あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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【ネタバレ有】映画「パッセンジャー」感想・考察とあらすじ徹底解説/極限下での心理描写と恋愛模様を描いた佳作!

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【2017年4月21日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

3月24日にリリースされたSF恋愛ハリウッド大作「パッセンジャー」を見てきました。早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。

※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

1.映画「パッセンジャー」の基本情報

僕が見てきたのは、公開翌週の日曜日。「109シアター木場」で見てきたのですが、最も混み合う日曜午後の小箱だからか、6割~7割くらい席が埋まり、よく入っています。面白かったのは観客のほぼ大半が中高年以上だったこと。地域柄なのかもしれませんが、若い人が見当たりませんでした。意外?!

<映画「パッセンジャー」公式予告動画>

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【監督】モルテン・ティルドゥム(「イミテーション・ゲーム」)
【脚本】ジョン・スパイツ(「ドクター・ストレンジ」他)
【配給】ソニー・ピクチャーズ
【時間】116分

惑星移住を目的とした120年間の星間飛行中に、冬眠ポッドの誤作動で30年目に目覚めてしまった男が女を巻き込んで始まったサスペンス・トラブルありの恋愛ストーリー。想定したより興収が伸びなかったのか、アメリカでは冒頭10分間の動画も公開されています。

英語版ですが、何を言っているか断片的にでも聞き取れれば、映画の出だしの雰囲気はよくつかめると思います。SF的な美しい船内デザインは秀逸!

<映画「パッセンジャー」冒頭10分間(英語)>

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2.映画「パッセンジャー」主要登場人物とキャスト

本作では、アンドロイドを合わせても、主要キャストはたったの4名。徹底的に美男美女のカップルにスポットライトを当てたアイドル映画という側面もありました。

ジム・プレストン(クリス・プラット)f:id:hisatsugu79:20170403135126j:plain

機械系エンジニア。移住船「アヴァロン」のエコノミー・クラスに乗り込み、システムトラブルにより予定より90年早く冬眠ポッドから目覚めてしまう。最新作「マグニフィセント・セブン」での西部劇で見せた男臭い演技とはうって変わって、素朴で対人スキルは弱めの労働者階級の男性を演じます。元アメフト選手で、そのまま維持している彫刻のようなマッチョな体形は今作でもしっかり披露してくれていました(笑)

オーロラ・レーン(ジェニファー・ローレンス)f:id:hisatsugu79:20170403133627j:plain

「世界にひとつのプレイブック」で、わずか22歳の時にアカデミー主演女優賞を獲得して以来、「X-MEN」「ハンガー・ゲーム」シリーズなどで、すっかりハリウッドを代表する大物若手女優へと成長したジェニファー・ローレンス。よく見るとそこまで超美人?というわけでもないのですが、不思議と画面映えする不思議な魅力を持った女優さんですね。クリス・プラット同様、不自然に何度もプールに入るシーンなどサービスカット満載な本作です(笑)

アーサー(マイケル・シーン)f:id:hisatsugu79:20170403133642j:plain

物語全般を通して、主人公の二人の関係に大きく関係してくるバーテンダーのアンドロイド役を務めました。「不気味の谷を超え、人間かアンドロイドかたまにわからなくなるくらい」のリアルさでロボットらしさを再現した難しい役どころを見事に演じていました。機械らしい動き、どこか人形のようなコミカルな表情が絶品。

ガス(ローレンス・フィッシュバーン)f:id:hisatsugu79:20170403134652j:plain

10年前、世界に衝撃を与えたSF映画「マトリックス」3部作でのモーフィアス役でこの人のことを知ったのですが、マトリックスからすでに12年。なんか一気に年老いた感じですね。時代の流れを感じました・・・。

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3.結末までの詳しいあらすじ(※ネタバレ注意)

3-1.宇宙船のシステムトラブルで、90年早く一人目覚めるジム

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ホームステッド社が開発した、星間移住を目的とした宇宙船「アヴァロン号」は今日も入植予定の目的地、惑星「ホームステッド2」に向けて、航行を続けていた。乗客5000人、クルー258人を乗せた巨大船は、約120年に渡る自動航行中で、船内では全員が冬眠ポッドの中で眠っていた。

しかし、小惑星帯を通過するある時、かなりの大きさの小惑星と衝突した衝撃から、船内が大規模システムトラブルに陥ってしまう。大半のエラーは自動的に修復されたが、ただひとつの冬眠ポッドだけ、トラブルで冬眠モードが解除され、乗客が目覚めてしまったのだ。それが、機械系エンジニアのジム・プレストン(クリス・プラット)だった。

