あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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2017年、見てよかった美術展・展覧会ベスト10まとめ!

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かるび(@karub_imalive)です。

2017年もあっという間に終わっていこうとしていますね。僕も、会社を辞めてあっというまに2回目の年末を迎えました。

もともと、会社を辞めたらがっつり美術展に行こう!と決めていたのですが、2016年に引き続き、2017年も無事100ヶ所以上の展覧会に足を運ぶことができました。これもひとえに家族の理解と、周囲の素晴らしい先輩ブロガーさん、ブログを見ていただいた読者の方のおかげであり、ありがたいことだと思っています。おつきあい頂いた皆様、本当にありがとうございました。

ということで、今年チェックした美術展・展覧会のマイベスト10と、全体の振り返り、来季の展望などを簡単に書いてみたいと思います!

1.2017年、見てよかった展覧会ベスト10!

第10位:タイ展

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行く前はあまり期待してなかったのに、行ってびっくり!凄く刺激を受けたのがこの「タイ展」。最初はタイの伝統文化を紹介する展覧会なのかな?と思っていたら、全然違ってて、ほぼ会場全部でタイの伝統的な仏教美術=仏像が全力で紹介されている展覧会でした。

「かわいくってエキゾチックな」タイのお国柄が色濃く出た仏像のお顔に、きっちりやられてしまいました。日本の仏像とは明らかに違う、「微笑みの国」で作られた個性豊かなアルカイックスマイルにしびれた展覧会でした! 

第9位:安藤忠雄展

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国立新美術館の大箱を目一杯使って大規模展示しただけでなく、代表作である「光の教会」を原寸大で国立新美術館の庭に再現してしまうという物凄い力の入り方!無手勝流で裸一貫建築家へ志して、今や押しも押されぬコンクリート建築の世界的権威へと上り詰めた安藤忠雄の、情熱というかパワーを分けてもらえるような、そんな展覧会でした。

音声ガイドも全部自分でしゃべって撮り下ろしていたり、展示パネルに肉筆でガンガン追記していたり、大規模展覧会なのに、手作りで作っている感じも型破りで良かった。いつまでも長生きして活躍を続けてほしい稀有なアーティストです。 

▼代表作「光の教会」
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第8位:ギガ恐竜展

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行く前は息子のほうがノリノリだったのですが、幕張メッセに到着して、怒涛の展示内容を見た途端、俄然やる気を出してしまいました(笑)メッセのどでかい空間を活かした原寸大の竜脚類化石モデルをはじめ、動くティラノサウルス、VR体験コーナーなど、コンテンツ量、クオリティともに過去の恐竜展で最高クラスだったと思います。

▼恐竜のたまごの化石
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第7位:オルセーのナビ派展

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オルセー美術館の主力コレクションは印象派だけではないんです!まさに絵画が現代アートへと足を踏み入れる前夜、パリで結成された前衛的な画家集団「ナビ派」を取り上げた過去最高規模の回顧展です。

平面的で、形にとらわれない自由な作風が魅力の、ナビ派画家約10名を集中的にフィーチャーした非常に良い展覧会でした。 

第6位:これぞ暁斎展(河鍋暁斎展)

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浮世絵から狩野派風の水墨画、美人画、妖怪画、幽霊画、風刺画など、あらゆるジャンルの絵画を手がけ、作風をカメレオンのようにその都度変えて描くことができた幕末~明治の天才画家、河鍋暁斎の大規模回顧展です。

一旦は長く日本人の間で忘れ去られてしまった画家でしたが、2015年の回顧展と合わせて、アートファンの間でかなり復権が進んできた印象ですね。若冲の次に暁斎ブームこないかな~。

第5位:ミュシャ展

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これまで何度も国内で開催されてきた「ミュシャ展」と大きく違っていたのが、本邦初公開となった全20展の超巨大絵画「スラヴ叙事詩」大特集です。ミュシャが、その後半生の全てを捧げ、スラブ民族の復興と精神的独立への願いを巨大な絵に込めた渾身の作品群は、やっぱり凄かった。こんなにバカでかくて、気合の入った作品群が一時期は完全に世界中から忘れ去られた存在となっていたとは信じられないですね。

