あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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空腹時の鑑賞は要注意?!「大江戸グルメと北斎」展は江戸の豊かな食文化が楽しく学べる展覧会!【美術展感想・レビュー】

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かるび(@karub_imalive)です。

ここ最近、書店に行くと新書や文庫、ムックなど買いやすい価格帯で、江戸時代の生活文化についてわかりやすく解説した書籍が増えました。江戸時代の庶民の生活についての新発見や新解釈が発表され、それまで常識とされてきた当時の時代考証が次々と覆っている中、ちょっとした江戸ブームが起きている感もあります。

僕も暇つぶしに江戸についての雑学本を手にとることがありますが、浮世絵や絵本などの図解資料を見ているといつしか時間を忘れて食い入るように見てしまうこともよくあります。

今回の展覧会「大江戸グルメと北斎展」では、すみだ北斎美術館が所蔵する豊富な浮世絵や絵本といったコレクションの中から、北斎や同時代の周辺画家・浮世絵師たちが描いた江戸時代の「食文化」が見て楽しめる作品約140点(前期展示・後期展示合計)が展示されています。

江戸時代の作家たちが残した浮世絵や絵本、肉筆画を楽しみながら、江戸時代の庶民の「食文化」を幅広く学べる展覧会となりました。早速行ってきましたので、簡単に感想・レポートをまとめてみたいと思います!

※なお、本エントリで使用した写真・画像は、予め主催者の許可を得て撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。

1.「大江戸グルメと北斎」展について

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本展「大江戸グルメと北斎」展では、同館が所蔵する絵本や浮世絵、肉筆画などを通して、様々な角度から江戸時代の食文化についての展示が楽しめるのが特徴です。

展示構成はこんな感じ。

第1章:江戸グルメ繁栄の背景
第2章:江戸の食材
第3章:江戸の料理帖
第4章:江戸の人気料理

中でも特に目を引いたのが、第3章、第4章で紹介されている当時の定番レシピや人気料理についての食品サンプル展示。これが良くできているんです!東京家政学院生活文化博物館が製作した精巧なレプリカを見ていると、猛烈に腹が減ってきます(笑)

本展では単に当時の食文化をビジュアル的に説明するだけでなく、なぜこうした豊かな「江戸グルメ」が成立できたのか、その理由や背景にもきっちり焦点を当てて展示が構成されています。

また、展示を見終わってからがある意味本番かもしれません。今回は展覧会で展示された江戸の再現料理を、「コラボCafe」と題して周辺のカフェで実食することができるのです!僕も早速行ってきましたので、後ほどいくつか紹介しますね。 

2.展覧会の見どころ・注目ポイント

注目ポイント1:空腹時要注意!食事シーンを描いた浮世絵!

まずやっぱり一番目につくのが、葛飾北斎や弟子たち、歌川国芳、三代目歌川豊国ら江戸後期を代表する浮世絵師たちによって制作された浮世絵です。美しい女性たちが寿司や天ぷらをつまんでいる浮世絵は、ブロマイドやポスターを見ているような華やかさ。美人は自然と絵になるというのは今も昔も変わらないものですね。

たとえばこれ。サバ(?)の押し寿司の上に、特大のエビのお寿司が乗っかっています。女性に抱かれている赤ちゃんが食べたそうにしている表情もたまりません。 

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歌川国芳《縞揃女弁慶 安宅の松》
味の素食の文化センター蔵

寿司の部分だけ拡大してみます。うまそう!

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歌川国芳《縞揃女弁慶 安宅の松》
味の素食の文化センター蔵 部分図

続いては、月岡芳年が描いた魚の天ぷらを食べる美人の図。月明かりの下、オープンカフェのような場所で、これからガッツリ行くところなのでしょうか。観ているこちらも猛烈に腹が減ります。

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月岡芳年《風俗三十二相むまさう》味の素食の文化センター蔵

こちらが拡大図。よく揚がってますよね~。

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月岡芳年《風俗三十二相むまさう》部分図
味の素食の文化センター蔵

続いてこちらの歌川豊国・国久の合作で美人がつまんでいるのは、ちょっと変わった食べ物なのです。いや、食べている食材は2018年現在でも日本人に愛されている食材なのですが、現代は単体でつまむのは珍しいと言うか・・・。 

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三代歌川豊国、二代歌川国久《江戸名所百人美女 日本はし》
味の素食の文化センター蔵

拡大してみました。どんぶり茶碗にたっぷり入ったごちそうは、「タコ」です!どんぶりの横には「塩」が置かれています。これをつけて食べるのでしょうか。うん、これはこれでうまそう。

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三代歌川豊国、二代歌川国久《江戸名所百人美女 日本はし》拡大図

で、女性の口元を見てみると、まさにタコの足をこれから頬張ろうとしているところですね。もう片方の手に持っているのは、煎り酒!日本酒が絶妙に合いそうな気がします!

