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東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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「君の名は。」展の感想/手堅いけどサプライズ感はなし。もう一つ工夫が欲しかった!

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かるび(@karub_imalive)です。

3月8日にから2週間限定で松屋銀座にて始まった「君の名は。」展。アニメの原画、設定資料集を中心に、手堅くまとまった巡回展でした。

ただし、サプライズ感があまりなく、マニアには恐らく食い足りない感じ。巡回している間に情報も古くなり、真新しさがないのは少し残念でした。展示内容には不満が残りましたが、その一方、会場限定のグッズ販売等は充実しているので、熱心なファンなら抑えておいて損はない展覧会ではあると思います。

以下、感想の中で、良かったことや悪かったことを率直に書いてみたいと思います。

1.「君の名は。」展の混雑状況と所要時間目安

アニメ・マンガ系の百貨店での展覧会で一番気になるのは、「混雑状況」です。僕が行ってきたのは、展覧会のオープンから少し経過した10時15分頃。かなりガヤガヤ人がいる感じですが、身動きがとれないほどでもなく、入場待ち列もありませんでした。

入口近辺(10時15分)
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物販コーナー(10時15分頃)
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今回の「君の名は。」展は、これまで小海町、飛騨とすでにいくつか各地を巡回してきた3つ目の巡回先であること、映画が公開されて一番「熱い」時期は過ぎていることもあって、懸念したほどではなかったです。

ただし、土日はかなり混雑すると思われますので、気になる方はローソン(Lコード:33957)にて事前に購入してから行くと良いと思います。

展覧会の内容自体は、下記でも触れていますが、やや既視感のある平凡な内容。いつも展覧会で結構粘る方なのですが、今日は20分程度で見終わってしまい、あっさりと出てきてしまいました。入場制限などがなく混雑していなければ、30分~60分あれば大丈夫だと思います。

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2.「君の名は。」展の内容

もうすでにご存知だと思いますが、2016年~2017年にかけて、約250億円の興収を叩き出した新海誠監督の大ヒット映画「君の名は。」を特集した展覧会です。

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マンガやアニメのいわゆる「原画展」だと思っていただければと思います。展覧会のコンテンツの大部分が写真撮影禁止だったので撮影できていませんが、困ったときに結構お世話になっているInternet Museumさんが取材された動画がありましたので、紹介しておきます。

以下、展示順にひとつずつ感想を書いてみたいと思います。

新海監督がこれまで手掛けた映画の紹介パネル

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ファンならすでに頭に入っている基本事項ではありますが、入口外の壁面に過去作品のサマリーを紹介するパネル展示がありました。これは、展示室外なので、写真撮影OKです。

企画書ボツ案(2014年度当初のもの)

f:id:hisatsugu79:20170309085353j:plain(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

公式サイトでも紹介されていますが、2014年7月になって、新海監督が最初に提示した企画案です。『夢と知りせば(仮)-男女とりかえばや物語』と題された企画書の実物が展示されています。公式サイトに書かれていた内容そのままなので、もうひと工夫欲しかったところ。

映画の台本

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(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

映画の台本も展示されています。ただ、毎日ページを変えて展示替えするとか、実際に手にとって読めるようにするとか、地味な分、もうちょっと展示を工夫してほしかったところ。

新海監督のインタビュー動画

展示コーナーの最初のあたりと奥の方に動画を放映するモニターが2台置いてありました。ただ、導線の途中に置いてあるので障害物になって渋滞の原因になっている上、ざわざわしていると音声が小さすぎて全く聞こえません・・・。これは要改善だと思われます。

新海監督による絵コンテ

f:id:hisatsugu79:20170309012145p:plain(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

新海監督、やっぱり普通に絵がうまいんだなぁという感想。秒単位で細かく書かれているため、これを100分用意するだけでも途方もない時間と労力がかかるのだな、と実感させられます。

各種設定資料集

f:id:hisatsugu79:20170309011916j:plain(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

展示されているのは、以下の資料集です。

◯安藤雅司氏らによるキャラクター設定資料
◯三木陽子氏らによる色彩設計資料
◯岩崎たいすけ氏らによるプロップ設定資料
◯各種美術設定資料

このあたりは、すでに出版されている各種ガイドブックで網羅されているため、あまり真新しいものでもなかったかなと。そうは言っても原画展としては外せない展示ではあると思うので、見たいところだけ拾って見ていくのがいいと思います。

ただ資料が並べてあるだけの淡白な展示なのは、非常に惜しかったです。各種担当者の思い入れやエピソード紹介などのキャプションが少しでもあれば、展示がより締まって良かったかなと思います。

美しい風景のセル画展示

f:id:hisatsugu79:20170309011831j:plain(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

新海監督といえば、超美麗な風景描写に定評がありますが、今作で一番キラキラした場面のセル画を選りすぐって展示してあります。アニメ表現の限界まで攻めた精密な描写なので、ちょっとした写真展みたいで面白かったです。

