アートに興味を持っていろいろネットを検索するようになると、まずどこかのタイミングで必ず出会うのが、アートブログの草分け的存在「青い日記帳」です。ブログ主の名前はTak(たけ)さん(@Taktwi)といいます。
ブログ黎明期である2003年頃からコツコツとひたすら毎日更新を続けて15年。書き綴ってきたエントリーは実に5000以上。そしてその間、ずっと年間300~400の美術展に通い続けてきたという、アートブロガーのレジェンド的存在でもあります。
そんなTakさんが8月6日、ちくま新書からアート鑑賞入門の決定版「いちばんやさしい美術鑑賞」を上梓することになりました。
実は、発売前に少しだけゲラを読ませて頂く機会が頂けたのですが、これが素晴らしいクオリティだったのです!
これはブックレビューだけでは惜しい!もっとTakさんにいろいろ深掘りして聞いてみたい!と思い、思い切ってはろるどさん(@harold_1234)、KINさん(@kin69kumi)など他のアートブロガーの方々と共同で、Takさんと、筑摩書房の編集担当・大山悦子さんにインタビューさせて頂きました!
早速ですが、新書「いちばんやさしい美術鑑賞」の内容にも少しずつ触れながら、書籍の内容や、Takさんの普段のアート生活や学生時代にアートにハマったきっかけなど、幅広く突っ込んで聞いてきました!かなりの分量になりましたので、前後編に分けてインタビュー内容をお送りしたいと思います!
第1回は、「書籍執筆についてのエピソード・裏話」編です!
- ブログ「青い日記帳」主宰Takさんとは?
- 執筆のきっかけは、居酒屋の打ち上げから始まった?
- Takさんに執筆を依頼した狙いとは?
- 企画段階での知られざる攻防があった?!
- 2年越しの執筆作業!ブログと違って本を書くのは大変だった
- 編集者のチカラを実感した、編集・校正作業
- まとめ
ブログ「青い日記帳」主宰Takさんとは?
今回インタビューさせて頂いたブログ「青い日記帳」のTakさんですが、新書裏表紙に記載されているプロフィールを引用して紹介しておきますね。
1968年生まれ。1990年國學院大學文学部文学科卒、Tak(タケ)の愛称でブログ「青い日記帳」を主宰する美術ブロガー。展覧会レビューや書評をはじめ、幅広いアート情報を毎日発信する。他にも東京都美術館やブリヂストン美術館の公式サイト、goo「いまトピ」、朝日マリオン・コム「ぶらり、ミュージアム」、など多くのメディアにコラムを寄稿。ギャラリーや書店、カルチャーセンターでのトークショーも多く行っている。
まぁ早い話がアートブロガー界のイチロー的な存在の方です(笑)
プレスリリースには「年間300、400の展覧会に通い・・・」とありますが、本当に通っていらっしゃいます(笑)10年以上かけて世界中のフェルメール作品全35点を実際に見て回り、自宅には図録や展覧会チラシを格納する専用の倉庫も設置されるなど、誰よりも深くアートを愛する姿勢は、凄いの一言です。
「カフェのある美術館」 「フェルメールへの招待」などいくつかの著書を初め、各種雑誌への寄稿やトークショーも頻繁に開催するなど、まさに今ブレイク中のすごい人なんです。
でも、こんなに鉄人級の活躍をされているのに、物腰はやわらかで誰とでも気さくに接してくれる方なんですよね。見て下さいこの柔和な笑顔を!
▼青い日記帳・Takさん近影
そんなTakさんの活動をフォローするなら、TwitterでTakさんのアカウント(@Taktwi)をフォローするのが一番早いと思います。ブログの更新状況や活動報告なども積極的に発信されています。ということで、Takさんの紹介も一通り終わったところで、いよいよインタビューへと入っていきますね。
執筆のきっかけは、居酒屋の打ち上げから始まった?
ーまずは、ご出版おめでとうございます!早速ですが、今回「いちばんやさしい美術鑑賞」をご執筆するに至ったきっかけを教えて下さい。
Tak:筑摩書房の編集ご担当・大山さんからお声がけいただいたことがきっかけです。大山さんと初めてお会いしたのは、三菱一号館美術館の高橋明也館長の新書「美術館の舞台裏」増刷を祝した打ち上げの場でした。たしかその場には4人ぐらいいたと思います。
-4人で打ち上げですか?
大山(筑摩書房の編集ご担当、大山さん):そんなに出版の打ち上げって派手にやるものでもないんです。予算とかそんなにないですし、新書だから小さい本ですし・・・(笑)
Tak(青い日記帳Takさん):いわゆる「ほぼ飲み会」みたいな感じですね(笑)
大山:新書「美術館の舞台裏」は重版がかかり、おかげさまで3刷までいったんです。どうしてそこまで売上が伸びたかというと、Takさんのおかげなんです。Takさんのブログ「青い日記帳」で取り上げてもらってから、爆発的に売り上げが伸びたんですね。それで、これは絶対Takさんにお礼を言わなきゃね、ってことで、なんかちょっと会ってみたいなぁと。そのお祝いの場にお呼びしたんです。
―では、もともと高橋明也館長と大山さんがちょうど打ち上げしようかというところにTakさんが呼ばれて行ったと?
