あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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【ネタバレ有】映画「T2 トレインスポッティング」感想・考察とあらすじ解説/20年振りに復活した、痛快で切ないクライムコメディ!【トレインスポッティング2】

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【2017年4月18日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

4月8日に封切られた新作「T2 トレインスポッティング」(トレインスポッティング2)を見てきました。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

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【ネタバレ有】映画「ゴーストインザシェル」感想・考察とあらすじ解説/原作を尊重し、ハリウッドで進化を遂げた大作!【実写版攻殻機動隊】

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【2017年4月18日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

4月7日に封切られた「攻殻機動隊」をリメイクした実写版映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」を見てきました。思ったより原作に熱いリスペクトを捧げた手堅い内容に一安心。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

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凄すぎる海北友松展!日本画好きは遠征しても絶対見に行くべき迫真の展覧会!

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かるび(@karub_imalive)です。

4月11日から京都国立博物館でスタートした「海北友松展」を見に行ってきました。日本画の展覧会の中では、2017年を代表する屈指の好コンテンツ。GWで混む前にゆっくりみたい!と思って、京都まで新幹線で1泊2日の弾丸ツアーを敢行しました。

感想としては、「日本画好きなら、有給使ってでも京都へ遠征する価値がある素晴らしい展覧会」だったと思います。以下、今回は海北友松展の凄さについて簡単にレビューしてみたいと思います。

1.「海北友松展」の混雑状況や所要時間・会場へのアクセスなど

今回の会場は、京都国立博物館。僕が行ってきたのは、会期3日目となる4月13日(木)12時ごろ。会期がスタートしたばかりの平日であったこと、海北友松自身、現代ではそれほどメジャーな存在ではないこともあり、ほとんど混雑することなくゆっくり見ることができました。

資料展示を除くと展示作品数はそれほど多くはないものの、一つ一つが非常に大きな作品なので、じっくり見るのであれば、120分は見ておいた方が良いでしょう。

また、関西以外から遠征する人の場合、混雑するのはむしろ京都駅構内の地下鉄乗り換えやバス乗り場です!特にバス乗り場は人気の東山方面(清水寺等)へ行くバスに乗らなければならず、何本か待たされる可能性大です。

そこで、平日なら思い切って京都駅から歩いて行くのもおすすめです。1.3キロ程度ですし、今回実測してみたら12分で到着しました。地下鉄乗り換えの待ち時間やバスの行列を考えると、悪くない選択肢かと・・・。

ちなみに、会場の混雑状況は、京都国立博物館の公式Twitterで1日数回アナウンスされています。今のところ、特に入場規制等はかかっていません。

2.海北友松と海北友松展について

2-1.桃山時代の巨匠絵師だけど、今ではすっかりマイナーな存在に

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熱心なアートファンでもなければ、まず「海北友松って誰よ?」っていうのが正直な感想かもしれません。僕も、大学受験時代に日本史を選択して文化史を軽く押さえた経験から「名前だけはかろうじて覚えてた」程度でした。

試しに、Googleでリサーチしてみましょう。例えば、桃山時代の他の巨匠や文化人と比べても、今一歩注目度が低く知られていないのがWebの検索結果からも明らかにわかります。

<Google検索結果>
・千利休・・・1,090,000件
・古田織部・・・247,000件
・長谷川等伯・・・214,000件
・狩野永徳・・・155,000件
・海北友松・・・82,900件
・伊藤若冲・・・1,310,000件(参考)

そんなマイナーな海北友松ですが、桃山時代当時は、彼の絵師としての名声や評価は、狩野永徳・長谷川等伯についで、非常に高いものがありました。本格的に絵師として活動し始めた60代以降、名だたる武家や文化人と付き合うだけでなく、公家や天皇家にまで出入りし、ひっきりなしにオーダーを受けて忙しく制作していました。

2-2.謎の多い生涯

海北友松(1533-1615)は、現存する作品やその周辺資料もそれほど多くなく、本格的に絵師として活動を開始した60代以前のキャリアに関しては、まだまだわかっていないことも多いようです。(最大の情報源である、孫の海北友竹が記した「海北家由緒記」でさえ、かなりの脚色と誤りが指摘されている始末・・・)

それでも、さすがは国立博物館。並みの美術展と違い、物凄い数の考証史料群が友松の作品と合わせて展示され、謎の多い壮年期までのキャリアに対しても従来より踏み込んだ見解が示されるなど、その展示クオリティの高さは素晴らしかったです。歴史好きの人にもかなりイケている展覧会です。

2-3.ざっくり簡単に海北友松の生涯を解説

浅井長政像
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(引用:Wikipediaより)

