あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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日本美術の入札会(@加島美術)に行ってきた!緊張したけど楽しかった!

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かるび(@karub_imalive)です。

2015年の終わり頃から本格的にアートにハマり始め、展覧会通いを続けてもうすぐ2年になります。最初の頃は、ちょっと小さめの個人美術館に一人で入るのもドキドキしていたくらいなのですが、近頃はだいぶ図太くなってきたようで慣れてきました(笑)大きめの所であれば、一人で画廊にもようやく入ったり、アーティストさんに質問もガンガンできるようになりました。

そんな中、一度ちょっと見てみたかったのが、美術品の生のオークション。映画やテレビのドキュメンタリーでは何度か見たことがありましたが、実際の現場を見てみたいなーと思っていたのです。

▼日本美術専門の老舗画廊「加島美術」
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そんな中、今年「渡辺省亭展」が大評判だった日本美術を専門とするギャラリー、「加島美術」の広報の方から連絡を頂き、7月下旬に実施する「七夕入札会」の初日の内覧会を見学させていただける、ということでしたので、早速行ってきました。

現状は都心のウサギ小屋暮らしでお金も保管場所もない自分は、もちろん見るだけですが、せっかくの経験だから、ということで喜んで行ってまいりました。簡単ですが、感想記事を残しておきたいと思います。

1.加島美術の「七夕入札会」とは

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画廊に行くと、一般的にはその時に画廊で売り出している絵や写真、陶芸などのアート作品が値札とともに展示していますよね。画廊は、アート作品を「売りたい」顧客や作家から作品を預かり、「買いたい」お客さんのために仲立ちする。そして、画廊に来た「買いたい」お客さんは、作品を見て気に入ったら購入を検討します。アート作品の「買い手」と「売り手」を仲介する画廊では、通常営業時にこのようなプロセスが1つ1つゆっくり進んで行きます。

今回、僕がお邪魔した加島美術の「七夕入札会」は、加島美術が、小学館の雑誌「和樂」とタイアップしたアート作品のバーゲンセール的な特別イベントです。この時期にこのようなイベントは加島美術では初めての試みになるのだそうです。

「和樂」編集部による「日本美術をもっと日常の暮らしの中に取り入れよう」という提案に沿った形で、今回の「七夕入札会」では江戸時代の日本美術作品の中から、手頃に買える価格帯の作品が出品されていました。

しかも、できるだけ「わかりやすさ」を担保するため、今回のオークションでは、以下の3つが工夫されていました。

・極力近くで見れるよう、ガラスケースなしの裸展示。
・明快な価格設定のため、「最低希望落札価格」を明示。
・じっくり考えられるよう、入札期間を7日間設定

▼ほとんどの作品が裸展示で、じっくり見れる!f:id:hisatsugu79:20170728165526j:plain

実際の入札会への参加の仕方としては、こんな感じです。
イベント期間中、複数の「売り手」側顧客から加島美術に集められた絵画や陶芸などの日本美術のアート作品が展示され、「買い手」の顧客は期間中に希望購入価格をつけて、投票しておきます。入札期間が終わり、開札された時、一番高い入札価格をつけた「買い手」の顧客が購入する権利を得る・・・というわかりやすい仕組みでした。

入札希望者が一同に集まって、一気にその場で落札者を決めてしまうオークション形式では、入念な下調べと即座の決断力が必要ですが、今回みたいな形式だと、ゆっくり作品を見ながら吟味できるので、通常の購入プロセスとあんまり変わらなくていいですね。(ちょっとゲーム感覚もあって面白いですし)

ちょうど、スケジュール的には、

・7月20日~7月26日・・・下見会
・7月26日・・・入札締切日
・7月27日・・・開札日

となっており、僕の行ったのは7月18日に開催された特別内覧会でした。

2.内覧会の様子や投票の仕方

内覧会は、やっぱり普段行き慣れた美術館やギャラリーとは違い、独特の雰囲気が漂っていました。通い慣れた美術館とはやっぱり少し勝手が違い、正直かなり緊張しました。ガラスケースもなく、至近距離で作品と向かい合えたのに、最初は独特な雰囲気に呑まれて、目が泳いでたかも。それでも、なんとか「あとでブログ記事を書くんだ!こんなことではいかん!」と自分に言い聞かせ、気持ちを落ち着かせました(笑)

画廊の中に沢山の入札品がかかる

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で、落ち着いて画廊の中を見回すと、かなりの人で賑わっています。みんな思い思いに好きな作品の前でじっくり吟味したり、メモを取ったりしていました。 