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ジムは目覚めると、無人案内に連れられて早速冬眠酔いを覚まし、着陸に向けたオリエンテーションに誘導されるが、自分の他に誰も来ない。不審に思ったジムは、船内を探索してみることにした。

グランドコンコースや船長室など、くまなく船内を捜索したが、誰も見つからない。パノラマエリアでの自動音声案内で、「ホームステッド2」への残り航行年数が約90年であることを知り、自分だけがトラブルで先に目覚めてしまったことを知った。

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カスタマーセンターに連絡しようとするも、メッセージが地球に到着するまで17年かかると言われる始末でラチがあかない。そこで、ジムはグランドコンコースにもう一度戻り、バーの中にバーテンダー、アーサー(マイケル・シーン)がいるのを見つけるのだった。

しかし、そのバーテンダーは、アンドロイドだった。話しかけても十分な情報は手に入らず、ジムはマニュアルを見て冬眠ポッドの修理や、クルーの部屋への侵入を試みたが、いずれも上手くいかなかった。アーサーから、せっかくの船旅を楽しんでみては?とアドバイスされ、ジムは気を紛らすために、有り余る時間を使って、あらゆる館内設備を楽しんでみた。宇宙遊泳などもできるようになっていたのだった。

時間が経過するにつれ、娯楽にも飽きてしまうと、絶望と孤独が再びやってきた。酒浸りで自暴自棄になり、魔が差して船外への自殺を試みようとしたが、それもできなかった。

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そんな時、ジムはふとした拍子から、冬眠ポッドに入っていたオーロラ・レーン(ジェニファー・ローレンス)という若い女性を見つける。No.1456のポッドに入っていた、作家志望だというその美しい女性のプロファイル動画を見て、ジムはすっかり彼女が気に入ってしまった。

3-2.オーロラとの日々、そして破局

その日から、彼女のポッドを空けてしまいたいという誘惑と葛藤する日々が始まった。最終的に何日か悩んだ後、ジムは意を決してオーロラのポッドを空けてしまうのだった。そして、彼女が目覚める前に、急に怖くなってその場から一旦逃げ出してしまった。

オーロラは起き出すと、ジムの1年前と同様、パニックになってしまう。ジムは、何食わぬう顔でオーロラと初対面の挨拶をし、その日、オーロラを落ち着かせるためにまずは寝かせてから、バーテンダーのアーサーに「彼女を起こしたのを秘密にするように」念押しするのだった。

オーロラは、上流階級出身の駆け出しのライターで、今回の星間飛行で見聞きしたことを、再び250年後の地球に戻って作品として発表したい、という明確な目標を持っていた。彼女は、絶望的な状況のなか、規則正しい生活をしつつ、翌日から毎日の日記をつけ始めた。

ジムとオーロラは、次第に個人的なこともよく話すようになり、やがてすぐに親密な関係になっていった。そして、ジムがオーロラをデートに誘って以来、彼らは正式に恋人同士の関係になった。

彼らは、一緒に館内の色々なところで楽しみを見つけ、船外での宇宙遊泳デートや、アークトゥルスでの惑星ターンなど、雄大な星空の景色も楽しんだ。

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しかし、彼らの恋人関係が破綻する日がやってきた。バーテンダーのアーサーが、ジムがオーロラのポッドのハッチを開けたことをうっかり話してしまったからだった。オーロラは、怒りと絶望で、しばらくは立ち直れないくらい落ち込んだ。ジムは懸命に謝罪したが、オーロラは決して許そうとはしなかった。

この頃から、船内はシステムトラブルが頻発するようになってきていた。エレベータ等の機械故障や重力装置の作動不良等で、身の危険を感じるほどのトラブルが増えてきていたのだった。

3-3.宇宙船の深刻な危機、二人の意外な結末

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そんな時、ポッドから新たに目覚めたのが、クルーの一人である、甲板長のガス(ローレンス・フィッシュバーン)だった。オーロラが目覚めて1年後、到着まであと88年を残していた。

ガスは船内の状況を把握すると、ジムとオーロラにも手伝わせ、船内のトラブル状況を確認していった。ガスは、オーロラが目覚めた原因は人為的なものであることをすぐに見抜いていた。

