あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

MENU

「北斎の橋、すみだの橋」は橋づくしのユニークな展覧会!マニアックで面白かった!【展覧会レビュー・感想】

f:id:hisatsugu79:20180913140919j:plain

かるび(@karub_imalive)です。 

開館1周年を越えて所蔵品の紹介も一段落したすみだ北斎美術館。2018年になってから、意外性のある企画展が続いています。この秋、9月11日から開催する企画展「北斎の橋 すみだの橋」が、非常に力の入った意外性あふれる展覧会でした。徹底的に「橋」に着目した、「橋」づくしとなったユニークな展覧会は見応え充分。内覧会で取材させて頂くことができましたので、以下、感想・レビューをまとめてみたいと思います。

1.企画展「北斎の橋 すみだの橋」とは

f:id:hisatsugu79:20180913141037j:plain

展覧会名にもある通り、徹底的に「橋」に着目した企画展です。様々な橋のかたちの面白さに着目して製作された北斎の代表作の一つ《諸国名橋奇覧》全11作品ほか、北斎や彼の弟子たちが浮世絵、絵本などの中で描いた「橋」を丹念に拾い上げ、整理・展示してくれています。

f:id:hisatsugu79:20180913141154j:plain
葛飾北斎《北斎漫画 初編》年代未詳
すみだ北斎美術館蔵 ピーター・モースコレクション

展示後半では、墨田区内の主要な「橋」を徹底的に掘り下げて特集。北斎の生きた江戸後期から現代に至るまで、墨田区内に架けられた様々な橋が、どのように発展し、続いてきたのかを、錦絵等で描かれた風景や、絵葉書、設計図、古地図、記念品等、様々な歴史関連資料をまとめて紹介してくれています。

展示されている作品や資料は、大ボリュームとなる全206点。同館の所蔵品だけでなく、個人の熱心なコレクターさんたちや、近隣の江戸東京博物館、東京都建設局から借り集めるなど、非常に手間ひまをかけて構成されていました。展示スペースをフルに活用した、情報密度の濃い非常に充実した展覧会です。

2.展覧会の3つの見どころは?

見どころ1:葛飾北斎「諸国名橋奇覧」

非常に有名な代表作《富嶽三十六景》以外にも、北斎は「滝」に注目した《諸国瀧廻り》シリーズ、「海」に着目した《千絵の海》シリーズなど、様々なテーマ別の浮世絵作品集を制作しています。 

北斎は、「橋」にも着目して、一連の錦絵のシリーズを制作しました。それが、《諸国名橋奇覧》シリーズ。現存する作品は、11点確認されていますが、すみだ北斎美術館では非常に状態の良い作品を複数セット所蔵。前後期合わせ、全部見せてくれます!

美術品としてじっくり見る・・・というより、「え、なにこれおかしい!」と一つ一つ突っ込みながら楽しめる作品が多いのです。

例えばこれ。

f:id:hisatsugu79:20180913141637j:plain
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 飛越の堺つりはし》(1834頃)
すみだ北斎美術館蔵

《諸国名橋奇覧》シリーズの中でも、唯一実在するモデルの橋が特定されていない作品。同シリーズでは一番有名な作品なので、どこかの展覧会で見たことがある人も多いのではないでしょうか。

でも、これ、めちゃくちゃ危なくないですか?よく見ると幅も狭いし、手すりなどもなくて、まるで綱渡りです。男性と女性の表情はよく見えませんが、特に焦っている感じでもなく。見ているだけでもハラハラしてきますが、でもこの危うさに、なぜか画面に目が惹きつけられてしまう、不思議な魅力を持った作品です。

f:id:hisatsugu79:20180913141521j:plain
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 かめゐど天神たいこばし》1834年頃
すみだ北斎美術館蔵

つづいてこちら。深川からほど近い、亀戸天神内に現存する太鼓橋をモデルに描いていますが、なぜか亀戸天神が海辺に隣接して描かれています。

また、よく見たらこの現実離れした斜面、やばいですよね(笑)実際の亀戸天神内の太鼓橋はもっと小さくこじんまりしていますし、こんなに斜度はないような気がする(笑)現実の風景を誇張して描くことが多い錦絵ならではの劇的な演出であります。

