あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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はてなブックマークは新聞の代用品になり得るのか?調べてみた結果・・・

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かるび(@karub_imalive)です。

最近、会社を辞めてから人付き合いが減りました。仕事を通じて色々な情報が入ってこなくなった分、自分で情報収集を強化しないといけないなと思って、8年ぶりに新聞の購読を再開しました。

時間もたっぷりあるし、ここは自己投資だ!ということで、毎日朝にコンビニに行って、読売・朝日・毎日・産経・東京の5紙のうち、その日の気分でランダムに3紙購入しています。3紙で400円弱と、バカにならない出費ですが、まぁタバコよりは安いからいいかと・・・。

全部精読すると3紙で1時間以上かかるんですが、そこは自主サバティカル中の身。時間はまぁまぁ自由なわけです。まるで一昔前の大企業の部長さんのように、朝からコーヒーをすすりながら目を通しております。(しかし言うまでもなくコーヒーを入れてくれる人はいない)

その一方で、僕ははてなブックマークも愛用しております。去年の9月から本格的に使い始めて、ブクマした記事が6000ちょっととなりました。使い方はともかくとして、それなりに使い込んでいる自覚はあります。

そこで気づいたのは、朝に新聞で読んだ記事が、はてブでもそのままホットエントリーや人気エントリに上がってきていること。新聞社各社のHPや、Yahooなどのポータルサイト経由でネット配信もされており、それがブクマされて上がってくる構図なのでしょう。

それが、結構な頻度なのです。

ふと思ったのが、「あれ?これ新聞とか読まなくても、もうはてブでよくね?」「はてブを定期巡回するだけで、新聞の代わりにならないのかな?」ってこと。そしたら新聞買わなくてもいいよね・・・

ということで、本当にはてブ生活だけでOKなのかどうか、ちょっと調べてみました。ちょっと長めですが、お付き合い頂ければ幸いです。

0.はてなブックマークの仕組みについてのおさらい

今回の記事を書くにあたって、まずははてなブックマークの仕組みについて再確認してみました。どこか、わかりやすい図表はないかな・・・とはてブ内検索(これ、使えますよね?!)をかけたところ、過去記事から非常にわかりやすい図を発見。はてブといえば、やっぱり『ゆとりずむ』様でしょう。早速、らくからちゃさん(id:lacucaracha)から転載許可を頂きましたので、援用させて頂きます。

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(引用:ホットエントリーの条件と効果についてまとめてみた - ゆとりずむ

はてなブックマークは、上記の図のように、時系列で、新着エントリー →→→ 人気エントリー(各カテゴリ) →→→ ホットエントリー(総合)と推移していきます。

はてな側から明確な数値は示されていませんが、おおよそ10ブックマーク以上つけば、最低限、各カテゴリーで人気エントリー入りする傾向にあるようです。その中から、さらに20~30ブックマーク以上が一定の時間内に集まれば、ホットエントリー(総合)へと載ってくるわけですね。

熱心なブックマーカーさんの中には、「新着エントリー」に上がってきた段階で、早々に記事をくまなくチェックして、ブクマする人もいることはいます。

ただ、大多数の一般的なはてブユーザーは、PC経由にせよ、スマホアプリ経由にせよ、目につきやすく、チェックしやすい「人気エントリー」以上のエントリを日々巡回することが多いかと思います。

 実際、上記の図にもある通り、「人気エントリー」入りすれば、忙しくてリアルタイムで見逃してチェックできなかったとしても、「日別ランキング」としてログが残ります。各カテゴリの「過去の人気エントリー」として、何年分もピンポイントで日別のログが追えるようになっています。

それを整理したのが下記の図です。はてなブックマークでは、下記のように直接URLを叩けば、あとからいつでも過去の人気エントリーを各カテゴリ別に参照できるようになっています。

★はてブ日別ランキングの各種URLf:id:hisatsugu79:20160620190528p:plain
YYYYMMDDには、取得したい日を代入。例:”20160522”

