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東京の中堅Sierを退職して3ヶ月。無職または専業主夫で、ブログ書いてます。美術展と人事労務系の記事が多め。

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【ネタバレ有】映画「22年目の告白」感想・レビューとあらすじ徹底解説!/スリリングな展開と衝撃の結末が楽しかった!

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かるび(@karub_imalive)です。

6月10日にリリースされた新作「22年目の告白-私が殺人犯です-」を見てきました。出演した映画作品はほぼ全作品ヒットしている屈指の演技派俳優、藤原竜也が、久々に「クズ」系の主役を務める!ということで、注目していた映画です。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれます。映画中の「真犯人」をネタバレした上で記事を書いていますので、是非鑑賞後にご覧頂くことを推奨いたします。

1.映画「22年目の告白 私が殺人犯です」の基本情報

<映画「22年目の告白」公式予告>
※下記画像をクリックすると動画がスタートします

動画がスタートしない方はこちらをクリック

【監督】入江悠(「太陽」「ジョーカー・ゲーム」)
【配給】ワーナー・ブラザーズ
【時間】117分
【原作】韓国映画「殺人の告白」

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監督は、2009年「SRサイタマノラッパー」でブレイクした、今一番注目度の高い若手映画監督の入江悠。2015年に神木隆之介&門脇麦主演の異色のSF映画「太陽」も良かったですが、今作では、過去作で培った様々な映像表現技術が全部注ぎ込まれたような、ここまでの監督キャリアの集大成的な作品になりました。

2.映画「22年目の告白」の主要登場人物とキャスト

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本作は、とにかく情報量が多い映画です。前半は特に流れが早く、一気に5件分の殺人事件が、関係者の回想シーンとともに一気に提示されます。できれば、事前に上記の人物関係図を頭に入れておいたほうが良いでしょう。

曾根崎雅人(藤原竜也)
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「デスノート」のキラのような危険人物、「カイジ」のようなダメ人間、「藁の楯」での究極のクズ人間など、映画では風変わりなキャラクターばかりオファーが回ってくる藤原竜也。しかし、彼が変なキャラを演じる映画は、大抵ヒットするんですよね。今作では、一見クズっぽいけど実は内に秘めた感情や狙いがあり・・・という微妙なさじ加減が要求される難しい役を見事にこなしていました。やっぱり彼の演技にハズレなしです。

牧村航(伊藤英明)
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回想シーンでの若作りは流石に限界がありましたが、今作も「海猿」以降すっかり定着した粗野で情熱的な肉体派をベースに、立ち回りに知性や円熟味も感じさせるベテラン刑事役を見事に熱演しています。本人曰く、「これまでの俳優キャリアで一番キツかった映画」とのこと。藤原竜也との息もぴったりでした。

岸美晴(夏帆)
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非常に地味で内向的な女性を演じるのは夏帆。6月16日から、Amazonオリジナルドラマとして配信される園子温オリジナル脚本「東京ヴァンパイアホテル」で主演を務めるなど、ここ最近は個性的な役柄に積極的に挑戦しています。

小野寺拓巳(野村周平)
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回想シーンのみでの登場。直近では、映画「帝一の国」で限りなく素の状態に近いはっちゃけた3枚目の演技を見たばかりだったので、今回の徹底した役作りには、こんな役もできるのかと、素直に感銘を受けました。この人は抑えめの暗いキャラの方が味があって良いと思います。

仙堂俊雄(仲村トオル) 

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国民的ニュースキャスター。往年の久米宏をもう少しギラギラさせたような演技は見事でした。かなり昔のフジ系TVドラマ「眠れる森」の犯人役に少し似ていると思っていたら、本人も役作りする上で似ているなと思っていたようですね(笑)

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3.結末までのあらすじ紹介(※ネタバレ注)