海北家は、元々近江の戦国大名、浅井氏に仕える武家でしたが、友松は幼い時から東福寺に預けられ、そこで絵の才能を見出されて狩野元信に学んだとされています。(が、これもかなり疑わしいらしい)

60代以前の友松の作風は、むしろ狩野永徳の強い影響下にあったとされ、展覧会でも参考作品として狩野永徳の「琴棋書画図襖」が展示されていました。

参考:狩野永徳「琴棋書画図襖」f:id:hisatsugu79:20170415200929j:plain
(引用:http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=937

また、彼は和歌や俳句にも通じていたとされ、当時の一流文化人、東陽坊長盛(茶人)や細川幽斎(和歌)、猪苗代兼如(連歌)らとの付き合いを通じて、石田三成、安国寺恵瓊、斎藤利三ら武人達にも知己を広げていきました。彼らからの注文や紹介も相次いでいたとされ、当時の権力者層に友松の実力が徐々に浸透していくことになります。(しかし親しく付き合った武人達はほぼ全員関ヶ原や本能寺の変で悲しい運命に・・・)

そして、彼の絵師としてのキャリアに転機が訪れたのは、友松が60歳の時。師とされる狩野永徳が亡くなった直後に狩野派を離脱してフリーの絵師として活躍し始めた頃でした。それ以降、彼は狩野派の技法から徐々に離れて自分独自のオリジナルな水墨画の世界を模索し始めますが、それと共に彼の名声は更に高まっていきました。

60を過ぎてから本格的にブレイクする非常に珍しいキャリア遍歴を辿った友松は、まさに日本画界のカーネル・サンダースみたいな存在ですね。

友松は、67才の時、「雲龍図」等で有名な建仁寺の内部装飾を一手に任され、方丈壁画50面を数年がかりで完成させます。それが非常に大評判となり、建仁寺は当時「友松寺」とも呼ばれていたのだとか。不動の名声を獲得した友松は、公家や天皇家からも金碧画の依頼が入るなど、最終的に82歳で亡くなるまで、彼独自の軽妙で洒脱な作風で第一線で活躍を続けました。

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3.無理しても「海北友松」展を必ず見ておきたい3つの理由

理由1:彼の代表作がほぼ全部揃った最大規模の回顧展だから

過去の日本画の画集や美術全集などを見るとすぐにわかりますが、美術全集系の図鑑等で掲載されている友松の代表作とされる作品群は、今回の展覧会でほぼ全て見ることができるのです!

ハイライトとなる「雲龍図」は、アートファン以外にもよく知られる建仁寺の障壁画だけでなく、北野天満宮に奉納した別の作品などを含め、わざわざ一つ独立した「雲龍図」だけ固めてまとめた部屋が作られており、ダークで神秘的な雰囲気のライティングの中、まとめて様々な雲龍図を比較チェックすることができます。

取り扱いが煩雑な国宝や重要文化財なども含め、各地の寺院や美術館、博物館と粘り強く出品交渉を重ね、その準備に物凄い労力と手間暇がかけられたことがよくわかる展示でした。間違いなく国立の博物館でしかできない規模と工数感であります。

多分これを見逃すと、もうこの規模の回顧展はしばらく10年単位で普通に開催されることは無いと思います!

理由2:作品がゴージャスでデカい!

桃山時代、彼が手掛けた絵画は、天皇家や公家、武家、寺院からのオーダーに基づいた巨大な障壁画や豪華な襖絵など、建物の内装を彩る作品が非常に多かったようです。通常の肉筆画なども沢山あるのですが、この展覧会で存在感を放っているのは、いずれも大きめサイズの障壁画や屏風絵でした。

京都国立博物館ならではの高い天井の広々とした空間と、大きなガラスケース展示の中で、彼が製作した大掛かりな作品群を思う存分楽しめます!

理由3:年代別に画業を順番に追うことで見えてくる友松の画風や心境

僕が昨年、100件以上の様々なテーマの展覧会を見てきた中で気づいたことがあります。それは、良い展覧会では、年代別・テーマ別等で整理展示された作品を見て、その作風の変遷を追っていく中で、自然にそのアーティストの心境や考え方が見えてくるように考えられているということです。展覧会の作品群を見終わった後、作品を通してそのアーティストが何を考え、どう生きてきたかが見えてくるような気がするんですね。

良い展覧会では、単に展示された美術品を楽しむだけでなく、作品制作の背後や、作品コンセプトが形作られたアーティストの生き様まで見通せるので、深い満足感が得られることが多いです。

本展は、作品やキャプション、解説、音声ガイドを組み合わせて順番に作品を見ていく中で、友松がどんな気持ちでこの作品に向かっていたのか、最終的にはどんな心境に達していたのか、といった、友松の生き様が透けて見えてくるような感じの、深い展覧会でした。

