あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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読書は2周目からが面白い!40歳にしてやっと精読の価値に気づきました

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かるび(@karub_imalive)です。

読書、好きですか?

僕は、昔から読書が大好きです。物心ついた頃から本の虫で、小学生の頃は運動は苦手だったので、学校の図書室に入り浸っていました。それから40歳の今に至るまで、ずーっと本を読み続けています。ちゃんと読書記録をつけてるわけじゃないので何ともいえないですが、定期的にみかん箱単位で本を断捨離しているので、年間で50冊~100冊程度はコンスタントに読んでいると思います。

読書スタイルが少しずつ変わってきた

そこで、自分の読書遍歴を少し回想してみたのですが、子供の頃から、読書の質が少しずつ変わってきていることに気づきました。

小学校~中学校の頃は、絵本や小説など、物語を「味わい、楽しむ」ための読書がメインでした。小学校だと、機関車トーマスとか、ずっこけ探偵団とか、少年向けにカスタマイズされた江戸川乱歩シリーズとか、ファーブル昆虫記とかですかね。中学に入ってからは、三国志とか水滸伝などの歴史もの、それから赤川次郎や西村京太郎などの推理小説ものもよく読んでいました。

これが、大学に入ってからは少し変わってきます。大学時代は英語サークルで英語ディベートを行っていたこともあり、「学び、調べるための」読書に変わります。さらに、大学卒業~社会人生活では、「仕事に役立てるための自己啓発」としての読書がそこに加わりました。・・・ん、なんだかだんだん読書への向き合い方がつまらなくなっているような気がしないわけでもないな・・・。実際、自己啓発本はほとんど実践で役立ててないような気がするし

そして、アウトプットのための読書に

そして半年前位からブログを書くようになってからは、「アウトプットを前提としたネタ探し」のための読書が加わりました。

この雑記ブログ、「あいむあらいぶ」も、4月4日現在で、やっとエントリが100を少々超えた程度ですが、それでもブログを始めた当初よりもだんだんとストックしてあったネタがなくなってきています。

40年生きてきた蓄積ってわずか100エントリでなくなっちゃうくらいだったのか?と愕然としますが、まぁそんなものでしょう。

でも、それでもブログは今後も続けていきたいのです。と、すると、ストックが減ってきたなら、新たにインプットしたもので書いていくしかありません。

また、ブログ上に文章として何かを表現する時に、自分の中で知識や知見が十分体系化されていなかったり、ライティングの技量が足りていなかったりするため、文章になかなか深みを出すことができずにいることも悩みの一つであります。

ということで、この春、インプット不足解消と文章内容に深みを持たせる狙いで、これまでの自分の読書スタイルを量的にも質的にも少し変えてみることにしました。

読書の仕方を少し変えてみた

1)量的な変化(読書量を増やす取り組み)

単純に、これまで気が向いた時にダラダラっと読むことで、大体月5冊位のペースで読んできました。これを、まずは当面3倍の月15冊ペースにしています。また、近日中に会社を退職するので、退職後しばらく自由な時間が取れる時は、月30冊ペースに引き上げようと思っています。(1日1冊ですね)

最近、いろんな読書論の本を読みましたが、割とその中で共通しているのが、アウトプットを多くしたければ、インプットである読書量を単純に増やすしかない、という話です。

このあたりは、この本から学びました。1日10冊~20冊読む有名な書評家、小飼弾氏の読書論です。

意味ある読書に必要な冊数は、1000冊。プロの物書きは300冊の本を読んだら1冊本がかけるといいますが、これはアウトプットがすでに習慣になっている人の話。そうでない人は、その3倍くらいは読まないと、意味のあるアウトプットになりません。

1000冊か・・・。いや、きついわ。と思ったのですが、実際、ノンフィクション系のデキの良い新書1冊を読むと、その著作の中で参照・引用されている書籍って、少なくても20~30冊程度、多ければ100冊、200冊と引用されているんですよね。

小飼氏の言うとおりであります。一つのクオリティの高いアウトプットを出すには、圧倒的にインプットしていくしかないのかな、と思わされます。

2)質的な変化(理解度を上げる取り組み)

今までは、単に1度ザァーッと読んでみて、面白ければそれで満足しておしまい、ということが多かったです。性格的に移り気で飽きっぽく、新しもの好きなので、読み終わったそばから、次から次へと新しい本に手を出してしまうのですね。

でも、これではちょっと知識や知見が効率的に残って行かないのですよね。読んだ直後は、「面白かった~」と満足なのですが、あとでそこで得た知識や学びを整理していないため、最終的にはほとんどの内容を忘れていってしまうんです。

有名な話ですが、「エビングハウスの忘却曲線」って聞いたことありませんか?

