あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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【ネタバレ有】映画「こどもつかい」感想・レビューとあらすじ徹底解説!/タッキー主演の新感覚ホラー作品は意外に楽しめた!

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かるび(@karub_imalive)です。

2017年の邦画は、本当にジャニーズ主演映画が増えました。従来からの主戦場だった青春恋愛映画にとどまらず、ヤクザもの、時代劇など様々なジャンルで起用されはじめています。

今作「こどもつかい」はホラー映画。昔なら絶対に仕事を受けなかったであろうジャンルで、大河ドラマ主演までやった滝沢秀明が特殊メイク全開で挑んでいます。各種評価サイトでの評判は低めですが、僕は結構この作品好きでした。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「こどもつかい」の基本情報

<映画「こどもつかい」公式予告>
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【監督】清水崇(「呪怨」「魔女の宅急便(実写版)」)
【配給】松竹
【時間】111分
【原作】ノベライズ「こどもつかい」

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引用:「こどもつかい」Twitter公式

本作で監督を務めたのは、映画「呪怨」シリーズをてがけ、そのリメイク作品でハリウッドでもメガホンを取ったことのある清水崇監督。プラネタリウム向けのドーム映画作品日本科学未来館「9次元から来た男」や、4DX限定映画「雨男」を手がけるなど、ホラー映画だけにとどまらず、非常に幅広い活動分野が光ります。

今作は、得意のホラー映画作品でありながら、決して伝統的な「怨霊・悪霊」といった恐怖演出にとどまらず、「幼児虐待」という社会的なテーマに向き合った意欲作でした。

ちなみに、今作では「こどもつかい」に関連して変死した大人の周辺にいた子供たちが、次々に口にする”テーマソング”があります。よく出来た歌詞だなぁと思いましたが、公式サイトにアップされていますので、合わせて予習しておくと良いかもですね。

<映画「こどもつかい」テーマソング>
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2.映画「こどもつかい」の 主要登場人物とキャスト

滝沢秀明主演のオリジナルキャラクターを作ろう、という構想から企画がスタートした本作。撮影開始まで約1年ほどかけてじっくりとキャラクター設定を練っていったといいます。タッキーの衣装は本当に力が入っていました。

こどもつかい(滝沢秀明)f:id:hisatsugu79:20170618172053j:plain

これまで舞台やドラマでの役者姿はよく見ていますが、意外なことに映画でのキャリアは浅く、今作がまだ2作目となります。「10代の時だったら絶対できなかった」という、役者・滝沢秀明にとって新境地を開くことになった異色のキャラクターとなりました。ちなみに霊感は全くないらしいです(笑)

江崎俊也(有岡大貴)
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2017年は中島裕翔、知念侑李、山田涼介以外にも、伊野尾慧や有岡大貴など、邦画主演クラスでHey! Say! JUMPのメンバーの起用がとにかく目立ちます。本作で映画主演クラスは初めての起用となりましたが、無難にこなせいていた印象。なお、先輩のタッキーとはあまり現場でちゃんと会話をしなかったのだとか。(色んな意味で近づきがたい存在なのだろうか・・)

原田尚美(門脇麦)
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2017年も、「彼らが本気で編むときは」「ナミヤ雑貨店の奇跡」(待機中)など複数の映画作品での出演が続きます。清水監督作品には一度出てみたかったそうで、声がかかったら出演を即答したのだとか。

笠原蓮(中野遥斗)
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300人以上の子役からオーディションを経て選ばれた「蓮」役。清水崇監督といえば、何かと子役がホラー映画で多数起用されるイメージがありますね。子役としてNHK大河ドラマ「花燃ゆ」映画「エイプリルフールズ」への出演歴など、実績も積み重ねてきており、今後が楽しみな子役です。演技も、今作に出演していた子供の中では一番上手でした。

小松洋子(西田尚美)
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母親役や専業主婦役など、使い勝手の良いユーティリティ・プレーヤーとして2017年も各邦画でひっぱりだこ。2017年の出演作では「ひるなかの流星」「追憶」にそれぞれ主婦的な役柄で出演しています。

