あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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ルーヴル美術館展(2018)は最高の「肖像芸術」が楽しめる!見どころや楽しみ方を一挙紹介!【展覧会レビュー・感想】

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かるび(@karub_imalive)です。

5月30日から、東京・国立新美術館展にて2018年上半期最後の大型展覧会「ルーヴル美術館展 肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか」が始まりました。今年のルーヴル美術館展のテーマは「肖像芸術」。

「人物」を描く肖像芸術は、古代から非常に長い歴史を持つ芸術分野です。「美の殿堂」ルーブル美術館の全面協力のもと、古くは古代エジプト・ギリシャ時代から近代まで、同美術館の所蔵する珠玉の作品群が集められました。下馬評通りハンパなくクオリティの高い展覧会でした。日本にいながらにして、ルーヴル選りすぐりの作品を100点以上楽しめる、そんな機会はまたとないと思います。

そんな今年のルーヴル美術館展について、がっつり見てまいりました。以下、内容や見どころについて、感想を交えながら書いていきたいと思います。

※なお、本エントリで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

1.ルーヴル美術館展とは

定期的に開催される「ルーヴル美術館展」

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世界で一番有名な美術館といっても過言ではない「ルーヴル美術館」。そんな「ルーヴル」美術館の所蔵品を特集した、「ルーヴル美術館展」は、実は今回が初めての開催ではありません。過去、頻繁に開催されているのです。

たとえば、2000年代に入ってからは、2005年、2006年、2009年、2015年と、過去4回にわたって、テーマを絞って絵画や彫刻の企画展が開催されてきました。特に、風俗画をテーマとした2015年の前回展では、東京・京都の2箇所で合計約111万人の入場者で賑わうなど大盛況でした。いずれも、日本テレビ主催で展覧会が開催されています。

そして今回2018年。実は、2015年の前回展終了後、日本テレビは、新たにルーヴル美術館と包括的な契約を締結していました。2018年の今回展を皮切りに、4年に一度、合計5回の「ルーヴル美術館展」を日本で開催することが決定されたのです!

つまり、今回の展覧会は、2018年、2022年、2026年、2030年、2034年と、全5回シリーズの第1回目に当たるのですね。いやー、日本にいながらにして、定期的にルーヴルの至宝を味わえるなんて、いい時代になったものですね!

2018年のテーマは「肖像芸術」

冒頭でも書きましたが、今年の「ルーヴル美術館展」のテーマは、「肖像芸術」です。

日本テレビが、約6分半にわたる強力なプロモーション動画を作ってくれています。こちらは見に行く前に必見ですよ!

動画でも紹介されたとおり、ルーヴル美術館では、3000年以上前の古代メソポタミアの彫像から、19世紀ヨーロッパの絵画・彫刻まで幅広いコレクションを保有しています。本展では、ルーヴル美術館の全8部門から協力を得て、絵画・彫刻・工芸など、幅広い分野の作品が充実しました。 

そして、その出展点数は何と約110点!通常、大きな美術館とタイアップして開催される展覧会では、出展点数は50~60点程度と少なめになることもよくありますが、今回はまさかの100点オーバー!これは日本テレビ、頑張ってくれました!

展覧会入り口の最初から最後まで本当にハイレベルで、目移りするくらい1点1点が素晴らしかったのですが、特に僕がポイントだと感じた「3つの見どころ」を紹介したいと思います。 

2.展覧会の3つの見どころ

巨匠たちの名作がいっぱい!

さすが「美の殿堂」と言われるだけあって、110点の展示の中には、絵画作品を中心に、美術史に名を残す巨匠たちの作品がゴロゴロ含まれています。

中でも、最も注目したいハイライト作品が、こちら。27年ぶりに来日した、ヴェロネーゼ《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》です。

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ヴェロネーゼ《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

ルネサンス最盛期のヴェネツィアで大活躍した巨匠・ヴェロネーゼ。中でもルーヴル美術館が所蔵する本作品は、同館の所蔵作品の中でも屈指の名作と言われます。光沢のある藍色の高貴なビロードのドレス、薄いヴェールの質感、身にまとっているアクセサリーの描き込みなど、ほれぼれするような美しさ。

そして、注目したいのは絵の中の女性の不思議な表情。宙のどこかをさまよっているような視線は、鑑賞者がどこに立っても、彼女と目を合わすことができないと言われています。様々な感情の入り混じった表情をどう読み解くかも、鑑賞ポイントです!

