では、特にエクスカリバーの力が解放された時の映像表現が物凄くかっこいいんですよね。最後の最後で、ためにためて、アーサーがさっと一振りしたらバァーっとザコ敵が倒れていくのが非常に爽快感がありました。是非、エクスカリバーの威力を楽しんでくださいね!
5.映画「キングアーサー」をもっと面白く見るための6つのポイント~伏線・設定を徹底考察!~
ポイント1:映画の舞台は何世紀頃をイメージしているのか?
通常のアーサー王物語では、大抵その舞台は伝記の成立時期に合わせ、4世紀~5世紀頃が設定されていますが、今作では8世紀頃をイメージしています。ロンディニウムの荒れた町並みに、ローマ時代の名残としてかなり荒廃の進んだ水道橋やコロッセウムが映っていましたね。(ローマ帝国が衰退してブリテン島から撤退したのが5世紀頃)
しかしそれにしても、ヴォーティガンと言い、アーサーと言い、まるで現代人のような軽装だったのが斬新でした。彼らの服装だけ20世紀でしたね・・・。
ポイント2:なぜヴォーティガンは塔の建設にこだわっていたのか?
元々、キャメロット城の塔は、魔術師マーリンに破壊されるまではモルドレッドの居城でした。ヴォーティガンは、モルドレッドの復活を期して「塔」の建設を急ぐと共に、「塔」を通して自らに「悪のパワー」を増幅させようと企んでいたと思われます。(アーサーが聖剣エクスカリバーを通して強くなるのと同じ原理ですね)
ポイント3:なぜヴォーティガンは妻と子供を犠牲にしなければならなかったのか?
「塔」の建設がなかなか進まない中、アーサーや兄、ユーサーとの戦いに勝つために、その都度大きな力を手に入れる代償として「悪魔への生贄」として殺す必要があったのです。キャメロット上の地下の沼に棲むセイレーンも、再三「代償」をよこせ、とヴォーティガンに話していましたね。妻や子供を人並みにきちんと愛していたヴォーティガンでしたが、一度悪魔と契約したら、手を切れません。手に入れた玉座を守るために非常な決断をしなければならなかったのです。
ポイント4:なぜメイジ(女魔術師)は、アーサーを蛇に噛ませたのか?
ヴォーティガンの待つキャメロット城に単身出ていく前に、メイジ(女魔術師)はアーサーを蛇に噛ませ、数時間持続する「蛇毒」を体内に仕込みました。メイジは、鷹の姿に化けてキャメロット城に忍び込みましたが、その際に巨大な蛇を城内に放ちました。
蛇はヴォーティガンの側近たちを次々飲み込み、倒していきましたが、予め蛇毒を仕込んでいたアーサーを見ると、何もせずに去っていきました。このことから、メイジは自らが魔法で放った蛇にアーサーを攻撃させるのを防ぐための布石として、アーサーを蛇に噛ませたのだと思われます。
ポイント5:メイジの正体とは誰なのか?
引用:Wikipediaより
本作では、アーサー王物語では通常主演クラスとなる魔術師マーリンが出てこない代わりに、彼の「使い」としてメイジ(女魔術師)がアーサーを助けました。このメイジは「モーガン・ル・フェイ」という魔女だと思われます。
通常、モーガン・ル・フェイはアーサーの異父姉で、アーサーに対立する「悪」の魔女として描かれることが多いのですが、本作では血縁関係は不明で、「ヒロイン」的な真逆の描かれ方をしていたのが印象的でした。第2作以降に向けて、正体を隠したまま終わりましたね。
ポイント6:続編も企画中?「キングアーサー・シネマティック・ユニバース」構想とは?
ラスト一瞬だけ登場した「円卓」
本作は、伏線を多数残したまま、通常の「アーサー王物語」で語られる「円卓の騎士」や「魔術師マーリン」「ランスロットとグィネヴィアの不倫」などのストーリーまで到達することなく終わりました。これはもしや続編を前提とした作りなのか?と思って調べてみたら、やっぱり続編構想が存在していました。
今作でプロデューサーを務めたライオネル・ウィグラムによると、「キングアーサー・シネマティック・ユニバース」的な計画が存在し、続編への接続がやりやすいようなエンディングとなったようです。もし次作があるとしたら、ランスロットやグィネヴィア、トリスタンやマーリンなど、アーサー王物語の主要キャラの一人にフォーカスして、今作のようなオリジナル新解釈のストーリーを紡いでいきたいとのこと。
ただし、上記構想の実現は、今作「キングアーサー」の興行収入がしっかりしていることが前提でした。今作は、アメリカ国内で2017年夏の最大の大コケ作品として報道されており、赤字額は150億ドル以上になると見積もられています。
せっかくの構想ですが、次回作は厳しいかもしれませんね・・・。
6.「アーサー王伝説」を扱ったおすすめ映画作品を紹介!
「キング・アーサー」(2004)
「イコライザー」「マグニフィセントセブン」で近年評価が高まっているアントワン・フークア監督がまとめたシリアスな大河ドラマ路線。衰退したローマ軍がイングランドから撤退する中、アーサーが円卓の騎士達とたった数名でサクソン軍を撃退し、新たな王国を建設するまでを、ハリウッドならではのゴージャスな予算で撮り切った正統派映画。一見地味ですが、見ごたえたっぷりの本格派歴史映画です。
「トゥルーナイト」(1995)
アーサー王配下の円卓の騎士ランスロットと、アーサー王の妻グィネヴィアの不倫恋愛を描いたストーリー。アーサー王をショーン・コネリーが、ランスロットをリチャード・ギアが演じた、20年前のハリウッドブロックバスター映画。アーサー王伝説で「恋愛」に絞ったストーリーではこちらが一番だと思います!
「バトル・オブ・マジック 魔術師マーリンとアーサー王」(2015)
こちらは、魔術師マーリンとアーサー王の出会いと再会、そして彼らの王国建設までの戦いを描いたストーリーです。マーリンとアーサーが魔法と剣で、認知症の先代王をたぶらかす悪の側近を打ち倒します。ハリウッドモノではないので、VFX・CGは今ひとつでしたが、イギリスの荒涼とした原野や時代考証が素晴らしく、古代イングランドの民族衣装などもしっかりしていました。
7.まとめ
アーサー王の物語は過去に様々な作品が制作されてきましたが、本作はその中でも特に異色の個性を放つ画期的な作品でした。女性もほとんど出てこず、恋愛シーンも皆無ですが、ダークでファンタジックな世界観の中、迫力ある戦闘シーン・アクションシーンが素晴らしいの一言です。
本当の意味で自分自身と向き合えたアーサーが、運命を受け入れて、聖剣とともに悪に打ち勝つ古典的なストーリーでしたが、ガイ・リッチーの個性が爆発した印象深い作品となりました。情報量もかなりあるので、2度3度と楽しめる娯楽作品です!
それではまた。
かるび
8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など
ガイ・リッチー監督作品は、まとめてU-NEXTで!
上記でオススメした関連作品以外にも、鬼才、ガイ・リッチー監督作品を一気に楽しむには、ビデオ・オンデマンドが一番時間をお金を節約できるベストなサービスだと思います。
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