あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

MENU

【ネタバレ有】「探偵はBARにいる3」感想・考察と11の謎・疑問点を徹底解説!/勝負の映画3作目はよりコメディ色が鮮明に?!

f:id:hisatsugu79:20171128001024j:plain
【2017年12月9日最終更新】

かるび(@karub_imalive)です。

12月1日「映画の日」に公開された映画「探偵はBARにいる3」を見てきました。4年ぶりの続編となった、札幌を舞台とする二枚目半の街の探偵が活躍するハードボイルドなストーリーです。

早速ですが、感想・考察等を織り交ぜた映画レビューを書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が一部含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「探偵はバーにいる3」の予告動画・基本情報

▶「探偵はBARにいる3」公式予告動画
※画像をクリックすると動画がスタートします


動画がスタートしない方はこちらをクリック

【監督】吉田照幸(TVドラマ「あまちゃん」映画「疾風ロンド」他)
【配給】東映
【時間】122分
【原作】東直己「探偵はBARにいる」シリーズ

本作は、合計160万部以上の実績がある、東直己の札幌を舞台とした「ススキノ探偵シリーズ」を原作としたストーリーで、題名の通り、本作が第3作目となります。1作目、2作目まではおおよそ原作をベースとした作品となりましたが、本作は、事実上の映画オリジナルの作品といっても良さそうです。(一部原案レベルで原作からの借用有り)

f:id:hisatsugu79:20171202232315j:plain
引用:eiga.com

さて、本作でメガホンを取ったのは、過去2作の橋本一監督から交代した吉田照幸監督。交代理由は不明ですが、2013年末に橋本監督が東映を退社したことが原因なのでしょうか?(でも相棒4は普通に撮ってるんだよね・・・)

ともかくも、「あまちゃん」「サラリーマンNEO」などに代表されるシュールかつコミカルな喜劇演出に長けた吉田監督で作品がどう変わったのか、要注目です。

なお、本作は1作目、2作目とはストーリー的に何のつながりもないですが、映画内で出て来る各レギュラー陣との掛け合い、小ネタは過去作をベースにしています。脇役たちのキャラクターや世界観を把握して、120%映画を楽しみたいなら、過去作をチェックしておくと良いでしょう。

幸い、時間がない人のために、東映公式サイトより、『1分でわかる映画「探偵はBARにいる」』が用意されています。これを見ておくだけでも違うと思います!

▶1分でわかる映画「探偵はBARにいる」
※画像をクリックすると動画がスタートします


動画がスタートしない方はこちらをクリック

2.映画「探偵はBARにいる3」登場人物を徹底紹介!

本作では、探偵とその相棒、高田の主役2名と、ゲストでの依頼人=マドンナ役女優が主体となって、脇役陣や悪役たちとの関係性の中でストーリーが進んでいきます。順番に簡単に紹介しておきますね。

主役の相棒二人

探偵(大泉洋)
f:id:hisatsugu79:20171202222218j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 WEB限定特報 - YouTube
北大を中退後、バー「ケラー・オオハタ」を拠点に、街のプライベートアイとして探偵業を営む。警察では対応しない様々なトラブルに対して、興味の沸いた案件であれば金額の多寡は問わず仕事を引き受ける街の便利屋。両切りピース缶と、喫茶「モンデ」のナポリタンをこよなく愛すが、飲み過ぎのためいつも胃腸薬を飲んでいる。

高田(松田龍平)
f:id:hisatsugu79:20171202222317j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube
北大農学部にて、助手を務める傍ら、空手道場の師範代を務める探偵の相棒。本作のアクション担当。探偵の窮地に駆けつけるが、必ず遅れてやってくる。愛車は光岡自動車の初代「ビュート」。車や携帯を持たない探偵にとって欠かせない相棒。

今作の依頼人=マドンナ役

岬マリ(北川景子)
f:id:hisatsugu79:20171202222403j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube
関西系暴力団、花岡組の傘下企業、北城グループの経営する風俗店「ピュアハート」の支配人を務める美女。探偵とは意外な縁があり、探偵シリーズ上、探偵と初めて一夜を過ごしたマドンナ役となった。なんか疲れたアラサーに見えた映画「君の膵臓をたべたい」より格段に若返ったような感じで、文句なく美人に見えました。