時効とともに名乗り出た連続殺人事件の真犯人 

1995年の阪神淡路大震災をきっかけに、5件連続で東京で起きた残忍な殺人事件。捜査本部が設置され、警察が全力で捜査に当たった一連の事件は、ほとんど手がかりがないまま2010年に相次いで時効を迎えた。

そして、2017年。連続殺人事件の当時、刑事として捜査に当たった牧村航は、その日路地裏にヤクザ、立花組のチンピラを追い詰めていた。すでに40代となった牧村は、同僚の春日部に追跡を任せ、自らは犯人の逃走経路を先読みして、見事なコンビプレイで追い込んだのだった。しかし、その時課長から電話が入り、すぐに署に戻れとの指示だった。牧村は、チンピラを逃して、署に戻った。

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署に戻ると、22年前の連続殺人事件の殺人犯が、時効を機に告白本を出版するため、その会見を今から開くという。テレビをつけると、昼のワイドショーがかかっていた。2010年4月の刑事訴訟法改正や、事件との関わりについての解説のあと、画面は記者会見場へと切り替わった。会見場には、もの凄い数の報道陣がすでに集結していた。

そして、会見が始まった。犯人の姿は、意外にも美しい好青年で、曾根崎雅人と名乗った。彼は、警察の捜査やマスコミ報道の甘さを指摘し、時効を機に事件の全てを自ら語ることにしたのだ。

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牧村は、報道を聞きながら22年前を思い出していた。1件目は、1月4日、雨の夜、住宅地の小さな定食屋の店主が妻の目の前で絞殺された。牧村は、先輩の捜査員、滝と1件目から捜査担当となっていた。

2件目は、大震災明けの2月14日、団地の一室で、会社員岸幸生が妻の目の前で絞殺された。その時に5歳だった一人娘の美晴は、現在書店員として働いている。

3件目は、3月15日だった。高級クラブのホステスが、彼女を愛人として囲っていた橘組組長、橘大祐だった。先程追い詰めたチンピラも橘組のメンバーだった。

そして、4件目は練馬区の病院だ。やはり山縣医院の院長婦人が、院長、明寛の目の前で絞殺された。4件目の絞殺事件のあと、犯人を殺人現場へとおびき寄せた牧村は、犯人と1対1の格闘になり、口を切られて逮捕寸前のところを逃げられてしまった。その際、右肩を撃たれた犯人は、5件目で牧村を殺害ターゲットに選んだ。

5件目、最後の事件は、警察への送られてきたカセットテープによる殺害予告で始まった。1ヶ月前、右肩を撃たれた犯人は、牧村を恨み、牧村自身をターゲットとしたのだった。牧村は、阪神大震災で被災して上京してきていた妹の里香が危ないと察知し、滝と自宅へと直行した。

自宅のドアを明けると、部屋の中にはガスが充満していた。滝の指示で、牧村は部屋の外で警戒していたが、滝が部屋に仕掛けられたトラップにかかると、ガス爆発が起こり、滝は死亡した。そして里香は部屋にはいなかった。

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曾根崎の説明によると、予定した目撃者とターゲットが入れ替わったことをきっかけに、殺人は打ち止めにしたのだという。そして、会見の最後に、曾根崎はこう締めくくった。「はじめまして。私が殺人犯です。」

一躍日本中で有名人になった曾根崎

記者会見の後、猛烈な勢いで告白本が売れた。インターネット上の各種SNSや掲示板、街中では曾根崎の話題でもちきりとなった。告白本を発売した帝談社前では、抗議デモまで起きていた。

「世田谷区会社員殺害事件」の被害者の娘で、現在は書店員として務める岸美晴には非常に酷な状況だった。仕事が手につかず、上司にも厳重注意を受ける中、牧村は美晴に会いに行った。美晴は泣いて牧村に抗議した。

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一方、曾根崎は喧騒を避けるため、都内の高級スイートに連泊しながら、状況の推移を見守っていた。彼は、帝談社の若手女性社員をマネージャーとして、イベントや記者会見のブッキングしていた。告白本は、一瞬で30万部が売れたが、曾根崎はまだ足りないと、不満を露わにするのだった。

