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あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

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『聲の形』ネタバレ感想&解説!ラストまでのあらすじや伏線、売上も考察します!

映画感想
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【2016年10月17日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

9月17日から封切りとなった映画「聲の形」(こえのかたち)。週刊少年マガジンでの週刊連載中も、優れたストーリー性と赤裸々な感情描写で大人気でしたが、映画もそれに負けず劣らず非常に話題になっています。

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本エントリでは、ラストまでのあらすじや感想、評価、興行収入等、映画「声の形」について考察したことを書いてみたいと思います。

※本エントリでは、映画のあらすじや感想、伏線、結末などネタバレを含みます。予め、ご注意下さい。

1.「聲の形」映画基本情報

10月になって、字幕付きロングPVが公開されました。

【ジャンル】アニメ・恋愛/青春映画
【公開日】2016年9月17日(土)
【監督】山田 尚子
【主題歌】aiko「恋をしたのは」
【サントラ】牛尾憲輔「a shape of light」

すでに8月からTV特番で放映された『映画「聲の形」公開記念特番 ~映画「聲の形」ができるまで』が公式でスペシャルバージョンとして公開されています。30分超の力の入ったコンテンツですので、時間のある方は是非チェックしてみてください!

2.興行収入・評価など

封切り5週目、約1ヶ月経過した時点で、動員数は125万人を突破し、興行収入は累計16億円を突破。公開館数が120館と限られた中では、驚異的な興収・動員数となっています。京アニ制作映画の中で、歴代No.1となりました。

このペースは、ちょうど興収20億~30億程度を稼ぎ出した映画「けいおん!」「ラブライブ」と似たようなペースとなり、まず最終的な興収20億円は固そうです。

また、作品に対する評価も上々です。テーマが「いじめ」を扱ったデリケートな作品なので、現在のところその作品への評価は割れていることは確かですが、おおむね原作同様全体的には好評価となっていますね。評価サイトへのリンクを載せておきますね。(2016年9月24日現在)

Yahoo映画(評点4.15/レビュー2284件)
映画「聲の形」 - 作品 - Yahoo!映画

映画.com(評点4.2/レビュー117件)
映画 聲の形 : 作品情報 - 映画.com

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3.結末までのあらすじ(※ネタバレ注意)

「声の形」では多数のメインキャラクターが存在しますが、ストーリーは、原作者の意向をくんで、石田将也の視点で進行します。主に、将也が小学校6年生の時と、高校3年生の春~秋にかけての2つの時期を描いていきます。

ガキ大将だった小学校6年生の石田将也は、いつも悪ガキ仲間とつるんで、面白いことを探す毎日でした。ある日、先天的に聴覚障害を抱える転校生の少女、西宮硝子が転校してきます。硝子は、耳が聴こえないため、筆談用ノートを使ってクラスでコミュニケーションを図るが、コミュニケーションはうまくいきません。

硝子への対応で、クラスメイトが翻弄され、疲弊していく状況を見て、将也も不器用ながら何度かコミュニケーションを試みますが、上手く通じません。

そのうち、硝子の存在を疎ましく感じるようになり、将也は、率先して硝子に対して辛くあたるようになってしまいます。 やがて、将也を中心にエスカレートした嫌がらせは、クラス全体を巻き込んだいじめへと発展していきます。

硝子の筆談ノートを学校の池に投げ込んだり、高額な補聴器を破損させ、硝子の耳にケガを負わせてしまうなど、目に見えて物理的な被害を出すに至り、先生が介入する事態に発展します。

先生が介入して問題解決へと当たった際に、将也はいじめの主犯格として断罪されます。しかし、クラスメイトは、先生の追及に対して将也一人のせいにして逃げてしまいます。これをきっかけに、将也はクラスで孤立し、一転していじめられる対象となってしまいました。