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3.結末までの簡単なあらすじ・ストーリーの紹介

尚美の周りで相次ぐ母親たちの不審死

柴田絵理奈は、子供が父に会いたいとせがむたび、イライラして子供につらくあたるようになっていた。その日も、癇癪を起こし、夕方まで一人娘の瑠奈をベランダに放置した。ハッと気づいてベランダを見たら、瑠奈がいない。部屋を探してもどこにも見つからなかった。

警察官が自宅に到着し、捜索を開始しようとした時、もう一度見てみると、ベランダには瑠奈の姿があった。いつのまにか戻ってきていたのだ。警官や近所の主婦たちが帰った後、絵理奈は瑠奈を厳しく問い詰めたが、瑠奈はもう怖がることはなかった。

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すると、どこからか気味の悪い子供たちと、奇妙な人形遣いのような男がそばに立っていた。瑠奈は、子供たちに殺害された。

保育園で保母として働く原田尚美は、朝の子供の受け入れに忙しかった。先輩の小松洋子と手を焼いているモンスターペアレントの愚痴を聞かせると、尚美は、門のところに笠原蓮が一人立っているのに気づいた。一人で保育園に来た蓮は、薄汚れた洋服をまとい、腕のところに虐待されたようなアザがあった。尚美は、洋服を着替えさせ、傷の手当をした。

ショッピングモールでは、社会部の新聞記者、江崎駿也が女子中学生に取材中だった。最近よく聞く「トミーの呪い」について取材をしていたのだ。子供の魂を操るトミーが子供を連れ去り、子供が戻ってくると、3日後にその親が死ぬという一種の都市伝説だ。先輩の上杉は、馬鹿馬鹿しい、と一蹴したが、駿也はどうしても気になっていた。

上杉が先に帰ると、駿也はもう一度、瑠奈のマンションの隣の部屋に住んでいる女子高生に聞き込みを行った。瑠奈の失踪騒ぎがあった夜から、深夜になると奇妙な歌が壁伝いに聞こえていたという。

ヒアリングを終えた上杉が帰宅しようとしたその時、ショッピングモール内のリサイクルショップに、旧友の近藤の姿があった。ここで店長の仕事をしているというのだ。懐かしくなって声をかけ、近況報告をしあったが、近藤は、ある小学生の女の子がレジの前に立っているのを見ると、急に立ち去ってしまった。その女の子は、ずっと奇妙な歌を繰り返し歌っており、気になった駿也は、録音して家に持ち帰った。

夕方になり、子供が全員帰った保育園で、ただ蓮だけが取り残されていた。職員で話した結果、尚美が蓮を彼の家まで送っていくことになった。蓮の家に到着したが、母親は出てこなかった。尚美は蓮を勇気づけるため、自分のお守りを蓮に与え、駿也と同棲している家へと連れて帰った。

駿也はとまどったが、最終的には蓮と上手くやってくれた。その日は、蓮も上機嫌で、蓮・駿也・尚美は仲良く川の字になって寝た。しかし、翌日保育園に出勤してみると、警察が昨晩死去した蓮の母親について、尚美に事情聴取を取りに来たこともあり、蓮を勝手に自宅に泊めた軽率さを先輩の洋子に指摘されるのだった。

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翌日、近藤も自宅で不自然な死に方をした。その後もう一度駿也が近藤に会いに行った際、家に持ち帰った万引きした小学生に性的な悪戯をしていたことが判明した。近藤も妙に思い詰めた表情をしていたので、トミーの呪いだった。

トミーの呪いを解き明かす旅へ

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駿也が必死でトミーの呪いについて調べていたところ、憔悴した様子で尚美が帰宅した。母が死亡した蓮は、保健所に保護されるのを嫌がり尚美の家に来たいと懇願したが、尚美は強く断ってしまったのだ。母親になる自信がどうしても持てなかったのだ。

尚美は、無意識に幼少時に覚えた童謡を口ずさむと、駿也はそれが近藤が死亡した時近くにいた子供が歌っていた童謡と同じ歌だということに気づいた。駿也は録音したICレコーダーを片手に童謡の歌詞を分析すると、三重県の伊勢地方に昔存在した「上之郷サーカス」に関係するのではないかとの確証を持った。