▼会場風景。1点1点がバカでかい!f:id:hisatsugu79:20170309092420j:plain

なお、ミュシャ展で非常に良かったのは、図録がきちんとAmazonなどネットでも普通に入手できたこと。ためしにブログに貼ってみたら、僕のサイトからでも全部で50冊程度売れました。(ありがたいことですm(__)m)それだけ潜在的な需要があるんでしょうね~。展覧会の主力商品でもあるのに、未だに図録が展覧会会場でしか入手できないのって、やっぱり不便ですよね。

第4位:国宝展

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仏教美術を始め、名だたる国宝がひしめく京都において、約40年ぶりの国宝展となった本展。展覧会に合わせ、東京から「国宝新幹線」が走ったり、小学館から「週刊ニッポンの国宝100」が創刊されるなど、事前の盛り上がりも凄く、会期中も異様な混雑ぶりに、本展の注目度の高さがよくわかりました。

国宝展で良かったのは、どんなお客さんでも満足できる展示内容であったこと。誰が見ても「凄い!」と思える国宝は、初心者にもわかりやすいし、深掘りしようと思ったら、いくらでも掘り下げて鑑賞をすることもできます。実際、目の肥えたマニアほど何度もリピートしていた印象ですね。まさに全てのアートファンの心に刺さるマスターピースが、これでもかと置かれていた国宝展、本当に素晴らしかったです。

動員数も桁違いだったようで、2ヶ月の短い開催期間中、約60万人が京博へ訪れるなど大盛況でした。もし東京でやってたら、100万人以上になってましたね・・・。今後生きているうちに、これだけの規模の展覧会を見ることができるんでしょうか?!

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第3位:快慶展

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東京国立博物館で秋期に開催された「運慶展」と対をなす形で、奈良国立博物館にて春期に開催された「快慶展」。ちょうど海北友松展と合わせて行ってきたのですが、快慶が制作した国宝級の仏像が全国から集められて展示された圧巻の展覧会でした。

奈良国立博物館の地味な広告宣伝(?)もあって、ものすごい展示だったにも関わらず、お客さんは非常に少なくて快適に見れました。秋の運慶展とセットで見ることで、運慶と快慶の作風の違いがハッキリ体感できました。歴史の教科書では「運慶快慶」とひとまとめにされている両雄ですが、キャリアを積んで行くに従って、実は全く違う作風へと進化していったんですよね。

質実剛健で大迫力の運慶に対して、「安阿弥様」と言われ、柔和で優美な仏像様式を確立した快慶。後の鎌倉後期・室町時代以降の「仏像」のイメージを作り上げたのは、この快慶の業績だったとも言われていますね。

しかし、悔やまれるのは、ブログで感想記事を書かなかったことですかね。やっぱり、記事を書く、書かないでは全く自分の中で心への残り方が違いますから・・・。

第2位:海北友松展

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桃山時代の日本画の名手、海北友松の史上最大規模となる大回顧展が、春の京都国立博物館での目玉となりました。武家に生まれ、大人になってから絵師へと転向した異色のキャリアを持つ遅咲きの絵師です。キャリア初期は狩野派で学び、自らのスタイルを確立してから、80代後半になるまで息長く活躍した絵師ですね。

どの作品も素晴らしかったのですが、中でも凄く好きだった作品が、海外に流出してから、初めて里帰りしたと言われる下記の屏風絵です。 

▼「月花渓流図屏風」右隻f:id:hisatsugu79:20171229024406j:plain
(引用:ネルソン・アトキンス美術館HPより)

この作品を目の前にした時、アートファンになってから初めてと言っていい経験だったのですが、胸がいっぱいになってしまって、しばらく立ち尽くしてしまいました。

まさに「幽玄の美」というか、最晩年において、絵を極めた海北友松のたどり着いた絵画世界の境地が伝わる最高傑作です。画像で今見ると、まぁよくあるような地味な感じの屏風絵に見えるんですが、ナマで見ると全く印象が違いました。やっぱりアートは目の前で作品を見てナンボだなぁと思った作品です。

