あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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小学校入学式に参加した感想→最近の小学生って、すごく恵まれてるよね?

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かるび(@karub_imalive)です。

一昨日、息子の小学校の入学式が無事に終わりました。

一生に一度のまたとない機会なので、仕事をお休みして夫婦で入学式に出席しました。入学式の後、初日ということで保護者も子どもと一緒に教室で担任の先生からのオリエンテーションを受け、記念写真撮影を行う中、校舎の中に入って色々と観察する機会がありました。

そこでまず感じた感想としては、なんだかんだで、今の小学生の学習環境や教育環境は、20年~30年前に比べてかなり改善してきているんではないかということです。今の子供は、中学受験に向けての受験勉強の早期化や学力低下など問題はまだ山積ではあるかと思います。それでも、僕が小学生だった約30年前に比べると、格段にその学習・教育環境において進歩改善が見られるのではないかなと思った次第です。

そこで、今日のエントリでは、ざーっと小学校1日目に観察してみて、どのあたりが良くなったのかな?というところを、僕が小学生だった約30年前と比較して、簡単に書いてみたいと思います。

30年前に比べて良くなったところ

1,校舎がきれいになっている

単純ですが、校舎の清潔さや設備の充実ぶりにおいて、30年前とは比較にならない位良くなっていると感じました。まず、2011年以降耐震補強工事がしっかりなされている上に、教室の床や廊下が綺麗なのです。(校舎は築40年くらいだったのですが・・・)

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僕が30年前に通っていた小学校は、床が常にワックスがけされていて、茶色くなっていました。よって立膝をついたりしたら、油で膝がベトベト汚れたりしました(それでも気にせず床でメンコとかやってましたが)。また、校舎の壁や外壁などもペンキが剥がれて汚くなっていましたね。

これは、たとえば「3年B組金八先生」の初期作品などを見てもわかるのですが、80年代の学校校舎って、壁は塗装が剥げていたりして、結構ぼろぼろなんですよね。今にして思うと、よくこの汚い校舎でドラマとか撮影したよな、っていう汚さです。

一度機会があったら是非チェックしてみてください。写真はロケ地となった、今は閉校された旧足立第二中学校(現:東京未来大学校舎へと改築済み)ですが、古さの否めない60年代~70年代に建てられた雰囲気の校舎であります。

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(引用元:http://homepage3.nifty.com/aru-kn/kinpachi.html

それが、息子の入学した学校は外観こそ年代を感じさせますが、内装はリフォームされているのか、非常に床も綺麗で、立膝をついても全然汚れませんでした。非常に清潔感あふれる館内に非常に感銘を受けた次第です。

2,少人数学級になっている

僕の息子の学校は都心なのにわずか2クラス。いや、都心だからこそ過疎化したのかもしれませんが、1クラス27名✕2クラスで、1学級30名を切るゆったりした環境となっています。30年前に僕が埼玉の郊外ベッドタウンの小学校に通っていた時は、常時1クラス50名以上いましたから・・・。子供も大変でしたが、運営側の先生も大変だったと思います。

ちょっと統計データを見てみると、小学校における1学級あたり平均収容人数は、どんどん少人数化が進んでいますね。少人数化によりきめ細かい指導を行う方針の下、文科省、教育委員会の取り組みが成果を上げてきていることがよく分かります。

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上記グラフは、統計データのまとめが非常に有用なガベージニュース様から引用させていただきました。いつも勉強になります。

3,副担任がいる!

30年前は、1クラス50名に、担任1名で全教科を回していました。当時は特にそれでも違和感はありませんでしたが、やっぱり1クラス50名は多いですよね。担任の目が行き届く人数ではありません。

それが、僕の息子の学校は特に1年生の1学期は常時副担任が授業の補佐にあたってくれるそうです。ただでさえ1クラス27名と少ないのに、担当教師は2名体制とは、本当に贅沢な話です。

実際、財務省のデータでも、教師1名あたりの生徒数も劇的に少なくなってきており、児童生徒あたりの教員定数は、平成元年以降、ここ25年ほどで1.4倍まで増員されてきています。これに危機感を覚えた財務省が、逆に昨年度、文科省に対して「無駄使いしすぎじゃね?」とツッコミが入れたほどであります。

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僕の息子の行く学校は、ここ何年も荒れることなく、たまに雑誌や新聞の取材が入ったりする割と優秀な公立のモデル校になっているようなのですが、これだけ目が行き届いていれば確かにそうだよな、と納得させられます。

4,算数での少人数クラス分け

さらに、小学校3年生から、算数の授業のみ日頃の理解度に応じて習熟度別のクラス分けを行うようです。東京都教育委員会では、10年以上前から小学校の算数、中学校の数学において、モデル校での先行事例→効果測定を繰り返してきており、2014年度よりほぼ東京都の小中学校全校で習熟度別クラスの実施を決めたようです。

算数・数学で 来年度にも全校で習熟度別授業 都教委 | 月刊私塾界|
東京都教育委員会 児童・生徒の「確かな学力」の向上~「確かな学力」を育成するための授業改善の一層の推進~:文部科学省