すると、そこに蓮がいきなり現れた。保健所から連絡があり、蓮が突然車中から消えたのだという。これは尚美へのトミーの呪いだった。蓮は、お守りを尚美に返すのだった。このまま行くと、3日後に尚美は死ぬー。

尚美と駿也は、夜通し高速を飛ばして、伊勢地方で聞き込み、調査を行い、上之郷サーカスの社長の息子へとたどり着いた。

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引用:こどもつかい 公式Twitter

尚美と駿也はサーカス小屋の廃墟へと向かった。中は60年前のまま荒れ果てていたが、ある部屋のデスクの中から、「人形に命吹き込む偉才、トミー」と書かれた写真が出てきた。すると、二人はサーカスのような派手な格好をした黒マントの人形使いと白目をむいた子供たちに出くわした。トミーだった。

尚美が子供たちとトミーに追い詰められたが、間一髪のところで上之郷が助けてくれた。二人の後を追ってきていたのだ。上之郷は、トミーが外国人だったこと、腹話術の達人で、人形使いだったことを話した。上之郷の父は、地元の名士で、政治家でもあった。その頃、事業多角化の一貫でサーカス興行も行っていたが、60年前、サーカスで誘拐事件が発生し、悪い噂が立った上、地元の誰かにサーカス小屋に放火されて廃業したのだという。

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放火された時、彼はトミーの黒マントを自宅に持ち帰ったのだが、そこから周りの関係者が不審な死に方をした。彼は、黒マントを縄でぐるぐる巻きにして、村を出て行く長距離トラックの荷台に乗せて捨ててしまうと、ピタリと村での不審死が収まったのだった。

尚美は、はるか昔にトミーと出会っていたことを完全に思い出した。尚美もまた、蓮と同じく、母親から虐待されており、度重なる暴力が頂点に達した時、トミーが目の前に現れたのだった。母親なんて死んでしまえと幼ないながら心に願った尚美は、トミーにその心を読まれていた。トミーは尚美の母を殺すため、彼女と指切りをしたのだった。その3日後、尚美の母は死亡した。

目が覚めると、尚美は車の中だった。起きると、側にいた駿也に思い出したことをすべて話した。駿也は、尚美に対して、もっと人を頼ることを覚えて、自分ばかり責めるな、とアドバイスした。

こどもつかいとの最終対決

そして、駿也は黒マントを意外なところで見たような気がしていた。それは近藤のリサイクルショップのバックヤードだ。回り回って、意外に近いところにあったのだ。彼らは、伊勢から車で引き返し、深夜のショッピングモールへと向かった。人形を見つけ出してから、どうすればよいのかわからなかったが、とにかく人形を探すことを優先した。

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深夜のショッピングモールには、すでにこどもつかいが先回りして待っていた。彼は、再度、蓮をたきつけて、尚美を殺害しようとした。そして、尚美に様々な過去を見せつけた。

気づいたら、尚美は1957年の上之郷サーカスのテントの中にいた。劇団員トミーは、サーカスの秘密部屋に誘拐した7人の子供たちを監禁して悪戯・虐待していたのだ。階下で押し寄せる村民たちから逃れるため、トミーはテントに火を放ち、子供たちを殺害した。尚美は、かろうじて近くにいた子供を一人引き連れてテントから逃れた。それが、上之郷勝男の若い時の姿だった。

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次に、尚美は幼い時の自室にいた。母親が狂気の形相で追ってきたのを振り切ると、今度はまた1957年のサーカスのテントの広場の前にいた。そこには、こどもつかいと子供たちが復讐として殺害した大人たちがうつろな目で立っていた。

気がつくと、ショッピングモールへと戻っていた。目の前には、こどもつかいと蓮が立っていた。混乱する中、必死で頭を働かせ、尚美は、蓮に向き合い謝罪した。蓮はそれを受け入れ、尚美への敵意はなくなっていた。蓮は、小指をこどもつかいに返却した。