学校側からの連絡を受けた将也の母親は、硝子の母親へ謝罪し、補聴器代(170万円)を弁償します。謝罪から戻ってきた将也の母の耳からは血を流した痕跡がありました。

ある日、下校時にいつものようにいじめられ、学校の池に突き落とされる将也。起き上がる時、偶然硝子の大切にしていた筆談ノートが池に落ちていたことに気づき、(直接的な表現はないが)ノートを持ち帰ります。

また、別の機会に、将也は硝子と放課後に偶然1対1で鉢合わせになるシーンがありましたが、そこでも結局分かり合えず、二人は取っ組み合いのケンカをしてしまいます。

結局、硝子はクラスになじめず、別の学校に転校してしまうことになりましたが、一連の事件を通じて、将也は他人不信に陥り、同時に罪の意識を背負うことになりました。

それから5年後。高校3年生となった将也は、それ以来人間不信と自己嫌悪からずっと孤立し続けていましたが、硝子に一言、小学生時代に伝えられなかった謝罪をしてから自殺しようと決意します。

そして、硝子の通うろう学校に出掛け、再会します。この日のコミュニケーションに備え覚えた手話で、硝子と会話し、持っていた小学生の時の筆談ノートを返すとともに、とっさに「友だちになってくれ」と口走ってしまうのでした。

それより、二人は、毎週火曜日の午後、手話スクール近く水門橋の「鯉の餌やり」の時間に定期的に会うことに。

やがて、家出の際に家に泊めてやるなどして、姉思いの硝子の妹、結絃(ゆずる)とも仲良くなります。以降、結絃は硝子と将也の潤滑剤的な存在になっていきます。

また、学校では、高3の春にして、不良に絡まれていた所を助けてやった縁から、クラスの後ろの席の永束とも仲良くなり、徐々に将也の学校生活にも変化が出てきます。

将也は、硝子と仲良くしたため、クラスで孤立し不登校となってしまっていた小学校のクラスメイト、佐原みよこを硝子に引き合わせます。また、偶然街で鉢合わせした植野直花とも再会することになりました。

硝子は、やがて石田のことを好きになり、ある日、思い切って髪型をポニーテールにして、贈り物を渡すとともに、水門橋の前で肉声で思いを伝えますが、聴覚障害のため、上手く発声ができません。「好き」を「月」と勘違いされてしまい、将也には通じませんでした。

将也、硝子の仲間はさらに増えます。クラスメイトの川井みき、真柴智を加えて、仲間たちで遊園地に行くことに。遊園地では将也はジェットコースターで隣の席に座った佐原と会話し、また植野は観覧車で硝子と一緒に乗り、かつての過去のわだかまりを乗り越えつつあるかに見えました。

しかし、夏休み前に、同じメンバーでいつもの水門橋で会った際、川井と植野の言い争いをきっかけに、将也と仲間たちの関係は再びこじれ、仲間同士の関係は一旦壊れかけます。

夏休みとなり、仲間で集まるきっかけを失った将也は、硝子を元気づけようと焦り、連日硝子を外に連れ出します。その過程で、硝子の母と和解する機会も持てた将也は、硝子の家族と花火大会に一緒に出かけました。

硝子は花火大会の最中、なぜか「受験勉強があるから」と先に帰宅してしまいます。結絃から、カメラを自宅に忘れたから取りに行ってくれ、と頼まれ、将也は硝子の後を追って硝子の家に戻ります。

すると、硝子はベランダからまさに飛び降り自殺をするところでした。仰天した将也は、「硝子ぉ~」と大声を上げながら、必死で助けますが、硝子を引っ張り上げた拍子に、将也自身がベランダの下に転落してしまうのでした。

落ちた将也は、しばらくの間昏睡状態となります。将也が昏睡状態の間、関係者の間で様々な葛藤がありますが、ある日吹っ切れた硝子は、もう一度、将也の不在の間、仲間との関係改善にコミュニケーションを尽くすようになりました。

