あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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圧迫面接はブラック企業のサイン!対応策を考えるよりも選考辞退がベスト!

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かるび(@karub_imalive)です。

久々に元採用担当として、就職・転職ネタについて書いてみたいと思います。

さて、今年の新卒採用も、労働市場の逼迫から、史上最高にせまる学生側の売り手市場でしたね。ただ、気になったのは相変わらず様々なニュースや統計データで見る限り、前近代的な「圧迫面接」が根強く残っていることです。

そこで、ネットで「圧迫面接」について調べると、たいていは「圧迫面接」をどう乗り切るのか?というノウハウはたくさん検索結果に出てきます。どれも役に立つ良いマニュアルが多いのですが、どうもアドバイスとしては「本質」ではないような気がしていました。

それはそれで大事なのですが、より大切なのは、「圧迫面接」と出会ったら、そもそもその会社に行くべきなのかどうなのか?を考えるべきだと思うんですよね。その場を”うまくやる”、”乗り切る”というコミュニケーションレベルの技術論は二の次でいいのかなと。

今日は、ちょっとそのあたりを詳しく書いてみたいと思います。

0.企業の圧迫面接を取り巻く状況

まず、このデータを見てください。2014年度のダイヤモンド・オンラインの調査では、就職活動中、圧迫面接を実際に受けたことがある人が、約12%いるとされています。

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(引用元:http://diamond.jp/articles/-/49305

これは、単純に10社に1社が圧迫面接をしている、というわけではありません。一人が10社、20社と選考を受ける中で、1回でも圧迫面接を経験した人の割合なので、実際に圧迫面接を行っている企業は、全体の数%程度にとどまるでしょう。

これは、一時期に比べるとかなり減ってきた印象ですが、それでもまだまだ圧迫面接が採用面接の場で行われていることがわかる、リアルな数字です。

1.そもそもなぜ圧迫面接は行われるのか

色々な状況や理由で圧迫面接は行われますが、圧迫面接が行われるシーンは「意図的に行うケース」か、「偶発的に行われるケース」に分かれます。

1-1.意図的に行われているケース

 圧迫面接が意図的に行われる理由は、主に「入社してからのストレス耐性を見たいから」という企業側の都合です。入社してから、上司の厳しい叱責や厳しい業務形態ですぐに精神的に病んだり、心が折れてしまう人材であっては困りますよね。だから、採用選考の段階で、求職者にあえて厳しい質問を投げかけて、どう反応するかで、心の強さを見ているのです。

1-2.偶発的に始まってしまうケース

最近増えてきたケースは、意図的にではなく、「偶発的に」圧迫面接が始まる場合でしょう。むしろ、こっちのほうがタチが悪いのかもしれません。

訓練が行き届いていない面接官や、中小企業の経営者の場合は、選考希望者の受け答えが気に入らなかった場合、その場で説教を初めたり、イライラを「立場の弱い」求職者にぶつけることがしばしばあります。あるいは、単純に虫の居所が悪くて面接官の態度が悪かった、ということも。会社として面接の方針がちゃんと定まっていないか、統制が取れていないため、採用現場の暴走によって圧迫面接が行われてしまうケースですね。

実際、僕が以前勤めていた会社でも、圧迫面接は固く禁じていましたが、目を離したすきにオジサン管理職の独演会や説教タイムになっていたケースが少なからずありました(汗)

2.普通の会社が圧迫面接を採用しなくなった4つの理由

とはいえ、圧迫面接は、以下の4つの理由によって、現在では企業が採用活動をする際に割に合わないものになってきており、デメリットが大きすぎるのです。時代にそぐわない手法になってきているとも言えるでしょう。それでは、なぜ、圧迫面接が使われなくなってきたのか見てみます。

2-1.理由①:コンプライアンスリスク

ここ10年ほどで、雇用対策法や男女雇用機会均等法などの一連の労働法規において、性別や国籍、年齢などによる差別が厳しく制限されてきました。また、個人情報保護法や企業統制の考え方から、ハッキリと圧迫面接のような差別的発言やパワハラ的な要素が前に出やすい手法がとりにくくなってきています。

また、訴訟や行政指導リスクもあります。圧迫面接に怒った求職者が、労働基準監督署へ報告したり、訴訟を起こす可能性があるからです。これまでに企業側の明確な敗訴ケースはないものの、訴訟を起こされたり、労基署の立入検査があると、その対策に莫大な時間が取られてしまいます。

現に、差別問題に非常に敏感な大阪労働局では、ホームページ上で、実際に不適切な圧迫面接により行政指導を入れた実例を複数掲載しています。

★行政指導を入れた実例のキャプチャ画面f:id:hisatsugu79:20160817161137j:plain
(引用元:就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例 | 大阪労働局

2-2.理由②:選考辞退リスク

圧迫面接を仕掛ける方はともかく、やられた側の求職者はいい気持ちがしないものです。圧迫面接の結果、選考合格となったとしても、現在圧倒的に求職者側有利な「売り手市場」な状況下、他に求職者が内定を複数持っているケースも増えています。

冷静に比較検討したら、いやな思いをした会社をお断りするのは自然な流れですよね。したがって、圧迫面接は「選考辞退」率を非常に高めてしまうのです。

実際、「圧迫面接が行われているという噂を見た・聞いた」ら、全体の27.9%の学生が「絶対に就職しない」と最新のネットアンケートで回答しています。

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★引用元:学生に聞いた「就職活動に関する調査」
http://www.technopro-construction.com/shared/pdf/ishikichosa160601.pdf