この騒ぎを受けて、真っ先に反応したマスコミは、ジャーナリストの仙堂俊雄率いる夜のニュース番組「NEWS EYES」だった。仙堂は、駆け出しだった22年前、国際フリージャーナリストとして海外から帰国して、真っ先に手がけた案件が「東京連続絞殺事件」だったので、この事件には特別の思いがあるようだった。

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牧村は、美晴と別れた後、「練馬区病院長婦人殺害事件」の被害者で、都内の共立中央病院で院長を務める山縣明寛を訪ねた。山縣は、この事件の被害者は皆「ファントムペイン」に似た心の痛みを感じている、と語った。

15時になると、病院の玄関に曾根崎がマスコミ陣を引き連れて現れた。ロビーで対応した山縣に対して、曾根崎は土下座をして謝罪した。さらに、曾根崎は山縣に帯同していた牧村を挑発した。牧村は、曾根崎に殴りかかり、それを機に病院のロビーは大混乱となった。

曾根崎が病院を後にする時、「NEWS EYES」からの出演依頼が入った。曾根崎は別のホールで予定されていた出版記念サイン会へと移動した。一方、橘組のヒットマンが曾根崎を狙うかもしれないと連絡が入り、牧村もサイン会場へと向かった。

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サイン会が始まってまもなくすると、橘組のヒットマンが至近距離から曾根崎に発砲した。それを機に、サイン会場は大混乱となり、中止となった。ヒットマンは逃げていった。しかし、サイン会には書店員の岸美晴も来ており、殺害の機会を伺っていた。曾根崎の周りに人がいなくなった時を見計らって、美晴がナイフで曾根崎に切りつけた。しかし、間一髪、牧村がガードした。牧村は、素早く美晴をホール裏へと連れて行き、何とかなだめて裏口からそっと逃がすのだった。

実現したTV出演、仙堂との対決

その夜、「NEWS EYES」で仙堂俊雄は予定通り曾根崎雅人をゲストに迎え、厳しく切り込んでいった。仙堂は、告白本に書かれていない、「第6の殺人」があったのでは?と独自に入手したインターネット上の動画投稿サイトへアップされた動画を見せて曾根崎に迫った。

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映像は、匿名で投稿された牧村里香を拘束・殺害する直前のシーンだった。第6の殺人事件に対して迫る仙堂に対して、曾根崎は、自らの起こした事件は5件であり、牧村の妹については知らないと言い張った。

「NEWS EYES」を定食屋で見ていた牧村は、仙堂が「第6の事件」と指摘する、彼の妹が失踪した事件を思い出していた。当時神戸に住んでいた里香は、震災で被災して、結婚前提の交際中だった拓巳と一緒に、一時的に牧村の家に居候していた。里香は、震災時に助けられず亡くなった祖母と祖父への負い目から、自分だけ幸せになっていいのか?と拓巳との結婚に葛藤していた。しかし、拓巳は里香に対してプロポーズし、里香は最終的にはプロポーズを受け入れた。

また、牧村は、里香の失踪事件の時効となった2010年4月28日の出来事を思い出していた。牧村をビルの屋上に呼んだ拓巳は、絶望してビルの屋上から投身自殺したのだった。

先日の動画投稿者から、仙堂に対して「自分が真犯人である」と連絡が入った。曾根崎雅人、牧村航との3者対談を実施するという条件で、番組内で「真犯人」と対決することになった。

また、牧村は、妹が拉致された事件について警察に届けていなかった責任を取り、警察署へ辞表を提出した。しかし、温情措置で一旦保留とされたのだった。警察署を出ると、「銀座ホステス殺害事件」の被害者、橘組組長の橘大祐が車で待っていた。牧村は、彼にTV局まで乗せてもらう車中で、曾根崎をサイン会場で狙った犯人は、殺害された彼の愛人の一人息子だったと語った。