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三代歌川豊国、二代歌川国久《江戸名所百人美女 日本はし》拡大図

もちろん、スナック的なものだけでなく、スイーツを食べるシーンを描いた作品も展示されていました。

それがこちらの三代豊国が描いた豪華三枚続作品。着物をはだけ、うちわで暑さをしのいでいる真ん中の女性が食べているものとは・・・ 

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三代歌川豊国《十二月之内 水無月 土用干》
味の素食の文化センター蔵

拡大してみると・・・今でもスーパーでブロック状に食べやすくしたものが販売されている夏の風物詩「スイカ」です!

解説パネルによると、品種改良の結果、非常に甘くなった現代のスイカとは違い、江戸時代のスイカはそれほど甘くない品種も多かったようです。それでも夏の涼を味わうには十分だったのかもしれませんね。

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三代歌川豊国《十二月之内 水無月 土用干》部分図
味の素食の文化センター蔵

他にも「うなぎ」や「鯛」などが描かれた浮世絵も展示されていました。興味深かったのは、今ではどれも高級食材となってしまった「うなぎ」や「鯛」、「天ぷら」などが、江戸時代では気軽に庶民がスナック菓子やファーストフード感覚で楽しんでいたということ。浮世絵内での気楽な食べ方からも伝わってきます。 

注目ポイント2:江戸時代の料理作法はかなり違う?

また、絵本や浮世絵をよーく観察してみると、江戸時代の料理の作り方や食べ方についても、今とはかなり違っていたことがわかります。

たとえばこちらで野菜を切る料理人の包丁さばき。

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葛飾北斎《「絵本庭訓往来」初編》
すみだ北斎美術館蔵 ピーター・モースコレクション

料理人が座りながら、足のついたまな板の上で食材を切っています。食材を直接手で押さえるのではなく、わざわざ別の棒を使って食材を固定した上で、包丁をのこぎりのように使っています。台所仕事というより、日曜大工のシーンを見ているようです。

続いては、北斎の描いたそうめんを食べる男たちの様子。

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葛飾北斎《『絵本庭訓往来』下編》
すみだ北斎美術館蔵 ピーターモースコレクション

そうめん伸び過ぎじゃないですかこれ(笑)当時本当にこんな食べ方だったのか、あるいは北斎ならではのユーモア的な表現なのか・・・。

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葛飾北斎《『絵本庭訓往来』下編》部分図

また、こちらは料理作法を描いた作品ではなく、一種の洒落のような作品なのですが、うなぎに翻弄される職人たちを面白おかしく描いています。北斎のユーモアセンスが爆発した作品ですね。

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葛飾北斎《「北斎漫画」十二編 鰻登り》すみだ北斎美術館蔵

よく見ると、職人の後方にある看板に「千客万来」と書かれているので、本作品は「鯉の滝登り」とかけて、商売繁盛を祈念したイラストでもあるんですよね。

注目ポイント3:日本各地で発達した農業や漁業

19世紀当時、世界一の大都市へと発展した江戸。100万都市、大江戸において百花繚乱なグルメが発達した要因としては、日本各地で土地の風土にあった殖産興業が図られ、道路網や海路の整備、大都市圏における取引市場の高度な発達など、経済や交通のインフラ基盤が整ったことも大きいと言われていますよね。

本展でも、江戸の「食文化」を支えた農業や漁業など、「食」に関する産業発達の様子がわかるような浮世絵や絵本も展示されています。勉強になる!

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葛飾北斎《百人一首うはかゑとき 天智天皇》すみだ北斎美術館蔵

上記は江戸時代の水田耕作における収穫期のある一日の様子を描いていますが、正直今の農村の姿とあまり変わりませんよね。江戸中期~後期にかけて、全国的に米の収量が一気に高まったと言われていますが、整然と積みわらが片付けられ、組織的に淡々と仕事をする農民の様子が描かれているのを見ていると、江戸後期にはすでにかなり効率よく米を生産できるノウハウや体制が整っていたのでしょうね。

つづいては漁業の様子です。画面左下に注目!

