かるび(@karub_imalive)です。
僕は仕事柄なのか性格なのか、結構多趣味な方です。
中にはおとなになってから増やした趣味もあるのですが、そのうちの一つが「クラシック音楽」。2009年からハマりました。
従来、音楽については中学生の頃からたまに洋楽全般やJ-POP、アイドル(笑)に寄り道しながらも、ヘヴィ・メタル一本だったのですが、結婚してから妻の影響で徐々に聴くようになっていったのでした。
クラシックにハマったきっかけ
きっかけは、仕事の不振でした(笑)
リーマン・ショックでIT業界(Sier)にも半年遅れで不況の波が押し寄せ、急にストレスフルな仕事が増えた時期でした。あの時は本当にひどかった。人、余り過ぎに辞めすぎで阿鼻叫喚でした。
採用担当をやっていたのに、採用の仕事は開店休業。採用しようにも既存社員にも割り当てるプロジェクトがないわけです。代わりに、ちょっとでも営業を強化するんだ!ってことで、気の進まない営業に回され、でも採用担当として半リストラに近い退職処理(というか退職勧奨に近いのもあった)にあたっていたので心も荒んでおりました。
その時に妻が聴いていたモーツァルトのピアノ協奏曲(27番だったかな)をたまたまじっくり一緒に聴く機会があり、「おおこれは心が落ち着く!」ということで30歳を過ぎていましたが、クラシック音楽に目覚めました。
クラシックも、ハマりようによっては、オーディオにカネをかけ出したり、古い音源漁りをしだすと「沼」の様相を呈してきますが、それほどお金がかかるわけじゃなくて、入りやすい趣味だと思います。
どこから入ったらいいのかわかりづらいよね
ただし、クラシック音楽って、最初は何から入ったらいいのかちょっと分かりづらいところがあると思うんですよね。自分の場合は、たまたま幼い時からピアノをやっててクラシックに詳しい妻がいたので助かりました。
入っていく際に「これはどうなの」「あれは上手なの」とか根掘り葉掘り聞けたわけですが、もしいきなり何のとっかかりもなければハマれなかったと思います。
じゃあどこから入ったらいいのか、ということなんですが、ずばりお薦めは「オーケストラ」でキャッチーで聴きやすい曲から入ることです。あ、これテレビのCMとかどこかで聴いたことがある!という曲が馴染みやすくていいと思います。
オーケストラ曲と言っても色々ありますが、聴きやすいのは18世紀後半のモーツァルト以後、19世紀一杯のドヴォルザークあたりまでが入門としては良いでしょう。
クラシック音楽も西洋絵画と同じであり、いきなり現代音楽を聴いても、サッパリわけがわからないです。絵画が19世紀終盤の「印象派」以降ワケがわからなくなって難解になっていくのと同様、クラシック音楽も概ね1920年以降は不協和音いっぱいの「現代音楽」であります。僕も徐々に挑戦していますが、まぁなかなか理解が追いつかない(笑)
ということで、前置きが1,000文字を超えてしまいましたが、このエントリでは、僕がリーマン・ショック後のつらい時期に聴いて心が満たされた、聴きやすくてわかりやすいオーケストラの初心者向け作品を幾つか紹介してみたいと思います。
初心者向けオーケストラ曲10選
1,ブラームス「交響曲第1番」
名前は知っているけど、定番って何があるの?って聞くと、なかなかパッと出てこない作曲家です。1800年代後半に活躍した寡作の大作曲家ですが、ベートーヴェン没後、30年程画期的な曲が生み出されず停滞していたクラシック界に、とうとう風穴を開けた金字塔的作品。本人もそのプレッシャーに悩みぬき、約20年かけて制作されたといいます。計算され尽くした譜面は圧巻。壮大な第4楽章の盛り上がりがとにかく好きで、本当に聞きまくりました。子供の胎教にも使いましたが、息子は当然「知らない」だそうです(笑)
2,ドヴォルザーク「交響曲第9番」"新世界"
この第9番は、チェコの大作曲家ドヴォルザークの最晩年の作品です。第2楽章は小学校の「下校時間」のアナウンスで昔良く使われていました。この第2楽章とともに、「下校時間になりました。気をつけて帰りましょう~」とよく学校で聞かされたものです。第4楽章の怒涛の盛り上がりも最高ですね。この副題”新世界”は、ドヴォルザークがニューヨークに数年間滞在した際に見聞きした「新世界」での情景を音楽にしたものだと言われています。また、日本では年末の「第九」に対して、新年明けた正月公演は「新世界」で始まるところが多いです。
3,ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」
全盲の天才ピアニスト、辻井伸行が幼少の時からオーケストラとの共演時に18番としていたロシアの天才作曲家のピアノ協奏曲です。聞き所は、第1楽章~第3楽章まで全部!ピアノの演奏者によって曲調がガラリと変わるのが特徴で、お薦めは、曲調から全面的に滲み出る優しさが心地よい辻井伸行の演奏です。とにかく癒される。浅田真央の2013年度の演技曲でもありましたね。