拡大してみると、こんな感じ。 

f:id:hisatsugu79:20180913142331j:plain
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 かめゐど天神たいこばし》部分図

下りはまだいいとして、これ、渡り初めの上りは、まるでロッククライミングかボルダリングのようであります。冷静に見るとツッコミどころ満載の作品。

続いては、こちら。現在も山口県岩国市に現存する、3連のアーチ橋。増水時でも落ちない橋を造ろう、と創意工夫した結果、こういう芸術品のような橋ができたのだそうです。今も昔も、珍しい橋は観光地だったんですね。 

f:id:hisatsugu79:20180913141514j:plain
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 すほうの国きんたいはし》1834年頃
すみだ北斎美術館蔵

さらにもう1点。

こちら、何に見えますでしょうか?僕にはどこか高原かなんかの観光地でよくある湿地帯のハイキングコースに見えたんですが、実はこれ、伊勢物語の主人公、在原業平が歌を詠んだことで名高い「八ツ橋」を描いた作品。平安時代中期にはすでになかったので、北斎は想像で描いたのだそうです。それにしても、カキツバタ一つも咲いてないですよね・・・手を抜いたのか、オフシーズンを描いた図なのか・・・。

また、やたらムダに橋脚が高いのは、やっぱり浮世絵らしいデフォルメ感があって面白いですよね。

f:id:hisatsugu79:20180913141246j:plain
葛飾北斎《諸国名橋奇覧 三河の八つ橋の古図》1834年頃
すみだ北斎美術館蔵

このように今回の企画展「北斎の橋、すみだの橋」のメインディッシュである【諸国名橋奇覧】はどれも非常に見応えがあるので、是非注目してみてくださいね。 

見どころ2:北斎や弟子たちが描いた、様々な「橋」が面白い!

《諸国名橋奇覧》以外にも、北斎やその門人たちは、「橋」をモチーフとした印象的な作品を沢山残しています。もう少し見ていきましょう。

まずは、《富嶽三十六景》からの1枚。

f:id:hisatsugu79:20180913131955j:plain
葛飾北斎《富嶽三十六景 深川万年橋下》1831年頃
すみだ北斎美術館蔵

北斎得意の、構造物の間から垣間見える「遠見の富士」が印象的な作品なんですが、注目してほしいのは、富士山ではなくて絵の中に描かれた登場人物です。

この「万年橋」は、現在でも小名木川と隅田川の接続部分に掛かっているのですが、よく見てみると、橋の上にいる人は、みんな釣りをする人を見ているんですね。

f:id:hisatsugu79:20180913132005j:plain
葛飾北斎《富嶽三十六景 深川万年橋下》1831年頃
部分拡大図

僕は、実はこの万年橋の近くに住んでおり、日々のジョギングコースで毎日のように通りかかるんですが、ここ、この絵が描かれた150年後の現在でも、格好の漁場なんですよね。日が落ちると万年橋の下(小名木川と隅田川の接続部分)で夜釣りを楽しむ人が非常に多いんです。

釣りのことはよくわからないんですが、2つの川が出会い、複雑な流れが発生する部分だからなのか、昔も今も格好の漁場なんだな、と思ってしみじみ納得してしまいました。

つづいて、北斎が描いた面白い橋の浮世絵《百橋一覧》。

ぱっと見て、画面真ん中やや右寄り中央に大きな橋がかかっていますが、よーく見てみると、それ以外にも様々な形をした無数の橋が、絵の中に潜んでいます。

f:id:hisatsugu79:20180913141218j:plain
葛飾北斎《百橋一覧》1823年頃
すみだ北斎美術館蔵 ピーター・モースコレクション

たとえば、ちょっと拡大してみましょう。

ほんの一部分ですが、この部分図だけでも10個くらいの橋が描かれていますよね。北斎は絵の中に描いた一つ一つの橋には、一応日本中のどこかの橋をモデルとしていたらしく、第2刷以降は、橋一つ一つに名前がつけられたバージョンが市場に出回りました。

f:id:hisatsugu79:20180913141226j:plain
葛飾北斎《百橋一覧》部分図

続いて、こちらの絵本から。

f:id:hisatsugu79:20180913141541j:plain
葛飾北斎《富嶽百景二編 七橋一覧の不二》1835年
すみだ北斎美術館蔵 ピーター・モースコレクション