第1位:運慶展

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そして、今年度第1位は、「運慶展」です。運慶を中心に、その父・康慶や康弁、湛慶といった弟子に至るまで、慶派仏師達が約800年前に作り上げた国宝級の最高傑作達が東京国立博物館に大集結した、奇跡的な大回顧展となりました。

豪快かつ写実的で漢臭い彫刻群は、ミケランジェロを彷彿とさせましたが、慶派仏師って、ミケランジェロより約400年も古いんですよね。インド~タイ~中国~朝鮮半島を通じて、約1,000年かけて6世紀に日本に伝わってきた仏教美術が、その後500年をかけて独自発展した究極形がまさに「運慶」に代表する慶派仏師たちだったのだなぁと思うと、感慨深いものがありました。 

▼八大童子立像
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引用:運慶展公式図録より

ちなみに、関東在住の人は、1月13日で金沢文庫でもうひとつの「運慶展」を味わうことができますね。もちろん駆けつける予定です! 

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2.次点となった展覧会も少しだけ紹介

ここまで2017年の展覧会マイ・ベスト10を書いてみましたが、それ意外にも印象に残った素晴らしい展覧会は沢山ありました。ここで、惜しくもベスト10から漏れてしまった展覧会をいくつか紹介したいと思います。 

「大エルミタージュ美術館展」

ここのところ、ずっと3年に1回のペースでテーマを微妙に変えながら頻繁に開催されている「大エルミタージュ美術館展」。確かに教科書に載るくらいの超有名目玉作品はないのですが、どれも水準以上のハイレベルな作品群ばかりでした。16世紀~19世紀までの各国の美術史の流れがしっかり抑えられるという点で、初心者が体系的にアートを学ぶにはちょうどよかった展覧会でしたね。

「怖い絵展」

レビュー記事が珍しくはてなでバズったのですが、Googleには嫌われてしまいました(笑)神戸・東京の両方で見ることができました。来ている作品のクオリティは正直あまり大したことはないのですが、絵画に秘められたストーリーや意味を紐解きながら鑑賞するという、新しい絵の楽しみ方を広めてくれたと言う意味で、画期的な展覧会となりました。しかしそれにしても大混雑だったよな~。

 

3.2017年の美術展・展覧会を総括!

ますます企画内容が多様化する展覧会

今年も、国立新美術館や東京国立博物館など、関東・関西の大きなハコを中心に展覧会を回ったのですが、2017年に目立ったのは、従来は百貨店や小さいハコでしかやらなかったような、いわゆるファイン・アートの周辺領域に位置する分野の展覧会が、いよいよ大規模な企画展として紹介されるようになってきたということです。

▼マーベル展:歴代アイアンマンが!!
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例えば、ちょっと印象的だったのを挙げてみるだけでも、「マーベル展」(アメコミ)、「ファッションとアート展」(ファッション)、「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」(ジュエリー)、「デヴィッド・ボウイ展」(音楽)、「新海誠展」(アニメ)等々・・・。

また、「ドラえもん展」(現代アート&アニメ)など、素人目から見ても、ファインアートとサブカルの境界線はすでにどこにあるのかわからない状態になっていますし、身の回りのあらゆる「美しいもの」「珍しいもの」「楽しいもの」が、採算が取れるとみなされたら、即座にパッケージ化されて、展覧会としてまとめられる時代なのですね。

従来であれば、ハイエンドなアート領域の展覧会開催しか許さなかった大箱の美術館ですら、積極的に周辺領域を取り上げ、お客さんも気軽に「体験」を求めて足を運ぶ・・・。美術館のあり方・楽しみ方がハッキリ「変わってきているんだな」と実感した1年となりました。 

地域芸術祭もあちこちで開催された2017年

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また、今年は映画館通いも忙しかったので今ひとつ回りきれなかったのですが、地域芸術祭も「飽和状態なのでは?」と思えるくらいたくさん開催されました。