今作のその他主要人物

諏訪麗子(前田敦子)
f:id:hisatsugu79:20171202222545j:plain
引用:探偵はBARにいる3 特報 - YouTube
恋人には内緒で「ピュアハート」で小遣い稼ぎのために働く、計算高い大学生。椿秀雄の愛人となったことで、事件に巻き込まれる。

波留(志尊淳)
f:id:hisatsugu79:20171202222642j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 WEB限定特報 - YouTube
北城グループ最強の武闘派青年。ほぼアクションシーンしかなく、キャラクターの奥深さが見えなかったのは残念だが、戦いに飢えたサイコパスのような目つきは良かった。

モンロー(鈴木砂羽)
f:id:hisatsugu79:20171202225030j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 WEB限定特報 - YouTube
昔はススキノの女王で、現在は田舎の肝っ玉母さん。かつての探偵の情報源でもありケラーオオハタでの仲間でもあった。メイク一つで物凄い変わりようだなと感心。

北城仁也(リリー・フランキー)
f:id:hisatsugu79:20171202223005j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube
北城グループの社長にして、下には凶暴で、権力や力には弱い小悪党。正直またリリーフランキーかと思ったけど、やっぱりなんだかんだで演技力はピカイチです。

3.途中までの簡単なあらすじ

ススキノの馴染みのクラブで、変態オヤジとのトラブルを無事に解決して上機嫌だったその夜、いつものようにケラー・オオハタへと戻った探偵に依頼が入った。依頼主は、相棒の高田の後輩で、北大生の原田誠。失踪した諏訪麗子を探してほしいという。

ひまつぶしに始めた捜索依頼だったが、麗子の居所を探るうち、事件の背後に関西系暴力団、花岡組の企業舎弟、北城グループの絡む覚せい剤密輸と、それに絡んだ連続殺人事件との関連が浮上する。

ヤバいとは感じつつも、新聞記者の松尾、桐原組若頭の相田、かつてケラー・オオハタで仲間だったススキノの女王、モンローなど、知り合いの伝手を活かして捜査を続ける探偵だったが、案の定、北城の手下に何度も危険な目に合わされる。特に、この一連の捜査の中で、相棒の高田でさえかなわない、北城の最強の部下、波留の存在は厄介だった。

その中で浮上したのが、かつて4年前、探偵がススキノの街角で助け出し、今では北城の愛人として女王然として振る舞う岬マリという美女の存在だった。罠だとわかっていても、マリの魅力に抗いがたいものを感じた探偵は、マリに気を許し、一夜を過ごした上、危険な依頼を受けてしまう。

その依頼は、不治の病で余命いくばくもない、マリの最後の戦いでもあった。マリと探偵、高田は、命の危険もある一世一代の賭けに出るのだったーー。

4.映画「探偵はバーにいる3」の感想・評価

3作目にして見えてきた、シリーズ物としての確かな方向性

f:id:hisatsugu79:20171202230348j:plain
バディ色の強くなった3作目
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

本シリーズ「探偵はBARにいる」ですが、僕自身は、実は1作目、2作目はリアルタイムでは見ていません。今回の3作目のために後追いでチェックしたのですが、こうやって一気通貫で見てみると、1作目から少しずつ変化しつつも、今回の3作目で、連続シリーズ物として、一応の作風は固まったのかな、という感触がありました。

いつものように札幌で面白おかしく仕事したり遊んだりしている探偵と相棒の高田のもとに、美女からの依頼が入り、気楽に引き受けた仕事だったはずが、全くコスパの合わない危険な事件へと発展していく。チンピラやヤクザに追われてボコボコにされつつも、街の知り合いたちの力を借りて、意地と信念で依頼を果たし、問題を解決する・・・

そう、よくよく見てみると、3作ともストーリーの構造はほぼ同じなんですよね。ただ、このよく出来たフォーマットを大きく崩すこと無く、脚本家・古沢良太の堅牢なシナリオの元、しっかりと3作品製作されたことで、シリーズ物としての土台はほぼ固まったのは良かったかなと感じました。