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4.個人的に特に気になった展示

展覧会を振り返って、印象に残った作品はいくつもあったのですが、本エントリでは、特に自分が深く感銘を受けた作品をいくつかここで紹介したいと思います。

4-1.「柏に猿図」

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(引用:プレスリリースPDFより)

猿のモチーフを得意とした牧谿から学んだとされますが、これって長谷川等伯の猿に似てるよな~と思って見ていました。同時代のライバル絵師として、ひょっとしたら交流があったのかもしれませんね。可愛くてコミカルな動きの白と黒の猿が印象的な初期作品です。

4-2.「松竹梅図襖」

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※部分図 (引用:http://m.blog.daum.net/lotus2/6048359

この襖絵でまず気づくのは、梅の木の直線的でカクカクした激しい枝ぶりでした。展示されている全作品中、この作品が突出して激しく、気迫のこもったタッチで描かれていたので印象に残っていました。やはり、彼の出自が武家出身の画家だからということも関係していたのでしょうか?

4-3.「雲龍図」(建仁寺)

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(引用:東京国立博物館)

海北友松が建仁寺に描きこんだ代表作「雲龍図」。とにかく巨大な画面に迫力満点の表情で描きこまれた本作は、その前に立つだけで圧倒されます。モチーフはやはり牧谿の描いた作品から学んだ、とされています。

友松がその後何度も描いた「雲龍図」は、朝鮮通信使へのおみやげとしても選ばれ、海を越えて高い評価を受けることになりました。朝鮮通信使、朴大根の直筆の礼状(展示されています)の中でも、非常に高い評価を受けています。

4-4.「飲中八仙図屏風」

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(引用:http://www.geocities.jp/themusasi5/a102.html

豊臣秀吉の配下の武将、亀井茲矩(かめいこれのり)のために制作された一枚。

狩野派の割りと無表情で固い顔つきと違い、あからさまに締まりがなく酒に酔ってだらしのない表情が非常に印象的だった1枚。特徴ある衣服の柔らかい線(衣文線)は友松独自のオリジナルで見応えがあります。

4-5.「放馬図屏風」

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※部分(引用:図録より)

後期展示でも、MIHO MUSEUMから、同様のコンセプトで描かれた「野馬図屏風」が出展されますが、とにかく馬がかわいいんですよね。一筆描きのような大胆に簡略化された柔らかい没骨技法(輪郭線などを用いない描き方)で活き活きと描かれた白と黒の馬たちは見飽きませんでした。

4-6.「花卉図屏風」

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※右隻(引用:Wikipediaより)

友松が最晩年に手掛けた妙心寺の背丈の高い屏風群(通称:「妙心寺屏風」)の中でも一番目を引くゴージャスな金屏風。鮮やかな色彩と、抜群の状態の良さに目を惹かれます。ちなみに、この屏風展示で面白かったのは、最近妙心寺で再発見された、彼が妙心寺から受け取った謝礼金の領収書の資料。「妙心寺屏風」を本作とあと2作描いているのですが、その謝礼金を現在の日本円に直すと、約240万円だったそうです。巨匠にしてはえらい安くないですか?(笑)

4-7.「月花渓流図屏風」

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(引用:ネルソン・アトキンズ美術館HPより)

海北友松最晩年での最高傑作とされる「月花渓流図屏風」が、展覧会の最後を締めくくってくれました。実物を見るとわかりますが、これが本当に素晴らしいんです。

余白をたっぷり取り、静謐で上品な仕上がりは友松が最晩年に到達した孤高の絵師としての到達点や、彼の心境を如実に物語っていました。言葉が出ないほど美しい、オリジナリティ溢れた渾身の一枚でした。

1958年にネルソン・アトキンズ美術館の所蔵になって以来、実に60年ぶりの里帰りとなった1枚ですが、これを見れただけでも、この展覧会に来てよかったな、と思えた素晴らしい作品でした。美術展めぐりは、たまにこういう物凄い作品と出会えるからやめられないんですよね。

5.まとめ

今回、東京から新幹線で遠征してみたのですが、見終わった後は、やはり来てよかったな、と心から満足できる展覧会でした。雲龍図の工夫をこらした展示方法や、大物作品ばかりで構成された迫力ある展示などは、日本画ファンだけでなく、これからアートに入っていきたい人にとっても、自信を持っておすすめできる展覧会です。

会期が短いので、お早めに!

それではまた。
かるび

関連書籍・資料などを紹介

墨龍賦(ぼくりゅうふ)/葉室麟

武士としての矜持を持ちながら、うちに秘めた高い志で絵師として大成していった海北友松の壮年期を中心に描いた大河系伝記小説。師・狩野永徳との緊張感あふれる丁々発止なやり取りや、建仁寺に彼が描いた双頭の龍は、盟友斎藤利三とその将、明智光秀をモデルに描いたという大胆な説が面白いです!