結局、きちんと行けたのは「市原アート×ミックス2017」「ヨコハマトリエンナーレ2017」「越後妻有・大地の芸術祭(常設)」くらいでしたが、普段の美術館での企画展とは全く違う楽しみ方ができるのも地域芸術祭のいいところ。レンタカーを借りて旅行気分で回ったり、みんなでわいわい言いながら鑑賞したり。今年は、懇意にしている先輩ブロガーさんと一緒に回れて本当に楽しかったです。(でも記事に書いてないのですが^_^;)

旅行に行って、美味しいものを食べて、観光もして、そのついでに地域芸術祭も見てくる!というくらいの軽い気持ちで楽しむだけでもOKなのが、地域芸術祭のいいところ。来年はもっと沢山見て回って、しっかり記事を書きたいなぁと思います。

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伊豆・箱根の美術館の充実ぶりが凄い!

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そして、2017年は、東京以外の美術館・博物館にも色々遠征しました。大体は旅行と組み合わせて行くようにしましたが、積極的に美術館目当てで遠征したのは、伊豆・箱根の美術館です。

ぶっちゃけ全部先輩ブロガーの遠征にお供させて頂いただけなのですが、国宝級のお宝と優雅な展示空間・レストランが素晴らしかった、リニューアルされたMOA美術館、実は珠玉の近代西洋画コレクションが凄い下田の隠れ家的な上原美術館、今年の秋から写真撮り放題になったポーラ美術館など、伊豆箱根地域には本当によく行きました。

東京から遠い分、少しでもお客さんに来てもらおうと、「写真撮影OK」や「会館リニューアル」、「キレイで美味しいレストラン」など、独自の工夫を重ねて、集客につなげようとする経営姿勢も素晴らしく、気持ちよく訪問させていただいた美術館が多かったです。

その他、ヴァンジ美術館(長泉町)、岡田美術館(箱根)、静岡市美術館(静岡)などもよかったな~。この地域、来年ももっと通いつめたいと思います!

アート映画の公開が非常に増えた2017年

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映画「ジャコメッティ」より
©Final Portrait Commissioning Limited 2016

上映公開された対象作品の半分くらいしか見れなかったのですが、2017年は本当にアート関連映画の上映が増えた印象です。アーティストの伝記映画から、現在も活躍する現代アート作家の密着取材もの、展覧会の「裏側」を覗くドキュメンタリー、美術館のコレクションを高精細画像で楽しむ「見る」美術館的な企画など、多彩なラインナップとなっていました。

公開館数を絞り込んでいることもあるのでしょうが、どの作品も比較的しっかり座席が埋まっていたのも印象的でした。アート映画って、地味に儲かるんですかね?!

特に、アートブロガー、Takさん(@Taktwi)に誘っていただき、セザンヌの伝記映画「セザンヌと過ごした時間」を制作したダニエル・トンプソン監督にインタビューする機会をいただけたのは良い思い出になりました。かわいいおばあちゃんでした^_^;

2018年も、1月5日公開「ジャコメッティ」や、GW公開「モリのいる場所」など、映画作品単体として見ても、きちんと見ごたえのある作品が相次いでリリースされる予定ですね。今年こそ全部網羅したいと思います!

また、映画公開だけでなく、HuluやNetflix、AmazonPrimeといった動画配信大手でも、アート系コンテンツがちらほら目立つようになってきましたね。今度落ち着いたら、ちょっとまとめて紹介する記事でも書いてみようかな。例えば、この刀剣映画は今年5回くらい見ました。(テキトーに家事の合間にダラダラ「ながら見」してただけなんですが

まだまだ玉石混交な状況で、正直コレはどうなの・・・?!っていうクオリティのアート映画もありますが、それでも「映像でアートを楽しむ」という、アートの楽しみ方の選択肢が確実に増えてきたのは良いことだと思います。展覧会で絵を見て、映画で別の角度から復習・予習ができる・・・。あるいは、ヨーロッパに行かなくても、その美術館に行った気分になれる・・・良い時代になりましたよねぇ。

「週刊ニッポンの国宝100」は誌上美術展状態!