つまり、もしはてブを骨までしゃぶりつくしたい!というのであれば、これらを毎日手動でも自動でもいいので全部巡回しておけば、大半の人気エントリーを網羅して押さえることができるわけですね。

1.実際に新聞記事をカバーしているか確認してみた

では、はてなブックマークをチェックしているだけで、どのくらい新聞記事の内容をカバーできるのか、実際に確認してみたいと思います。

まず、新聞の全記事を確認するのはムリなので、ここでは、毎日の新聞記事のうち、特に昔から重要とされている、トップ記事である1面、1面の次の総合面(2面、3面)、それから、テレビ欄の裏にある社会面(左側ページ)、この4ページに絞って調査してみました。紙面で見ると、以下のとおりとなります。

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検証してみたのは、後追いでのブクマもほぼ落ち着いているであろう、ちょうど1か月前の2016年5月21日~5月24日までの4日間。読売・朝日・毎日の主要全国紙3紙をチェックしてみました。

これら3紙✕4日間✕重要4ページ分の、社説・連載もの以外の全記事を抜き出し、それら記事と同日のはてなブックマークの全カテゴリーの日別ランキング(=人気エントリー以上の記事)を比較し、どれくらいはてブが新聞記事に対応しているかどうか確認してみました。

2.思ったよりも高いカバー率

2-1:50%弱の新聞記事ははてブでキュレーションされている

ちょっと長くなりますが、調査結果を一覧表にしてみました。

各新聞の一面・総合面・社会面の4ページ分の全記事に対して、同日の人気エントリー以上の記事を比較し、はてブ側で対応していた場合はブクマ数と掲載カテゴリを記載しました。

 ★調査結果(5月21日~5月24日、全130記事)
※下記「対応」欄の見方
◎→新聞記事そのものがブクマされている
◯→同内容の記事(他社や通信社など)がブクマされている
△→多少内容が違うが、似たような記事がブクマされている
※黄色背景に「赤」字は、ホットエントリー(総合)掲載記事
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 長々と一覧表を貼ってしまいました。
一番下のまとめ欄にある通り、ホットエントリー(総合)だけを見ていては、世の中で起こった大事件以外、ほとんどの新聞系の記事は拾えないようです。(カバー率21.54%)しかし、人気エントリの記事まで手を広げてくまなく追っていくことで、重要な新聞記事は約半分(46.92%)までカバーできることがわかりました。

2-2:「政治と経済」「世の中」を押さえろ!

昨今、はてなブログのホットエントリー入りの割合が高まり、はてなブックマーク自体のニュース性が薄れているようにも感じていましたが、意外と新聞が取り扱うようなストレートニュースにもはてブは強いのです。適当なまとめサイトやバイラルメディア、2chをあっちこっち見ているよりは、余程効率的で役に立つと思われます。

また、新聞系の報道記事がキュレーションされるカテゴリは、圧倒的に「政治と経済」「世の中」に偏っているので、この二つのカテゴリの「人気エントリー」を見ておけば、ニュース系の記事はまずまず網羅できるといえます。もう少し「テクノロジー」「暮らし」にも分散されているかと予想していましたが、意外でした。

3.なぜはてなブックマークでは新聞購読の代わりにならないのか

とは言っても、やはりはてブだけだと、新聞の代わりにまではなれないわけです。50%以上の新聞記事は、はてブではキュレーションされません。それは概ね以下の3つの理由が挙げられると思います。

3-1.はてブと新聞の性質の違い

はてなブックマークは、ニュースサイトではなく、あくまでソーシャルブックマークサービスなわけです。はてブでキュレーションされる記事は、基本的にはユーザー一人ひとりの選択により、人力で民主的に選ばれ、後で見返して役立てられるための「アーカイブ」的な性格を強く持っています。したがって、リアルタイム性や細かい報道への対応、というところでは、趣旨がずれてくるわけです。

はてなブックマーク - 人気エントリー - 2016年6月19日

実際、2016年6月19日のホットエントリー(総合)のリストを見てみると、ランクインしている全50エントリ中、ニュース性の高いストレート記事は下記6件と、全体の12%に過ぎません。