その他、巨匠たちの作品は下記でもう少し紹介しますね。

古代ギリシャ・ローマ・オリエントの作品も充実!

そして、ルーヴル美術館といえば、いわゆるルネサンス期以降の巨匠たちの作品だけではありません。メソポタミア文明からギリシャ、エジプト、ローマといった、古代の作品群も多数所蔵しているのです。

本展では、彫刻作品を中心に、普通に2000年前、3000年前といった時代の作品が多数並んでいるのが特徴です。肖像作品は、特に時代や地域ごとに「コード」と呼ばれる決まった表現の仕方・ルールがハッキリ見られますが、時代・地域によって、少しずつ異なる「コード」の違いを見比べてみるのも楽しいですよ。

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《「青冠」をかぶった王アメンヘテプ3世(在位 前1391-1353)の頭部》

見てくださいこの頭部の大きさ!エジプト人は、しばしば王族や貴族を中心に幼少時からの頭部矯正を行う風習があったことで知られますが、このアメンヘテプ王の頭部はまさにそれ!見立てによってはエイリアンみたいにも見える、コーンヘッドの王様、味わい深かったです。

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《王妃ケネメト・ネフェル・ヘジェト・ウレトの彫像》

人体表現がどことなく自然でなく、写実的なんですが固い感じの造型はまさにエジプト古代王朝の伝統的作風ですね。そういえば古代ギリシャでも、アルカイック期(~紀元前5世紀頃)は手足がつながってたり、やたらカクカクしていたりと、こんな感じですよね。古代ギリシャはその後、写実的でダイナミックな肉体美が美しい彫刻へと移行していきますが、エジプト王朝は最後までこういうスタイルだったんですよね。「コード」の強力な呪縛を打ち破れなかったのでしょうか。

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そして、こちらはローマ中期の歴代皇帝たちの胸部像。ほれぼれするような美しさでした。2000年前の彫刻家が、今とそう変わらない美的センスと技術力を備えていたという事実に、改めて驚かされました。ここからルネサンス時代にかけて、長い間西洋美術はある意味「トンネル」に入っていくのですよね。

フランス史上最強の権力者「ナポレオン」特集!

肖像芸術は、権力者たちによって、古代から自らの権勢を幅広く知らしめるために活用されてきました。本展でも、ハンムラビ王の頭部像やローマ時代の頭部像、ルイ14世の肖像画、彫刻などいろいろな時代の権力者たちの肖像作品が特集されています。

そのハイライトとなるのが、フランス史上最も強大な権力を誇った一人である、ナポレオン・ボナパルトについての肖像作品です。ルーヴル美術館は、ナポレオンのお膝元でもあるので、本展でも絵画・彫刻など多数の作品が出展されました。

なかでも絶対に見ておきたいのが、ナポレオンの「デスマスク」です。

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フランチェスコ・アントンマルキ《ナポレオン1世のデスマスク》1833年

1821年5月5日、ナポレオンが息をひきとった数日後、イギリス人の主治医バートンが石膏で最初のデスマスクを作成しました。その後1833年になってこのデスマスクの「顔」の部分の複製が製作・販売されました。本作品はそのうちの1点とされます。

いろいろな角度から鑑賞できるようになっていますが、どの角度から見ても、安らかな寝顔のようでした。

きらびやかな工芸品もあります

展覧会の主力となる作品は彫刻と絵画です。これに加え、本展ではメダル、アクセサリー、銀食器など、様々なジャンルでルーヴル美術館の保有する優れた肖像作品が展示されています。

特にアクセサリーや小物類の展示コーナーは、一区画だけトンネルのような入り口で区分けされています。中は、ぐっと照度が落とされて、暗室のようになっていました。その中で、きらびやかにライトアップされた各アイテムが楽しめるように演出が工夫されていました。

▼アクセサリーや小物類の展示コーナーf:id:hisatsugu79:20180531144358j:plain

面白かったのは、セーヴル王立磁器製作所《国王の嗅ぎタバコ入れの小箱》です。小箱の中には、嗅ぎタバコを入れる小さなスペースと、楕円形のミニアチュールを8点並べたプレートが3枚収容されるようになっています。各ミニアチュールには、当時のフランスやヨーロッパ諸国の王侯貴族や、一流文化人たちの肖像画が描かれていました。

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セーヴル王立磁器製作所《国王の嗅ぎタバコ入れの小箱》1819-1820年
マリー=ヴィクトワール・ジャコト《「国王の嗅ぎタバコ入れ」のためのミニアチュール48点》のうち数点 