ある夜、硝子はリアルな夢を見ます。その夢は将也の死を暗示させるもので、真夜中に目が冷めてしまった硝子は、直感的にいつもの水門橋のところへ。

同じころ、将也は病院で昏睡状態から目覚めます。将也も、点滴を外し、導かれるように病院着のまま病院を抜け出し、水門橋へ。

二人は、真夜中に水門橋で会い、将也は、そこでこれまで口に出来なかった硝子への謝罪の気持ちを伝え、改めて、「生きることを手伝って欲しい」と硝子に伝えます。ここで、ようやく将也は硝子に対する悔恨、罪悪感と決別することができました。また、硝子も将也の言葉を受け入れ、前向きに生きることを決意します。

そして、夏休みが終わり、文化祭。復帰した将也は、硝子と将也の学校の文化祭に行きますが、そこで仲間たちから再び受け入れられ、ようやく真の意味で自分を取り戻す喜びを感じます。

ここで、映画は終幕となりました。

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4.見終わっての感想(※ネタバレ注意)

映画「聲の形」は、主人公の将也の視点でストーリーが進んでいきます。主人公の将也が小学生の際に負った「罪悪感」「自己嫌悪」といった一種のカルマ的な心のキズと少しずつ向き合っていく中で、それに触発された仲間たちもそれぞれの自分の心の課題と対峙するようになります。

物語を通して丹念に描き出されるのは、徹底したキャラクター同士の生々しいコミュニケーションと、その難しさです。時に、負の感情をむき出しにし、醜く顔をそむけたくなるような言葉遣いや仕草で、お互いのわだかまりやエゴ、本音を直接相手にぶつけ合うのは、原作同様でした。

不器用でもいいから、ストレートなコミュニケーションを重ねて、お互いに認め合い、自分自身に赦しを出すことでしか、本当の意味で自分自身の心を癒やすことはできないのでしょうね。重たい心のキズに向き合い、自死を選ぶ直前まで追い詰められながら克服した将也、硝子の強さが印象的でした。

5.「聲の形」の8つのみどころ(※ネタバレ注意)

ここでは、映画の注目したい見どころや伏線、設定などを8点に絞って解説していきたいと思います。

みどころ①:マンガ原作とのストーリーの違い

一番大きな違いは、映画の上映時間の関係から、漫画原作で描かれた幾つかの部分がカットされたことでした。カットされたのは、主に以下の3点です。

「文化祭」での、仲間との映画撮影企画が全て省略されている。
将也が昏睡状態に陥っている時、各サブキャラクター達がそれぞれ過去と向き合うサイドストーリーについて
・「文化祭」終了後~高校卒業後までの後日談の部分。

特に、まんが原作だと、小学校時の担任、竹内先生は、数少ないハッキリとわかる「ヒール役」なのですが、映画では、空気のような存在でした(笑)

また、全体を通して映画のほうが上品に仕上がっています。漫画原作では殴り合いのシーンや言い合いのシーンは、全体的にやりすぎなくらい生々しく、人間の醜い表情もきっちり描き出されていました。映画では、このあたりはやや抑えめです。

主要キャラ8名の描き分けについても、映画では時間の制約上、佐原、川井、真柴あたりは描ききれていない感じでした。

これらは、全7巻の内容を2時間少々に詰め込む中で、致し方ないところではありました。しかし、全体としてのストーリーの流れや、作品のテーマ、世界観はきっちり保持されていたかと思います。不満を覚えるほどの違和感はありませんでした。

絵柄はほぼ同じなので、映画から入った人は、より濃厚でストーリーも複雑なマンガ原作を読んでみることを強くオススメします!