監督が交代したことで、変わったものとは?~良い点も悪い点もあった~

f:id:hisatsugu79:20171202230232j:plain
吉田監督「あまちゃん」でブレイクした安藤は出番増
引用:『探偵はBARにいる3』 WEB限定特報 - YouTube

今回、これまで過去2作でメガホンを撮ってきた東映お抱えの社員監督だった橋本一氏が降板し、変わって監督となったのが、「あまちゃん」等で、コメディ的な演出に定評がある吉田照幸監督。

まず、今作で大きく変わったなと思ったのが、バイオレンス描写やシリアスなハードボイルド描写の後退です。まるで「極道の妻たち」のように、クライマックスシーンで花嫁姿となった小雪が銃を乱射するシーンや、鮮血が容赦なく飛び散る殺害現場の描写など、衝撃的な映像も多かった1作目に比べると、かなりおとなしい作品になりました。

例えば、冒頭でアイスピックみたいな凶器でケツをプスプスやられるシーンがあるんですが、1滴も血が出ないんですよね。手当が終わって、少し後のカットになると何事もなかったかのように振る舞ってるわけです。えっ、もう痛くないの・・・?

f:id:hisatsugu79:20171202233542j:plain
みんな素手で戦うのみ。やや蛋白なアクション
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

さらに、ヤクザと戦うシーンが何度もあるんですが、どのヤクザも痛そうな凶器を持ってなくて、素手で殴り合うので、不良同士のケンカレベルにしか見えないのです。代わりに効果音だけ「ドスッ、バキッ」と不自然に大きくて、「音でごまかすなよー」と思わず見ながら苦言を呈したくなりました。

で、ひょっとしたら・・・と思って後で映画情報を見たら、今回から「PG12」ではなく「G」指定になってました。なるほど・・・。子供にも見てもらいたかったんやね。

また、前作では元AV女優を使って、それなりの生々しい性描写もありましたが、今回のマドンナ役、北川景子とのからみは、はっと起きたらベッドの隣に女が寝てる、いわゆる「朝チュン」状態。もう30歳なんだから、北川景子も、もうちょっと頑張れないですかね~^_^;

もちろん、良かった点もあります。さすが吉田照幸監督というべきか、コメディ的な演出は間違いなく前作よりも200%増しぐらいに増えて、はっきり映画中で笑えるシーンが増えました。

まず、主役二人の演技に関しては、俳優の創意工夫に大きく委ねるタイプの監督らしく、素の大泉洋や松田龍平の持つ個性やキャラクターの面白さがきっちりと引き出されていました。毎回演技が変わる二人に、何度もテイクを重ねて自由に演じさせた中から、編集段階で良いものを選んだとインタビューで語っていましたが、この作戦は大当たりですね。

また、ドラマ「あまちゃん」の時のように、現実の人物や団体をストーリーの中に登場させて、インパクトや意外性あふれるシーンを作り出す工夫も評価ポイントです。今作でも、日本ハムファイターズの栗山監督や、札幌市長などもカメオ出演するなど、地元感あふれるサプライズゲストを用意した工夫は良かったです。

さらに、各サブキャラ達の「キャラクター」をしっかり立てる演出が徹底されていて、探偵と、レギュラークラスの脇役たちとの掛け合いや会話が、非常に魅力的で面白いんですよね。すっとぼけた大げさなヤクザ若頭の松重豊、これまでになくねちっこく探偵に迫る安藤玉恵、必要以上にバカっぽく、わざとらしい演技が逆に良かった前田敦子など、各俳優が演じるキャラクターが生き生きと働いています。 

それでも敢えて苦言を呈すなら・・・

f:id:hisatsugu79:20171202225923j:plain
演技力云々の前に、まず出番が少ない前田敦子
引用:『探偵はBARにいる3』 WEB限定特報 - YouTube

本作も基本的には満足したのですが、2つだけどうしても気になることがあったので、最後に書いておきたいと思います。

まず1つ目として、前田敦子と志尊淳など、若手の存在感が全くなかったということ。前田敦子演じる諏訪麗子は、結局マドンナ役北川景子を引っ張り出すための導線で終わっており、最後までストーリーのかやの外でした。いつ前田敦子がもう一度からんでくるんだろう?と思って見ていたら、単なる軽薄でダメな大学生役で終わってしまったという・・・。もうちょっと工夫できたでしょう?

