あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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2018年、見てよかった美術展・展覧会ベスト10まとめ!

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かるび(@karub_imalive)です。

2018年もあっという間に年末となりました。2015年秋以来、どっぷりとアート鑑賞にはまって約3年が経過しましたが、今年もガッツリ展覧会に足を運びました!ちゃんと数えてはいませんが、恐らく2018年は、過去最高の200くらいは行けたのではないかと思います。

せっかくなので、昨年に引続き、2018年度展覧会ベスト10を選んでみたいと思います!それでは行ってみましょう。

10位:快慶・定慶展(東京国立博物館)

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2017年に東京国立博物館で開催された運慶展で、仏像の美しさや日本の古代・中世における彫刻芸術のレベルの高さに驚いた人は多いかと思います。運慶など「慶派仏師」の造ったハイレベルな仏像をもっと楽しみたい!という人にとって、続く2018年に東京国立博物館で開催された「快慶・定慶展」は、運慶展の「おかわり」「続編」的な位置づけとして、かなり楽しめたのではないでしょうか?

僕もこの展覧会は会期中3回足を運びましたが、メイン展示となった快慶「十大弟子立像」、定慶「六観音菩薩像」のすさまじい出来に圧倒されました。質実剛健で写実的な作風はもちろん、全体的に統一感を持たせながら、一つ一つの仏像を細部のパーツに至るまで細かく彫り分ける技術の確かさ。展示室内のライティングもいつもながら素晴らしく、広大な展示空間で荘厳に輝く仏像は特別なオーラを放っているようでした。

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六観音菩薩像(写真撮影OKだったのも太っ腹!)

ちなみにこの仏像群、普段は京都・千本釈迦堂(大報恩寺)の巨大な宝物館(霊宝殿)でいつでも気軽にチェックすることができるのです。

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大報恩寺(通称:千本釈迦堂)の参道

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千本釈迦堂の霊宝殿。入り口は狭いけど中は広い!

いつ行っても空いている穴場的なお寺ですが、応仁の乱でついたとされる刀傷なども残り、京都市内最古の木造建築として貴重な本堂を見たあとは、霊宝殿で「十大弟子立像」「六観音菩薩像」を独り占めできますよ!

9位:建築の日本展(森美術館)

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六本木・森美術館の広大な展示スペースを使って、模型や再現展示、映像インスタレーションなどを駆使して、古代から現代まで連綿と続く日本の名建築をビジュアル的にわかりやすく特集した建築展。

建築にこだわりのある一部のファンからは、「総花的・表層的」「日本凄い的な自己満足に終わっている」などと厳しい意見も見られましたが、建築初心者たる自分にとっては、建築の楽しさ、面白さを発見できた画期的な展覧会となったのでした。

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展示室内に再現された国宝茶室「待庵」
茶室の驚くほど狭いにじり口や室内を体験できました

千利休の国宝茶室「待庵」の再現展示を体験すると、茶室内のびっくりするほどの狭さに新鮮な驚きがありましたし、神話世界を体現したような出雲大社の再現模型、ディストピア的なメタボリズム建築のゾクゾクするような面白さ、巨大戦艦のような香川県庁、古代遺跡が現代にタイムトリップしてきたかのような名護市役所、不思議な二重らせん構造のさざえ堂、禅の世界を完全に体現したかのような鈴木大拙館など、日本建築の豊かなバリエーションに感動。

それ以来、旅行に出かけた際は美術館・博物館だけでなく「地方の名建築を観る」という楽しみも生まれたのです。藤森先生、「建築の日本展2」やってくれないかなぁ・・・

8位:ルーベンス展(国立西洋美術館)

西洋美術史に燦然と輝く17世紀の巨匠・ルーベンスですが、生涯において3,000点以上の作品を残している割には、日本では意外なほど存在感が薄いのですよね。(フランダースの犬で知ってる・・・程度/笑)各地の西洋美術をテーマとした常設展示でも、あまリ目立っていません。