Tak:そうですね。結局4人の会だったんですが、すごく盛り上がって。館長ずっと日本酒飲んでたし(笑)
大山:なんかいかにも「場末」みたいなところでしたよね。
Tak:浜松町の駅の近くのあたりの個室の居酒屋でしたよね。
大山:もちろん知ってたんですよ。Takさんのことは、ブログ「青い日記帳」は時々読ませて頂いていたんですが、その勢いを目の当たりにしたのが、「美術館の舞台裏」を取り上げて頂いた時なんですよね。確実に「数字」という形で出てきたんで、凄いなーと思ってましたね。
ーそんなにすごかったんですね~。
Tak:やってる本人はよくわかってないんだけどねぇ(笑)で、その飲み会の席で、Takさんも本を書いてみないか?って仰って頂いたんですね。でも、飲みの席の話なので、きっと単なる社交辞令なんだなと思ってました。僕は僕でそんな本なんか書けないし、とも思っていましたし。
大山:えーそうだったんですか?(爆笑)
Tak:後日、すごく大山さんから丁寧なメールを頂いて。「この前書くっていったじゃないか」みたいな(笑)
大山:ブログの記事はすごく楽しく読ませて頂いていたので、Takさんなら書けなくはないと思っていました。お願いしたら最初からちゃんと結構書いて頂けそうな予感があったのと、記事を読むと、いわゆる自分が知っているプロの美術史家とは全然違う目線で考えてるんだなというところがあるんで、そこが私的には面白いなと。こういう人が書いた本があったら、絶対面白いんじゃないかなと思ってました。
Takさんに執筆を依頼した狙いとは?
―いわゆるアートの入門書って、いろいろ出ていますけれど、敢えて今、Takさんにお願いしたって理由を教えて頂けますか?
大山:Takさんのブログの文章って、プロの美術ライターさんが書く文章とは違うし、学者が書く文章とも違うんですよね。もうちょっと、「アートが好き」っていうところが前面に出ているんです。
それと、もう一つ挙げるとするならば、ブロガーという人が本を作るのは、料理や子育てのジャンルなどでは比較的よくあって、よく売れる書き手が育っているんですよね。その人達は、普段自分たちが書いているブログをそのまま本にしていけば本になるじゃないですか。
ーそうなんですか?!そういえば、料理・子育て部門だと、僕の知り合いのはてなブロガーでも何人も出版してるかも・・・。
大山:そうそう。そうなんです。だから、美術も料理や子育てジャンルと同じことができないかなっていうのが密かな狙いとしてありました。美術のことをブログで書いている人が、もっと書き手として本というものを介して、色んな人にその人の書いたものが読まれてもいいんじゃないかなと。
アートブロガーっていう言葉があるように、皆さんのようにブログを書いている人たちがたくさんいるわけですし、それを楽しんでいる人がたくさんいるんだなってことがわかってたんで、なんかそういう本があればいいなーって。
ーそのあたりにTakさんの独自性を見出されて、企画を進めていかれたのですね。
大山:そうです。
企画段階での知られざる攻防があった?!
ーでも、学者やプロではない、「美術ブロガー」が「ちくま新書」で出版するとなると、企画段階で苦労も多々あったのではないでしょうか?
Tak:まず、筑摩書房の中での会議を通さなきゃ本にはならないんですよね。だから、大山さんが新書出版のための企画書を書いてくださって。会社の上層部にOKをもらわないと、いくら自分がいい企画だからといっててもダメなんですね。
その執筆以前の企画段階で、まず大山さんがご苦労なさったと。学者のように名前が知られているわけじゃないし、知ってるっていっても本当に一部の人間にしか知られてないわけですし。そういった人間が筑摩書房から新書を出すっていうのは、相当ご苦労があったんじゃないかと思うんです。
ー実際社内で企画を通すのって、数字的な裏付けがあると通りやすいとかそういうのはあるんですか?例えばTakさんのブログ「青い日記帳」のページビューがどれくらいあるとか?
大山:それはあります。そういう具体的な数字や実績をできるだけ使って会社側を説得します。
Tak:そんなご苦労があるとは全然知らなくて、僕は僕の方で、一旦自分で書いちゃったんですよね。企画書の前段階で。
ーえっ??先にフライングで書いちゃったんですか?
Tak:そうそう。
大山:それは、私が先にお願いしたんです。試しに1章分くらい書いてみてくださいって。で、読んでみたらそれが面白かったんですよ。
ーそれはどこの章ですか?