志尊淳も、狂犬タイプのキレる若者というレベルに留まっていて、最後まで意外性も深みも感じられなかったのが残念でした。少なくともノベライズ版に描かれた通り、北城グループの次世代を狙う野心家で、計算高い一面などはまったく描かれませんでした。(本人の演技力の問題?)

せっかくバイオレンス描写を抑えてまでも、「PG12」から「G」指定に変えたのであれば、もっと若手を躍動させるような脚本や演出が必要だったのではないかと・・・

もう1つは、悪い意味でTV的なくどいセリフでの説明が多すぎたのではないかということ。探偵なので、聞き込みの中の会話から伏線・ストーリーが浮かび上がってくる構造は仕方ないにしても、それでもちょっとペラペラ説明しすぎなんじゃないでしょうか?

謎解き要素が、過剰に埋め込まれた説明的セリフのせいで、かなり薄味になってしまっているのは残念でした。次作はもっと映像で魅せる工夫を頑張って欲しいと思います。

スポンサーリンク

 

5.映画「探偵はBARにいる3」の名脇役たちを徹底紹介!

本作「探偵はBARにいる」では、何人か必ず出てくるレギュラークラスの個性的な脇役陣が非常に魅力的です。せっかくなので、ちょっと整理してみますね。

北海道日報記者「松尾」(田口トモロヲ)f:id:hisatsugu79:20171202223551j:plain
引用:映画『探偵はBARにいる3』公式サイト
浮気現場を写した写真の回収を探偵に依頼して以来、探偵と持ちつ持たれつの関係に。実は両刀使いで、最近はもっぱら男性に興味が傾いている。「いつか掘ってやる!」との捨て台詞が今作のハイライト(笑)

桐原組若頭「相田」(松重豊)f:id:hisatsugu79:20171202223607j:plain
引用:映画『探偵はBARにいる3』公式サイト
相田は、昔気質のヤクザで、すっかり弱体化して、関西系の花岡組の進出を許している桐原組の若頭。昔、探偵が家庭教師のバイトをしたら、その教え子が桐原組長の息子だったことから、相田とは腐れ縁となり、不定期にサウナで情報交換をしている。いつも探偵の言動を敵対的行動と誤解し、探偵を危険な目に遭わせるが、最終的には事件の大事なところで探偵の強力な味方となる頼もしい存在。

ススキ野の客引き「源」(マギー)f:id:hisatsugu79:20171202223620j:plain
引用:映画『探偵はBARにいる3』公式サイト
ススキノ風俗街の客引きの顔的な存在で、ソープランド「英雄好色」所属。探偵の貴重な情報源でもあり、いざとなったら信頼を裏切らないケラー・オオハタの飲み仲間でもある。大泉洋のTEAM NACSの公演で本作の脚本家・古沢良太とともに演出を担当するなど、大泉人脈の一人。

喫茶モンデ店員「峰子」(安藤玉恵)f:id:hisatsugu79:20171202223651j:plain
引用:映画『探偵はBARにいる3』公式サイト
24時間営業で、不味いコーヒーとナポリタンを出す喫茶店「モンデ」の女店員で、色仕掛けで探偵に激しく迫るも、全く相手にされていない。今作では、「あまちゃん」で気心の知れた吉田監督の引き立てもあったのか、喫茶店のシーンを始め、野外でのシーンなど、大幅に登場回数が増えていました。(ちなみにあまちゃんでもほとんど似たような感じの役割ですw)

ゲイバーのオカマのママ「フローラ」(篠井英介)f:id:hisatsugu79:20171202223700j:plain
引用:映画『探偵はBARにいる3』公式サイト
ゲイバー「トムボーイズ」で働くベテランのママで、探偵が頼りにするススキノの情報源。第2作に続いての登場。前作では、この「トムボーイズ」が事件の舞台となったが、今作でも探偵の事件に巻き込まれて店内を荒らされる。ちなみに、本名の「靖次郎」と呼ばれると、猛烈に怒る。なお、篠井英介は、他作品や演劇でも「女形」にこだわって演技を突き詰める個性派俳優です。