展覧会を見た後に読むと、面白さが倍増します!ラストでは宮本武蔵とも渡り合い、作者の自由なイマジネーションが爆発(笑)面白かった~。これはおすすめ!!

聚美 Vol.23「海北友松」特集号

海北友松について特集したムック本や雑誌特集が皆無な中、4月に発売された唯一のムック本。海北友松の画業をカラー写真とコラムで振り返る充実した特集が組まれています。同じく関西地区で同時に開催中の「快慶展」の特集もある、オトクな1冊でした。

展覧会開催情報

◯展覧会名
「開館120周年記念特別展覧会 海北友松」

◯美術館・所在地
京都国立博物館
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7
◯交通機関
バス利用の場合
JR京都駅下車、市バス京都駅前D1のりばから100号、D2のりばから206・208号系統にて博物館・三十三間堂前下車、徒歩すぐ
京阪電車利用の場合
七条駅下車、東へ徒歩7分
タクシー利用

京都駅からならほぼワンメーター550円
◯会期・開館時間・休館日
2017年4月11日~ 5月21日(会期中無休)

午前9時30分から午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
※ただし会期中の毎週金・土曜日は午後8時まで(入館は午後7時30分まで)
◯公式HP
http://www.kyohaku.go.jp/jp/index.html
◯Twitter
https://twitter.com/kyohaku_gallery
◯無料参考資料(プレスリリース)
※下記URLから、京博が出しているプレスリリースを無料でDLできます。展覧会の予習復習に好適。

http://www.kyohaku.go.jp/jp/special/pdf/2017_yusho_press.pdf

住宅デザイン好きにはたまらない!「日本、家の列島」展が意外に楽しかった!

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【2017年4月13日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

4月8日から展示がスタートした、パナソニック汐留ミュージアムの「日本、家の列島」展のブロガー内覧会に当選したので、行ってきました。建築系やデザイン系はさっぱりわからない素人な僕でも予想外に楽しめるポイントがあった展覧会でした。

早速、以下感想を書いていきたいと思います。

※本エントリは、予め主催者の許可を得て展覧会風景の写真を掲載しています。

1.日本、家の列島展とは?

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パナソニック汐留ミュージアムは、文字通り汐留のパナソニック本社の中にある展示スペースです。会社の文化、メセナ活動の一貫として展覧会を定期開催する他、パナソニックのエコソリューションズ社のPRの場としても活用されています。

毎年、こちらでは年4回の展覧会の予定が組まれますが、そのうちの1回はかならずパナソニックエコソリューションズ社と関わりが深い「建築」「住宅」系とする、と社内で決められているそうです。

今回の展覧会「日本、家の列島」展は、日本の都市郊外などに点在する「住宅」を外国人(フランス人)の目から見た特集展示で、2014年5月からフランス、スイス、ベルギーなどで好評巡回開催された企画の日本への里帰り巡回展示となります。

主催者は、マニュエル・タルディッツ氏をはじめ、ヴェロニック・ウルス氏、ファビアン・モデュイ氏、ジェレミー・ステラ氏など、4人のフランス人建築家です。(上記写真参照)いずれも日本の近現代建築の中に「異文化」を感じ、欧米にはない独自の感性やセンスを持った日本の住宅建築や、都市と住宅の関係性に衝撃を受けたそうです。

外国人から見た日本の住宅建築に対するフレッシュな視点を見ることで、改めて我々日本人が持っている住宅デザインの素晴らしさや日本文化の良さを再発見してみよう、というのが今回の展覧会のメインテーマです。

2.日本の住宅デザインの何がそんなに凄いのか?

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今回の展覧会で、必ず見ていただきたいのが、会場外に設置された10分程度の主催者の4人のインタビュー動画です。ここに、彼らが展覧会を開催しようと思った強い思いや動機が詰まっていました。これをしっかり見ておくことで、中の展示を見たときの私達の感じ方がかなり変わってくるはずです。

僕がこの動画に気づいたのは、展示をさんざん見終わった最終段階だったので、「しまった!先にこれを見ておけばよかった!」とかなり後悔しました。

この動画で触れられていることをざっくりまとめておくと、こんな感じです。

◯日本の住宅建築は、敷地や建築面積が限られているため、建築家による様々な「実験」を経て、独自進化を遂げてユニークさとエレガントさを身に付けた。

◯ヨーロッパの住宅は、周りの景観とは別個に孤立し、”自分勝手"である。対して、日本の住宅はパーソナルである一方、道路や庭などパブリックなスペースと境界線が曖昧で他者に属するものとの連続性がある。

