あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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住宅デザイン好きにはたまらない!「日本、家の列島」展が意外に楽しかった!

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【2017年4月13日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

4月8日から展示がスタートした、パナソニック汐留ミュージアムの「日本、家の列島」展のブロガー内覧会に当選したので、行ってきました。建築系やデザイン系はさっぱりわからない素人な僕でも予想外に楽しめるポイントがあった展覧会でした。

早速、以下感想を書いていきたいと思います。

※本エントリは、予め主催者の許可を得て展覧会風景の写真を掲載しています。

1.日本、家の列島展とは?

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パナソニック汐留ミュージアムは、文字通り汐留のパナソニック本社の中にある展示スペースです。会社の文化、メセナ活動の一貫として展覧会を定期開催する他、パナソニックのエコソリューションズ社のPRの場としても活用されています。

毎年、こちらでは年4回の展覧会の予定が組まれますが、そのうちの1回はかならずパナソニックエコソリューションズ社と関わりが深い「建築」「住宅」系とする、と社内で決められているそうです。

今回の展覧会「日本、家の列島」展は、日本の都市郊外などに点在する「住宅」を外国人(フランス人)の目から見た特集展示で、2014年5月からフランス、スイス、ベルギーなどで好評巡回開催された企画の日本への里帰り巡回展示となります。

主催者は、マニュエル・タルディッツ氏をはじめ、ヴェロニック・ウルス氏、ファビアン・モデュイ氏、ジェレミー・ステラ氏など、4人のフランス人建築家です。(上記写真参照)いずれも日本の近現代建築の中に「異文化」を感じ、欧米にはない独自の感性やセンスを持った日本の住宅建築や、都市と住宅の関係性に衝撃を受けたそうです。

外国人から見た日本の住宅建築に対するフレッシュな視点を見ることで、改めて我々日本人が持っている住宅デザインの素晴らしさや日本文化の良さを再発見してみよう、というのが今回の展覧会のメインテーマです。

2.日本の住宅デザインの何がそんなに凄いのか?

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今回の展覧会で、必ず見ていただきたいのが、会場外に設置された10分程度の主催者の4人のインタビュー動画です。ここに、彼らが展覧会を開催しようと思った強い思いや動機が詰まっていました。これをしっかり見ておくことで、中の展示を見たときの私達の感じ方がかなり変わってくるはずです。

僕がこの動画に気づいたのは、展示をさんざん見終わった最終段階だったので、「しまった!先にこれを見ておけばよかった!」とかなり後悔しました。

この動画で触れられていることをざっくりまとめておくと、こんな感じです。

◯日本の住宅建築は、敷地や建築面積が限られているため、建築家による様々な「実験」を経て、独自進化を遂げてユニークさとエレガントさを身に付けた。

◯ヨーロッパの住宅は、周りの景観とは別個に孤立し、”自分勝手"である。対して、日本の住宅はパーソナルである一方、道路や庭などパブリックなスペースと境界線が曖昧で他者に属するものとの連続性がある。

◯ヨーロッパ人の「東京」に対するイメージは、渋谷や新宿など都心高層建築の雑踏である。しかし、それは一部であり、個人住宅を取り上げることで「東京」のイメージを覆したい。

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3.展示風景

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展示風景は、主に「昨日の家」「今の家」「東京の家」と3つのセクションに分かれています。順番に見ていきましょう。

3-1.「昨日の家」

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入口を入ると、まず「昨日の家」と題して、主催者の4人がピックアップした、20世紀の日本を代表する優れた住宅建築の写真と模型20点がセットで置かれていました。その中には、有名な建築家が手掛け、過去に雑誌や展覧会で特集されたような住宅建築も多かったです。

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3-2.「今の家」

そして、次に待っているのがメインディッシュである「今の家」。主催者4人が、東京近郊を中心に実際にフィールドワークを重ねる中で出会った、21世紀の現在に実際に生活の基盤として使われている、優れた設計の住宅を20点取り上げていました。

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こちらは、1点ずつ各間仕切りで区切られており、その中で住宅の写真、間取り、実際の生活風景を撮影した動画、住人と設計者へのインタビュー、住宅模型を見ることができるようになっています。思ったより緻密な取材と情報量が凄い!

ブース一つ一つの構成はこんな感じ
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細かいインタビューの文面も読めるようになってます
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「今の家」セクションで取り上げられた住宅は、基本的には1点もののユニークな設計の住宅が多いからか、取材動画を見ていると明らかに中の住人は高所得者層な雰囲気です。正直、住宅の良さより彼らのエレガントな暮らしぶりのほうが気になります(笑)(今時若くて東京近辺にデザイナー系の一戸建てを持てるのですから・・・)

ただ、こちらの展覧会で示された「良い物件」をしっかり見ておくことは、目の保養だけでなく、将来自分がどこかに一戸建ての持ち家を建てるときの何よりの参考になると思うのですよね。「よし、将来こんな家たてるぞ!」みたいな。

だから、この展覧会は、アートファンや建築ファンだけでなく、「これからこだわりを持って持ち家を建てたい人」にも、マイホームの夢を叶えた先達達のストーリーが味わえるのでものすごくおすすめ!