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そんな中、日本国内で久々に開催されたルーベンスの大型企画展がほんとうに素晴らしいクオリティでした。ルーベンスの画業のルーツであるイタリアでの修行時代に着目しつつ、国立西洋美術館の高い天井を生かした巨大な宗教画・歴史画の数々は本当に素晴らしかった。これぞまさに「ザ・西洋絵画」というべきコテコテのバロック美術の神髄を味わえた展覧会でした。

ルーベンスが作品制作のインスピレーションを得たとされる彫刻なども合わせて展示されているのですが、これがまた普通に2000年前の作品だったりと、地味に展示のクオリティが高いのです。すでに3回観に行きましたが、仕上げに年明けもう1度行ってきます!

7位:プラド美術館展(国立西洋美術館)

国立西洋美術館で春期の目玉として開催されたプラド美術館展も良かった!何年かに1度、日本で定期的に開催されてきている「プラド美術館展」ですが、今回展は副題に「ベラスケスと絵画の栄光」と書かれているように、実質上「ベラスケス展」と言っても良かったかと思います。

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というのも、17世紀に爛熟期を迎えたスペイン美術の最高峰とされるベラスケスの作品が、過去最高となる7点も一挙に来日したからです。

階層や身分に関係なく、描く人物の一瞬の表情を捉え、内面性まで丸裸にした確かな観察眼や、重要性や遠近に応じて、印象派を先取りしたような大胆な粗いタッチを導入した大胆な筆さばきなど、ベラスケスの個性をしっかり堪能することができました。

また、ムリーリョやスルバランなど、同時代の巨匠たちの作品も合わせて堪能できた、スペイン絵画黄金時代の層の厚さも感じられる良い展覧会でした。特に印象的だった1枚が、ムリーリョの代表作の一つである「小鳥のいる聖家族」。

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イケメンすぎるヨセフ!
引用:Wikipediaより

通常、汚いハゲオヤジとしてぞんざいに描かれることの多いイエスの父、ヨセフが最高にイケメンな頼れる父親として、画面センターに主役として描かれていたことに衝撃を受けました(笑)

6位:縄文展(東京国立博物館)

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ここ数年の「縄文ブーム」の追い風に乗って、開催前から非常に期待されていた展覧会でした。フタを空けてみたら、国宝指定されている縄文時代の国宝5件全件を筆頭に、著名な土偶や縄文土器、勾玉、土製耳飾、尖頭器など、日本全国から縄文時代の歴史資料・出土品が集められた史上空前の「縄文」をテーマとした展覧会となりました。

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真っ赤な「縄文国宝室」に鎮座する国宝5点
展示の演出も秀逸で、「縄文国宝室」と名付けられた、「火炎」を想起させる真紅の展示スペースは圧巻でした。高貴さと激しさが同居する展示空間の中で、贅沢に並べられた国宝群を何度も堪能させてもらいました。

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山形県民の至宝「国宝・縄文の女神」
「縄文雪炎」と愛称がつけられた国宝・火焔型土器や、雲母片がキラキラ光り予想以上に高度な圧着技術を駆使して制作されていた国宝土偶「縄文のビーナス」、高さ45センチと日本最大の高さを誇る国宝土偶「縄文の女神」など、縄文時代における日本人の「美意識」をたっぷり味わうことができました。

5位:東山魁夷展(国立新美術館、京都国立近代美術館)

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「また東山魁夷か。」と最初は醒めて見ていたのですが、京都遠征をした日、「京のかたな展」を見終わったあと、ついでに夜間延長開館で入った京都国立近代美術館で展覧会を見て、自らの不明を恥じることに(汗)「京のかたな展」より全然いいじゃないかと(笑)

しばらくリニューアル工事で行き場のない唐招提寺障壁画全点を、美術館内に特別セットを組んで再現した展示は凄い見ごたえでした。また、代表作《道》《残照》などを含み、最初期から晩年の絶筆まで、もれなく代表作が揃っていた展示の充実ぶりも際立っていました。まさに生誕110年にふさわしい大回顧展と言ってよいかと思います。特に最晩年の幻想的で美しい風景画には心奪われましたね。