こどもつかいは、混乱して階段から落ちていった。尚美と駿也が覗き込むとはるか階下の床で壊れてばらばらになり、動かなくなった人形が落ちていた。尚美への呪いは解けたのだった。蓮は、床に転がっていた人形からそっと小指だけを持ち帰った。

それからしばらくした後、尚美と駿也は引っ越しの作業をしていた。蓮も手伝いに来ていたが、蓮はどこかへと歩いていくと、近くのマンションのとある一室の前に、こどもつかいの小指を置いた。すると、中からアザだらけの小さな女の子が扉を空け、小指をそっと手に取った。

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4.映画「こどもつかい」の感想・評価

怨霊ものとは違った意味で「怖さ」が際立つホラー映画だった

この映画は、正直なところ、清水監督が手がけた名作「呪怨」シリーズほど怖くありません。コミカルなシーンが全くなく、ひたすら怨霊が無差別に関係者を呪い殺していく凄惨な「呪怨」シリーズは、ストーリー性も非常にシンプルに抑え、怨霊・たたりのもたらす「怖さ」だけに焦点を絞っていました。

それに対して、本作は、まず児童虐待を行った「悪い」大人を、懲らしめるタッキー率いる「こどもつかい軍」のような構図があり、勧善懲悪的な側面が恐怖感を和らげています。さらに、タッキーの演技もシリアスな怖さ一辺倒ではなく、コミカルで子供っぽい一面も見せています。

だから、いわゆる伝統的な怨霊・幽霊ものとしてはそこまで怖くないのです。

その代わり、映画を通して別の意味で怖さを感じたのは、精神が荒廃した人間達の振る舞いでした。追い詰められた母親達が、暗く汚い部屋で血走った目で子供を虐待するシーンは、子供を持つ身としては心底ゾッとさせられますし、トミー(※こどもつかいではなく、サーカス小屋の外人)が子供たちを軟禁し、悪戯しているシーンも戦慄ものでした。

社会的なメッセージ性がしっかりと描かれた作品

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本作は、誰が見ても分かる通り、「児童虐待」という重たいテーマを扱っていました。主要登場人物全員に、何らかの「児童虐待」との関わりを持たされています。

子供のことを愛しているにも関わらず、虐待への衝動を抑えきれないほど病的に追い込まれていた瑠美の母や尚美の母(回想シーン)は問題の根深さを感じさせます。また、駿也の親友、近藤は、家庭では良き父として、会社では店長として責任ある地位に就き、一見普通の好人物です。外面は良い人を演じつつ、裏では児童に性的虐待をやめられない。サイコパスは社会のどこにでも潜んでいるのですよね。

さらに、本作は罪悪感やフラッシュバックに悩む尚美を描くことで、児童虐待を「受けた側」の心の傷にも深く切り込んでいます。虐待された側なのに「私がいけないんだ」と罪悪感に縛られる様子は、まさにクライマックスで尚美の母が言い放ったように「これはトミーの呪いじゃない、お前自身が自分にかけた呪い」だったのですね。

本作は、ある程度子供から大人まで全年齢で楽しめるように物語構造は単純化され、タッキーの演技もコミカルな側面がありますが、大人が見ても心に突き刺さるテーマ性を持った作品でした。 

主人公の葛藤・成長もしっかり描かれたのも良かった

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本作では、尚美は、幼少時に母親から受けた虐待の心の傷と否応なく向き合わされました。他人を受け入れられず、罪悪感に縛られて自信を持てない尚美は、蓮から頼られると怖くなってしまい、突き飛ばして拒絶してしまいます。かつて自分が母親から受けた暴力や拒絶を、無意識のうちに子供に向けてしまいます。

こどもつかいからの呪いによって3日後に死ぬというプレッシャーの中、その正体を探して上之郷サーカスの過去を探索中、自分自身の過去とも向き合わざるを得なくなった尚美。