我が家では特に英才教育など施していないので、これは非常に安心です。公立なのにそこまできめ細かくやってくれるのかと素直に感嘆いたしました。

5,配布物がしっかりしている

昔、学校でもらうプリント等の配布物は、質の悪いわら半紙とインクで印刷されていました。消しゴムで消すと印字されていた文字や絵柄まで合わせて消えちゃう、、みたいなそんな感じ。。

しかも、先生が手書きで書いた適当なプリントなので記載事項に抜けも色々合ったような気がします。

それが、今はプリンタも紙質も向上し、1年分の学校行事がすでに印刷された卓上カレンダーに加え、細かい持ち物リスト、生活ガイドなどいろいろ行き届いた配布物を頂きました。きっとモンスターペアレント対策から、抜け漏れがなくなったのだと推測。おかげで親としても迷いなく心の準備ができます。

6,学校に学童が併設されている

僕の小学校時代はもちろんそんなものはありませんでした。みんな小学校低学年から、「カギっ子」と呼ばれ、家に帰ったら自分でカギを開けておやつをたべながらファミコンをやる、みたいな家庭が多々ありました。当時は社会問題にもなっていたような記憶があります。(※今も絶対数は減少しているけど、かなりの児童がカギっ子状態の様子)

が、今は学校に学童が併設される時代なんですね。学校が終わったら、校内に併設する学童へそのままスライドして両親の帰りを待つ。少なくとも小学校低学年のうちは、学童が至近距離に用意されていると非常に安心です。

7,体罰がなくなってきた

昔は、担任の教師に木の棒で担任におしりを叩かれる「ケツバット」を食らったり、教師の機嫌の悪い時に頭をよく叩かれたりしました。また、廊下で足が限界になるまで長時間立たされたりとか、今思うと「体罰」と言われて問題になるような行為も平気で行われていたように思います。

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(引用元:http://himalab.com/p/_0001410

今もまだまだ全国レベルで見るとかなりの体罰件数が発生しているようではありますが、少なくとも僕の子供が行く小学校に関しては、ここ数年表立って事件や問題になった体罰もなく、非常に安心しています。

8,校庭が芝生だった

東京都では、平成25年度から都内の公立小中学校について、「校庭の芝生化」を推進してきています。

一時期こそ震災とその後の放射能汚染問題により、一端は芝生を全部泣く泣く外して表土の入換えをせざるを得なかったのですが、昨年より再度芝生化が試みられていました。こんな感じ。

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それまではコンクリートの上に陸上やサッカーコートなどの枠線がプリントされていて、「これはこけたら痛いだろうな」と思っていたので、学校の英断に感謝であります。芝生だと、運動時に足腰にかかる負担も格段に緩和されるので、目の保養にもフィジカル的にも良いことづくめです。

9,無料で防犯ブザーがついてきた

僕の居住区江東区では、すでに10年前から始めていたようなのですが、不審者に対抗するための防犯ブザーが1人1個ずつ無料支給されています。

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試しに自宅でブザーをならしてみたところ、想像を絶するボリュームでピーピー鳴りましたので、これは使えそう。物騒な事件が続発していることを受けての措置ではありますが、是非30年前から導入しておいて欲しかった。30年前でも、下校時に下半身まるだしで何も履いていないような変質者が通学路に出現したり、普通に痴漢騒ぎなどもあり、危険度は今とそれほど変わらなかったように思います。

なんだかんだで教育環境は進歩してきている

これは最近読了した古市憲寿の「絶望の国の幸福な若者たち」にも書かれていてハッとしたことですが、現代は、例えば1980年代などと比べると、生活水準・教育・労働環境・娯楽、どれをとってもレベルが向上し、選択肢も広がっているという事実は案外見落としがちだということです。

我々はつい過去の体験をノスタルジックに美化して「昔の学校は素朴で良かった」「今の学校教育はたくましさが足らん!」なんて語ったりします。ですが、冷静に調べて振り返ってみると、実際に20年、30年前の社会の効率性・利便性や生活水準は、今よりも数段劣っていたのです。学校教育も、間違いなく今の2016年時点のほうが格段に優れていると思えます。

上記にも書きましたが、30年前は校舎は汚く、体罰は(軽いものも含めて)日常風景でした。収容人数の限界までつめこまれた教室では、個性より集団統制に力点が置かれた、より旧式的、画一的な教育手法しか取り得なかったように思います。

まるでサラリーマン予備養成所みたいな我々団塊ジュニア世代の小学校生活に比べると、質的にも量的にも恵まれた教育環境が実現されてきているのだな、改めて実感。ここまで社会や地元PTAの先輩諸氏が残してくれたよい教育環境に感謝せねばな、と思うのでありました。

そして、今日からは早速集団登校が始まっています。つい10日前まで、ママチャリの後部座席に乗せて保育園の送迎を行っていたとは思えない環境の変化に、嬉しくもあり少し寂しさも感じる今日このごろであります。

それではまた。
かるび