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(引用元:日経新聞電子版)

我々は、何かを見たり聞いたりして学習した内容は、脳の構造上、1日後には早くもそのうちの実に74%の内容を忘れてしまうのですね。これじゃ、ガンガン新しい本に手を出し続け、単に読書量を増やすだけでもほとんど頭に残らず、読書の効用を最大限に享受できてないのではないか、と考えました。

そこで、この春から、

  • 「どんなにつまらなかった本でも、最低2回は読む」
  • 「2回目以降は、Evernoteにメモを取りながら読む」

という精読のためのマイルールを自分に課しました。

1度目はどんなに乱読・速読してもいいから、とにかく1回読み終わったら、少し時間を置いて再読する。そして、気になった項目をEvernoteに好きなようにメモとして残していく。まぁダメだったらまた別のやり方でもいいや、と気軽に始めてみました。

そして、これが割と自分の読書体験を何十年ぶりに変えてくれそうな感じなのです。

読み返すことで、大事な項目が頭に入るようになった

これが非常に大きかったです。
僕は結構本を読むのは速い方で、平易な文章で書かれたビジネス書や小説などは、1時間で100ページ以上は進みます。大抵のハードカバーや新書は300ページ以下なので、大体まとまった時間が2時間強あれば、これまでは1冊読み終わっていました。

でも、今回2周目に入った時に気づいたこととして、そもそも速読気味に読んだ本は、無意識のうちに読み飛ばしている箇所があったり、内容をほとんど覚えていないセクションがあるんですよね。

だから、2周目に読んだ時に、「あれっ?こここんなこと書いてあったっけ」みたいにとばしてしまっていた未読箇所を拾い読みできることがかなりありました。

また、1周目に読んだ時は、完全に理解せず、あいまいな解釈のまま飛ばしてしまっていた箇所も、2回目に読み返すことによって、理解が格段に進んでいることがありました。

このように、2回目からは「本を味わい尽くす」そんな感覚で学びを深めていけることが非常に新鮮で自分にとっては収穫だったのです。

マンガや小説も2度目からが味わい深い

2回目の読み返しが有効なのは、人文系のノンフィクションだけではありません。伏線が幾重にも張られた小説やマンガなどのエンタテイメント系も、2周目を読む時は味わい深いです。
たとえば、僕のお気に入りのマンガに、非常に巧妙にストーリーが練られ、伏線が張られている「東京喰種(トーキョーグール)」という大ヒット作があります。

現在もその続編の「東京喰種Re:」と合わせて20巻刊行されていますが、幾重にも練りこまれた伏線やプロット、複雑な人間関係や心理描写が秀逸で、非常に良い作品だと思います。Kindleで全巻揃えました。

ただし、その分ストーリーも複雑なので、僕はこの漫画を1回や2回読み返したくらいでは(アホなので)全体像が完全に理解できていませんでした。最近、4周目を終えたのですが、4度目の読み返しにして、ようやくストーリーの伏線や登場人物の関係像などがクリアになりました。

これって、マンガだけでなく、推理小説やSF、名作文学などにも当てはまると思うんですよね。名作には何度読み返しても新しい発見や驚きがあるのだと思います。

2回目以降は、メモを取りながら読む

これも、今回初めての取り組みになったのですが、Evernoteに読書録をつけることにしました。メモの取り方・書き方は、特に決めず、その時の気分次第で自由にメモを取っていきます。

文体が好きな箇所はそのまま写経したり、文章から連想して考えたことを書いたり、内容を要約したり、とにかく自由にEvernote上にメモをアウトプットしながら書くようにしていきます。こんな感じです。

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そして、この、「メモを取りながら読み返すメリット」って結構大きかったんです。主に2つありました。

メモを取りながら読み返すメリット

1)内容理解が進む

一つは、要点を書き出すことにより、さらに内容が頭にも入りやすくなったこと。書いてまとめることによって、頭が活性化され、知識として定着している感覚があります。エビングハウスの忘却曲線により、一旦忘れかけた内容を、ぐぐっと脳に引き戻す、そんなイメージでしょうか。

2)家がきれいになる

そして、もう一つは、家がきれいになること。メモを残せば、あとは本を参照しなくよいので、思い切って読み終わった本をどんどん手放すことにしました。

例外として手元においておく本は、これは3回以上読み返す価値があるな、と思ったものだけです。あとは、ブックオフに持っていくなり、友人にあげるなり、図書館に寄贈するなりできるようになりました。

なんせ、東京都心のうさぎ小屋に住んでいますので、単純に本を貯蔵するスペースがないわけです・・・。

ということで、長くなりましたが、現時点での自分の読書に対するスタンスや思いを書いてみました。読書は、2回目の読み返し、精読からが本番なんだなと思います。本の読み方なんて自由でいいじゃん、と思っていたのですが、方法論を決めて取り組んでみると、やはり違うものですね。

多分、これって人によって合う合わないがあると思いますので、最終的には自分なりの読書のあり方は人それぞれということになるんだと思います。ただ、たまにはこうして定期的に読書に対する取り組み方を考えてみるのは非常に有益だと感じました。

また、別のエントリでは「読書論」系の本のレビューもしてみたいですし、これを機会に読書がはかどるとっておきの文房具も買いましたので、近い将来そのあたりの話も書いてみたいと思います。それではまた。
かるび