真犯人をめぐる驚愕の新事実

「NEWS EYES」の緊急特番が始まった。覆面姿で現れた「真犯人」が、自らが真犯人である証拠として、「牧村里香の殺害現場」を記録したDVDをスタジオに持ち込んだ。刺激の強い動画であったため、スタジオの出演者だけで見たが、VTRには里香の殺害るシーンが映し出されていた。犯人は里香を殺すと、その指から婚約指輪を抜き取った。

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見終わると、感極まった曾根崎は、仙堂の万年筆を奪い取って真犯人の頭に突き立てた。スタジオが大混乱になる中、仙堂に行動の説明を求められた曾根崎は、「私は犯人ではありません。本は、牧村さんが書きました」と告白し、牧村もそれを認めた。

そして、曾根崎は、自らの本名を、牧村里香の元恋人の、小野寺拓巳だ、と告げた。7年前、里香が拉致された事件が時効となった日に飛び降り自殺を図った拓巳だったが、一命を取り留めていた。拓巳は、時効を迎えても、別人へと生まれ変わって自らの手で犯人を捕まえると誓ったのだった。拓巳は、山縣の協力を仰いで整形手術を済ませ、真犯人をあぶり出すため、事件に詳しい牧村に告白本を書かせ、自ら「真犯人」と名乗り出て記者会見を開いて世間を騒がしたのだった。

しかし、それを聞いた覆面の真犯人は、「自分は真犯人ではなく、単なるネット代行業の人間である」と白状した。牧村は、覆面を脱いだ犯人の衣服をめくって右肩を見たが、銃痕は刻まれていなかった。

番組が終わり、牧村と拓巳はさらに捜査の継続を誓った。拓巳は、必ず自らの手で犯人を挙げると決意していた。

牧村と拓巳は、入手したビデオ資料を別々に見返していたが、それぞれ重要な事に気づいていた。拓巳は、真犯人が仙堂であること、牧村は、里香への犯行は、時効が撤廃された新刑事訴訟法の適用範囲であることに気づいていた。

拓巳は、仙堂を追いかける前、TV局で拾った地図を頼りに、軽井沢にある仙堂の別荘へ向かった。その日、仙堂を密着するドキュメンタリーのインタビューが彼の別荘で予定されていたからだ。また、拓巳の車に取り付けたGPSを追って、牧村も現場へと急行した。

軽井沢の別荘では仙堂へのインタビューが始まっていたが、仙堂は何者かが別荘に侵入していることに気づいた。地下室へと見回ると、そこには拓巳が座っていた。

拓巳は、仙堂が真犯人であることを指摘した。牧村以外の誰にも里香との婚約について喋ったことがないのに、仙堂はTV番組で「里香が婚約していた」ことを知っていたからだ。そして、拓巳がいつも「私が真犯人だ」というたび、仙堂はいつも苛立っていた。陶酔型で自己顕示欲の強い仙堂は、自らが「作品」として作り上げた殺人事件を誰かに横取りされることに耐えられなかったのだ。

時効が未成立のため、逮捕された仙堂

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追い詰められた仙堂は、自らが真犯人であることを認めた。そして、拉致した里香も、殺害して埋めたと告白した。「震災で私も死ぬべきだった」と、死ぬ前に仙堂に語った里香に対して、生きる気力をなくした人間を殺すことほどつまらないものはなかった、と拓巳を挑発すると、拓巳は、仙堂の脇腹をナイフでさして、ロープで締め上げた。

仙堂は拓巳に締め上げられるままになっていたが、その時、部屋に牧村が入ってきた。牧村は、拓巳に、「里香の事件は、法律で裁くことができるから、殺すな」と叫んだ。最初、4月27日の深夜、里香の殺害時にバックに映っていた東京タワーは、殺害直後では消えていた。日付が変わり、4月28日になっていたのだ。それは、時効が撤廃された改正刑事訴訟法の適用が可能となり、仙堂を逮捕できるのだ。

