あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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なぜ大半の夫は家事育児をやろうとしないのか?男性目線で解決策を考える

かるび(@karub_imalive)です。

先日、こんな家事育児の記事を目にしました。

家事育児を「やっているつもり」の旦那へ見せた執念の分担図 | ママスタセレクト
はてブが2,000弱ついていて、相当各種SNSなどで拡散したようです。仕事帰りに嫁のLINEから「面白い記事見たよ」とFacebook経由で教えてもらい、えー、どれどれと見てみると、こんな感じのマトリクス表が。

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(引用元:ママスタセレクト)
見てみると、夫があまりに家事育児をやらないので、「とにかく見える化」して目の前につきつければ意識も変わるだろう?という趣旨のエントリでした。

「おお、この象限分析は面白いね~。あとでうちもやってみようか」ということで、嫁と意気投合。少し間が空きましたが、昨日お互い仕事から帰宅した時、夕食前の30分程でこのマトリクス表を実際に作ってみました。

それがこれ。(※ちらしの裏を使ったから折れてて見難くすみません)

実は自分、結構家事育児については、密かにやっている自信がありました。会社とかでも18時に強制的に保育園降園付き添いで帰宅するときも多々あったりして、「フフフ、このマトリクス表でタスク並べてみて、夫の偉大さを改めて認識させてやろう」なんて思っていたのですが・・・。

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・・・。

まぁ、こうして並べてみると、やっぱり嫁の方が残念ながら家事育児の分担割合が高そうです。一通り、感想戦を30分程行いました。
嫁「大体6:4位でわたしのほうがやっぱりやってるね」
か「うーん、もっとやってると思ったんだけどな」
嫁「私のほうが多いでしょ。ちなみに、私のほうが稼ぎも多いんだけど(笑)」
か「・・・ぐぬぬ」
嫁「まぁ、まだやってくれてる方だとは思うけどね。まぁブログでの報告頑張って」
か「・・・。(下を向いている)」

ということで、こうして「見える化」したところで、わかったことは以下のとおり。

  • 僕自身は結構勤務時間が長い中でも家事育児をやっているほうかな?とは思っていたのは勘違いだった。実際は、僕40%、嫁60%位の負担率。
  • 家事は50/50位。でも子育てについては20/80位で圧倒的に嫁の負担率が高い。子供の世話は嫁に任せっきりになっちゃっている。

・・・うん、年収もぶっちゃけ嫁の半分くらいだし、家事がんばらんとな!と、ここで締めてもよかったのですが、ふと疑問に思ったことがあり、もう少しだけ今日は掘り下げていきたいと思います。その疑問っていうのは・・・。

男が家事育児をやらないのは本当なのか?また、やらないのはなぜなんだろうか?と言う疑問です。

早速、順番に見ていきたいと思います。

日本人は国際的に見ても家事をしていない

まず、「日本人男性は本当に家事育児をやってないのか?」という観点から、見つけてきたデータがこちら。平成27年度版男女共同参画白書に、主要先進国での男性の1日あたりの家事時間の国際比較表が上がっていました。

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これはすごい。育児時間はそれほど変わらないものの、家事は他国の1/3程度って、やらなすぎでしょ。。。明らかに日本人男性の家事育児にかける時間が少ないのが際立っています。どうやら日本人男子が家事育児をしないのは本当のようです。

では、なぜ日本人男性は家事育児をほとんどやらないんでしょうか?昭和の高度成長時代は、男性は仕事に打ち込み、女性は専業主婦として家庭を支える、というモデルが一般的でした。でもそれは昭和の話。今はまた、別の要因があるはずです。

・・・

すると、実際は、家事育児に参加したい、すべきだという気持ちはあるということがわかってきました。極端ですが、こんなデータもあるくらいですから。
若い男性の約3割は「専業主夫」指向だ | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