スポンサーリンク

 

6.映画「探偵はBARにいる3」に関する11の疑問点~ストーリーの伏線・設定・トリビアを徹底考察!~

本作をより深く理解するため、ストーリーや設定について、その要点となりそうなポイントを考察してみました。内容上、映画を1度見終わった人向けのコンテンツとなりますので、ここからはネタバレ要素が強めに入ります。予めご了承下さい。

疑問点1:バー「Keller Ohata」(ケラーオオハタ)のモデルは実在するの?

f:id:hisatsugu79:20171202224234j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

「Keller」とは、英語では「Celler」と書き、直訳すると「地下室」という意味です。探偵たちが映画内でベースとしている地下1Fにあるバー「KELLER OHATA」ですが、このモデルは、原作者の東直己氏が若い時足繁く通った「サントリーケラー」(現在は閉店)だと言われます。一時期、仕事等で東氏に連絡を取るときは、皆サントリーケラーに連絡をしていたという逸話から、本作内でも、探偵に連絡を取る時このバーに来るか電話をすることでコンタクトができる設定となったそうです。

また、「KELLER OHATA」のバーテンダーで出演し、監修を務めた本間一慶さんが経営するバー「一慶」は札幌市内にあります。

f:id:hisatsugu79:20171202174714j:plain
BAR一慶の店内のようす
引用:札幌,すすきの,ススキノ,探偵はBARにいる,BAR一慶

一慶は、ちょうど2017年11月でオープン10周年となったようですね。北海道在住の人はぜひ行ってみてはいかがでしょうか?

疑問点2:「探偵」にはなぜ名前がないの?

f:id:hisatsugu79:20171202224547j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

自分視点での一人称語りで物語が進んでいくハードボイルド小説の世界観を映画にも持ち込みたいため、高田が「探偵!」と呼びかけざるを得ない不自然な場面を甘受してでも、映画でも、小説同様に敢えて名前を与えなかったのだと思われます。実際、シリーズを通して、小説での「地」の文に当たる部分を、探偵視点での大泉洋のモノローグが入っていますよね。

ちなみに、東直己の原作小説では、「俺」という表記で、一人称視点でストーリーが語られています。

疑問点3:なぜ岬マリは工藤と椿を殺害し、探偵に近づいていったのか?

f:id:hisatsugu79:20171202224621j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

モンローの元を離れ、北城の経営する「ピュアハート」に出入りするようになった岬マリは、かつて暴力をふるい、妊娠がわかったとたん自分を捨てた椿秀雄が、北城腹心の部下として覚せい剤の運搬係を務めていることを知りました。個人的な恨みと、北城から覚醒剤を奪い、1億円を引き出すために、ためらいなく椿を殺害したのです。その一連の計画は、愛人関係にあった北城組の工藤と実行したのですが、覚せい剤入手後、計画を巡って対立したため、工藤も拳銃自殺に見せかけて殺害しました。(あるいは、最初から殺すつもりだったのかも)

この計画実行中に、マリは偶然に諏訪麗子経由で探偵と再会します。マリは、この計画の最終段階である、強奪した覚せい剤と1億円を交換する計画に、探偵を巻き込むことにより、自らは投獄されても探偵を介して確実に計画を実行しようと考えたのでした。

疑問点4:岬マリは、なぜ見ず知らずの子供に1億円をやったのか


f:id:hisatsugu79:20171202224717j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

不治の病を抱え、治療のため入院していた岬マリは、病院の同室で、篠原里美という、難病を抱えた4歳の子供と出会いました。里美は、マリがかつて流産した子供の命日である平成25年2月18日生まれであることが判明します。

これに運命的な出会いを感じ、里美が自らの娘のように思えたマリは、4年前、探偵に「命を燃やせるものを見つけろ」と言われた言葉を思い出し、篠原里美の人生を支えることを自らの使命としたのです。そこで、里美の莫大な手術代をまかなうため、北城から密輸した覚醒剤を強奪し、1億円で買い取らせる計画を立てたのです。

親からも先立たれ、子供も流産して、失ってばかりだったマリが、最後に見つけた自分自身の大切なものが、赤の他人だったという事実に探偵は絶句していたのですね。

疑問点5:なぜ、諏訪麗子はずっと隠れ家から出てこなかったのか

f:id:hisatsugu79:20171202224952j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