◯ヨーロッパ人の「東京」に対するイメージは、渋谷や新宿など都心高層建築の雑踏である。しかし、それは一部であり、個人住宅を取り上げることで「東京」のイメージを覆したい。

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3.展示風景

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展示風景は、主に「昨日の家」「今の家」「東京の家」と3つのセクションに分かれています。順番に見ていきましょう。

3-1.「昨日の家」

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入口を入ると、まず「昨日の家」と題して、主催者の4人がピックアップした、20世紀の日本を代表する優れた住宅建築の写真と模型20点がセットで置かれていました。その中には、有名な建築家が手掛け、過去に雑誌や展覧会で特集されたような住宅建築も多かったです。

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3-2.「今の家」

そして、次に待っているのがメインディッシュである「今の家」。主催者4人が、東京近郊を中心に実際にフィールドワークを重ねる中で出会った、21世紀の現在に実際に生活の基盤として使われている、優れた設計の住宅を20点取り上げていました。

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こちらは、1点ずつ各間仕切りで区切られており、その中で住宅の写真、間取り、実際の生活風景を撮影した動画、住人と設計者へのインタビュー、住宅模型を見ることができるようになっています。思ったより緻密な取材と情報量が凄い!

ブース一つ一つの構成はこんな感じ
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細かいインタビューの文面も読めるようになってます
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「今の家」セクションで取り上げられた住宅は、基本的には1点もののユニークな設計の住宅が多いからか、取材動画を見ていると明らかに中の住人は高所得者層な雰囲気です。正直、住宅の良さより彼らのエレガントな暮らしぶりのほうが気になります(笑)(今時若くて東京近辺にデザイナー系の一戸建てを持てるのですから・・・)

ただ、こちらの展覧会で示された「良い物件」をしっかり見ておくことは、目の保養だけでなく、将来自分がどこかに一戸建ての持ち家を建てるときの何よりの参考になると思うのですよね。「よし、将来こんな家たてるぞ!」みたいな。

だから、この展覧会は、アートファンや建築ファンだけでなく、「これからこだわりを持って持ち家を建てたい人」にも、マイホームの夢を叶えた先達達のストーリーが味わえるのでものすごくおすすめ!

3-3.「東京の家」

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最後に、主催者の一人であるジェレミー・ステラ氏がフィールドワークを重ねる中で、人々の生活風景と合わせて撮影した約20点ほどの東京近郊の住宅写真の展示が「東京の家」としてまとめて展示されています。

この展示で面白いのは、かならずその住宅写真の中に、地元で生活したり働いたりしている人々の飾らない表情もセットで収められていることです。

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これにより、鑑賞者にとって、ものすごく素朴な生活感というか「暮らしの中の住宅風景」という実感が湧いてきやすくなっている写真に仕上がっているんですよね。それこそが、彼が提示したかった、地に足の着いた「東京」の建築物の風景だったのかな、と感じました。

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4.記念撮影コーナー

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いつも出口近辺に記念撮影コーナーを用意してくれているパナソニック汐留ミュージアムですが、今回も主催者のフランス人建築家達4人の等身大パネルがお出迎えです。

こういうのって、意外にバカにできなくて、あとで展覧会の内容や感想を思い出すための記憶の「アンカー」となってくれるんですよね。是非パシャパシャやってみてくださいね!

5.まとめ

ハッキリ言って、僕は住宅についてはまるっきりの素人なのですが、様々な角度からビジュアル的に分かりやすく提示された展覧会だったので、非常に分かりやすかったです。

特に「今の家」コーナーで紹介された20軒の個性的な住宅は、その土地にフィットするかたちで、デザイナーや持ち主がこだわりと工夫をこらして作り上げた個性的な作品ばかりでした。中には何点か、「こんな家なら住んでみたい!」と思わされる家もありましたから。建築マニアから僕みたいなまったくな素人まで、幅広く楽しめる展覧会でした。面白かった!

それではまた。
かるび

6.展覧会の関連書籍や参考書の紹介

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今回の展覧会と特に深く関連する書籍について、紹介したいと思います。会場内でも販売されていますが、インターネットや一般書店でも購入できるようになっています。

公式図録「日本、家の列島」

今回の展覧会の公式図録です。展覧会で紹介された「昔の家」「今の家」などをカラー写真をふんだんに使って収録し、主催者4人による解説なども充実しています。業界の人は仕事で使えそうですし、住宅好きの人は、眺めるだけでも楽しそうな良い出来の図録でした。