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気がついたら京都で1回、東京で2回と合計3回通いつめていましたが、いずれも驚いたのが物販コーナーの盛り上がり。高額なレプリカなどが飛ぶように売れてた(笑)人気が高いだけでなく東山魁夷展は「儲かる」展覧会だからこそ、毎年のように開催されるのだなと腑に落ちました。

4位:仁和寺展(東京国立博物館) 

空海にルーツを持つ真言密教系の大きなお寺は、美術品も多数所蔵していますが、本展では「仁和寺」や全国各地の「真言宗御室派」のお寺が保有する寺宝のもっとも美味しいところが東京国立博物館に大集結。

前期展示のハイライトだった空海「三十帖冊子」(国宝)全巻一挙展示では、レジェンド級の歴史資料と相対して心震えましたし、全期を通して観音堂に安置された33体の仏像が写真撮り放題&SNSアップし放題なのも良かったです。

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しかし一番心に残ったのは、2月14日から期間限定で展示された葛井寺の国宝「千手観音菩薩坐像」!奈良時代に制作された日本最古クラスの千手観音像ですが、腕がちゃんと1000本あるんです!

まさに古代の超絶技巧。約1300年間、火事や戦乱、天変地異をくぐり抜けて大切に守り抜かれてきた日本屈指の仏教彫刻を、トーハクが誇る最高のライティングでたっぷり味わうことができました。ちなみに、2月14日以降、仁和寺展はプチブーム状態に。連日大行列となり、最終日近くでは入場制限がかかり、待ち時間は最大70分を記録。入場者数は最終的に40万人を超える大盛況となったのでした。

3位:デザインあ展(日本科学未来館)

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デザインの魅力をわかりやすく紹介するNHK Eテレの人気教育系番組「デザインあ」のエッセンスを展示として紹介する「デザインあ」展。2013年の前回展が好評だったことを受け、2018年に富山・東京の2会場で開催されました。

展示内容は「楽しい!」の一言につきます。子供から大人まで、直感的にデザインの魅力や面白さに気づかせてくれるような「体験型展示」が満載でした。自分の手や体を動かしながら、 親子やカップルで肩肘張らず楽しめるだけでなく、全展示撮影OKだった各作品は、SNS映えする要素が抜群。

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Twitterやインスタグラムで拡散したこともあり、東京展では会期終了直前には最大6時間待ちとなるほど人気が爆発。楽しみながら「デザイン」「アート」を学べるという意味で、学びとエンタメ要素がよくバランスした素晴らしい展覧会でした。また数年後に第3弾を期待したいです。

2位:幕末狩野派展(静岡県立美術館)

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午前中、豊洲で買い物をして時間があまったので、急遽思い立ってネットで検索し、家族を強引につれてそのまま高速道路に乗って静岡へ(笑)全く予習なしで臨んだ展覧会だったのですが、これがものすごい大当たりだったのです。

室町時代~江戸時代まで約400年にわたって御用絵師として日本絵画を引っ張ってきた「狩野派」絵師たち。狩野探幽以後、江戸中期には作風が硬直化して停滞・マンネリに陥った狩野派ですが、江戸後期~幕末にかけて、伝統を受け継ぎつつも、粉本主義を脱して新境地を開拓する個性的な絵師たちを輩出します。本展は、幕末に最後のきらめきを見せる「狩野派」作家の作品約100点を大特集した展覧会で、見終わるまでたっぷり2時間30分かかりました。

中でも衝撃を受けたのが京狩野の狩野永岳。写実的で、狩野派代々の絵師の中でも随一と思えるほど徹底的に丁寧に描きこまれた作品からは鬼気迫るオーラが感じられました。

1位:横山華山展(東京ステーションギャラリー)

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そしてNo.1は江戸中期に活躍した横山華山。日本美術史の影に埋もれてしまった、知る人ぞ知る謎絵師的存在でしたが、展覧会が始まってみるとその確かな実力、ユーモアあふれる自由闊達な作風にびっくり。