こちら、一見なんでもない橋の絵に見えるんですが、よーく見てみると、大きな橋のアーチの下には、合計6つの橋が描きこまれているんです。まさに橋づくし。展覧会場で、全部みつけるまで3分くらいずっとにらめっこしてました(笑)

続いて、こちらの絵本では、実際にはありえない奇想の橋も考案しています。

橋を、1本の大きな古い木の幹が支えているという構造。実際にはありえないですが、想像力豊かな北斎らしい絵だなと思いました。

f:id:hisatsugu79:20180913141108j:plain
葛飾北斎《富嶽百景 三編 橋下の不二》年代未詳
すみだ北斎美術館蔵

見どころ3:マニアックな「すみだの橋」特集!

実は僕も墨田区のすぐとなりの江東区深川の住人なのですが、今でも隅田川や、その支流にかかる橋は、文化財として大切に取り扱われているのは肌でよく知っています。特に、隅田川の河口部から南千住付近までの約10Kmの中で、隅田川にかかる橋は、どれも外見、構造、工法が一つ一つ違っており、本当に見ているだけでも面白いです。

本展では、墨田区内にかかる主要な橋ごとに、各所から集められた資料や絵画作品をまとめて展示。大花火大会などで有名な「両国橋」や、浅草に架かる「吾妻橋」といった有名な橋から、非常にマイナーな運河にかかる小さな橋まで余すことなく展示されているのが凄い!

では、いくつか実際に見てみましょう。

隅田川で昔からいちばん有名な橋といえば、「両国橋」。江戸時代において、江戸の風景や町人たちの日常生活を描いた浮世絵では、「両国橋」のにぎわいは最頻出のモチーフといっていいかもしれません。

f:id:hisatsugu79:20180913140857j:plain
小林畿英《東京名所之内川開之図 両国橋大花火》

面白いのは、両国橋が描かれた浮世絵は、おおよそ「花火が上がっている」か「人がすし詰めになっている」かどちらかのパターンが非常に多いこと。

今回の展覧会でも、やはり花火大会の風景を描いた3連の錦絵が印象的でした。どうですかこの弾ける花火の表現方法。

f:id:hisatsugu79:20180914102106j:plain
浮世絵での弾ける花火の表現方法に注目!
小林畿英《東京名所之内川開之図 両国橋大花火》部分図

また、花火を一目見ようと、橋の周りは人々でごった返し、隅田川にはたくさんの屋形船が浮かんでいます。人力車やボート、麦わら帽子など、文明開化の香りもして面白いし、興奮する人々の表情などを見ているだけでも見飽きないですよね。 

f:id:hisatsugu79:20180914102100j:plain
江戸時代とは明らかに違う人々の様子も興味深い
小林畿英《東京名所之内川開之図 両国橋大花火》部分図

つづいて、人々ですし詰めとなり大混雑する両国橋。これも浮世絵では定番です。実際、江戸時代に、花火大会の日に人の重みに耐えかねて崩落した事故も起きていますので、両国橋は町人たちの人気スポットだったのでしょうね。

f:id:hisatsugu79:20180913141602j:plain
葛飾北斎《『絵本隅田川 両岸一覧』中 両国納涼 一の橋弁天 無縁の日中》
年代未詳 すみだ北斎美術館蔵

f:id:hisatsugu79:20180914000149j:plain
両国橋名物?!橋の上はすし詰めで大渋滞!
葛飾北斎《『絵本隅田川 両岸一覧』中 両国納涼 一の橋弁天 無縁の日中》拡大図

もう一つ、両国橋をこれから渡って、吉良上野介の邸宅に討ち入りしようとする赤穂浪士達を描いた作品。両国橋を渡ると、回向院の裏にあった吉良邸。討ち入り前のクライマックスシーンなのですが、両国橋とセットで浪士たちが描かれると、なぜか画面上大混雑しちゃう(笑)

f:id:hisatsugu79:20180913141326j:plain
歌川国芳《忠臣蔵十一段両国橋勢揃図》1818-30~1840頃
江戸東京博物館蔵

見て下さいこの人口密度。ちゃんと一人ひとり誰が誰なのか、テロップまでつけてある親切設計。こういうのを観ると、江戸時代の浮世絵ってブロマイドだったのだなとよくわかりますよね。

f:id:hisatsugu79:20180913141340j:plain
歌川国芳《忠臣蔵十一段両国橋勢揃図》部分図

両国橋は、明治になってから一度架け替えられましたが、関東大震災で被災。木造部分の歩道が焼け落ちました。震災復興に伴い、1932年に現在の鋼鉄製の端に再度架け替えられましたが、明治時代にかかっていた橋の遺構の一部が、ちゃんと保管してあるんですね。