しかし、精神的に追い込まれながらも、物語のクライマックスで、蓮、こどもつかいとそれぞれ向き合った尚美は、自分が傷つけてしまった蓮にただ一言自分の気持ちを伝え、謝罪するとともに、こどもつかいの復讐を力強く否定します。これにより、世代を越えて受け継がれていた「虐待」の負の連鎖が断ち切れて、尚美は過去の心の傷を乗り越えることができました。

心の傷を負った人が、恐怖や罪悪感から逃げずに、自分自身や目の前の相手に誠意を持って対応する。ただそれだけのことですが、最初の第一歩こそが一番難しく、勇気のいることなのだな、と実感させられました。

5.映画「こどもつかい」に関する7つの疑問点~伏線・設定を徹底考察!~

映画「こどもつかい」の世界観を深く掘り下げて見ていくと、様々な疑問が出てきます。本作をよりしっかり理解するため、主要な伏線や設定について7つに絞って簡単にまとめてみたいと思います。

疑問点1:尚美の子供時代は虐待されていたの?父親との関係は?

尚美の両親は、父親の浮気が原因で離婚しました。夫婦仲が悪く、父親が浮気相手と逃げ出した後、尚美の母は緊張の糸が切れたかのように尚美に虐待を始めたのです。そういう意味で、冒頭で「瑠美」を虐待し、トミーの呪いで死亡した柴田絵理奈「瑠美」のケースと尚美は全く相似形でした。

瑠美を唯一野次馬根性抜きで気にかけてくれていたのは、隣人の女子中学生、中川友里でしたが、尚美を気にかけてくれたのもまた、隣の家に住むちぃちゃんというお姉さんだけでした。尚美は、彼女からもらった大切なお守りを蓮に渡していましたね。

疑問点2:「こどもつかい」はなぜ生まれたの?

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黒マントのこどもつかいが生まれたのは、1957年に上之郷サーカスが火事で燃えたときでした。サーカスのテントへ押しかけた地元住民達が怖くなったトミーは、サーカス小屋に火をつけ、誘拐していた子供を生きたまま殺害し、証拠を隠滅して逃亡しようとしました。

まさにその瞬間、「こどもつかい」は誕生しました。子供たちの怨念などが魂となって宿った人形は、その場でトミーに飛びかかり、トミーを殺してしまいます。そこから、彼はハーメルンの笛吹のような「こどもつかい」となり、行く先々で悪い大人を呪い殺す存在になったのでした。

疑問点3:「こどもつかい」の歌の日本語歌詞と英語歌詞の違いは?

「こどもつかい」のオリジナルは、子供たちをサーカスへ誘い出すための人形使いだったトミーが元々英語で歌っていた曲だったのですが、子供たちにより日本語に変換されて口移しで伝わっていきました。「おいない」というのは三重県伊勢地方特有の方言で、「いらっしゃい」という意味ですね。ラストの「Show time」と「しょうたい(正体)」が映画の文脈的に両方とも意味として通っていて思わず「上手い!」とうなってしまいました・・・。

Boys and girls Boys and girls
ぼぉあんがー ぼぉあんがー
Step right up Step right up
すてぷらい すてぷらい
Come Closer Come Closer
かんくろーさん かんくろーさん
Oinai Oinai
おいない おいない
Kaminogou Circus oinaiyo
かみのごおさあかす おいないよ
Amazing Tommy's show time now !!
あめじん、とみーのしょうたいは

疑問点4:トミーの生みの親、人形使いファマーとは?

映画では、時間の都合上描かれなかった裏設定ですが、こどもつかいを生み出した「トミー」の来歴についてノベライズでは非常に詳細に描かれています。

タッキー扮する黒マントのこどもつかいは、元々上之郷サーカスで働いていた腹話術師、トミーが作り出した、人形=依代に魂が宿った、一種の物の怪のような存在でした。トミーは元々ウクライナ出身で現地では「ファマー」と呼ばれていました。(ファマーの英語読みが「トミー」)

彼もまた幼少期は娼館で日々生きるために体を売って生活していましたが、腹話術師としてロシアのサーカス団を経て、日本へと渡ってきたのでした。ファマーもまた、幼少期に受けた過酷な虐待から、逆に圧倒的な力で弱い者を従えることに喜びを感じる曲がった性格へと育ってしまったのです。それが、結果的に上之郷サーカスでの幼児誘拐事件へとつながりました。

疑問点5:駿也について省略された逸話とは?

