【2016年7月22日更新】
かるびです。
前職で中堅システム開発企業で採用担当をしていました。書類選考の際、一番重視していたポイントは「履歴書の顔写真」でした。でも、結構この「写真」について、割と軽視している人が多いのですよね。そこで、今日は「履歴書の顔写真が、なぜ書類選考で大事とされるのか」「顔写真の貼り方のコツ」などに焦点を当ててお話したいと思います。
僕が中堅SI企業の採用担当をしていた時は、毎日必ず数枚の履歴書に目を通す機会がありました。書類選考では、まずざっと履歴書をチェックして、良いなと思った人を1次面接へと進めていくのですが、そこで、いつも思うことがあります。それは、、、
履歴書の顔写真が残念すぎる応募者が多い
煽りじゃないのです。 想像以上にひどいです。ひどい、というかもったいない、と言ったほうが表現としては正しいかもしれません。
ざっと見て、5人に4人、つまり、約80%程度の応募者は、履歴書の顔写真のどこかに不備があります。単に切って貼りつけるだけの簡単そうに見える工程ですが、ビジネス用にフォーマルに対応しようとすると実に面倒なプロセスなんですよね。
そして、「写真なんて貼ってあればそれでいいだろう」と軽く見ている応募者があまりにも多い。(自分も新卒時や転職活動する時そんな感じでした)
求職者と採用担当者で意識のズレがある最大のポイントはこの履歴書の写真に対する重要性です。今日は、そのあたりを少し書いてみたいと思います。
採用担当者が書類選考で一番大切にする点
それが、履歴書の顔写真なんですね。単に写真撮って、切って貼りつけるだけ。簡単な仕事に思えますが、実は結構手間暇かかるし事務処理能力や志望動機等の差が如実に出てくるのがこの履歴書の顔写真なんです。
この点、他の会社の採用担当はどう考えているのかな?と疑問を持ち、採用担当者がたくさん集まるイベント等の場で、他社の採用担当にも実際に聞いて裏を取りました。すると、業界を問わず、少なく見ても半分以上の企業の採用担当者は、まず書類選考を行う際に顔写真の出来不出来を選考において一番大切なポイントにしている、とわかりました。
写真がなぜ一番大切な書類選考ポイントになるのか
1、応募書類開封後、一番印象に残るため
とにかく書類選考をする際に目立つからです。応募書類をあけて、まずパッと目につくのが貼付してある写真なんですね。だから、ここがしっかりした写真なら、最初の印象は良くなりますし、そうでないなら、「うーん」となるわけです。どうしても最初に見ちゃうので、写真から受ける印象がその後書類チェックをする際、それが先入観となって内容を見てしまいがちになります。
2、書類選考にかけられる時間はそれほどない
一般的に、企業の採用担当者は、企業における間接職=コストセンターだとみなされています。よって、少しでもコストを下げるため、企業の採用担当者は会社から命じられて他の隣接業務と職種を兼任していることが多いです。例えば、採用担当だけでなく研修担当や給与計算等の総務・人事系業務と兼任したり、営業担当と兼任したり。僕の場合も、営業職と兼任させられていました。
いろいろな業務を兼任していると、就職希望者から送られてきた応募書類に対しては、一つ一つじっくりチェックするための十分な時間を取ることが難しいのです。ぶっちゃけ、繁忙期などは1名の応募書類につき数十秒くらいしかチェックの時間がない時もあります。
すると、まず採用担当者としてパラパラっと書類を見た際に自然に目が行くのが履歴書上に貼付された「写真」なんですね。その他の項目を見る暇がない時は、まずは顔写真をしっかりチェックします。写真だけ見て、写真の出来不出来を根拠として、面接へ呼ぶかどうか最終的な決定打とすることも多々あります。
3、写真の出来不出来がなぜか入社後の活躍と直結する
これは多くの企業採用担当が経験的に理解していくのですが、写真に不備があった応募者を無理やり採用した場合、なぜか入社後もぱっとしないんですね。事務処理が苦手だったり周りとのコミュニケーションがダメだったり、色々な原因があるのだと思います。不思議なものです。一番大事な応募書類の肝となる写真をまともに貼れない人が活躍できるはずがない、と言ってしまえばそれまでですが、本当に不思議です。
どんな点をチェックするの?
いろいろありますが、ざっくり言うと下記の4点です。それぞれのチェックポイントと、ダメなケースを列挙しておきたいと思います。
1.写真うつり(良い表情かどうか、視線とか)
写っている写真の顔がイケていること。この場合、美人美男子である、ということではありません。そうではなく、その人にとって非常にいい表情で撮れているかを見るのです。会ったことないのにわかるのかって?はい。職業柄、大体見たらすぐわかるようになります。
<実際にあったダメなケース例>
2.写真内の服装
きちんとスーツで清潔感ある写真なのかどうかチェックします。清潔感のないよれよれの服装のまま写真を貼ってくる人、結構います。
<実際にあったダメなケース例>
3.写真のクオリティ
きちんとした写真屋さんで撮らず、1分間写真や自撮りしたものを貼るとすぐにわかります。視線や体向きの角度が変になってしまうんです。駅前の1分間写真でもきちんと撮影できていればOKです・・・が、上半身を含めた写真は、顔写真に比べると途端に難易度があがります。自分でやるとほぼしくじります。あれ、調節すごく難しいんですよね。
<実際にあったダメなケース例>
4.写真の切り方、貼り方
写真は、必ず定規を当ててカッターで切ってほしいです。目分量でハサミで切ると、必ず自分の癖が出てまっすぐに切れてないことが大半です。それを無理やり貼ってしまうと、急にダメな感じが醸し出されてしまいます。
<実際にあったダメなケース例>
デジタル補正は入れていいの?
これは良く採用イベントなどで応募者から聞かれますが、結論としては写真ソフト等でのデジタル加工補正は入れてOKです。理由としては、とにかく書類選考が通らなければ面接へ進むことができないからです。
実際に書類が通って、面接の場で、採用担当から「あれ、なんか顔違くない?」と思われたとしても、書類で落ちしまうより100倍良いですよね。実際に面接の場に来れているのですから。
一旦面接の場に出てしまえば、あとはトークでしっかりと挽回して印象付けることが十分可能です。でも、書類で落ちてしまえばあなたの良さも理解される機会は永遠にやってこないですよね。
また、有名な腕のいい写真屋さんは必ず補正を入れることを提案してきます。補正を入れたことにより見違えるようにきれいになるのなら、やったほうがいいでしょう。余談ですが、以前一度だけ韓国で合同企業説明会をやった時は、その進んだ技術と大胆な補正に圧倒されました。さすが整形大国。男女とも物凄く作りこんできてましたよ。
まとめ
書類選考は顔写真の出来が80%、残りの内容が20%位に思っていただければOKです。おそらく、応募者には盲点となっている書類選考の肝だと思うので、今日は強めに書いてみました。
これは、新卒採用・中途採用の両方で共通して使えるノウハウだと思います。どこかこれから採用選考受ける人は、費用と時間が許す限り、必ずベストな写真を準備して、履歴書に貼付してくださいね。書類選考の通過率が目に見えてアップするはずです。
それではまた。
かるび