2-3.理由③:ネット等の風評リスク

また、圧迫面接を行った結果、ネット上で悪いうわさが立ってしまうと、そのログは簡単に消えてくれません。Google検索でずっと表示されてしまうのは、思ったより企業側に痛手なのです。明らかに採用活動全般に悪影響を及ぼします。

Googleに、企業名を入れた時、サジェスト機能の一番上に「ブラック」と合わせて表示されてしまったりするわけです。(モザイク部分は企業名)

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さらに、ネット上では2chやみんなの就職など企業の口コミを集めているサイトなども増えており、それらログが半永久的に残り、次の世代に情報が引き継ぎされてしまうのです。

2-4.未来の顧客を失うリスク

加えて、圧迫面接を行う会社が、消費者への物販やサービスを展開するBtoC系企業だった場合、将来の大事な顧客を失うリスクもあります。いやな思いをした会社の商品を買うわけありませんからね。

まぁ、こんな感じになりますよね。

3.時代錯誤な圧迫面接を続ける会社はブラック企業以外の何物でもない

そんな状況でも、なおも圧迫面接を実施する会社ってどういう会社なのでしょうか?

一言で言うと、「ブラック企業」と表現するしかないと思います。

というのも、圧迫面接の現場を通して、その会社が確実に「ブラック企業」であるサインを読み取ることができるからです。その企業の「本質」や「地」が知らず知らずの間に隠しきれず面接の場ににじみ出ちゃっているんだと解釈します。

3-1.入社してから確実に面接以上のパワハラが待っている

そもそも、採用面接も、基本的に通常の商談などと同じく、社外の「お客様」とのコミュニケーションの現場であることは変わらないわけです。そんな「お客様」とのコミュニケーションですらパワハラや差別発言の横行を許す会社なら、通常の社内での人間関係はどうなのでしょうか?

パワハラ、セクハラや行き過ぎた叱責、懲罰的な指導がそれ以上のレベルで行われていることは容易に想像がつきますよね?

3-2.コンプライアンス軽視で、労働条件も良くないことが予想される

ここ数年の企業統制、コンプライアンス重視の流れから、悪手となっている圧迫面接を野放しにしちゃっている、あるいは意図的に会社を挙げて取り組んじゃっているというのは、やはり「法令遵守」「モラル」に対するネジがとんじゃっている証拠なのではないかと推測できます。

当然、そんな会社なら労働法規への意識も低いことが予想されます。サービス残業や理不尽な業務指示なども横行していることが多いでしょう。

4.圧迫面接を受けたら即日辞退をおすすめします

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したがって、圧迫面接と出会ったら、それはもう「どう、このつらい面接を乗り切るか」考えるのではなく、「この会社に入社してもいいのか?」というより根本的な問いを持つべきです。

もちろん、僕のオススメは、何があっても「即日辞退」です。他にも良い会社が一杯あるのに、わざわざリスクだらけの会社にもやもやしながら入社しても仕方ないと思うからです。

4-1.圧迫面接を辞退することは「逃げ」ではない

そもそも、普通の会社に入っても「ストレス耐性」を試されるような辛い局面は、普通に仕事をしていればどうしても多かれ少なかれ避けられないものです。担当する取引先がきつかったり、周囲との人間関係で悩むことだって多いわけですよね。

だから、あえて圧迫面接を仕掛けてくるような、精神的負荷の高そうなリスクのある会社を選ばなくてもいいのではないでしょうか。それは、安易な逃げではなく、自分にとってより理想的なキャリアを選ぶ際の理性的な「選択」なのではないでしょうか。

4-2.大企業であってもキツくて将来性がない会社にいたいですか?

判断に迷うのは、名だたる有名企業・大企業が圧迫面接を仕掛けてきた時。給与・福利厚生も良さそうだし、辞退するのはもったいないと思うかもしれません。

でも、本当に優良な大企業はすでに「企業統制」「コンプライアンス遵守」の観点から、圧迫面接を意図的にしつこく仕掛けてくることはありません。

大企業だからといって、「圧迫面接」が許されると考えるのなら、その立場に甘えているわけですし、従業員の人数がただ単に多いだけで、将来性のない三流企業だと判断できます。

4-3.あなたが「圧迫面接」と感じたらそれが基準

では、何を持って「圧迫面接」と捉えたらいいのでしょうか?僕は、あなた自身の基準で測れば、それで良いと考えます。ある人によっては「圧迫されていない」と感じても、別の人には十分「圧迫面接」にカテゴライズされてしまうレベルになり得るなど、その基準は人によって違ってきます。

だから、最終的には自分の感覚を信じて、「あ、これはちょっと乱暴だな、嫌な感じだな」とか「一線を越えてきたな」とある種の違和感を感じたら、警戒してみてもらえればいいと思います。

5.まとめ

ここまで、圧迫面接について色々書いてきましたが、大事なのは、圧迫面接をする会社に本当に自分の身を預けちゃってもいいのか?ということです。時代錯誤的で、大半の会社が止めた圧迫面接をなおも続ける会社が、はたしてまともな会社なのでしょうか?

入社してから「しまった・・・」となるのでは遅いのです。迷っても良いとは思いますが、もし「圧迫面接」にあたってしまったら、いつもよりも注意深くその会社に行くべきかどうか検討してみることを強くおすすめします。

それではまた。
かるび