では、やる気があったとして、なぜできないのでしょうか?それには、幾つかのできない理由があることがわかってきました。

理由1:夫は子供が生まれた時から女性に育児を任せがち

これは僕のケースでもあります。家事についてはそれなりに参画できていたけど、育児は引き気味という。

子供が生まれると、女性はまず「授乳」という形で四六時中子供の世話をデフォルトで役回りとして自然にやることになります。嫌でも強制的にほぼ100%子育てにコミットさせられ、子育ての経験が積めるようになります。

それに対して、男性の場合、出産も経験していなければ、授乳の機会もなく、生まれてすぐの赤ちゃんは大体妻の腕の中にいるわけです。すると、どうしても子育てについては女性に対して一歩引いた立ち位置からの参画になるため、物理的にも育児にコミットできてない、そんな現状がありそうです。

理由2:男性は物理的に家事育児の時間が取りづらい

子供が、育児に手のかかる0歳時~小学校低学年の親となる男性は、概ね30代~40代となるかと思います。その年齢層は、現在企業社会にて中堅~リーダー格として仕事量が増えてくる時期に重なります。

平成27年度の男女共同参画白書によると、過重労働とみなされる分水嶺とされる週60時間以上残業をしている男性は、30代、40代が一番多くなっています。30代、40代ともに約17%と、男性の6人に1人のは家事育児どころじゃありません。

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 これでは、物理的に子供の面倒を見ることが難しい状況ですね。

理由3:男性は会社で子育てを優先しづらい雰囲気が強い

日本企業では、1985年に男女雇用機会均等法が施行されてから、牛歩の歩みではありますが、徐々に女性の企業におけるキャリア差別や賃金格差が解消する方向になってきています。参考記事:月額賃金 女性は過去最高に - BIGLOBEニュース
ですが、未だに男性は社会や企業の中では「仕事を最優先すべし」という有形無形のプレッシャーが根強く存在します。男性の育児休業が政府により強く奨励されるようになってきていますが、依然として、男性の育休取得率は1%台で低迷しています。

また、男性が家庭を優先し、保育園への送迎や子供の世話で会社を遅刻、早退するのも、人事考課や査定でマイナスに響きやすいのです。いわゆる「パタハラ」と言われる事案を受けやすいのですね。初めて聴く言葉ですが、いわゆる妊産婦に対する「マタハラ」と対をなす概念ということですね。

家庭を顧みず、出世した部長さんや課長さんは、そもそも育児に対して理解がないのでしょうか?いや~。これは今の会社では言われなかったので、その点では幸せな会社生活だったな。

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(日経新聞2016年1月26日朝刊より)

理由4:そもそも男性は家事育児のスキルが低い

これはネットを見ていると、特に女性の意見で多かったのですが、そもそも男性は、家事育児の経験不足から、スキルが低くて、使えないとの声が多数。家事育児は、職場の事務作業や単純作業と同じ構造となっていて、経験を積んで工夫しないと効率的にこなせないわけです。

僕も、いきなり明日までに妻から「子供の保育園用のジャンバーのボタンが取れたからつけといて」と言われても、やったことないし、( ゚д゚)ポカーンと言う感じになっちゃいます。家庭科の時間にやった覚えが・・・かすかにあるかな??

仕事でもついついデキる人は教える時間が面倒なので、全部自分でやっちゃう人っていますけど、育児でも同じ現象が起きているのではないでしょうか?、「どうせできないんなら私がやったほうがまし」となって、妻の側が全部やってしまい、夫がそれにフリーライドしている、という構造になっている家庭も多いと思います。

では、解決策はどうしたらいいのか?