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葛飾北斎《百人一首乳母か絵と起 参議篁》すみだ北斎美術館蔵

最初はなんか人が溺れているな・・・と思ったのですが、そうではなくてこれは海女さんによるアワビ採りを描いたシーンだったのですね。激しい波の中全く動じず、素潜り・素手でアワビを採る海女さんの職人ぶりがうまく表現されていました。

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葛飾北斎《百人一首乳母か絵と起 参議篁》部分図

他にも、サトウキビを収穫して、煮詰めて砂糖を製造する工程が北斎漫画で詳しく描かれていたり・・・ 

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葛飾北斎《「北斎漫画」十三編 砂糖製》すみだ北斎美術館蔵

熊野の特産品「ハチミツ」を製造する工程が描かれた絵本が展示されていたり、どれも見応え抜群。特にこのハチミツづくりの工程を見ると、あたりを飛び回るミツバチを物ともせず、防具も一切つけずに淡々と作業をする職人たちがリアルに描かれています。

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蔀関月《「山海名産図会」二 熊野蜂蜜》すみだ北斎美術館蔵

注目ポイント4:食で活気づく江戸の風景が面白い!

また、本展では様々な絵本の所蔵品から、江戸の町中において発達していた「食文化」がわかるようなシーンを丁寧に拾い出して展示してくれています。

たとえば、江戸の食卓を支えた日本橋魚市場を細密に描いた絵本「江戸名所図会」。市場でセリに参加する人、魚を運ぶ商人、楽しそうに遊んでる町人など、活況に湧く魚市場の様子がいきいきと伝わってきます。

▼細密描写は見ごたえあり!「江戸名所図会」f:id:hisatsugu79:20181126150919j:plain
齋藤月岑ほか著 長谷川雪旦画
《「江戸名所図会」一 日本橋魚市》すみだ北斎美術館蔵

つづいて、こちらは北斎が描いた日本橋魚市場。それにしても人口密度が凄い(笑)川開きの日、花火が上がる両国橋の上がすし詰めになっている構図の浮世絵は比較的よく見かけますが、日本橋魚市場を描いた作品もそれに負けず劣らず人口密度の高い作品が多いような気がします。でもこれはちょっとやりすぎな気が・・・(笑)

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葛飾北斎《五十三次江都の往かい 日本橋》
すみだ北斎美術館像 ピーター・モースコレクション

また、こちらは今でも花見の名所として名高い「飛鳥山」(現:飛鳥山公園)でのお花見のワンシーンを描いた作品です。興味深かったのは、左側のページに、寿司弁当の売り子が描かれていたことです。よく、戦国武将の展覧会に行くと漆塗りの豪華な弁当容器「提げ重」が展示されていますが、庶民はやっぱり使い捨ての紙箱なのですね(笑)今で言うとコンビニ弁当かマックのような感覚だったのでしょうか。

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葛飾北斎《「東都勝景一覧」上 飛鳥山》すみだ北斎美術館蔵

注目ポイント5: 再現された江戸料理と食品サンプル

そして、今回の展覧会で一様にお客さんが驚いていた展示が、江戸時代の料理をリアルに再現した食品サンプルです。ただでさえ浮世絵や絵本の中で描かれた食材を見てお腹が減っている所にダメ押しのように展示後半に出現します(笑)

たとえばこんな感じです。本物そっくりに精巧にできているのでタチが悪い(笑)

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東京家政学院生活文化博物館「茶巾卵」

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東京家政学院生活文化博物館「さくらずし」

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東京家政学院生活文化博物館「長崎鳥田楽

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東京家政学院生活文化博物館「鯛の香物鮓」 

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東京家政学院生活文化博物館「鯛の刺身・煎り酒」

展示されている当時の再現料理の中には、今でも食べられているものもありましたが、半分以上は初めて見るレシピでした。

再現料理の中から、いくつか代表的なものについては詳細な作り方が展覧会の公式リーフレットの中で解説されています。これを見て、自宅で江戸時代の料理を再現してみるのも面白いですね。

▼グッズコーナーで販売されている公式リーフレットf:id:hisatsugu79:20181126145542j:plain

3.実際に体験できる大江戸グルメ!

今回の展覧会の面白いところは、展示後半で紹介されていた江戸の再現料理のいくつかを「コラボCafe」と題して近隣のいくつかのカフェで実際に試食できる企画が用意されていること。

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館内には、コラボCafeを実施している近隣のカフェ一覧の案内があります。どこも徒歩5分圏内のカフェばかりなので、気軽に立ち寄れますよ。

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せっかくなので、今回はその中から合計6品目の再現料理を「ランチセット」として食べることができる「ORI TOKYO」を訪問してみました。

▼カフェ「ORI TOKYO」
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「ORI TOKYO」はすみだ北斎美術館から北斎通りに出て、江戸東京博物館側に1分ほど歩いたところにあります。2018年4月にオープンしたばかりの新しいカフェです。入口前には、わかりやすいように「再現メニュー提供店」と大きく張り紙が。 