それがこちら。 

f:id:hisatsugu79:20180913141710j:plain
(中)両国橋 橋名板
(左、右)橋梁装飾物の被害品(両国橋エンドポストキャップ)

看板の両サイドのオブジェを見ると、文明開化の匂いや、その後の大震災の爪痕も感じられるようで、なんとも感慨深いものがあります。

さて、続いては人気No.2の「吾妻橋」。浅草にかかる橋で、もともとは町人の私費で架橋され、武士以外から橋銭2銭を徴収して維持運用されていたのだとか。江戸時代は、現在は赤く塗られていますが、こちらも明治20年(1887年)に1度、関東大震災で被災した後、昭和6年(1931年)にもう1度架け替えられました。

この吾妻橋は、明治期になってから描かれた3連の錦絵なのですが、橋脚はレンガ造り、橋の上は鋼鉄の梁が張り巡らされていて、江戸時代からの土木技術の着実な進歩を感じますよね。

f:id:hisatsugu79:20180913141452j:plain
井上安治《大日本東京吾妻橋真画》1887年
江戸東京博物館蔵

そして、橋の下を歩く人達もこんな感じ。この異国風の兵隊さんみたいなおじさんは、警察官なのでしょうか?それとも軍隊の偉い人?また、子供が着ている洋服や、おばあさんたちの着物姿、その後ろの人力車など、江戸時代と人々の生活文化も大きく変わってきていることがよく読み取れます。 

f:id:hisatsugu79:20180913141400j:plain
井上安治《大日本東京吾妻橋真画》部分図

橋脚付近では、なぜかオーストリアの国旗を挿した手こぎボートで敢行を楽しむ人々も描かれています。

f:id:hisatsugu79:20180913141838j:plain
井上安治《大日本東京吾妻橋真画》部分図

面白いのは、この絵に描かれた橋脚部分で使われていたレンガが、遺構として大切に保管されていることなんですよね。ほら、この通り。 

f:id:hisatsugu79:20180913141648j:plain

このように、浮世絵などを楽しむだけでなく、こうした歴史的な資料も合わせて展示されているという点で、企画展後半は、博物館の展示を見ているようでもありました。

f:id:hisatsugu79:20180913142621j:plain
(東京名所)吾妻橋 1887-1931頃 紅林章央氏蔵

また、吾妻橋に関しては、明治期に撮影された写真も残っていました。こうやって見てみると、当時まだ高層ビルなどが周りにない中、巨大建築物としての「橋」は、今よりももっと人々の生活の中で存在感があったのかもしれませんね。「瀧」や「海」などと並んで、わざわざ北斎がシリーズ化して作品を発表していったのもわかる気がします。

続いては、北斎が描いた小型の錦絵から。

一見なんでもないように見えるのですが・・・

f:id:hisatsugu79:20180913141421j:plain
葛飾北斎《東都十景 あさくさ》1804-18年頃
すみだ北斎美術館 ピーター・モースコレクション

拡大してみると、この小ぶりな錦絵の中に小さな石橋が描かれていることがわかります。

f:id:hisatsugu79:20180913141430j:plain
葛飾北斎《東都十景 あさくさ》部分拡大図

実はこの端、浅草寺の中に今でも現存する石橋なのですが、北斎が絵の中に描いた墨田区内の橋の中で、唯一2018年現在でも残っているのが、この浅草寺の石橋なのだそうです。 

f:id:hisatsugu79:20180913141813j:plain

面白いですよね。こんなに小さく描かれた橋でさえ見逃さず、しっかりと展示につなげてくるあたり、本展を企画した学芸員さんたちの執念を感じました(笑)