Tak:第1章、グエルチーノの部分です。
ーでは、試しに書いてもらった1章分も企画会議にかけて上層部の説得材料の一部になったんですね?
大山:こういう文章書いて、だいたいこういう章が10何個入ります、みたいな説得の仕方をして。そしたら、「面白い!いいね!」みたいな話になって。無事に企画会議を通りました(笑)
Tak:あの時は、楽しく書いてたんで(笑)結局執筆完了まで2年かかって、後からこんなにつらい思いをすることになろうなんて思いもしなかったんですが(全員爆笑)だから、ばばばーっといつものブログの調子で書いちゃって(笑)
2年越しの執筆作業!ブログと違って本を書くのは大変だった
―企画が通ったら、いよいよ本の全体構成を考えていかれると思うんですが、最初は打ち合わせとかブレインストーミングとかされたのでしょうか?
Tak:そうですね。こんなマンダラのようなマインドマップツールを使っていました。
Tak:例えば、各章を書く前の構想段階で、項目というかもくじを入れて、作家の名前の真ん中に書き込んで、その周辺に思いつくキーワードをランダムに書いていって、それを順番に章立てにしていって、頭の中で書いていきました。(マンダラ状のマインドマップのメモを見ながら)構想を練る時にこのマスをよく使いました。
―それはTakさんが日常の仕事などでよく使われているツールなんですか?
Tak:そうですね。こればっかり書いてますよね。
大山:これ、すごく可視化されているのでいいんですよね。
Tak:だから、これをお見せして、これだったらいけるんじゃないか、とかこれは難しいんじゃないかっていうことを打ち合わせしていきました。結構ここにもお邪魔して、相談したり打ち合わせしたりしたんです。
ーそれで、無事に企画が通ってブログを書き初めてからは、結構苦労されていましたよね?(ここで、Takさんの奥様、ゆきさんも会話に入られました)
ゆき:一日中、書斎がある2Fにこもってて「今日は書けたのー」って聞いたら、「いやまだ書けてない!」ってことが結構あった。
Tak:執筆本番に入ってからはね。
ゆき:だから、執筆中は機嫌悪そうだしなるべく寄らないようにして(笑)
ー終わるまで部屋に入ってくるな?みたいな?
ゆき:そう、鶴みたいな(一同爆笑)
大山:でも怪我したり、風邪引いたりずいぶんなさってましたよね。だからかなりの(ご苦労)だったんじゃないのかなって。
Tak:確かに!(笑)執筆期間中、熱出して寝込んだり、はろるどさんの家で飲んだ帰りに自転車で転んで肩を脱臼して救急車で運ばれたこともあった(笑)
ーなるほど、、、いろいろ紆余曲折、ご苦労があったのですね。
大山:確かに全然締切通りじゃなかったですよね(笑)
ゆき:まったく書けない日がありましたから。
Tak:書いた順に大山さんに原稿を送っていくんですが、1章ずつ「フェルメール」書けました、「曜変天目」書けましたって、
ゆき:それで催促のメールが来ちゃったよどうしようって、よく焦ってました(笑)
―新書は、第1章の頭から順番に書いていったのでしょうか?
Tak:そうです。
―どのあたりで苦労されたのですか。
Tak:全体的に遅れてるっていうか。
大山:最初は、書けます、大丈夫です、って仰るから。最初の締切は、2017年8月31日だったんですよね。当初の締切。で、最初の締切まであんまりできてなくて。
―そういうものなんですかね?
大山:(平然として)まぁそうです。(全員爆笑)
―その時は発売がいつとかっていうのはまったくなくて?
大山:そうですね。
―Takさんにプレッシャーをかけられたんですね?
Tak:ないない(笑)ないから余計怖いという(笑)やばい、そろそろやんなきゃ!って。
―ずっと言ってましたもんね。展覧会のブロガーイベントなどでお会いするたびに「そろそろ原稿がね~」って。
大山:えー、そうだったんですか~(笑)
―最初、Takさんから「今、本を書いてるんだ」とお聞きした時は、2017年の秋ぐらいには出るのかなって言ってたんですよね。そこから1年ぐらい押したっていう。
Tak:だから結果的には2年越しの企画なんですよね。
大山:そうですね。やっぱりそんなに簡単には書けないですからね。今見たら、2016年にはメールのやりとりがあったので、そこからですね。書き始めてから完成まで2年かかりましたね。
―だいたい新書って、1冊作り上げるまで2年位かかるものなんですか?
大山:そうですね、中には緊急出版みたいなものもあって、やろうと思えば、もっともっと速くはできますけど、ちゃんと腰を据えて書こうと思ったら、やっぱり2年位はかかるんじゃないでしょうか。
編集者のチカラを実感した、編集・校正作業
Tak:編集者が赤を入れたり直したりするのを嫌がる作家さんもいるんですよね?