組紐の組台(★おすすめ)

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(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

本作のキーアイテムとなった「組紐」。映画前半部分では、三葉や四葉が巫女として組紐を作るシーンがありますが、組紐を実際に作るための「組台」が、豊島区で江戸組紐を手がける「平田組紐」から実物出展されています。映画では、実際にこの組台を使って組紐が製作されるシーンの「音」を収録して使っているのだそうです。

巫女舞の実演シーン(★おすすめ)

三葉・四葉が神社で神楽を踊るシーンの振り付けは、歌舞伎役者の中村壱太郎が手がけています。今回展示では、中村壱太郎による実演と、その実演シーンを元に作られた絵コンテが展示してありました。これはちょっと面白かった。

劇伴音楽

f:id:hisatsugu79:20170309012505j:plain(引用:https://www.youtube.com/watch?v=8LzwpSuJGRk

RADWIMPSによる劇中歌4曲の歌詞がそのままパネルとして貼ってありました。いや、それはもうみんなネットで調べるし、熱心なファンは既にサントラを持ってるからいいんだけど・・・。RADWIMPSの最近のコメントとか、まだ出てきてない制作秘話とかそのあたりを紹介したり、音源やMVのしっかりした試聴コーナーを作ったほうが物販にもつながってよかったのではないかと思います。

記念撮影コーナー

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展示スペース内に1つ(学校の黒板)と展示スペース外に1つ(瀧と三葉の等身大パネル)あります。展覧会内で撮影できるスペースが最後に1つでもあったのは良かったです。

展示スペース内の撮影コーナー
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展示スペース外の撮影コーナー
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3.物販・グッズコーナーは充実!

ここまで見てきたように、展覧会自体は、あっさりしたオーソドックスな原画展です。必然的に、来場者の主戦場はグッズコーナーになるんじゃないかと思います。

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グッズコーナーは、見ての通り同一のアイテムは購入が3つまでに制限されていました。会場限定グッズが多数販売されているため、転売屋さんがやんちゃしすぎないように、こういった措置は非常に大事。グッズは質・量ともにかなりの広さと在庫が確保されており、会期前半であれば問題なく買えると思います。

目についたものをピックアップしていきます。

メモ帳
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スマホホルダー
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スマホケース
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チョコレート
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宮水神社 甘酒(口噛み酒ではありません/笑)
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新海作品のノベライズ・DVD・マンガなど
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クリアファイル
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これらの他にも、Tシャツ、ポスター類、カレンダー各種、ジグソーパズルなど、まだまだ沢山会場限定品がありました。コレクターは要チェックだと思います。

4.全体的な感想:個人的にはやや不満な展覧会だった

結論から言うと、今回の展覧会は、いわゆる「展覧会」独特のワクワク感や五感で感じられる楽しさがあまり伝わってこず、やや不満な出来でした。

今回の展覧会で一番問題だと思ったのは、展覧会として「手作り感」や「展示の工夫」がほとんどなかったこと。いろいろな資料を借りて展示するだけでなく、製作した当事者にもっと積極的に関わって展覧会を作ってもらう努力をすべきだと感じました。

また、小海町から始まり、飛騨、東京と巡回する中で、映画「君の名は。」を取り巻く状況も刻一刻変わっていっているはずですが、網羅されている情報が2016年秋の時点で止まってしまっています。せめて巡回するタイミングで、最新情報をフォローして展示内容に積極的に追加していく配慮が必要だと思いました。

前売500円と小規模な展覧会だからなのか、ほぼ物販即売会的な要素が強く、「とりあえず展示は並べておけばOKだろう」という意識がどうしても見え隠れした展覧会でした。

5.まとめ

最近、他の美術展で神がかった展示を沢山見すぎたからなのか、「君の名は。」展は少し残念に感じてしまいました。ただ、少し作りが淡白で雑だっただけで、展示としては必要最低限見せるべき内容は網羅しているので、決してぜんぜんダメなわけではありません。グッズ購入を主体に考えて、展示は興味のある箇所だけサッと流して見るくらいで丁度良かったのかなと思います。

それではまた。
かるび

展覧会開催情報

「君の名は。」展は、現状未定ですが、おそらく東京展の後も各大都市の百貨店等を順番に巡回していくものと思われます。映画公式サイト等をこまめにフォローしておくと良いでしょう。

◯美術館・所在地
松屋銀座8Fイベント会場
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7
◯最寄り駅
地下鉄銀座駅・東銀座駅など
◯会期・開館時間・休館日
2017年3月8日~3月20日(会期中無休)
※最終日は17:00閉場、入場は閉場の30分前まで。
10時30分~20時00分(入場は30分前まで)

◯公式HP
http://www.matsuya.com/m_ginza/newinfo/information/2017/01/20170103_100100.html

◯Twitter
https://twitter.com/kiminona_movie

◯美術展巡回先
■未定ですが、恐らくあと数カ所巡回しそうです。