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そして、今年初めてアート系の分冊百科も定期購読してみました。毎週毎週、必ずアート作品と誌上で出会えるようになり、自分の中で新しいアートの楽しみ方が増えました。それが、小学館から2017年10月に創刊された「週刊ニッポンの国宝100」です。

日本全国に点在する約1,100点の国宝の中から100点を厳選し、全50冊の配本で、1冊につき2点ずつ紹介していく形の分冊百科本です。

分冊百科本なんて、コスパも悪いし、どうせ中身もスカスカなんだろう・・・と思ってこれまで一切読んだことがなかったのですが、この「ニッポンの国宝100」は、小学館が国宝120周年記念事業として取り組むだけあって、クオリティが断然違ってました。

美麗なカラー写真に、初心者でも理解しやすく、かつ勉強になる多角的な解説は、まさに僕のような初心者にぴったり。まさに、誌面上で毎回ヴァーチャル展覧会に参加しているような気分になれるという意味で、分冊百科本の良さを再認識するきっかけになりました。 

4.最後に~2018年度の展望

終わってみれば、関西遠征・地域芸術祭・アート映画・分冊百科本・隣接領域の展覧会と、本当にいろいろな切り口でアートを楽しむことができました。

とは言っても、今年から本格的にどっぷり浸かり始めた「映画館通い」と2足のわらじになってしまい、日程的に取りこぼして痛恨の「見逃し」をやってしまった展覧会もいくつかありました。来季は、最強アートブロガーのはろるどさん(@harold_1234)やTakさん(@taktwi)のように200以上こなすのは無理だとしても、最低月10展ペースでは回りたいなぁと思っています。

2018年は、特に西洋絵画の展覧会が充実しています。ハイライトは、史上最大規模の「ムンク展」「フェルメール展」「ルーベンス展」が10月に一斉に上野で開催されることです!

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10月は上野公園が凄いことになりそうですね?!春季も、肖像画を大特集する「ルーブル美術館展」「ターナー風景の詩展」「ブリューゲル展」「ルドン秘密の花園展」「至上の印象派展ビュールレ・コレクション」など、見どころたっぷり!

ということで、以上、2017年の振り返りと、2018年の簡単な展望を書いてみました。2017年は、アートについて本当にたっぷり楽しんだ1年間でした。来年は、今年以上に深く楽しみつつ、もっと沢山のレビュー記事や情報記事を書きたいなぁと思っています。

アートファンの皆様、良いお年を!
かるび

参考資料

「美術展完全ガイド2018」

2018年に開催される主な大型美術展を網羅し、見どころをいち早く紹介してくれているムック本です。陶磁器や仏像など、工芸・彫刻などマイナージャンルにもきっちり言及しつつ、大型の展覧会はまず100%網羅してくれています。地方で開催される主な展覧会も紹介してくれていて、使いやすいムック本です。

「日経おとなのOFF」

こちらも毎年定番のアイテムとなっていますが、今年は特に付録が充実しています。

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今年は、フェルメールのクリアファイル、美術展ハンドブック(これ、使える!)、2018年名画カレンダーと3つもついていて、お腹いっぱい!迷わず「買い」でいいんじゃないでしょうか?僕も見た瞬間速攻で抑えました!

特に、この「美術展ハンドブック」は、カレンダーみたいに展覧会ごとに開催期間を一覧俯瞰できるようになっているので、めちゃ使えるんですよね~。(去年はこれを見ながら、東京で見逃した展覧会を大阪でカバーしたりした^_^)

▼美術展ハンドブックの使えるページ
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これだけ付録がついて、もちろん本誌も全部美術展特集で、レジに行く前に「うーん、1200円くらいかな」と思っていたのですが、あとでレシートチェックしたら、800円!これだけついて800円って凄いと思います。日経BP社、採算大丈夫なの?!