「東京の家」

4人の主催者のうち、ジェレミー・ステラ氏が東京近郊の住宅街を丹念に見て回り、特に感銘を受け、印象に残った住宅を独自の感性で撮影した写真集です。主役は住宅なのですが、その中に映った「生活風景」を感じさせる地元の人々の姿が非常に印象的な写真が収められています。住宅建築ファンには面白い一冊だと思います。

展覧会開催情報・ギャラリートークなど

「日本、家の列島展」は、特に日本での巡回予定はありません。その代わりといってはなんですが、今回の展覧会は、会期中、学芸員さんや建築家さん達による、かなりの数のギャラリートークイベントが予定されています。この日程に合わせて行ってみるといいですね。

◯展覧会名
「日本、家の列島 フランス人が驚くニッポンの住宅デザイン展」
◯開催美術館・所在地
パナソニック汐留ミュージアム
〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック 東京汐留ビル4階

◯最寄り駅
JR新橋駅「烏森口」「汐留口」「銀座口」より徒歩約8分

東京メトロ銀座線新橋駅「2番出口」より徒歩約6分
都営浅草線新橋駅改札より徒歩約6分
都営大江戸線汐留駅「3・4番出口」より徒歩約5分
ゆりかもめ新橋駅より徒歩約6分
◯会期・開館時間・休館日
2017年4月8日(土)~6月25日(日)
午前10時より午後6時まで

水曜日休館(ただし5月3日は開館)

◯公式HP
http://panasonic.co.jp/es/museum/
◯展覧会割引引換券はこちらから!
ホームページ割引 引き換え券 | 汐留ミュージアム | Panasonic
◯ギャラリートークイベント予定
 ● 4月

14日(金) 堀部安嗣(堀部安嗣建築設計事務所)
15日(土) 柳澤潤(コンテンポラリーズ) +
マニュエル・タルディッツ(みかんぐみ)
21日(金) 河内一泰(河内建築設計事務所)
22日(土) 手塚由比(手塚建築研究所)
24日(月) 中山英之(中山英之建築設計事務所)
28日(金) 前田圭介(UID一級建築士事務所)
29日(土) 吉村靖孝(吉村靖孝建築設計事務所)
● 5月
1日(月) 川本敦史+川本まゆみ (エムエースタイル建築計画)
12日(金) 五十嵐淳(五十嵐淳建築設計事務所)
19日(金) 山下保博(アトリエ・天工人)
20日(土) 菅原大輔(SUGAWARADAISUKE)
27日(土) 塚本由晴+貝島桃代(アトリエ・ワン)
● 6月
2日(金) 西田司+萬玉直子 (オンデザインパートナーズ)
3日(土) 長谷川豪(長谷川豪建築設計事務所)
10日(土) 谷尻誠+吉田愛 (SUPPOSE DESIGN OFFICE)
17日(土) 西沢大良(西沢大良建築設計事務所)

日本画の教科書(東京編)@山種美術館/近代日本画の流れがわかる素晴らしい企画展!【展覧会感想】

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【2017年4月7日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

4月16日まで山種美術館で開催中の「日本画の教科書ー東京編ー」に行ってきました。竹内栖鳳や上村松園らが堪能できた「日本画の教科書ー京都編ー」に続く連続企画展となります。

創立50週年を企画した記念展のラストを飾るにふさわしい展覧会でした。簡単ではありますが、少し紹介してみたいと思います。

※なお、本エントリで掲載している写真は、あらかじめ山種美術館様の許可を得て撮影したものとなります。
※掲載の出品作品は、全て山種美術館様所蔵のものとなります。

「日本画の教科書ー東京編ー」展とは

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近現代の日本画は、主に「東京」と「京都」を中心として、それぞれ著名画家たちが集まり、「画壇」をゆるやかに形成していました。京都は、伝統的に江戸時代から絵師たちが活躍していましたし、東京では明治期以降、「文展」に始まり、「院展」「日展」などの日本画系の作家グループが形成されていきます。

本展では、山種美術館が所蔵する膨大な近現代日本画コレクションの中から、文字通り「教科書」にも取り上げられたことのあるような、作家や作品を特集した企画展です。前期の「京都編」、そして今回の「東京編」と地域別に2回に分けて開催されました。まさに近現代日本画を精力的に収集してきた山種美術館ならではの力の入った企画展であります。

印象に残った作品をいくつか紹介します

東山魁夷「秋彩」

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まず、1周ぐるっと展示を見た時に、一番印象深かったのが東山魁夷が京都の四季を描いた3作品。川端康成と親交が深かった東山魁夷は、彼の晩年、「失われゆく京都の美」を作品として残したいという強い想いに共鳴します。川端康成から言われた「古き良き京都が残っているうちに描いておいてください」という言葉に後押しされ、一連の京都シリーズを描きました。