船内にトラブルが頻発している原因は、2年前の小惑星との衝突時に発生した電圧の過負荷によるものと判明した。そして、一つのシステムエラーは、次のトラブルを連鎖的に起こしていたのだった。メインエンジン部分のトラブルを修復しようとした時、ガスはついに倒れてしまい、そのまま多臓器不全で亡くなってしまった。死ぬ直前、ガスは二人に管理者IDを託し、二人で力を合わせて船内のトラブルを解決するように忠告した。

その直後、機関室でのトラブルに端を発する対規模な船内でのシステムトラブルが発生した。アーサーの挙動も完全におかしい。二人は、機関室を調べ、2年前に衝突した小惑星の隕石のかけらがリアクターを突き破って破損しているのを確認した。

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リアクターの中に溜まった熱が放出できないと、熱暴走した機関室が爆発し、船が大破する恐れがあったが、船内の熱放出ハッチを開くボタンが作動しない。そこで、ジムは船外からハッチを開くことにした。

高音の炎と熱で死んでしまう可能性があったが、ジムは見事に外側からハッチを開き、熱放出に成功した。しかし、その反動で固定ロープが切れてしまい、ジムは意識を失ったまま宇宙空間に放り出されてしまう。

オーロラの懸命な救助活動で、何とかジムを船内に回収することができたが、ジムは意識を失い、仮死状態になっていた。救命ポッドで何とか一命をとりとめ、ジムは回復に成功した。これにより、船内に平和が戻り、オーロラはジムの勇気を認めて、ジムが自分に犯した罪を許して受け入れたのだった。

ジムは、ガスの死後にクルー室で発見した休眠用ポッドを1基見つけ、オーロラに入るように促し、オーロラに婚約指輪を贈った。しかし、オーロラは休眠ポッドに入らず、そのまま船内で亡くなるまでジムと運命を共にすることを選んだ。

88年後、予定された休眠状態から目が覚めたクルーたちは、船内に残されたオーロラの音声メッセージと、船内で大きく育った植物たちの楽園を見て、驚きの声を上げるのだった。

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4.映画「パッセンジャー」感想・評価(※ネタバレ注)

4-1.とにかく美しいSF的な船内風景がまず最初の見どころ!

アヴァロン号の奇抜な外観デザイン!f:id:hisatsugu79:20170403140234j:plain

映画が始まってまず目を引かれるのが、個性的な星間移住船の形状です。400年後のデザインセンスを念頭に入れつつ、船内に重力を発生させる仕組みとしてぐるぐる居住区を回せるような形を考えるとこうなったそうですが、斬新で面白いです。

流線型の未来的なグランドコンコースf:id:hisatsugu79:20170403140246j:plain

そして、船内のグランドコンコースやポッド置き場の巨大なセット!特に、実際にオーロラが船内で普通にジョギングできるくらいの巨大なサイズで、流線型の美麗なグランドコンコースは、まさに未来のショッピングモールにふさわしい出来です。

僕がSF映画を見る時、楽しみにしている一つの要素が、こういった宇宙船内の日常風景や船外の壮大な宇宙など、未来的な非日常感溢れる美麗な映像なのですが、まずこの作品はブロックバスター映画らしく、細部まできっちり楽しませてくれました。

2016年度のアカデミー賞美術賞にノミネートされた実績はだてではありません!

4-2.無機質な船内に映える美男美女!

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本作には、現在のハリウッドを代表する美男美女の大型カップルをフィーチャーした、アイドル映画としての一面があります。とにかく無機質な船内の中で彼らが動き回る光景は、それだけで絵になりますし、やたらと彼らの「肉体」美がクローズアップされるシーンが多かったです。

クリス・プラットの鍛え上げられたマッチョな「ぷりケツ」や、ジェニファー・ローレンスのセクシーな肢体がとにかくやたら強調されます。恋人関係になってからの直接的な絡みもきわどいです。特にジェニファー・ローレンスが一人でプールに入ってるシーンは何回あるんだか(笑)

また、二人のデートシーンも多めに取ってありましたね。レストランでの食事シーンに始まり、船外での宇宙遊泳デート、パノラマエリアでの恒星アークトゥルスの幻想的な風景など、日本のスイーツ恋愛モノ映画も顔負けなほど、二人の蜜月期での恋愛描写がしっかりと描かれていました。

宇宙船での船外デート
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恒星「アークトゥルス」での重力ターンのシーンf:id:hisatsugu79:20170403140333j:plain