3-3.「東京の家」

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最後に、主催者の一人であるジェレミー・ステラ氏がフィールドワークを重ねる中で、人々の生活風景と合わせて撮影した約20点ほどの東京近郊の住宅写真の展示が「東京の家」としてまとめて展示されています。

この展示で面白いのは、かならずその住宅写真の中に、地元で生活したり働いたりしている人々の飾らない表情もセットで収められていることです。

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これにより、鑑賞者にとって、ものすごく素朴な生活感というか「暮らしの中の住宅風景」という実感が湧いてきやすくなっている写真に仕上がっているんですよね。それこそが、彼が提示したかった、地に足の着いた「東京」の建築物の風景だったのかな、と感じました。

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4.記念撮影コーナー

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いつも出口近辺に記念撮影コーナーを用意してくれているパナソニック汐留ミュージアムですが、今回も主催者のフランス人建築家達4人の等身大パネルがお出迎えです。

こういうのって、意外にバカにできなくて、あとで展覧会の内容や感想を思い出すための記憶の「アンカー」となってくれるんですよね。是非パシャパシャやってみてくださいね!

5.まとめ

ハッキリ言って、僕は住宅についてはまるっきりの素人なのですが、様々な角度からビジュアル的に分かりやすく提示された展覧会だったので、非常に分かりやすかったです。

特に「今の家」コーナーで紹介された20軒の個性的な住宅は、その土地にフィットするかたちで、デザイナーや持ち主がこだわりと工夫をこらして作り上げた個性的な作品ばかりでした。中には何点か、「こんな家なら住んでみたい!」と思わされる家もありましたから。建築マニアから僕みたいなまったくな素人まで、幅広く楽しめる展覧会でした。面白かった!

それではまた。
かるび

6.展覧会の関連書籍や参考書の紹介

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今回の展覧会と特に深く関連する書籍について、紹介したいと思います。会場内でも販売されていますが、インターネットや一般書店でも購入できるようになっています。

公式図録「日本、家の列島」

今回の展覧会の公式図録です。展覧会で紹介された「昔の家」「今の家」などをカラー写真をふんだんに使って収録し、主催者4人による解説なども充実しています。業界の人は仕事で使えそうですし、住宅好きの人は、眺めるだけでも楽しそうな良い出来の図録でした。

「東京の家」

4人の主催者のうち、ジェレミー・ステラ氏が東京近郊の住宅街を丹念に見て回り、特に感銘を受け、印象に残った住宅を独自の感性で撮影した写真集です。主役は住宅なのですが、その中に映った「生活風景」を感じさせる地元の人々の姿が非常に印象的な写真が収められています。住宅建築ファンには面白い一冊だと思います。

展覧会開催情報・ギャラリートークなど

「日本、家の列島展」は、特に日本での巡回予定はありません。その代わりといってはなんですが、今回の展覧会は、会期中、学芸員さんや建築家さん達による、かなりの数のギャラリートークイベントが予定されています。この日程に合わせて行ってみるといいですね。

◯展覧会名
「日本、家の列島 フランス人が驚くニッポンの住宅デザイン展」
◯開催美術館・所在地
パナソニック汐留ミュージアム
〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック 東京汐留ビル4階

◯最寄り駅
JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分

東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」より徒歩約6分
都営浅草線新橋駅改札より徒歩約6分
都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分
ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分
◯会期・開館時間・休館日
2017年4月8日(土)~6月25日(日)
午前10時より午後6時まで

水曜日休館(ただし5月3日は開館)

◯公式HP
http://panasonic.co.jp/es/museum/
◯展覧会割引引換券はこちらから!
ホームページ割引 引き換え券 | 汐留ミュージアム | Panasonic
◯ギャラリートークイベント予定
 ● 4月

14日(金) 堀部安嗣(堀部安嗣建築設計事務所)
15日(土) 柳澤潤(コンテンポラリーズ) +
マニュエル・タルディッツ(みかんぐみ)
21日(金) 河内一泰(河内建築設計事務所)
22日(土) 手塚由比(手塚建築研究所)
24日(月) 中山英之(中山英之建築設計事務所)
28日(金) 前田圭介(UID一級建築士事務所)
29日(土) 吉村靖孝(吉村靖孝建築設計事務所)
● 5月
1日(月) 川本敦史+川本まゆみ (エムエースタイル建築計画)
12日(金) 五十嵐淳(五十嵐淳建築設計事務所)
19日(金) 山下保博(アトリエ・天工人)
20日(土) 菅原大輔(SUGAWARADAISUKE)
27日(土) 塚本由晴+貝島桃代(アトリエ・ワン)
● 6月
2日(金) 西田司+萬玉直子 (オンデザインパートナーズ)
3日(土) 長谷川豪(長谷川豪建築設計事務所)
10日(土) 谷尻誠+吉田愛 (SUPPOSE DESIGN OFFICE)
17日(土) 西沢大良(西沢大良建築設計事務所)