さて、それ以外にもまだまだたくさん墨田区にかかる橋が特集されているのですが、例え錦絵などが残っていなくても、記念絵葉書や構造図/設計図の図面、古地図、青焼きを展示するなど、とことんマニアックなのです。 

f:id:hisatsugu79:20180913141303j:plainf:id:hisatsugu79:20180914102516j:plainf:id:hisatsugu79:20180914102605j:plain

このように、橋梁好きにはたまらない展示となった、展示後半の「すみだの橋」特集。とことんマニアックでした。

4.混雑状況と所要時間目安

f:id:hisatsugu79:20180914102712j:plain

本展を隅から隅まで楽しむのであれば、90分~120分は欲しいところ。浮世絵や絵本は、一つ一つ図柄が面白くて見入ってしまいますし、墨田区に架かる橋の資料も非常に情報量が多く、見ごたえ抜群でした。

混雑状況については、特に心配しなくても大丈夫だと思いますが、万全を期するのであれば、一番入場者が多くなる土日祝日の13時~15時頃を避けるようにすれば良いと思います。

5.関連書籍・資料などの紹介

すみだ北斎美術館の企画展を120%楽しむなら、北斎が生涯残した作品やその作風、経歴などを抑えておくと良いかと思います。僕が読んでみて、特に役に立った「北斎入門本」を3冊紹介しておきますね。

読みやすさは随一!入門書の決定版「北斎への招待」

すみだ北斎美術館の紹介や、最近人気上昇中の北斎の三女「葛飾応為」も網羅し、北斎研究の最新トレンドも踏まえた、初心者・入門者に超オススメのムック本。構成もスッキリしており、非常に読みやすいので、僕も重宝しています。これ1冊を何度も読み込んでおけば、北斎の展覧会をより楽しめること間違いなしです。

安心の定番入門書!「もっと知りたい北斎」

アカデミックな正統派の研究を元に、しっかりと北斎の画業について時系列でまとめてくれている入門書。10年以上前に出版されていますが、記載内容は非常にバランスが良く、「もっと知りたい」シリーズらしい、圧倒的な信頼感があります。こちらも「北斎への招待」同様、初心者~中級者までオススメの1冊です。

新書で手軽に魅力を知る!「北斎漫画入門

北斎が人物・風景・動植物・日常生活における様々なモチーフを「絵手本」としてまとめたスケッチ画集が《北斎漫画》です。あらゆる北斎の展覧会で、必ず参照される《北斎漫画》は、ある程度わかっていたほうが展覧会をより楽しく観ることができるでしょう。日本における在野での《北斎漫画》研究の大家、浦上氏が非常にわかりやすく《北斎漫画》を解説してくれています。

6.まとめ

すみだ北斎美術館が本気を出して作り上げた企画展「北斎の橋、すみだの橋」は、北斎やその門人たちが描いた錦絵や絵本の中の「橋」を徹底的に集めただけでなく、墨田区の代表的な橋梁を、徹底的に調べ上げたマニアックな展覧会でした。

後半の展示はもはや美術館というより、博物館の企画展示みたいな趣もありましたが(笑)、東京下町の「橋」は200年、300年と普通に積み重ねてきた歴史があるんだな、と感じさせてくれます。歴史の面白さを味わえる意欲的な展示は、見ごたえ十分でした。

力の入った企画展なので、是非!おすすめです。
それではまた。
かるび 

展覧会開催情報

企画展「北斎の橋 すみだの橋」
◯美術館・所在地
すみだ北斎美術館
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2
◯最寄り駅
・都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分
・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分
・JR総武線「錦糸町駅」北口より墨田区内循環バスで5分
◯会期・開館時間
2018年9月11日(火)~11月4日(日)
9時30分~17時30分(入場は閉館30分前まで)
◯休館日
毎週月曜日
※9月17日、24日、10月8日は開館
※9月18日、25日、10月9日は休館
◯入館料
一般1200円/高校生・大学生900円/中学生400円
65歳以上900円/障がい者400円
※小学生以下無料
◯公式HP
http://hokusai-museum.jp/
◯Twitter
https://twitter.com/HokusaiMuseum

※なお、本エントリで使用した写真・画像は、Webメディア「楽活」向けの取材として、あらかじめ主催者の許可を得て内覧会で撮影・使用させていただいたものとなります。何卒ご了承下さい。