かるび(@karub_imalive)です。
今年から、よく落語を聞くようになりました。
落語はいいですね。江戸時代から語り継がれてきた噺だから、ハズレがありません。ストーリーの骨格や展開が本当にしっかりしていると思います。そして、落語家が一番注意を払って工夫を重ねるポイントでもありますが、最後にオチをしっかりきかせて、意外性のある結末も良いと思います。
でも、今日は落語の話じゃなくて、「ショートショート」のおすすめ作品について書きたいと思います。そのタイトルとは、「5分後に意外な結末」。シリーズで出版されており、2016年8月現在で、続編を含めて全9冊出ています。
ショートショートと落語は似ている
ところで、ショートショートって、落語に似てるような気がします。まず、文学的な表現よりも、エンターテイメントとしての純粋な面白さが、気軽に楽しめる点です。
また、短くてあっという間に終わってしまうのに、必ず最後にインパクトのある結末が用意されている点も似ています。オチの種類も、面白おかしい話やバカ話だけでなく、人情味あるホロリとする展開があったり、ブラックユーモアを利かせた話があったりと、多種多様いろいろ楽しめる点も類似性がありますね。
ショートショートは多忙なサラリーマンの細切れ時間にぴったりはまる
ところで、ショートショートは、忙しいサラリーマンの日常の息抜きにもぴったりだと思うんですよね。会社の休み時間や通勤電車の中などのコマ切れ時間にささっと本を開き、1話完結で読み終えることができる。
まぁ、ブログなどを読んだりしててもいいのですが、活字中毒な僕は、断然細切れ時間は読書派です。前職のサラリーマン時代は、休み時間などはできるだけ一人の世界にこもり、少しでも時間があけば本を読むのが好きでした。
若年者向けだけど、大人も気楽に楽しめる本
今日の書評で紹介するショートショート/短編集「5分後に意外な結末」シリーズは、もともとは小学生高学年以上~高校生程度をターゲットにした若年者向けの本です。Yahoo知恵袋などを見ると、読書感想文に書く人も多いようですね。(ってショートショートの感想文とか、長く書けるんだろうか・・・)
僕も、最初この本は図書館の中学生向けコーナーで偶然見つけました。タイトルが面白かったので、完全にタイトル買いならぬ、タイトル借りです。
この本は、題名の通り、本当に1話につき5分で気軽に読了できます。そして、ひとつひとつの話は、どれもクオリティが本当に高いのがおすすめポイント。1冊あたり約30話がオムニバス形式で収録されているのですが、どれを取っても、どこから読んでもハズレなし。意外性と驚きに満ちた結末が待っています。
これは若者だけでなく、大人でも幅広く楽しめるよね、と思ってAmazonやブックメーター等の書評を見てみると、案の定書き込みは大人ばっかりでした。中には、子供から借りて読むなど、親子で楽しんでいる人もいるようですね。
世界中の意外なストーリーをキュレーションした作品集
本書は、著者のクレジットがないのですよね。なぜだろう?と思って見てみると、目次欄に小さくこんな注意書きがありました。
本書には、オリジナル作品のほか、日本や世界の小話、都市伝説や、名作小説、古典落語などを翻案した作品を収録しています。(クレジット表記のないものは、特定の作者が存在しないものです)。また、名作小説は、原典を忠実に翻訳したものではなく、短い時間で読み切れるようにアレンジを加え、翻案した内容になっております。
なるほど。
確かに、見てみると、僕でも出処のわかる古典落語の改作や、アメリカやフランスなどの古典作品から恐らく原案を取っているんだろうな、と思えるような痕跡がありました。
要するに、著者権が切れたか、不明となっている世界中の面白い話を編集者がキュレーションして、それをライターさんが現代風に短くアレンジしてまとめ直した作品であるということです。
昔から語り継がれ、歴史によるふるいに架けられて残ってきたストーリーを徹底的に短く作りこみ、面白さのエッセンスだけを残しました、みたいな、そんなコンセプトです。道理でハズレがないわけだ、、、。
だから、掲載の順番などもバラバラです。日本の江戸時代の話が出たと思ったら、近未来のSF風になったり、アメリカの西部劇時代の話になったり、統一感はありません。つまり、どこから本を開いても、楽しめるということですね。
マンガを読み返すように何度も楽しめます
また、この本は沢山の話がつめ込まれていますので、マンガを読み返すように何度も楽しめます。僕も、1度図書館で借りてから、2ヶ月後に改めて気になって買い直したのですが、2ヶ月前に読んだ内容など全部忘れていました。
多分、数カ月後にはまた忘れていると思うので、何回も気楽に読み返そうかなと思っているところです。
まとめ
もう1度言いますが、本当にタイトルどおり、「5分後に意外な結末」が待っています。「えっ、そうなるのか!」と驚かされたり、ちょっといい話にうるっとしかかったり、私達の心をいい具合に揺さぶってくれます。個人的には、1巻の「父の時給」が一押し。5分後に必ず泣けます。
昼休みに、寝る前に、通勤電車に、あらゆる細切れ時間に簡単に読める、心を少しだけ豊かにしてくれるサプリのような作品集です。本当にオススメです。
それではまた。
かるび
ちなみに、6冊目からは、新シリーズとして学校内に開設された「悩み部」の活動を軸に、学園生活で起こるイベントを題材にしたショートショート集となっています。こっちは学園モノのライトノベルみたいな感じで、ストーリーが少しずつ進んでいきますが、どこから読んでも楽しめて、各話に「意外な結末」が保証されているのは同じです。すでに4冊出版されて、累計60万部の大ヒットになっているようですね。