投票の仕組みは簡単。欲しい作品の希望入札価格を見て、入札するだけ

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展示されている各作品の横には、こうした最低希望入札価格が印刷された紙が貼られています。上記の例だと、基本的には「200,000円以上」で入札が可能なわけですね。展示品の中から欲しい作品が見つかれば、この数字を見て、自分ならいくらまで出せるのか財布と相談して、値段を決めたら、最後に受付のところに置かれている投票箱へと入れるわけですね。

▼わかりやすく真紅の入札箱
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初日の内覧会の時から、「運試しで入れてみるよ~」なんていう人もいて、常連さんなどは気軽に楽しんでいましたよ。

3.見学してみての感想

美術館との違い

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まず、面白いのは、美術館と違って、陶芸作品の横には必ず箱書きが添えられていたことです。箱とセットでみんな評価するんだな・・・と。絵画作品でも、まとめて確認できるように収納ケースが会場内に固めて置いてありました。

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やっぱり「見る」と「買う」は大きな違いがあるものだな、と実感しました。

例えば、美術館では、基本的にはすでに評価の定まった「本物」が展示されており、我々は一定の価値が担保された作品を、過去の知識などを総動員しながら見ていくわけです。

でも、「買う」となると、目の前の作品の価値を自分で決めないといけません。値札は一応ついていますが、正直な所、適正なのかサッパリわかりません。そして、(※決して加島美術の展示品がそうだというわけではないですが)そもそも目の前の作品が本物であるかどうかすら、自分で判断しなければならないというある種の厳しさがあります。

あぁ、古美術のアートコレクターやバイヤーの仕事って、マンガ「ギャラリーフェイク」で出てくるフジタのように、かなりの審美眼と知識を持った本物のアート好きじゃないと務まらないんだなぁと、作品を見ながら思った次第です。

意外な価格設定

意外だったのは、日本史の教科書に載っているような江戸時代の大御所系の作品であっても、30万円や40万円などで購入できるような割安な作品もかなりあったこと。同時代の19世紀~20世紀西洋美術のビッグネームには、普通に数千万円~数億円かかるものがゴロゴロしているのとは好対照です。

その逆として、一般的にはやや知名度の低い作家の作品でも、状態の良いものや、華やかで人目を引く良作は、強気の値段設定のものもかなりありました。

オークションの場合は、「作家」ありきではなく、作家の知名度・ブランド力も加味されつつ、1点1点作品トータルでのクオリティが価格へときちんと反映されているのでしょうね。有名な作家だからって、なんでもみんな手放しで購入するわけではないんですね。

日本美術は意外に買える値段だったりする

▼普段美術館で見慣れたような古美術でも意外に安いf:id:hisatsugu79:20170728162253j:plain

しかし、あとでお土産に頂いたカタログを見ていても、全般的にそんなに高くはないんです。歴史に名を残すメジャーな作家たちの作品であっても、軽自動車1台分もあれば、驚くほど高品質な一生ものの作品が普通に買えちゃうんですよね。

もちろん、日本画の場合などは、購入後の保管や取扱が大変だったりして、ハードルは決しては低くはないんですが、それでもこの値段の意外な安さにはびっくりです。いつか自分も余裕ができたら、「見る」から「買う」立場へとステップアップしたいですが、始めるならまずは日本美術からだなと思いました!

いつもとは明らかに違う客層に緊張した(笑)

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やっぱりね、ここですよここ(笑)場数を踏めば、いずれ慣れるのだと思いますが、やっぱりこういったオークションには富裕層が多め。この日も、お着物の夫人とか、若社長風の男性とか、やっぱりいつも見ている人たちよりも上流な感じの人たちが多かったですね。

このあたりは、服装ですぐわかります(笑)いつも、Tシャツジーパンと、極めてラフな格好で美術館に出入りしてるので、こういう場所に出入りするためにも、もう少しある程度身だしなみは揃えんとなぁと、あとで反省いたしました(笑)

お客さんとして、きちんと画廊側の人達に積極的に対応してもらいたいなら、いつもよりも少し落ち着いた固めの服装で行ってみるのがいいかもしれませんね。

まとめ

今は東京都心の狭い築30年のマンションに住んでいるわけですが、将来的には田舎に引っ越して、しっかりした一軒家で床の間には好きな日本画家の作品を、寝室には心落ち着く現代アートの作品を飾りたいなぁなんて思っています。

アートにハマったばかりの頃は、日常にアートがある生活って、お金持ちだけの趣味なのかな?と思っていましたが、最近では意外に庶民でも手の届くたしなみなのかもしれない、とも感じました。

オークションも多様化しており、こうした加島美術みたいな親しみやすいイベントも今後増えてくるといいなぁと思います!

それではまた。
かるび