岸駒やを師匠に持ち、曾我蕭白や呉春に私淑して様々な流派の画法を身に着けて腕を磨いた初期作品、数年がかりで取材し、山形の特産品「紅花」の栽培・加工・出荷過程を写実的に描いた《紅花屏風》、上下巻で約30mに達する《祇園祭礼絵巻》の一挙展示など、どれも見どころたっぷりでした。

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狩野一信、河鍋暁斎、月岡芳年、渡辺省亭、鈴木其一など、毎年のように次々と特集が組まれ、作家の再評価が進む日本美術ですが、横山華山も本展をきっかけにブレイクのきっかけをつかみそうですね。

その他、良かった展覧会

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それ以外にも、特に秋以降に見た展覧会の中に満足度の高い展覧会がありました。ベスト10外としましたが、以下の展覧会も素晴らしかったです。

ピエール・ボナール展
過去最高規模のボナール展。ナビ派時代の日本画的な構図、キャリア後期作品での色彩の美しさ、作品にさらっと込められた寓意性など、じわじわと面白さが身にしみる展覧会でした。3回足を運びました。

フェルメール展
フェルメールルームの贅沢さも素晴らしかったですが、風景画・風俗画・宗教画・肖像画など、オランダ絵画の豊かなバリエーションもしっかり味わえる展覧会。これまで2回行きましたが、会期終了まであと2~3回は観るつもり。もちろん大阪にも遠征します。

長谷川利行展
ガラガラで静まり返る福島県立美術館で、ほぼ独り占めするような贅沢な環境で観ました。極貧の中で心身共にボロボロになりつつも、絵を描くことにしか興味がなかった破天荒なキャラクターや、欧米の作家にも負けない圧倒的なオリジナリティはまさに天才作家としか言いようがありません。

池大雅展
変幻自在な筆さばきやいろいろな知識人たちとのコラボ作品も良かったし、池大雅の「書」の達人ぶりも楽しめました。もっと話題になっても良かった、非常に充実した展覧会だと思います。

1年間を通しての全体的な感想・総括

最後に1年間展覧会を観てきて気づいたことや感じたことを簡単にまとめておきたいと思います。

地方の美術館に掘り出し物が多かった

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山形美術館「吉野石膏コレクション」「長谷川コレクション」と二大コレクションが充実した常設展示は圧巻。

2016年、2017年は首都圏・関西圏の主要美術館で開催されるブロックバスター展ばかり目が行っていたのですが、今年は旅行に組み込む形で、秋田、山形、福島、茨城、静岡など、東北地方を中心に地方の美術館・博物館を精力的に回ってみました。

地方美術館では写真撮影がほぼ禁止なので、ブログ記事で紹介することが叶わなかったのですが、地方の美術館でも素晴らしい展覧会を沢山楽しめました。首都圏に巡回しないハイクオリティな企画展や、広い展示スペースを生かしたぜいたくな常設展なども多数ありました。

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郡山市立美術館「眼の人」展

たとえば、上記の展覧会。地元郡山市の歯科医、今泉亀撤の近現代美術コレクションを大特集した、郡山ならではの特色ある展覧会でした。

広報が機能しておらず集客が弱かったり、展示設備が老朽化していたりと課題があるミュージアムは多いですが、展示のクオリティは首都圏の大型美術館に全くひけをとらない素晴らしいものが多かったです。

せっかくブログをやっているわけですから、2019年は、お金と時間の許す限りもっと関東・関西以外の優れた展覧会や地域芸術祭を回り、アートファンの皆さんと鑑賞体験をシェアできればなぁと思います!

お寺や神社の宝物館も美術品の宝庫!