諏訪麗子は椿秀雄の事実上の愛人であり、北城サイドから見ると椿を殺害して覚醒剤を奪った犯人の第一候補に見えるからです。「ピュアハート」のデータベースから椿との関係性を割り出すのは簡単ですし、凶暴な北城は、麗子を拷問し、下手したらオトシマエをつけるために殺害する可能性もあったでしょう。また、その時に真犯人として「ピュアハート」オーナーの岬マリが真犯人であることを北城にバラすかもしれません。

だから、岬マリは、全ての計画をやりきるまでの間、諏訪麗子に隠れ家を与えて、出てこないようにしていたのでしょう。

疑問点6:今作で登場した「モンロー」ってどんな人物だったのか?

f:id:hisatsugu79:20171202225030j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 WEB限定特報 - YouTube
モンローは、かつて「ススキノの女王」と言われるほど、界隈で顔の効く、ススキノで働く姉御肌のベテラン娼婦でした。ケラー・オオハタの常連でもあり、探偵の古い知り合いでした。流産後、自暴自棄になった岬マリの捜索を探偵に依頼したこともありましたが、現在では好きな男と結婚し、1児を設けたあと、小樽で食堂のおかみさんをやっています。原作小説でも第1巻「探偵はバーにいる」後半のキーパーソンとして登場します。

今後、ひょっとしたらシリーズ化された際は、常連の脇役として毎回出演するようになるかもしれませんね。

疑問点7:事件後、波留はどうなったのか?

f:id:hisatsugu79:20171202225220j:plain
引用:『探偵はBARにいる3』 予告 - YouTube

映画内では描写が省略されていますが、ノベライズ小説によると、北城が捕まったあと、死人まで出た激しい仲間うちの抗争での主犯格として警察にマークされており、最終的に漁港付近でシャブ中で泥酔していたところを逮捕されたという記述がありました。「真面目に生きてりゃいい格闘家になったのにな。残念だ。」と高田が締めくくっています。

疑問点8:探偵が通う「喫茶モンデ」って実在するの?

f:id:hisatsugu79:20171202225529j:plain
引用:「探偵はBARにいる」ロケ地の喫茶店閉店へ:朝日新聞デジタル

安藤玉恵扮する峰子が勤務する喫茶モンデは、実在する喫茶店ではありませんが、そのモデルは札幌市内にある老舗「喫茶トップ」です。残念ながら2017年5月に閉店した時は、地元の新聞やニュースに取り上げられるなど、話題になったようですね。映画内では「マズい」と言われていたナポリタンは、絶品だったそうですね。

ちなみに、「モンデ」とは、フランス語で「世間」「社会」「世界」という意味です。「モンドセレクション」とかいいますよね。

疑問点9:映画内で高田(松田龍平)がいつも食べているお菓子は?

f:id:hisatsugu79:20171202172246j:plain
引用:【公式】北菓楼オンラインショップ

愛車ビュートの車内にも常備され、高田が映画内でポリポリいつも食べているお菓子は、北海道砂川市が本店の北菓楼「北海道開拓おかき」です。Amazonや楽天では扱っていませんが、会社の直販HPのオンラインショップから買えるようになっています^_^

思わず1セット購入してみました。届くのが楽しみ!

疑問点10:ベースとなった原作はあるの?

本作は、直接ベースとなった原作はありません。シリーズ初の映画オリジナル作品と言っていいでしょう。ただし、原作小説第1作「探偵はバーにいる」モンローや諏訪麗子、原田誠、工藤などの、登場人物やストーリーの一部が原案レベルで使われています。(ややこしいですが、映画第1弾「探偵はBARにいる」は、原作小説第2作「バーにかかってきた電話」の映画化です)

疑問点11:結末/ラストシーン~エンドロールから、続編の可能性を読む~NZには行かなかった高田~

映画のラストシーンで、毛ガニのために2人を殺した猟奇殺人犯として扱われ、投獄されたマリ。真相を知る探偵が一人涙するシーンは、ハードボイルド映画らしいエンディングでした。その後、徹夜で飲み明かした探偵と高田は、早朝にケラーオオハタを出て、別々の方向に歩き出します。探偵は、ニュージーランドへ酪農研究のため留学する高田に餞別を渡し、しんみリ見送って終わり・・・かと思いきやw