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早速中に入って注文してみました。

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メニューは、「北斎ランチ」(6点盛)、「北斎プレート」と2種類用意されています。これを逃したらもう2度と食べることができないわけで、迷うこと無く最上級の「北斎ランチ」(6点盛)にご飯と味噌汁をつけたセットでオーダー。

とまぁ、急いで食べた後興奮冷めやらぬ中ツイートもしておきました。沢山の方にツイートを見てもらえたので大満足です(笑)

そして、お腹もいっぱいになったところで、あらためて「ORI TOKYO」の店内を見回してみると、落ち着いた雰囲気の和モダンなカフェなのです。

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店内の様子はこんな感じ。4人がけのテーブルが2つと、カウンター席が10席程度。僕が入ったのはちょうど13時頃だったので、店内には10人くらいお客さんがいました。みんな「北斎ランチ」をオーダーしてました。

店内の壁には、北斎の「富嶽三十六景」の浮世絵・・・かと思ったら浮世絵ではなく、浮世絵を元にデザインした「織物」が展示されていました。店員の方に聞いたら、販売もしていますよ、とのこと。 

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一つ試しに手にとって見せていただいたのがこちら。 

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作品の裏側にはカラフルな糸がぎっしり織り込まれていました。いや、これよくできていますよ。遠くから見ると、発色が鮮やかなので、版画作品以上に存在感があります。

この「ORI TOKYO」はちょうどすみだ北斎美術館と両国駅の間にあるのです。だから展覧会を見終わった後、一息ブレイクを入れるカフェとしてぴったり。僕もこれからガッツリ使わせていただきます! 

4.混雑状況と所要時間目安

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11月25日(日)の14時頃(つまり一番混雑する時間帯)に行ってきましたが、ストレスなくスムーズに展示を楽しむことができました。恐らく会期終了頃まで、特に混雑を気にすることなく鑑賞できると思います。鑑賞時間は30分~60分あればしっかり観て回ることができると思います。

展示点数は前後期合わせて約140件ありますが、前後期でかなりの作品が展示替えとなります。前期を見て気に入った人は、後期展示もたっぷり楽しめそう。 なお、入場した半券をは是非捨てずに取っておきましょう。後期展示入場する際、入場料が20%OFFになりますよ!

5.展覧会の感想とまとめ

今回の展覧会は展示も面白いのですが、僕が感銘を受けたのは美術館側の展覧会に対する熱意の部分です。

もともとすみだ北斎美術館は「区立美術館」らしく、企画展「すみだの橋、北斎の橋」で地元ローカルネタを深く掘り下げたり、近隣の商店街や美術館・博物館と連携したり、地元密着志向が強いのです。今回の展覧会では、さらにその地域連携型コラボ企画が洗練され、入念に準備されていたことに感銘を受けました。

美術館効果ってやっぱり結構大きくて、すみだ北斎美術館ができてから、近隣にはおしゃれなカフェがぽつぽつと建ち始めました。今回のコラボCafeではまさにそういった近隣の意欲のあるカフェとしっかり組んで、地元のお店を巻き込んだコラボ企画を考えてくれているんですよね。

オープンして2年目に入り、少しずつ着実に地元に愛される美術館になろうと頑張っているすみだ北斎美術館、これからも応援したいなぁと思います。良い展覧会なので、前期・後期がっつり2回楽しんでみて下さいね!

それではまた。
かるび 

関連書籍・資料などの紹介

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浮世絵に見る 江戸の食卓

美術と料理の両分野をつなぐ取材記事や著作には定評のある林綾野さんが手がけた江戸料理の本。浮世絵に出てくる料理を実際に作って再現した画像や、わかりやすい解説は読み応えたっぷり。江戸料理のレシピ本は沢山出ていますが、アートファンに1冊オススメするなら、断然これです! 

 

展覧会開催情報

企画展「大江戸グルメと北斎」
◯美術館・所在地
すみだ北斎美術館
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2
◯最寄り駅
・都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分
・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分
・JR総武線「錦糸町駅」北口より墨田区内循環バスで5分
◯会期・開館時間
前期:2018年11月20日(火)~12月16日(日)
後期:2018年12月18日(火)~2019年1月20日(日)
9時30分~17時30分(入場は閉館30分前まで)
◯休館日
毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月1日)
※12月24日(月)、2019年1月14日(月)は開館
※12月25日(火)、2019年1月15日(火)は休館
◯入館料
一般1000円/高校生・大学生700円/中学生300円
65歳以上700円/障がい者300円
※小学生以下無料
◯公式HP
http://hokusai-museum.jp/
◯Twitter
https://twitter.com/HokusaiMuseum