4-3.最大の評価の分かれ目はジムの「反倫理的行為」をめぐる解釈につきる

物語中盤で、孤独と絶望に耐えかねたジムは、彼自身の心を癒やすためだけにオーロラのハッチを黙って開けてしまい、彼女の夢やキャリアを奪い去ってしまいます。さらに最悪なのは、その事実を隠したままジムはオーロラと恋人関係に発展していったことです。その一連の行為は、劇中でオーロラも指摘したように、概念的には「殺人」の一種といっても過言ではないですよね。

上映以来、日本やアメリカなど様々なネット上の感想をチェックしてみましたが、本作では二人の恋愛関係よりも何よりも、ジムの取った行動に共感できず、映画全体の評価を下げている人が非常に多かった印象です。

僕個人としては、ジムの行動は確かに許しがたい重大な犯罪的行為だけど、その後身をもって贖罪が完了しているので、映画ラストでオーロラが彼を許したのは妥当だと判断しました。

画面を良く見ていると、ジムはハッチを開けた直後や、最初に歩き回る彼女を見た時など、彼女を騙している最中でも時折後ろめたさや後悔の表情を浮かべているんですよね。さらに、嘘が発覚してからは、ひたすら彼女に謝罪し続け、彼女を喜ばせようとやれることは全部やっていました。

ガスの死後、死を覚悟して船外で高音の炎に焼かれ、彼女だけでなく船員5000人の命も救いました。その上、発見した休眠ポッドもオーロラに譲ろうとしています。

ジムは決して悪人だったのではなく、精神的に未熟だったので、一度過ちを犯してしまっただけのこと。「人命」という観点では、間違いなく彼自身が犯した罪=「1人の命を奪った」ことに対して、死を賭して「5000人以上の乗員の命を救った」ことで、十分許されるだけの贖罪は完了した、と考えます。

ただ、物語上では、ジムが贖罪を果たす以前に、すでになし崩し的にオーロラはガスのことを許し始めており、危機に対処する時にはすっかり元の恋人同士のような関係として御都合的に描かれていたので、心理描写としては少し軽く、安易に感じます。

また、最初にジムが確信犯的にオーロラのハッチを開けてしまうまでの時点で醒めてしまって、その後作品自体がどうしても楽しめなかったという人がかなりいたので、その意味でももうひとひねり脚本に工夫が必要だったのかなとも思いました。

4-4.ストーリーや設定がご都合主義的でツッコミどころも多かったけど、個人的には満足しました

良い意味でも悪い意味でもスイーツ映画にありがちなご都合主義な展開は、見ていて苦笑いせざるを得ませんでした。二人の関係が膠着状態に陥った時、突然第三者としてガスが目覚め、管理者IDを渡したら、わずか2時間後に多臓器不全でさっさと死んでしまったり、都合よく予備の休眠ポッドがみつかったり。

さらに、よくよく考えたら船内のフェールセーフ的な対策が弱すぎるのでは?と思わされる設定も多かったです。5000人以上が乗る100年間以上の巨大移住プロジェクトなのに、冬眠ポッドの予備が1つしかなかったり、サポートクルーが全員寝ていたり、カスタマーサポートが事実上意味をなしていなかったり、トラブルへの備えが致命的なのではないかと思わされます。

アラを探せば、このように山ほど出てきてしまう映画なのですが、それでも個人的にはまずまず楽しめる作品でした。巨大なセットを組んだ船内・船外の近未来的風景は、ハリウッドのブロックバスター映画じゃないと絶対に堪能できないハイレベルなものだったし、超長期間での星間連絡船の中で起きたワンシチュエーションをめぐる極限状態の中での人間ドラマは、完璧じゃないにしても見ごたえがありました。

5.伏線や設定などの考察・解説(※ネタバレ有)

5-1.本作は、ストックホルム症候群の典型的事例?

本作のような状況について、アメリカのレビューサイトでしばしば引用されていたのが「ストックホルム症候群」という精神医学用語です。誘拐事件や監禁事件などの被害者が、凶悪犯と犯行現場で長時間共に過ごすことで、犯人に対して逆に同情や好意等を抱いてしまう現象です。たとえば、過去の日本でのケースでは「よど号ハイジャック事件」「三菱銀行人質事件」などが有名な「ストックホルム症候群」の事例だと言われています。

密閉空間で犯人と長時間の非日常的体験を共有したことで、犯人の心情や事情に深く共感し、信頼や愛情を感じてしまう心理的な動きは、まさに本作でオーロラがジムに再び強く惹かれ、彼を許し受け入れていく過程そのものでした。そういう意味で、本作は特殊な環境下での人間の不条理な心理の動きを上手く表現しているとも言えそうです。

5-2.ハリウッドの「ブラックリスト」からの脚本起用とは?