みどころ②:物語を通しての将也の心の変化

物語前半で将也が手話スクールの教室内にいた硝子に会いに行った際、将也は、「友達になれるかな」とおどおどしながら硝子にたずねます。また、永束と知り合って最初に遊びに行ったファーストフードで「友達の定義」について自信なさげに永束に相談するシーンもあります。元はガキ大将で、もうすぐ大人になろうとする高校3年生の男子が発する言葉とは到底思えない変貌ぶりです。

小学生のいじめ事件以来、他者への恐怖心、自分自身への強い罪悪感のため、同世代の他人の顔に「✕」マークをつけ、まともに正視してコミュニケーションできなくなってしまった将也。

勇気を出して硝子に会いに行ったことをきっかけに、将也が「友達とは何か」「他人とのコミュニケーションをどう取っていったらいいのか」、他人との対話・交流を通して少しずつ感覚を取り戻しながら、自分自身へも赦しを出し、罪悪感・自己嫌悪から回復していくプロセスが、物語の進行とともに非常に細かく丁寧に描きこまれている点に注目して見ていくと面白いと思います。

みどころ③:なぜ硝子は唐突に自殺しようとしたのか

原作の時から謎だったことですが、このたび、最終回答が、「聲の形公式ファンブック」原作者、大今良時氏から語られました。

硝子は自分のせいで壊したものを、ずっとカウントしています。自分のせいで親が離婚した。じぶんのせいで妹がいじめられた。自分のせいでクラスの雰囲気が悪くなった。自分のせいで佐原さんも学校に来なくなった。ぼんやりと「死にたい」と考えながら、そのカウントを積み重ねていたんです。[・・・]そうして将也と再会するわけですが、やっぱり彼と友達の関係を自分が壊してしまい、カウントと死への想いが甦り、橋の上で「やっぱり死のう」と決断してしまう・・・

つまり、ずっと自分の心の中では自己嫌悪・罪悪感から「死」を意識しており、とびおりたのは唐突な判断ではなく、以前から考え続けていた結果の行動でした。

みどころ④:「いじめ」や「聴覚障害」ではなく、「コミュニケーションそのもの」を描いたストーリー

これも、公式ファンブックやインタビューにて原作者が語っていることですが、「いじめ」や「聴覚障害」はあくまで設定であり、主題を強調するためのモチーフに過ぎないのです。実際、見終わって「やっぱりいじめはいけないな」「聴覚障害って大変なんだな」という感想にはならなかったのではないでしょうか?

それよりも、自分の犯した(と思っている)罪や罪悪感、伝えられなかった気持ち、コミュニケーションの難しさや、それらと傷つきながらも必死で対峙する主人公たちの心の動きに感動させられるはずです。

みどころ⑤:表裏一体、合わせ鏡のようなふたり

主人公の将也と硝子は、象徴的に表裏一体の存在として描かれていましたね。実際、二人はかなりの共通点があります。

・名前に「しょう」がつく。
・母子家庭の出身である。
・自己評価が低く、加害者意識が強い。結果として、慢性的な自己嫌悪状態に陥る。実際、映画全編を通して、ふたりは常に誰かに「ごめんなさい」と謝っている。
・ふたりとも、飛び降り自殺を試みている。物語序盤では将也が川に、クライマックスでは硝子が自宅マンションから。
・物語序盤で将也が硝子をいじめれば、その後将也がいじめられる側に回る。

このあたりは、原作者が意図的に敷いた設定・伏線であり、こういった共通項を通じて、二人に共通するテーマが効果的に浮き彫りになってきます。

みどころ⑥:早見沙織の神がかった演技

今作で一番演じるのが難しかったのは、いうまでもなく、早見沙織が挑戦した硝子役。オーディションを介してではなく、山田監督の直接指名で起用されましたが、見事にその期待に応えました。

生まれつき耳が聞こえないろうあ者特有の発声や声にならない擬音を、リアリティとある程度の聴き取り安さをバランスしながら演じきりました。クライマックスで、泣きじゃくって言葉にならないシーンは、迫真の演技で感動を呼び起こしました。

こちらのサイトでは、実際に映画を見た人に、早見沙織演じる硝子についてどう感じたかに絞って10名にアンケートした結果をまとめてくれています。やはり好評価でした。

また、アフレコに立ち会った原作者の大今良時氏も、

早見さんの演じる硝子の声を聞くたびに感じる緊張感、それはまさに本当の聴覚障害者の方の声を聞く時に感じる緊張感でした。ものすごくリアル。

と絶賛していましたね。

みどころ⑦:京アニの安定した作画と新境地への挑戦

「けいおん!」「たまこラブストーリー」の監督を務め、若いながら着実にステップアップしてきた山田尚子監督の下、その作画は主要キャラからモブキャラまで、高レベルのクオリティだったと思います。