解説パネルの説明によると、こんな感じで収容していたようです。貴族たちは、タバコを楽しみながら、肖像画をみんなで鑑賞して楽しんだのでしょうか。

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引用:展覧会場の解説パネルより

そして、こちらはイタリア・ポンペイ近くの小都市から出土した、紀元1世紀前半頃に製作された銀食器《ボスコレアーレの至宝 エンブレマ型杯》です。

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《ボスコレアーレの至宝 エンブレマ型杯》

食器の中央部分に、中年男性の胸像が、裏側から立体的に打ち出された超絶技巧な作品でした。これが2000年前に製作されたとはとても信じられません。古代ローマ人、恐るべしです・・・。 

音声ガイドも良かった!高橋一生が語り下ろすルーヴルの魅力

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そして、今回の音声ガイドは、2017年に大ブレイクを果たした俳優・高橋一生なのです!今年2月に開催された記者発表会では、「僕の声って眠くなるって言われてるんですよね~」と冗談めかして話していました。

が、聞いてみたらこれが予想以上に渋くて良いのです。かなり低めのトーンで落ち着いて話してくれるので、つい引き込まれるように聞き入ってしまいました。ボーナストラックでは、彼がこの展覧会のために実際にルーヴル美術館を訪れたときの感想レポートなんかも入っていますよ。

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3.巨匠たちの昨品(肖像画)

そして、展覧会で注目したいのは、豪華絢爛な巨匠たちの絵画作品です。気に入った作品がいくつもあったのですが、特に今回見ておきたい作品をいくつか絞って解説しますね。

ベラスケス

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ディエゴ・ベラスケス(1599-1660)の工房《スペイン王妃マリアナ・デ・アウストリア(1634-1696)の肖像》

5月27日に国立西洋美術館で閉幕したばかりのベラスケス展ですが、わずか3日後にまた再会できるとは(笑)近づくと粗目のタッチでも、ちょっと遠ざかるとピントが合ったかのようにしっくり見えるのが、ベラスケスの肖像画。宮廷の壁面などに展示され、少し離れたところから鑑賞する時、ベストな見え方になるように調整されているのです。そして、極めて素朴で、人間臭い表情を写し取った本作は、紛れもなくベラスケス度100%!他の時代・地域の巨匠たちと並べると、個性がハッキリとわかります。

レンブラント

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レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン
《ヴィーナスとキューピッド》

「光と闇の魔術師」とも言われたレンブラントは、自画像・肖像画も100点以上遺しています。本作は、愛の女神ヴィーナスとキューピッドの神話的な構図を借りつつ、彼の内縁の妻・ヘンドリッキェと、彼らの娘コルネリアを描いたものとされています。不思議といつまでも見ていたい気分にさせられる、傑作でした。レンブラントの、奥さんに対する深い愛情が伝わってくるような作品です。

ゴヤ

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フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス《第2代メングラーナ男爵、ルイス・マリア・デ・シストゥエ・イ・マルティネスの肖像》

18世紀スペインの巨匠・ゴヤは宮廷画家として子供の肖像画も多数手がけました。本作に描かれたのは、スペイン王家に近い貴族の家系に生まれた、ルイス・マリア・デ・シストゥエが2歳8ヶ月の時の肖像画です。

彼の引き締まった凛とした表情は、生まれながらの高貴な風格をまとっているようですよね。ぬいぐるみのような犬は、彼の忠実な家来のように見えました。

ダヴィッド

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ジャック=ルイ・ダヴィッド(1748-1825)と工房《マラーの死》

最初、ぱっと遠目から見た時「カラヴァッジョの作品がまさかの出展?」と思ったら、違いました。ダヴィッドとその工房のメンバーが、カラヴァッジョ作《キリストの葬送》から構図を借用して制作した葬送の肖像です。フランス革命の象徴でもあった新聞記者、マラーの死は革命を支援する市民たちの英雄となりました。

そのマラーを悼む肖像画を描くということは、当時としては極めて政治的な行動だったとのこと。まして、彼はこの絵を描いた前年、国民議会の議員にも選ばれていた政治家だったのでした。

ヴィジェ・ル・ブラン

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エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン
《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人(1761-1829)の肖像》

ヴィジェ・ル・ブランは、マリー・アントワネットの肖像画家として特に有名です。1789年にフランス革命が勃発すると、それを機にフランスを離れ、ヨーロッパ各地で肖像画の名手として引っ張りだこになりました。

本作のモデルはロシアのスカヴロンスキー伯爵の妻、エカチェリーナです。34歳の時の肖像画とのことですが、惚れ惚れするほどかわいいですよね。展覧会でも、この絵の前で足を止める人が多く、「かわいいー」と大評判でした。肌感覚ですが、おそらく展覧会の一番人気作品なのでは??!