4,モーツァルト「交響曲第41番」"Jupitar"
ソロからオーケストラまであらゆる形態のクラシック曲をアホみたいに量産した天才音楽家モーツァルトの晩年の大傑作です。音量を下げ気味にして朝食と一緒に是非頂いてくださいませ。気分は高級ホテルでの優雅な食事をしている気分(?)にひたれるかもしれません。ちなみに、僕も気合を入れてモーツァルト大全集を買いましたが、なんと200枚組でした。その200枚の中でもやっぱり一番のお気に入りです。
5,マーラー「交響曲第1番」"巨人"
マーラーは、後の方の交響曲は複雑・壮大で通好みの難解で長時間なものが増えていくのですが(それはそれでスルメ盤的な良さがじわじわわかってくる)、初心者には壁が厚い。でも、クラシック聴いてるからには「このあいだマーラーがさぁ。。。」とか語ってみたいじゃないですか。そんな人にお薦めなのがこのマーラーの1番。若い時に作曲されたドイツ直系の正統派的でキャッチーなメロディラインはマーラーのオーケストラ曲全10曲の中でダントツの聞きやすさ。
6,シューマン「ピアノ協奏曲」
ベートーヴェンとブラームスのまさに谷間世代の作曲家。最後は発狂して自殺しちゃうんだけど、このピアノ協奏曲は発狂するすこし前、シューマン全盛期の時の作品。第3楽章などはうっとりするロマンチックかつ美しい旋律が怒涛の音密度で流れていきます。シューマンのピアノ協奏曲はこれ1曲だけど、彼が作った他の4つのフルオーケストラ曲よりもこっちのほうが完成度が高いような気がするな。
7,ショパン「ピアノ協奏曲第1番」
ピアノ協奏曲ばっかりですみません。好きなんで。で、これも本当に日本のオーケストラでは定番中の定番として演奏される曲です。ショパンといえばピアノ・ソナタ(ピアノソロ)が有名ですが、この第1番と、もう一つオーケストラ曲としてピアノ協奏曲を残しています。非常にキャッチーで、どこをどう聴いてもショパンらしいわかりやすい曲ですね。ただしピアノパートがとんでもなく超絶技巧なのは、ソロもコンチェルトも変わらないようです。
8,チャイコフスキー「交響曲第5番」
シューマン同様最後は非業の死を遂げてしまうチャイコフスキーですが、有名な曲が一杯ある中で、個人的にはこの第5番が一番好きです。どれを聴いてもわかりやすく、とにかくメロディーラインがしっかりしている親しみやすいチャイコフスキーですが、オーケストラ曲だと第4番~第6番が傑作との評価を受けています。特にこの第5番は起承転結がハッキリした名作で、第4楽章の最後の盛り上がりは生で聴くと鳥肌モノです。
9,ベートーヴェン「交響曲第5番」"運命"
ベートーヴェンは交響曲9曲とピアノ協奏曲5曲、どれも全てわかりやすく初心者にピッタリなのですが、お薦めはこの第5番と、第7番にしておきたいと思います。いわゆる「第9」は初心者にはちと長尺すぎて、第4楽章以降の盛り上がりまでにきっと寝てしまうでしょう・・・。第5番は最初から最後まで小学校の音楽の授業で耳にしたことがあると思います。「ジャジャジャジャーン」というやつですね。
10,ベートーヴェン「交響曲第7番」
最後はおなじくベートーヴェンの第7番。少し前になりますが、クラシックを題材にしたヒット漫画「のだめカンタービレ!」のアニメ化された際のオープニングテーマにこの第一楽章が使われて、CDが結構売れてクラシックファンの裾野が広がったことがありました。こちらも「静」と「動」のメリハリがついた聴きやすい名作です。
まとめ
僕も、クラシックにハマる30代までは、クラシックなんぞ上流階級の聴くものだ、と思っていましたが、まぁ全然そんなことはありません。確かに上流階級のすました方々も多いし、コンサートの休憩時間にはワインとか出てきて優雅な感じはあります。
だけど、国や自治体の補助金などもありチケットはそんなに高くない(海外の有名オーケストラ公演を除く)ですし、コンサートでちらっと席を見ると何割かのお客さんはボケーっと寝てますから(笑)多分休憩時間中のアルコールのせいです(+_+)
最近は、上記に貼ったようにYoutubeで色々音源も試し聞きできますし、TVやDVD、それから有名ドコロだと映画館でのパブリック・ビューイングもあります。さらに、なんといってもCDが安い!新品でもベートーヴェンやマーラー等の大全集は、3,000円位でささっと買えますし、ブックオフなどの中古はさらに安いです。10,000円あれば、中古で頑張れば20枚は買えるんじゃないでしょうか。
そんなわけで、春はクラシック入門にはピッタリの季節。実は、今日3月31日は、「オーケストラの日」。それにちなんで、いつかは書きたいなーと思っていたクラシック音楽についての記事を書いてみました。また、GWには東京・金沢・びわ湖で毎年恒例の日本最大級のクラシックイベント「ラ・フォル・ジュルネ2016」もあります。いい機会なので、是非皆さん聴いてみてくださいね!
それではまた。
かるび