この作品は、東山魁夷独特の「青」で表現された京都の山林に「黄」「赤」の紅葉が映える単純な画面構成ながら、ずっと見ていたいなと思わされる一枚でした。

東山魁夷「年暮る」

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こちらも京都の街並みを描き出した作品。山種美術館の所蔵品の中でも非常に人気の高い1枚だそうで、冬になると毎年いつも「『年暮る』は展示してますか」という問い合わせが結構あるそうです。

残念ながら、こうした古い町並みは、川端の予言通り現在の京都市内では見ることができなくなってしまっていますね。だからこそ貴重な1枚と言えると思います。

渡辺省亭「月に千鳥」

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続いて、2017年3月からSNSでアートファンの間で話題沸騰中の渡辺省亭。山種美術館では本展で2枚展示されていますが、いずれも非常に良い出来でした。僕もミーハーなので、今日はこれを一番楽しみにしていたと言っても過言ではありません(笑)

本作は、少し雲に覆われた満月の夜、鳥が飛んで行く瞬間を捉えた絵ですが、寂寥感溢れる味わい深い作品でした。

渡辺省亭「葡萄」

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渡辺省亭の作品は、「動物」+「果物」の組み合わせの花鳥画が非常に多いイメージです。本作は、山葡萄のツルにねずみがじゃれている構図でした。「渡辺省亭」展でも、うさぎ、すずめ、にわとり、犬など、動物はなんでも描きましたが、日本画で「ねずみ」をモチーフに使っている作品は珍しいような。

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安田靫彦「出陣の舞」

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2016年に東京国立近代美術館で開催された「安田靫彦展」でも出展されていた、彼が得意とした歴史モノの代表作。これから「桶狭間の戦い」に臨む織田信長が、「人生50年~~」と敦盛を舞う有名なシーンを描いた作品ですね。信長らしい派手で明るい着物が意外に春らしくて今の時期に合うと思うんですよね。歴史の教科書や資料集で見たような気もします。

横山大観「心神」

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山種美術館の創始者、山崎種二が美術館を開設したのは、横山大観から「お金もうけも結構だが、一つ世の中のためになるようなこともやっておいたらどうですか」と勧められたことがきっかけでした。山崎種二は、美術館創設を祝して、大観から彼が大切に手元に置いていた本作品を譲り受けたそうです。いわば、本作品は山種美術館にとってそのルーツを象徴するような記念碑的な大事な作品なのですよね。

写実的で、遠くから見ても近くから眺めても見飽きない、「日本人の心」を描いたような傑作だと思います。

落合朗風「エバ」

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画面が緑青色で埋め尽くされ、その中でたたずむエヴァ(イブ)を描いた、西洋の人類創生のストーリーからモチーフを取った面白い作品。学芸員さんもおっしゃっていましたが、肌は白いのに顔つきが純和風ではなく、インド人のような風貌であることから、屏風全体から日本画離れしたエキゾチックな雰囲気が漂います。

なお、落合朗風は、42歳で惜しくも昭和初期に早逝するのですが、その才能は藤田嗣治をして「惜しい人材を亡くした」と嘆かしめたほど、当時将来を嘱望されていた有望な日本画家だったそうです。

今回の展覧会のなかで、ひときわ異彩を放つ目につく作品でした。

速水御舟「昆虫二題」(左「粧蛾舞戯」右「葉蔭魔手」)

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昨年秋、山種美術館で大好評に終わった「速水御舟展」でも出品されていた作品。

左側の「粧蛾舞戯」は、彼の代表作「炎舞」を強く想起させる作品ですね。

夜の赤い炎に集まっていく蛾たちと、ヤツデに絡まるクモの巣が大きくなっていく様子は、あらゆる意味で対になっていて、上手な連作だなと感嘆させられます。

本作品は、山種美術館の代表的な作品でもあり、定期的に開催される速水御舟展でも頻繁に取り上げられています。

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展覧会が終わったらカフェがおすすめ!

山種美術館の企画展では、毎回その展示作品にちなんだ期間限定の和菓子スイーツを5種類用意されており、お茶やコーヒーと一緒に優雅な時間を過ごすことができます。

今回は、この5種類です。

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企画展を見終わった後、心に残った展示内容や、その時の充足感って、いつまでも忘れたくないですよね?そんな時、おすすめなのが「併設カフェでの一服」です。

山種美術館の喫茶スペースは、本当に雰囲気が良いのです。そのカフェで、展示にちなんだお菓子を味わいながら展示の感想をゆっくりと振り返ると、本当によく記憶に定着します!是非一度お試しください!

ちょうど、僕がフォローさせていただいているブロガーの方が、非常に素晴らしい写真をアップされていましたので、こちらで実物を御覧ください!