映画本編で掘り下げられたのは尚美の過去のみで、駿也についてはノータッチでした。しかしノベライズ版では、駿也もまた、フルちゃんという小学校時代の親友を裏切り、死なせてしまった思い出がストーリーに大きく関わってきます。

ある夏の日、フルちゃんと駿也が神社の裏手にある雑木林で蝉取りに出かけた際、不審な男にフルちゃんが捕まってしまいます。恐怖のあまり、駿也はフルちゃんを見捨てて逃げました。警察に連絡もせずそのまま家で震えていたら、翌日、フルちゃんは男に陵辱された上、殺害されていたのです。それ以来、彼の心の中にはずっと罪悪感と後悔が渦巻いていました。

過去に大人との関わりの中で自分が犯した罪への罪悪感にとらわれているという意味では、駿也も尚美と同じだったのですね。小説版のクライマックスに厚みを持たせていたこの設定が、映画本編から丸々カットされたのは少し残念ではありました。

疑問点6:結局、尚美・駿也・蓮は最後にどうなったのか?

映画のラストシーンでは、一切説明がありませんでした。想像するしかありませんが、ノベライズによると蓮は児童相談所の仲介で、優しそうな里親の元へ引き取られたとの描写があります。そして、蓮は入籍した駿也と尚美が新居へと引っ越す日に、彼らの引っ越しを手伝いに来たのでした。

疑問点7:キーアイテム「指」は別の子供に回され、都市伝説は続く・・・のか?

本作で最後まで出てくる人形の「小指」は、虐待を受けた子供と、こどもつかいの間の契約の証拠(=ゆびきりげんまんの意味)です。こどもつかいは大人に恨みを持っている子供と約束すると、子供に対して「嫌いな大人に渡せ」と指示を出します。そして、子供から指を渡された大人は、トミーの呪いで3日後に死亡する、という流れでした。

蓮は、念のためトミーの「小指」を最終対決の場から密かに持ち帰りましたが、今は里親の元で幸せに暮らしているため、彼には小指を渡す「大人」がいなくなりました。だから、保育園などで知り合った、虐待を受けている友達の家の前に「指」を置いて帰ったのでしょう。これは、蓮が「こどもつかい」から卒業したことを暗喩すると同時に、続編へ物語が続く可能性を示唆していました。と、同時に、非常にホラー映画らしい不穏なエンディングとなったと思います。 

6.まとめ

「ものすごい怖いか?」と聞かれたら「そうでもなかったかな」というのが率直な印象です。ただし、幼児虐待という重いテーマを、きっちりホラー映画の中に取り込んで、主人公たちが困難を乗り越えて成長するストーリーに仕上げたのは良かったです。

ここ最近、日本産のホラー映画は停滞気味でしたが、本作は久々にその中でも興味深い作品になったと思います。

それではまた。
かるび

7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

ノベライズ「こどもつかい」

人形の化身「こどもつかい」を産んだトミーが上之郷サーカスに来るまでのバックストーリーや、駿也が乗り越えなければならない過去など、本作では省略された部分の描写も含め、映画本編のストーリーに忠実に、手厚く語り下ろしたノベライズ。文体も非常に読みやすく、映画と合わせて読んでおくことで、より映画の世界観を楽しめますよ。

「呪怨」シリーズ

2016年、Jホラーものの頂上対決「貞子VS伽椰子」でも話題になりましたが、「伽椰子」があなたを恐怖に誘うシリーズ。あからさまに低予算でシンプルなお化け屋敷ものなんですが、その怖さは半端ないです!夜遅く、一人でDVDを見ていると本当にヤバい!

今はTVで見なくなった若き日の奥菜恵、伊東美咲、酒井法子といったアイドル女優が次々と伽椰子の手にかかっていくのも趣があります(笑)

清水崇監督作品は、まとめてU-NEXTで!

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