―でもTakさんは逆に編集さんに赤を入れていただくのはありがたいっていうスタンスなんですよね?
Tak:そういうスタンスですね。入れていただかないと間違いに気づかなかったり。あとは、全体的なバランスが実は悪かったり。各章の中で、段落の順番を入れ替えるだけでも「あぁ良くなったな」と印象が変わることも多いので。あと、同じ言い回しを何回も使っていたりとか。パソコン向かって一心不乱に書いていると、意外と気づかないんです。
―確かに、すでにゲラを3回くらい通して読ませて頂いたのですが、Takさんの美術鑑賞に対する主張やアドバイスは一貫性があるのに、一つとして同じ表現が一切ないのは凄いと思いました。やっぱり編集段階でかなり手を入れていただいている感じがしました。ところで、校閲は外部の他社に出されているんですか?
大山:校閲は自社(筑摩書房)でやっています。校閲部へ持っていってチェックしてもらうんですよね。これはルビを振ったほうがいいだろう、とか。一番最後に校閲担当が読んで、字が違うよ、とか。
ー編集者って大体どれくらいできあがった書籍を読み込むものなんですか?
大山:あと、何度も何度も暗記するくらい読みますよね。最初から考えたら、7、8回は読んでますよね。(一同驚く)
―お互い最新の原稿を読んできて感想を言い合うとか?
Tak:これはガレのときの原稿なんですが、1回僕が書いたものを、こうやって赤を入れて頂いたものが戻ってくるんですね。ここは要再構成って自分で書いたんですが、要するに、順番入れ替えなんですよね。で、こういった形でもう一回章を組み直してっていうっことをやりましたね。
▼「赤」がいっぱい入って返却されてきた原稿
大山:校閲は、本のプロトタイプとしてゲラが出来上がってからやります。
―やっぱり読者には想像もつかないような、いろんな編集段階で目に見えない苦労があったわけですね。
Tak:何回も原稿のやり取りをするけれど、やっぱりここ(筑摩書房の打ち合わせ室)にきて、話をしてわかりあう、ということもありましたね。打ち合わせはここで顔を突き合わせて何回も何回もやりました。仕事が終わってから、これくらいの時間から(午後19時頃)からはじめて。
大山:あっという間に2時間くらい経過していましたね。
Tak:お酒も入らず、ずーっとこうやって向かい合って2時間、3時間話し合うんですよね。
大山:夜遅くなってくると、お互いヘロヘロになって(笑)本当は飲みたいんですよ。私だって(一同爆笑)でも10時で飲んだらもう帰れなくなっちゃうから、ぶっ通しで打ち合わせを夜遅くまでやって、終わったらそのまま飲まずに帰って頂いていました。
―編集者ってそういう生活がずっと続いていくわけなんですね・・・
大山:そうですね。あと、書き手によって打ち合わせの形はいろいろで、筑摩書房に来る人もいるし、こっちから行く人もいますし。小説家の作品などでは、そもそも直すところがない人もいますし。ゲラになってから直すのでOKという人もいます。
ー2018年8月13日追記ー
インタビュー後編、公開いたしました。こちらからご覧いただけます!
まとめ
いかがでしたでしょうか。この日は、約2時間強、文字数にして約24000字分のロングインタビューをさせて頂いたのですが、そのうち、前半の約1/3を掲載させて頂きました。Takさんが2年がかりで編集者・大山さんと二人三脚で作り上げた渾身のアート鑑賞入門書。やっぱり企画・編集段階から面白いネタがいっぱい転がっていました。
現役最強アートブロガーが2年間かけて練り上げた渾身のアート鑑賞入門書「いちばんやさしい美術鑑賞」。アートファン目線で書かれた素晴らしい本になっています。
是非、手にとって読んでみてください!
インタビュー第2回は、書籍発売直後に公開させていただきます。楽しみにしてくださいね。
それではまた。
かるび
Kindleもある!最強のアート入門書「いちばんやさしい美術鑑賞」
30年間、展覧会に通い続けて独自のアート鑑賞ノウハウを身につけてきた「青い日記帳」Takさんが、日本国内で見ることができる和洋15点の作品を通じて、美術鑑賞に役立つ知識やコツを様々な角度からわかりやすく解説。取り上げられた作品もかなり掘り下げて説明されており、知識ゼロの初心者から中級者まで、読めば必ずアート鑑賞に役立つヒントが得られる良書です。(※後日詳細レビュー予定)
発売から2年、未だにじわじわ売れ続けている前著「カフェのある美術館」
前著「カフェのある美術館」も、美術館を見て回る楽しみを増やしてくれました。美術館は鑑賞が終わってからが本番なのです(笑)こちらの書籍について、レビューも書いています。もしよければこちらも見て下さい!