こうして、仙堂俊雄は逮捕・収監された。仙堂の別荘からは大量のビデオテープ等の証拠品が押収され、近くの森からは牧村里香の白骨化した死体が発掘された。

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牧村と拓巳は、彼女が殺害された現場に花を手向けた。拓巳は、里香の命日に戻ることを約束して、海外へと旅立った。22年ぶりに事件から開放された拓巳は、若い時の姿を連想させた。逮捕された仙堂は、精神を患い、精神病院で公判を待つ中で手記を書き上げた。近日中に出版予定だった。しかし、ある日、病院で護送される時に、清掃員に扮した橘組の戸田丈が、仙堂を刺殺したのだった。

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4.ストーリーの感想や評価

テンポのよい語り口と、画面から漂う主役2名の緊迫感

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本作は、主役二人の非常にシリアスな演技が素晴らしかったです。特に、途中で牧村の回想シーンを挟みつつ、曾根崎=拓巳が記者会見を経て、病院での騒ぎ、出版サイン会へと至る怒涛の語り口の中で、緊迫した展開がテンポよく進んでいく前半は素晴らしかったです。最近の邦画ではあまり感じない映画らしい緊張感がしっかり味わえました。(実際、映画館内で観客のポップコーンを食べる手は完全に止まっていた)

後半の見どころは、次第に壊れていく藤原竜也が素晴らしい!クールな曾根崎が、次第に憎しみと狂気を抑えられなくなり、ラストシーンに向けて大爆発させていく演技は、いつもながら本当に上手です。また、もう1名の主役、伊藤英明も期待通りの好演!いつもの粗野で情熱的な感じに加えて、年齢を重ねた知的な円熟味や冷静さ、内に秘めた物悲しさなど、様々な要素を演技の中に上手くミックス出来ていましたね。

韓国オリジナル版もそうなのですが、設定が突飛な分、やっぱりこの手の映画はどうしてもツッコミどころやアラが目立つんですよね。(言い出したらキリがないのでやめますが)韓国版はアクションの勢いでシナリオの粗さをねじ伏せていましたが、本作では藤原竜也、伊藤英明の熱演によって、しっかり映画の世界観に没入できました。

5.「東京連続絞殺事件」を時系列で整理してみる

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映画内では、全部で6件の殺人事件が扱われていました。情報量が過密でわかりづらいため、一端時系列で整理してみます。(映画パンフレットより抜粋)

事件1:足立区飲食店店主殺害事件
(1995/1/4:時効)

雨の夜、住宅地の定食屋の主人が縛られ、妻の目の前で絞殺される。牧村は、先輩の滝と組んで事件解決に当たる。

事件2:世田谷区会社員殺害事件
(1995/2/14:時効)

団地の一室で、会社員、岸幸生が妻の目の前で絞殺される。当時5歳だった美晴は別室で閉じ込められていた。美晴は、事件後に牧村から勧められた読書にハマリ、趣味が高じて書店員になる。

事件3:銀座ホステス殺害事件
(1995/3/15:時効)

銀座の高級クラブで、橘組組長、橘大祐の前で、彼の愛人が絞殺される。殺害された愛人の子、戸田丈は、橘の命を受け、サイン会会場で曾根崎を殺そうとする。

事件4:練馬区病院長夫人殺害事件
(1995/3/31:時効)

小雨の夜、当時個人病院を開業していた山縣明寛の妻、一代が山縣の前で絞殺される。その後、共立中央病院の院長に就任した山縣は、牧村と拓巳の計画に協力し、拓巳の整形手術を担当。

事件5:大田区警察官殺害事件
(1995/4/27:時効)
牧村の自宅アパートで、罠にハマった滝がロープに首を締められ、部屋に充満していたガスが爆発して殉職。本来、牧村を殺害するための仕掛けだった。阪神大震災後、牧村の自宅へ居候していた妹、里香は犯人に拉致されていた。

事件6:牧村里香拉致殺害事件
(1995/4/27-28:時効未成立
牧村のアパートから里香を拉致した犯人は、4/27-4/28の日付が変わる頃、里香を絞殺。捜査から外されることを懸念した牧村は、警察に届け出ず、里香の婚約者だった拓巳と独自に一連の事件を追っていた。

6.映画を深く楽しむための8つのポイント~伏線・設定の徹底解説!~

疑問点1:殺害時の3つのルールとは?