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(引用:http://www.filmfestivaltoday.com/business-to-business/the-hollywood-black-list

ハリウッド界隈で出回っている、「優れた脚本だけれど、まだ映画化されていない」脚本リストは業界の中で通称、ハリウッドの「ブラックリスト」と呼ばれているそうです。

近年、このリストの中から映画化された作品はかなりの高打率で賞レース常連となったり、大ヒット作になることが知られており、2017年公開予定では、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」「ジャッキー」「メッセージ」など、話題の待機作が目白押しです。

そんな中、本作「パッセンジャー」も、ベースとなるジョン・スパイスが書いた原作脚本は毎年更新される「ブラックリスト」常連作品だったそうです。過去に、エミリー・ブラントとキアヌ・リーヴスで一度話が進みかけたけれど、頓挫した経緯もあったとのこと。

そんな優秀な脚本でしたが、なんとなく今作は「恋愛」作品なのか「心理サスペンス」なのかハッキリしないところもありました。実は、オリジナルはもう少しカタストロフィックで、かなり暗いトーンだったようです。

5-3.元々のオリジナル脚本の内容を少し紹介

では、元々のオリジナル脚本の中身は、どう違ったのでしょうか?主な違いは、ガスが出演してからクライマックスにかけてのシーンがより悲惨で厳しい内容だったようなのです。箇条書きにしてまとめると、こんな感じ。

◯ガスは、過去に何度も超長期間での星間飛行のクルーを務めており、年齢は800歳になろうとしていた。
◯ジムが反応炉からの放出熱で焼かれ船外に放り出されるシークエンスはなく、代わりに二人はメインコンピュータのシステム不具合を修正する。
システム不具合の修正ミスで、宇宙船のメインコンピュータは乗客・クルーのすべてのポッドを宇宙空間に排出してしまう。
◯結果、彼ら二人だけが宇宙船「アヴァロン」に残された「アダムとイブ」状態になってしまう。
◯エンディングでは、「ホームステッド2」に無事到着する。
◯そして、沢山の人間が宇宙船から降りてくる。すなわち、ジムとオーロラの子供や孫などの子孫たちだったー。

オリジナル脚本の方が、より極限下における人間の心理や選択に迫るダークな作品となっており、代わりに恋愛要素は薄まっていますね。描き方次第ではトンデモ映画になってしまいますが、僕はオリジナルの結末の方がより考えさせる深い作品に仕上がった可能性があったかなと感じました。

5-4.「人命」についての価値観を揺さぶる作品が得意なモルテン・ティルドゥム監督

モルテン・ティルドゥム監督の前作は、アカデミー賞にもノミネートされた、第二次大戦下~戦後に生きた不運な天才数学者、アラン・チューリングの伝記映画「イミテーション・ゲーム」でした。

作品の中で、ドイツ軍の難攻不落とされた暗号化無線機「エニグマ」の解読に成功したチューリングは、MI6らと熟慮した結果、解読したことをドイツ軍に悟らせず、決定的な局面だけで情報を活用するため、直近の局地戦での友軍達の危機は知っていて敢えて放置します。

戦争に勝ち、将来の沢山の命を救うという大目的のためには、目前の小さな犠牲は許されるのか、人命の重さや我々の価値観を大きく揺さぶる場面が描かれました。

本作「パッセンジャー」でも、孤独と絶望の中、極限の精神状態下における「人命」の扱われ方について深く考えさせられるなど、前作「イミテーション・ゲーム」と「人命」の価値、という点でテーマに共通項を感じました。

ちなみに、こちらも「ブラックリスト」からの映画化作品です。

6.まとめ

「恋愛映画」と「心理サスペンス」の合いの子のような本作は、最終的にどっちつかずな感じがなきにしもあらずでしたが、120年間の移住船という設定、美麗な巨大セットでの美男美女の葛藤は、間違いなくハリウッドのブロックバスター映画でしか味わえない映像体験だと思います。是非映画館の巨大スクリーンで見てください!

それではまた。
かるび

他にもレビュー書いてます!
【映画レビュー】2017年4月現在上映中映画の感想記事一覧

7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

クリス・プラット、ジェニファー・ローレンス主演映画は、まとめてU-NEXTで!

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