アルチンボルド

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左:ジュゼッペ・アルチンボルド《春》
右:ジュゼッペ・アルチンボルド《秋》

そして、展覧会の最後を飾るのが、アルチンボルドの「四季」シリーズから《春》と《秋》です。昨年、「アルチンボルド展」「ルドルフ2世の驚異の世界展」でも紹介され、ここ最近頻繁に作品を見ているイメージがありますが・・・。

が、本作がここにあるというのは、本来間違いなくレアな出来事なのです!紛れもなく世界で数十点しか存在しない、超貴重な国宝級作品です。そんなアルチンボルド作品が、ぽんぽんと短期間の間に3回も見れるとは、日本って本当に展覧会大国ですよね・・・。

展覧会ラストを締めくくる本作は、大人から子供まで童心に帰って楽しめる作品です。じっくり細部まで堪能してみてくださいね。

4.彫刻作品も凄い!

そして、絵画だけでなく彫刻作品も見どころたっぷり!ここでは近代以降で特に面白かった作品を紹介しますね。

これぞ貴族の象徴!盛装した枢機卿の晴れ姿!

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フランチェスコ・マリア・スキアッフィーノ(1688-1763)《リシュリュー公爵ルイ・フランソワ・アルマン・デュ・プレシ(1696-1788)》

見てくださいこのゴージャスな盛装姿を!筋肉隆々とした写実的な肉体美が特徴だった古代の大理石彫刻とはタイプの違う魅力が楽しめます。ルイ15世に仕えた当時の枢機卿・リシュリュー公爵を表しているのですが、やりすぎ感満載で非常に華やかでした。

苦悩する彫刻家のリアルな頭部像!

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フランツ・クサファー・メッサーシュミット(1736-1783)
《性格表現の頭像》

こちらは、苦渋な表情に顔を歪める初老の男性。作者であるフランツ・クサファー・メッサーシュミットが、自分をモデルに、様々な表情の奇妙な頭部像を製作した全69点のうちの1点です。

なぜこんなユニークな頭部像を作ったのか?その理由は、妄想に悩まされた自分自身を治療する目的だったとされます。だから、彼は生前これらの作品群を一切発表しませんでした。没後にアトリエでまとめて発見されたのです。最初見つけた人はさぞ驚いたことでしょうね~。

苦悶に満ちた表情はリアルで切実なのですが、なんとなくおかしみもあって、絶妙の味わいがある頭像でした。

ルイ14世の騎馬像!

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トマ・ゴベール《フランス式の衣服をまとったフランス国王ルイ14世(1638-1715)》

そして、最後はルイ14世界をモデルとした騎馬像、トマ・ゴベール《フランス式の衣服をまとったフランス国王ルイ14世(1638-1715)》です。ダヴィッドがナポレオンを描いた油絵でも同じようなポーズの作品がありましたが、「馬に乗った王様」はやはり権力の象徴なのでしょうか。

それにしても気になったのはルイ14世の独特な「髪型」です。隣に展示されているイアサント・リゴー《聖別式の正装のルイ14世(1638-1715)》もそうですが、真ん中分けされ、頭頂部で盛り上がった異様な(?)ボリューム感の巻き毛は個性たっぷり。そういえば最近の北朝鮮の主席やアメリカの大統領もかなり個性的な髪型ですよね・・・。

5.広々としたグッズコーナーで買い物を楽しむ!

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いや~、見てくださいこの広々としたグッズコーナー。さすが国立新美術館。圧倒的な広さです。そして、用意されたグッズの種類・量とも非常に充実していました。代表的なところを見ていきますね。

絵葉書が充実!

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壁一面にどーんと架けられた絵葉書。かなりの種類が用意されていました。有名な巨匠の代表作は、ほぼ全部揃っています。安心してガッツリ購入しちゃってください!