エンドロール後、笑撃のシーンが用意されてました。探偵が電話をかけたら、普通に江別の牧場で働いていた高田。NZへ行ったわけではなく、NZからパトリックという技術指導の専門家が来日しただけでした・・・。探偵、餞別渡し損です(笑)

ああー、これは続編をやる気なんだなと。含みをもたせましたね。

映画公開初日の舞台挨拶や、各種マスコミ媒体の番宣で大泉洋がしきりに言っていたのは、「映画を大ヒットさせて、ぜひ続編を作りたい」ということでした。これに対し、当初次作以降の出演には消極的だった松田龍平も、映画撮影終了後には次作への気持ちも固まったそうで、主演陣や制作スタッフは概ね次作に意欲的なスタンスのようです。

3作品製作されたことで、主役や脇役レギュラー陣の立ち位置も固まり、制作チーム内でのノウハウが蓄積されたため、あとは採算性さえクリアすれば、「釣りバカ日誌」や「寅さん」のように長命シリーズ物に発展しそうですね。続編に期待!

7.まとめ

ここまで3作品、いずれも水準以上の個性的な和製ローカルものハードボイルド作品として独自の存在感を発揮している「探偵はBARにいる」シリーズ。今作も十分楽しめるエンターテイメント作品に仕上がっていました。ぜひ4作目、5作目と続けてほしいですね。

それではまた。
かるび

冬のAmazon大セール開催中!( 12/11まで)
映画DVDやその他商品が激安!Amazonサイバーマンデーのおすすめ目玉商品・セール情報まとめと解説!

 

8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

探偵はBARにいる1作目

2011年度日本アカデミー賞では、優秀作品賞、主演男優賞、助演男優賞他、7部門で受賞した衝撃のデビュー第1作。札幌を舞台とした二枚目半の探偵が活躍するハードボイルド路線は非常に斬新で、シリアスさとコミカルさが絶妙のバランスで封入された作品です。雪景色の中たっぷりのアクションシーンに加え、脇役陣も1作目から個性抜群!

探偵はBARにいる2作目

制作陣はそのままに、ストーリーのスケール感がアップした第2作。引き続き札幌近辺のるるぶに出てきそうな観光名所で探偵と高田が満身創痍で依頼人の問題解決に奔走します。マドンナ役は尾野真千子。

「探偵はBARにいる3」はノベライズ作品もいいぞ!

本作は、オリジナル作品ということで、原作者の東直己氏ではなく、別のライターさんが古沢良太脚本に基づいてノベライズを執筆。しかし、これがかなり出来が良いのです。原作通り一人称モノローグで進んでいく語り口や、軽めのハードボイルド路線は原作の雰囲気を忠実に再現してくれています。映画とはまた違う魅力が詰まったノベライズでした。これはオススメ!

映画「探偵はBARにいる」シリーズは、まとめてU-NEXTで!

f:id:hisatsugu79:20171202231738j:plain

映画「探偵はBARにいる」シリーズは、過去2作とも、「U-NEXT」で見放題になっています。本作を見て、もう少し見てみたいなと思った人は、1つずつDVDを買うよりも、まずはU-NEXTでチェックしてみてはいかがでしょうか。

★最初の31日間は無料!
加入後、最初の31日間は会員料金が無料です。見放題以外の有料作品も、初月付与される600ポイントを使えば、2本まで無料で見れます。さらに、毎月自動的に1200ポイント付与されるため、月額料金も、実質上業界最安クラスの800円なのですよね。国内最大120,000点の品揃えは映画ファンにはたまりません!

★100誌以上の雑誌も読み放題!
DVDだけでなく、雑誌まで読み放題サービスがついてくるんですね。僕も、映画以外にもサブカル、マンガ、エンタメ系の情報はU-NEXTで無料購読できる雑誌から仕入れています!毎月付与される1200ポイントで、電子書籍を購入することもできますよ!

U-NEXTへのお試し申込リンク
U-NEXTを無料で試す!