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興福寺は国宝館を2018年元旦にリニューアル。

以前からお寺や神社を訪問するのも好きだったのですが、2018年は有力な神社仏閣にお参りするだけでなく、併設の宝物館やミュージアムも積極的に回るようにしてみました。

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春日大社国宝殿。2017年にリニューアル。

興福寺の国宝館、東大寺の東大寺ミュージアム、中尊寺の讃衡蔵など色々行きましたが、どこも清潔で明るい館内にびっくり。音声ガイド、解説パネルも充実していて、国宝や重文級のお宝が専用ディスプレイで見やすく展示されていたりと、お寺や神社も最近は文化財の展示に力を入れてきているのだなと実感させられました。

年末年始休みや定休日がある美術館と違って、彼らは基本的に観光収入第一なので、年中無休で頑張ってくれているのも嬉しい(笑)一昔前まで、お寺の宝物殿といえば暗くてカビくさくて、隙間風が入り込んできて寒い・・・というイメージがありましたが、最近はかなり変わってきているようですね。

ギャラリーや小規模な展覧会はSNS映えが集客のカギ?!

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SNSで集客に大成功!加島美術「SEITEIリターンズ!!」

2018年、特に顕著に感じたのは、展覧会集客におけるSNSのパワーの強さです。会期当初はガラガラだったのに、会期終了直前には若い人を中心にとんでもない大行列になっていたケースをよく見かけましたし、自分自身もそうとは知らず会期終了直前に駆け込んで、SNS効果で人気化した展覧会の混雑によく巻き込まれてました(笑)

会期後半から盛り上がる展覧会の特徴としては、

・展示の中にエンタメ要素がある
・観るだけでなく、五感を使った体験型展示
・写真撮影&SNS掲載OKになっている

この3つの要素を満たしている時、InstagramやTwitter等で一気に拡散し、若い人を中心にどこからかともなくお客さんが押し寄せてくる「行列ができる展覧会」へと発展することが多かったように思います。

例えば、9月初旬~下旬にかけて3週間限定で開催された「世界を変えた書物展」。

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雰囲気抜群の展示空間がSNSで大爆発!「世界を変えた書物展」

展示内容は一見地味で、お客さんがパラパラ来たら良いほうかな・・・と予想していたのですが、展示に持ち込まれた稀覯本のレベルが予想外に素晴らしく、SNS映えする展示空間に、Twitter、Instagram等SNS経由で一気に火が付き、想定外に若い人が殺到。連日大入りとなったのでした。

単眼鏡普及が進むか?美術鑑賞専用モデルが出揃う

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ケンコーの美術鑑賞専用単眼鏡「galleryeye」

これまで「単眼鏡」といえば、コアな美術マニアのおじさんが屏風絵や陶磁器の前でおもむろに取り出し、作品を舐めるように見る・・・といったように、どちらかといえばマニアックなアイテムでした。

しかし、2018年にはビクセン、ケンコー・トキナーなど大手メーカーから10,000円を切る極軽・極小で高機能な美術鑑賞専用モデルが相次いで登場。

女性用の小さいハンドバッグにも楽々入るし、ほとんど重さも感じません。デザインも洗練されており、これなら買ってもいいかなと感じました。

実際、2018年は刀剣女子が使っているところを本当によく目撃しましたし、複数の展覧会で、ビクセンの単眼鏡が無料貸出されているシーンにも遭遇。まずはお客さんに使ってもらって、買ってもらうという、いわゆる「フリーミアム」戦略でしょうか。ビクセンは商売上手です(笑)

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泉屋博古館分館「神々のやどる器」展で無料貸出サービスが!

僕もこれを機会にケンコー・トキナーの6倍モデルを入手しました。少しずつ使い出していますが、やみつきになりそうです。

まとめ

振り返ってみると、今年は過去最高に色々な展覧会に行き、新しい作品との出会いやアートに対する学びが深まった1年でした。良いご縁に恵まれて、「週刊ニッポンの国宝100」や「INTOJAPAN」や「楽活」等各メディアでライターとしてお仕事もさせて頂けるようになりましたし、ムック本「フェルメール会議」でも原稿を沢山書かせていただきました。2019年も引続き、もっと学びを深め、アート鑑賞の面白さをどんどん発信できるようにしていきたいと思っています。

2018年、お世話になった皆様、本当にありがとうございました。
また来年もどうぞよろしくお願いします。

皆様、良い年末年始をお迎え下さい。
かるび