背景の作り込みも見事でした。何度も描かれた「鯉のいる水場の風景」やクライマックスの花火のシーン、場面転換時に時折挟まれる道端の草花などが印象的でした。

また、京都アニメーションといえば、「けいおん」等、中高生の女の子の日常描写を可愛く描く萌え系アニメのクオリティに定評がありました。ただ、あくまでターゲットはマニア層でした。

今回の「聲の形」では、ティーン層を中心に、人間の本質に迫る深いテーマを取り上げることにより、アニメファン以外のより広範な映画ファンへの浸透を図りました。絵のきれいさはそのままに、つくり手としてよりメジャーな立ち位置へとチャレンジした点は評価できると思います。

みどころ⑧:映画中の音楽が非常にテーマや雰囲気にマッチしている

劇中音楽を担当したのはソロユニット「agraph」で電子音楽家として活動する牛尾憲輔氏。山田監督の肝いりの指名で抜擢されました。

今回の「聲の形」のために用意されたサウンドトラックは、映画内で使われなかったものも含め、約70曲。山田監督とコンセプトをじっくり共有し、世界観を共有する中で作り込まれた楽曲群は、映画にぴったり寄り添う良い出来です。

角が取れて丸みのある優しい音感が特徴です。どこか方向性が見えず、浮遊感のある音感は、小学校以来、罪悪感と自己嫌悪に覆われて茫漠とした日常をずっと過ごしてきた将也の心象風景や、先天的に耳が聞こえない硝子の内的世界の感覚をぴったり表現していると感じました。さっそくAmazonでサントラをポチってしまった・・・。

6.まとめ

映画の上映時間の都合上、原作に比べるとストーリーはわかりやすく単純化されていますが、その反面、感情表現は映像・音声で強化された分リアリティは増しています。全編で心をえぐられるような痛いシーンが随所で出てきて、泣き所だらけでした。

原作を見た人、見ていない人でそれぞれ少しずつ感想は違ってきそうですが、ハイレベルなアニメ映画作品であることは間違いありません。ロングラン上映中ですが、ぜひ映画館で見て欲しい作品です。

それではまた。
かるび

おまけ:2周目を楽しむためのマンガ・小説・公式ガイドなど

映画のノベライズ版。「映画 聲の形」とタイトルにありますが、ストーリーの描写は原作寄りです。映像で伝わりきれない細かい主人公の心象風景や感情が、文章として明確に表現されています。上巻は発売済み、下巻は11月17日に発売決定となりました!下巻では、映画通りの展開なのか、それともマンガ版と同じく文化祭パートの描写があるのか、楽しみにしています!

大今良時氏みずから、原作のポイントやコンセプト、伏線や設定の詳細についてを語り下ろした、事実上の答え合わせのような解説書。映画では省略された描写も含め、テーマを深く掘り下げ、映画の世界観を120%を楽しむなら、欠かせない本だと思います。連載前の「読み切り」バージョン(2013)、新人賞応募バージョン(2008)も収録されています。

こちらは、原作ファンのブロガーさんが、連載時から毎週感想や分析をブログに書いていた文章をご自身でまとめられたKindle本です。分析や読みのレベルが非常に深く、ファンサイドから本作を分析したリソースとしては、随一の出来です。公式ファンブックと合わせて読めば、映画がさらに楽しめます。Kindle Unlimited指定となっています。

大今良時のデビュー作。冲方丁の同名の原作SFアクションを、複雑な世界観を壊さず忠実に描ききった佳作です。えげつない表現は少年誌のレベルを越えているような気がしますが、声の形でハマった人は、読んで損はないと思います。心をえぐり取るような激しい感情表現は、このデビュー作から遺憾なく描きこまれています。