それ以外の44件は、ブログや雑誌などのオピニオン系の記事や生活や仕事に関連したまとめ系記事、または、Twitterや増田などのつぶやき・雑記等で占められています。

これに対して、新聞は、最近こそハッキリとした主張をするようにはなってきましたが、伝統的に中立な立場から事実ベースのニュース報道の配信が中心となります。少なくとも『保育園落ちた、日本死ね!』とは一面には書いていないわけで・・・。

そもそもメディアとして全く性格の違う媒体だってことですね。

3-2.はてブは事件の途中経過を追わない

まとめていて感じたことですが、世の中の大きな事件(特に新奇性の高いもの)については、はてなブックマークも新聞も、両者同様に「速報機能」を備えているように思います。

ただし、初回報道以降が、新聞とはてなブックマークでは動きが違うのですよね。新聞は、事件が発生してから、その事件が一通り解決するまで、中間の取材でわかった新事実を小出しに掲載していきます。

これは、新聞社の「特オチ」(情報を他社に抜かれること)を嫌う特有な性格が大きいと思います。基本的には、社会的にインパクトの大きい事件については、その中間段階も盛んに報道が積み重ねられて、こまめに報道される傾向にあります。f:id:hisatsugu79:20160620215327j:plain

これに対して、はてなブックマークの場合はわりと最初と最後だけブックマークが集まりやすく、事件の中間段階ではしつこくホットエントリーすることはありません。未確定な情報は、あとで見返す必要があまりないからなのでしょうね。

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はてブでキュレーションされる新聞記事のカバー率が50%程度にとどまるのは、大きなトピックや事件が起こった時、その中間段階の分析記事ははてブでは無視されがちだからと言えそうです。

3-3:想定ユーザ層の違い

よくよく見てみると、新聞とはてなブックマークでは、ユーザ層/読者層が全く違っています。これも100%はてブで新聞を代用できない要因かと思われます。

はてなメディアガイド2016年7月-9月版によると、はてなブックマークの典型的なユーザ層は、IT系企業に勤務している30代~40代で、男女比はほぼ2:1位で男性が多めとなっています。

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したがって、キュレーションされてくる記事も、IT系の記事やアニメ・ゲーム系の記事、労務系・経営系の記事が多めになってきます。

それに対して、新聞の購読者層は、50代以上が中心です。例えば、1日15分以上新聞を読む、とアンケートに回答した人たちの割合をグラフにした「新聞行為者率」を見ても、20代、30代の若い人はほとんど新聞を読んでいないことがわかります。

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(引用:新聞購読率減退中、2015年では高齢者すら減る(2016年)(最新) - ガベージニュース

実際、久々に新聞購読を再開して驚いたのは、老人向けの生活記事や消費財系広告、IT初心者向けの記事が非常に多かったこと。はてブでキュレーションされてくる記事とはやっぱり全体的に違いがあります。例えば、いまだに土日の特集ページだとタブレットやスマホ初心者向けの特集が組まれていますので。はてブユーザーには物足りない記事がかなり多め(笑)

このように、これだけユーザ層が顕著に違うと、そこで好まれ、取り上げられる記事の性質もおのずと違って来るわけですね。

4.まとめ

久々に新聞を購入してみて、「あれ、意外と記事内容がはてブとかぶっているぞ」とは思ったものの、やはりはてブで新聞の内容を全部カバーするのはムリがありました。

より詳しく見ていくと、やはりはてブにははてブの、新聞には新聞の特性、短所/長所が見えてきます。結論としては、どちらもバランス良く、その特性を踏まえた上で上手に活用していくのが上策のようです。

ただし、忙しくて新聞を読むヒマがなければ、はてブの人気エントリー「世の中」「政治と経済」の2カテゴリをなんとなく眺めておけば、それなりに情報収集は最低限出来てしまうのかなと。

結論:はてなブックマークは結構役に立つ。

新聞についてはいくつか別途書きたいことがありますが、長くなりましたので今日はこのへんで。それではまた。
かるび