真犯人の仙堂は、単に殺人を楽しんでいたわけではありません。「作品」として、殺害時に3つのルールを自らに課して、連続殺人を犯して行きました。その3つのルールとは・・・。

第一のルール
殺害の瞬間を被害者の家族、または被害者に近い者に目撃させること。
第二のルール
殺害方法は背後から縄によって首を締める絞殺による。
第三のルール
目撃者を決して殺さず、生かしておくこと。警察やマスコミへの被害の伝達者となってもらうため。

これらのルールは、過去に仙堂が海外でテロリストに捕まった時と全く同じシチュエーションを実現するためのものでした。親しくなったドイツ人ジャーナリストが、反政府ゲリラに自らの目の前で絞殺される一部始終を見せられ、その後「目撃者」として無傷で釈放された経験から、仙堂は全く同じ殺害方法を踏襲したのです。

疑問点2:ファントム・ペインとは?

今作での登場人物に共通するキーワード「ファントム・ペイン」何らかの事故で腕や足を失った患者が、なくしたはずの腕がなぜか痛むという現象です。殺人事件の被害者家族は、大切な人を失ってから、長年ファントムペインに似た痛みを抱えていました。仙堂もまた、大切な仲間を無残なテロで失いました。

しかし、仙堂の場合は、テロで受けたトラウマは、他者への攻撃性へと転化しました。自分のされた行為と同じことを、そのまま他者に振る舞うようになったのです。小さい頃に虐待を受けた子供が、親になった時に、今度は自分の子供に虐待してしまうケースに似ていますね。

疑問点3:牧村里香はなぜ誘拐・殺害されたのか?

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仙堂は、第5の殺人において、牧村のアパートが遠目に見えるビルの屋上で、誘拐した里香を目撃者として、自室へ戻った牧村を爆殺するシーンを見せようとしていました。(第1のルール/殺害シーンを親族に目撃させる)しかし、実際には滝が代わりに殉職したことで、仙堂の計画は崩れました。牧村を殺せなかった以上、生かしておく必要がなくなったので、その場で殺してしまったということですね。

疑問点4:なぜ牧村里香の殺害事件は、時効が成立していないとわかったのか?

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仙堂が番組に提供した里香殺害時の動画から判明しました。里香が殺害されたのは、1995年4月27日11時50分過ぎです。最初は背景にはライトアップされた東京タワーが映っていましたが、犯人が里香を絞殺した時、毎日24時に消灯される東京タワーが映っていません。これは、日付が4月28日に変わったことを意味します。

殺人事件の時効が撤廃された改正・刑事訴訟法が施行されたのは、2010年4月27日でした。つまり、殺人事件の時効15年ルール=旧法が適用されるのは1995年4月27日までであり、1995年4月28日以降は、時効なし=新法が適用されるので、仙堂を逮捕できるのです。

ちなみに、他の5件は時効が成立していますが、世間は他の5件についても知っているので、量刑判断の時、これらも情状事実として考慮された結果、仙堂は死刑になる可能性も十分にあるようです。(映画パンフレットの説明による)

疑問点5:仙堂は、そもそもなぜ連続殺人事件を犯したのか?その動機は?