とまぁ、数えると色々な事情があるようです。すぐには片付く問題ではないですが、これを一つ一つ片付けていかないと、女性は不公平な家事育児分担から抜け出すことは難しそうです。ちょっと解決策を一緒に考えてみましょう。

解決策1:とにかく見える化を行い、意識を変えさせる

上記のマトリクス表を改めてパワポにまとめましたので、再掲してみます。こうして、全部書きだしてみて、まず夫婦で話し合うのが良いと思います。物凄いはてブがついで共感を呼んだやり方なので、是非やってみてください。30分くらいしかかからないし、役割分担に偏りがある場合はすぐにわかります。

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でも、ここからが勝負なんですよね。そこで可視化が終わったら、家事育児分担のボードでさらにわかりやすくするのが良さそうです。

そこで、下記のうだひろえさんの実行した、ホワイトボードでのタスク実績管理がよいなぁと。なんか陣取りゲームというかオセロみたいで、ゲーム感覚でお互いの今日の家事育児分担実績が見えるようになるので、楽しく取り組めると思いました。我が家も取り入れる予定です。

わたし、想像以上に、しんどい。 これで伝わる!妻から夫への『大変さ』の伝え方 by うだひろえ - 赤すぐnet 妊娠・出産・育児 みんなの体験記

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解決策2:意識が変わったら、丁寧に教えこむ

そして、何よりこれが大事。意識だけじゃ仕事は効率的には進みません。

世の中の男性は、家事育児をやろう、と意識が高まっても、ノウハウやスキルがないため、限られた時間の中でテキパキと動けないものなんです。どうですか旦那さん。今この場で、「この子供のセーター、洗っといて。」って言われて正しく洗濯機を回せますでしょうか? え?僕ですか?・・・このエントリを書いた後に嫁に教えてもらおうかな(^_^;)

貴女が想像している以上に、男子は家事育児が出来ないと思ったほうが良さそうです。なので、教えるときは、新入社員に仕事を教えこむように丁寧にやってみてください。というか教わらないと多分できません(笑)一旦つかめればしっかりできるようにはなると思いますので、やる気の高まっているうちに一気に教え込んでもらえればと思います。この記事も少し古いですが、すごく参考になります。

解決策3:50/50でなくてもいい?まずは40/60を目指す

正直な所、いきなり50/50で家事分担をするのは難しいかもしれません。現実的な落とし所としては、今まで夫1割、妻9割といった極端な家事育児分担割合を、30%/70%~40%/60%あたりにして、男性側の家事分担率を高めることを目標にすべきです。

実は、アンケートでも、負荷を折半するよりも、ちょっと妻のほうが多い40/60位を望んでいるというデータもあります。

夫は高い自己評価、妻はまだ不満 育児分担の理想と現実 |WOMAN SMART|NIKKEI STYLE
この記事によると、女性側=妻の考える子育て分担率は、共働きであっても大体40%/60%くらいが良いとのデータが出ています。

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なんと、半々じゃないんですね。かなり意外でした。どこかで、育児は女性がやらなきゃっていう心理が働いているんでしょうか。よって、今全然家事育児をやっていない人であっても、これから少しずつ分担割合を高くしていけば、割と早く女性の要望する分担割合に到達できるということです。

解決策4:おまけ/家事育児を外注する

それでも旦那さんが家事をやらない場合。もし、お金があるのならベビーシッターや家事お手伝いさんを割りきって使ってみるのも一つの手です。もちろん、かなり高くつくので、お手伝いさんにアウトソースするお金よりも多くの時間をその分残業等で稼げる見込がなければ、なかなか使えないものではありますが。

家事代行については、下記の記事がよく整理されていて勉強になりました。

最近は代行業者も信頼できて安いところが出てきていて、2,500円/時間でやってくれるところもあるんだとか。時給3,000円以上あるのなら、十分試す価値はありそうですね。

まとめ

僕自身は、朝ごはん、夕ごはんは全部作っていたりと、タスクを可視化する前はかなりやってるんじゃないか?という自負がありました。でも、図にして明確化すると、家事はともかく、育児については全然できていないことが分かりました。

息子も今年の4月から小学校に入るし、僕は会社を辞めてしばらく主夫になるので、これを期に、育児にもう少し力を入れようかなと思っています。

それではまた。

かるび