なお、山種美術館のカフェについては、日本で一番展覧会に詳しいブロガー、Takさん@青い日記帳の著作「カフェのある美術館」でも取り上げられています。こちらもおすすめです。

まとめ

会期も残り3週間近くとなりましたが、もっと早くから行っておけばよかった!と後悔しました。前回の「京都編」も凄く良かったですが、企画展「日本画の教科書」では美術館の保有する代表作が惜しげもなくバンバン展示されていました。

アートファンに優しい、行き届いた環境で思う存分楽しめる良い美術館なので、時間があれば是非行ってみてください!桜をモチーフにした日本画も沢山ありますよ!

それではまた。
かるび

混雑状況と所要時間

山種美術館では、毎回それほど混雑を心配せずにゆっくりと見ることができます。展示点数は全部で47点とそれほど多くはないため、所要時間は、60分~90分ほど見ておけばよいでしょう。見終わった後は、是非カフェでゆっくりする時間も残しておいてくださいね!

展覧会開催情報

◯美術館・所在地
山種美術館
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-12-36
◯最寄り駅
JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅 2番出口より徒歩約10分
JR渋谷駅15番/16番出口から徒歩約15分
恵比寿駅前より日赤医療センター前行都バス(学06番)に乗車、「広尾高校前」下車徒歩1分(降車停留所③、乗車停留所④)
渋谷駅東口ターミナルより日赤医療センター前行都バス(学03番)に乗車、「東4丁目」下車徒歩2分(降車停留所①、乗車停留所②)
◯会期・開館時間・休館日
2017年2月16日~4月16日(月曜日定休)
10時00分~17時00分(入場は30分前まで)
◯公式HP
http://www.yamatane-museum.jp/index.html
◯Twitter
https://twitter.com/yamatanemuseum
◯その他TV出演等

裏話もたくさん出た!「カフェのある美術館」ナイト@6次元の感想レポート

かるび(@karub_imalive)です。

2017年も4月に入って新年度になりました。僕の運営するサイト「あいむあらいぶ」も気づいたら開設からはや1年半。月日の経つのは早いものです。

最近、アート系では展覧会だけでなく、作家や研究者、著名な業界人の人たちの講演会やイベント、記者会見なんかも積極的に足を運ぶようになりました。今まで、このブログでは検索で見にきてくれる訪問者向けに、中型規模以上の展覧会を中心にたっぷりめの字数で記事を書いていたのですが、この4月からはもっと細かい記事も積極的にニュースみたいな感じでカジュアルに書いていければなぁと思っています。

ということで、早速第一弾としては、少し前になるのですが1週間前に行ってきた「カフェのある美術館」ナイトというアートイベントの感想レポートを書いてみたいと思います。

  • 「カフェのある美術館」出版記念イベントに行ってきた
  • カフェ6次元のイベントは遅刻厳禁(笑)
  • イベントでのトーク内容について
  • まとめ
  • 書籍「カフェのある美術館」
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【ネタバレ有】映画「ムーンライト」感想・考察とあらすじ解説!/逆境下、自分を取り戻す若者を美しく静かに描いた名作!

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【2017年4月4日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

3月31日に封切られた映画「ムーンライト」を見てきました。今年度アカデミー賞作品賞を始め、3部門受賞した話題作です。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

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【ネタバレ有】「キングコング 髑髏島の巨神」感想とあらすじ・伏線の徹底解説/怪獣映画の面白さが詰まった映画!

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【2017年4月4日更新】

かるび(@karub_imalive)です。
3月25日に12年ぶりにリメイクされた「キングコング 髑髏島の巨神(どくろとうのきょじん)」を見てきました。前作より約4倍の大きさにスケールアップしたコングが、画面上で大暴れする凄い作品となりました。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

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必見!大英自然史博物館展はハイクオリティな凄い展覧会でした!【展覧会感想】

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【2017年4月4日更新】

かるび(@karub_imalive)です。

大英自然史博物館展に行ってきました。初日から予想外の大混雑にびっくりでしたが、でも中身はものすごく気合の入った良い展覧会でした。

以下、展覧会の感想や、みどころ、おすすめポイントを簡単に紹介してみたいと思います。

※なお、本稿で使用している写真は、あらかじめ主催者側の許可を得て撮影したものとなります。

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幕末明治の最強絵師、河鍋暁斎「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展が超おすすめ!

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【2017年4月4日更新】
かるび(@karub_imalive)です。

2月23日から渋谷のBunkamuraで開催中の、幕末明治の天才画家、河鍋暁斎をフィーチャーした「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展に行ってきました。いや~、これはやばい!日本画ファンなら全員必修とも言える素晴らしい展覧会でした!

興奮覚めやらぬ中、以下、早速レビューしてみたいと思います。

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