仙堂は、22年前に海外でフリージャーナリストとして取材を重ねていた時、親しくなったドイツ人の仲間とともに反政府組織に拘束されます。友人のドイツ人は、自らの目の前で無残に絞殺されましたが、自分は無傷で釈放されました。

極めて衝撃的で、自分の理解を超えた経験をしたことにより、彼は激しく心に傷を負いました。同時に、自分だけなぜ生き残ったのか、混乱状態にありました。だから、トラウマを解消し、生じた疑問を解き明かすため、同じ経験をした人間を観察する必要性が彼の中に生じたのです。だから、自ら自分の「鏡像」を作り出すため、何件も殺人を犯したのでした。

実際、仙堂は自らにルールを課して連続殺人を犯し、その一部始終をビデオやノートへと記録し、遺族にも綿密な取材を行って、事件後に彼らがどう振る舞うかをじっくり観察していたのです。

疑問点6:エンディングで、拓巳はどこへ旅立ったのか?

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ノベライズ版にシンプルに説明がありましたが、世間を大きく騒がせた以上、日本にいるわけにはいかず、ほとぼりをさましつつ、海外で少し今後について考えてみたい、という意向でした。どこへ行ったのかは明らかにされていません。

疑問点7:事件解決後、牧村はどうなったのか?

牧村は、告白本「私が殺人犯です」のゴーストライターでした。事件解決後、警察を辞めた牧村は、小説家としての能力を買われ、帝談社の編集者、川北未南子(曾根崎のマネージャーをやっていた女性)から、小説を書くよう勧められます。完成した小説は、事件の1年後に出版され、重版を重ねるヒット作となりました。牧村は、作家へと転身したのでした。

疑問点8:牧村と美晴の関係とは?

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牧村は、第2の殺人事件「世田谷区会社員殺害事件」で当時5歳だった美晴と知り合ってから、ふさぎ込んでいる美晴に絵本を与えました。それ以来、美晴は本の虫となり、読書家でもある牧村よりもさらに読書熱が高じて、書店員になったのでした。

疑問点9:ラストで仙堂を殺した戸田丈とはどんな人物だったのか?

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戸田は、第3の殺人事件「銀座ホステス殺害事件」で殺された、橘組組長の愛人の息子です。成人後は、橘組の下部組織で飲食店からみかじめ料を取るシノギ等で暮らしていました。映画冒頭で牧村たちに追い込まれていたのは、警察の取り調べから逃げたためです。

7.まとめ

ド派手なカーチェイスやアクションがカッコよかったオリジナルの韓国映画とは違い、本作は重厚な心理サスペンス映画に仕上がっていました。真犯人がわかってから2周目にもう一度見てみると新たな発見があります。何度でも楽しめる良作です。おすすめ。

それではまた。
かるび 

他にもレビュー書いてます!
【映画レビュー】2017年6月現在上映中映画の感想記事一覧

8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

ノベライズ版「22年目の告白」

映画に忠実に書き起こされたノベライズ版。曾根崎の女性マネージャーとしてチョイ役で出演していた帝談社の女性編集者、川北美南子の視点でストーリーが語られます。映画ではやや読み取りづらかった各キャラクターの心情や、物語の背景描写なども分かりやすい文体で非常に丁寧に書かれています。牧村の意外なサイドストーリーや後日談もいい感じ!オススメです!

オリジナルリメイク元「殺人の告白」

「22年目の告白」のリメイク元となった作品。脚本には荒っぽさもありますが、冒頭の激しいアクションシーンや、ワイルド・スピード張りなド迫力のカーチェイスは見どころ十分。殺人犯を狙う遺族の女が、ホークアイも真っ青な驚異的なボウガン使いだったり(笑)、殺人犯と刑事の対面シーンで、刑事がジャージャー麺を投げつけるローカル感も面白い!

非常にハイレベルで、映画としての完成度の高さに驚きました!「時効」をテーマにした点ではコンセプトは同じですが、結末は「22年目の告白」と少し違っているので、非常に楽しめると思います。オススメ!

藤原竜也出演作品は、まとめてU-NEXTで!

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