定番の文房具グッズやTシャツなど

もちろん、クリアファイル、チケットホルダー、マスキングテープ、メモ帳、ペン、マグネット、一筆箋といった文房具系や、Tシャツ、トートバッグなどの定番アイテムは、しっかり用意されています。

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その中で、ちょっと目を引いたのがこの会場限定で販売されているヴェロネーゼ《美しきナーニ》をモチーフとした扇子。扇子といえば「和」のイメージがあったので、ちょっと意表を突かれました。これからの暑い季節に、重宝しそうですよね。

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お菓子

続いてはお菓子です。最近はどの大型展覧会でも有名な和菓子チェーンや、関東・関西の老舗とのタイアップが珍しくなくなりました。もちろん、ルーヴル美術館展でも大型タイアップが実現。

たとえば、こちらの鎌倉紅谷とのコラボ菓子「ルーブルッ子」。ベースとなっている同社の主力商品「クルミッ子」は本当に美味しいので、これは文句なくオススメ。

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会場限定の「ガチャ」

そして大型展覧会では最近良く見るようになった会場限定のガチャマシーン。

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今回のガチャの中身は、展覧会限定「アクリルスタンド」です。「ルーヴルの男顔」「ルーヴルの女顔」と併せて全部で12種類用意されていますが、どれも精巧に作られています。僕も次回行った時、しっかり回してきます!

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必ず抑えたい!図録

最後に、記念に抑えておきたいのは展覧会の図録です。今回は、日本語版だけでなく、永久保存版として、日仏バイリンガル版も発売されました。作品毎の解説はもちろん、コラムも細かく全6編入っており、読み物としても充実した展覧会カタログでした。

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6.混雑状況や所要時間は?

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2015年の開催実績(2会場合計110万人動員)を考えると、会期後半は混雑すると見て良いでしょう。期間中、日本テレビ系列での関連番組も組まれていますし、ちょうど他にライバルとなるアート系の大型展覧会がないため、お客さんが集中する可能性もあります。混雑を回避するのであれば、7月以降、21時まで開館してくれる金・土の夜間延長を狙うのも良いですね。

所要時間は、当日のチケット購入や入場まで並ぶことも考慮に入れると、余裕を持って90分程度は見ておいたほうが良いかと思います。

もう一つ、意外に忘れてはいけないのが「防寒対策」です。国立新美術館は、かなり冷房が効いています。寒さに敏感な方は、念の為に館内用の上着やストールなどをお忘れなく!

7.関連書籍・資料などの紹介

知識ゼロからの肖像画入門

『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』がビジネス書コーナーのベストセラーとなっている木村泰司氏。彼がその少し前に上梓した、初心者向けの肖像画鑑賞のための入門書です。西洋絵画を中心に、歴史上、肖像画がなぜ描かれ続けたのか?肖像画をどう読み解けばよいのか?等々、わかりやすくビジュアル満載で解説してくれます。この本は展覧会の副読本にぴったりだと思います。

美女たちの西洋美術史

同じく、木村氏が書いた本をご紹介。こちらは、「女性の肖像画」について掘り下げて書かれた新書です。西洋美術の中で、ルネサンス期以降19世紀ごろまでに描かれた女性の肖像画を取り上げ、徹底的に解説してくれます。絵画鑑賞を通して、西洋の宮廷文化や歴史についてこれ1冊でかなりの教養がつきます!

8.まとめ

今や日本では「エルミタージュ美術館展」「プーシキン美術館展」「デトロイト美術館展」等々、毎年のように世界中の著名な美術館の作品が日本にいながら楽しめる展覧会が目白押しです。

その中で、絶対見逃せないのが今回の「ルーヴル美術館展」です。今回改めて足を運んでみて思ったのは、他の美術館とはひと味もふた味も違う「美の殿堂」としての歴史の重みでした。古代ギリシャ・エジプト文明の作品から近代の作品まで、幅広いジャンルのマスターピースを満喫できる、この夏本命の美術展です。おすすめです!

それではまた。
かるび

展覧会開催情報

◯美術館・所在地
国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
◯最寄り駅
・東京メトロ千代田線乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口直結
・東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
・都営地下鉄大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
◯会期・開館時間
2018年5月30日(水)~9月3日(月)
10時00分~18時00分(入場は閉館30分前まで)
※毎週金・土曜日は夜間延長あり。
※6月は20時まで、7月~9月は21時まで
◯休館日
毎週火曜日(※ただし8月14日は開館)
◯入館料
一般1600円/大学生1200円/高校生800円
※中学生以下無料
※高校生無料観覧日は追って発表あり
◯公式HP
・国立新美術館HP
http://www.nact.jp
・展覧会オフィシャルHP
http://www.ntv.co.jp/louvre2018/
◯公式Twitter
 https://twitter.com/louvre_ntv