あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

MENU

【ネタバレ有】映画「ザ・サークル」 感想・レビューと10の疑問点を徹底解説!/今ここで進行中のディストピア的社会を描いた風刺映画!

スポンサーリンク

f:id:hisatsugu79:20171111025945j:plain

かるび(@karub_imalive)です。

11月10日に公開された「ザ・サークル」を見てきました。SNSの”ダークサイド”や、その行き着く先のディストピア的社会の到来をを風刺的に描き出した作品です。アメリカで大コケしたという情報を掴んでおきながら、それでも見に行ってしまったのは、ひとえにエマ・ワトソンが見たかったからです(笑)

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が一部含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。

1.映画「ザ・サークル」の予告動画・基本情報

▶「ザ・サークル」予告動画
※画像をクリックすると動画がスタートします


動画がスタートしない方はこちらをクリック

【監督】ジェームズ・ボンソルト(「人生はローリング・ストーン」)
【配給】ギャガ
【時間】110分
【原作】デイブ・エガーズ「ザ・サークル」

本作は、現在アメリカで非常に人気のあるベストセラー作家にして脚本家でもある、デイブ・エガーズの同名小説「ザ・サークル」をベースに映画化された作品です。

f:id:hisatsugu79:20171111194817j:plain
引用:Amazon.co.jp

原作は、フィクションでありながら、同時にノンフィクション的な味わいもありました。近未来に起こり得るテクノロジー主導のディストピア社会を予見させるような、リアリティあふれる描写は読み応え抜群!上下巻500ページ以上の大作なのですが、次の展開がどうなるのか気になって、一気に1日で読み切ってしまったほど、個人的には気に入りました。

映画化にあたっては、原作者のデイブ・エガーズも共同脚本として参画。(割りと間抜けな)性描写も含めた恋愛パートや、サークル社のリリースする製品エピソードを大幅にカットしたものの、基本的には原作の世界観が映画内で再現されています。 

f:id:hisatsugu79:20171111194314j:plain
引用:The Circle Movie - Emma Watson, Tom Hanks, Patton Oswalt, James Ponsolt, Jack Dorsey - INTERVIEW - YouTube

今回メガホンを取ったのは、大型バジェットの作品では事実上初監督となる、ジェームズ・ボンソルト。現在日本でも手に入る過去作としては、アメリカ大手音楽雑誌「ローリングストーン」誌のライター2人が旅するバディ&ロードムービー「人生はローリングストーン」(2015)。日本ではほぼ無名の監督で、僕も今回が初めての鑑賞となります。

2.映画「ザ・サークル」主要登場人物・キャスト

主要登場人物

メイ・ホランド(エマ・ワトソン)f:id:hisatsugu79:20171111144343j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube
ずっと「ハリーポッター」シリーズのハーマイオニーのイメージが拭えず、まだまだ子供だと思っていたら、もう27歳でした^_^;ドバイから制作費を引っ張るために、客を呼べる目玉として主役に抜擢されたとの噂ですが、リアルでのTwitterフォロワー数も約2500万アカウントと、リアルと映画内の配役がリンクしていたあたり、適役かなと思いました。

イーモン・ベイリー(トム・ハンクス)f:id:hisatsugu79:20171111144508j:plain
引用:The Circle | "Experience" TV Commercial | - YouTube
デイブ・エガーズ脚本作品で主演を務めたのは、「王様のためのホログラム」(2016)に続いて2作目となりました。劇中では、スティーブ・ジョブズ的な巨大IT企業のカリスマ経営者を見事に熱演。

タイ・ラフィート(ジョン・ボヤーガ)f:id:hisatsugu79:20171111144424j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube
なんかどこかで見たような・・・?と思ったら、映画「スターウォーズ フォースの覚醒」のフィンじゃないですか?スターウォーズ同様、どこかしら陰があり、憂いを帯びた表情で抑えめの演技は好感。「最後のジェダイ」公開前の良い予習になったかも。

アニー(カレン・ギラン)f:id:hisatsugu79:20171111144132j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

f:id:hisatsugu79:20171111150727j:plain
引用:ネビュラ|ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス|マーベル公式
この人も、フィン同様どこかで見たような・・・と思っていたら、映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズ(2014、2017)で、その都度髪を剃りあげて熱演したネビュラ役の人でした。SNSやIT企業で疲れて消耗する若手社員を好演。髪の毛はウィッグだったんだろうか・・・

マーサー(エラー・コルトレーン)f:id:hisatsugu79:20171111144219j:plain
引用:The Circle Movie - Emma Watson, Tom Hanks, Patton Oswalt, James Ponsolt, Jack Dorsey - INTERVIEW - YouTube
原作では、元恋人で、25歳を過ぎて肥満体型になってしまったという設定ですが、映画ではちゃんとイケメンのままでした。6歳の子役の時から18歳までの12年間をフィクションとして撮影した話題作「6才のボクが、大人になるまで。」の主演でブレイクした人です。

3.途中までの簡単なあらすじ

メイ・ホランドは、地元の水道会社のコールセンターで派遣社員として消耗する毎日を送っていた。名門大学を卒業後、仕事で自らの能力を証明し、社会から認められたかったが、就職活動に失敗したのだった。実家には、多発性硬化症を患う父と、その看病に疲れた母がいたが、両親の経済的なサポートもできずにいた。

そんな彼女を見かねて、チャンスをくれたのは、大学時代のルームメイト、アニーだた。アニーは、現在SNSの超巨大企業に成長した「サークル社」の幹部として活躍中。彼女の紹介で、業容拡大につき中途採用を拡大していた同社の面接を受けられることになったのだ。

運良く面接に合格し、働き始めたメイの初仕事は、同社のSNS「トゥルーユー」の顧客満足対応業務だった。実名登録ベースで、あらゆるサービスをワンストップで受けられる同社のSNSは、業界のスタンダードとなっており、全世界で90%以上のシェアを誇っていた。

メイの入社後1週間が経過した頃、初めて参加した社内発表会で、創業者ベイリーから、世界中の出来事を気軽にシェアするためのSNS専用の超小型カメラ「シー・チェンジ」が発表された。ベイリーの情熱的なプレゼンテーションを見て、ますますメイは発奮するのだった。

「サークル社」は数値での業務評価の他に、社内でのコミュニティ活動に非常に力を入れていた。社内ネットワークでの情報発信と交流を強く促されたメイは、持ち前の向上心と根性で、社内ランクアップに励むのだった。

そんなメイは、趣味のカヤックで転覆事故を起こしてしまうが、そのことがきっかけで、彼女はベイリーの目にとまり、彼の推進する新プロジェクトに抜擢された。「隠し事は罪だ」として、24時間シー・チェンジ・カメラを装着し、社員として初めて自分を「透明化」する企画だった。

これがきっかけで、メイは多数のフォロワーを獲得し、インフルエンサーとなった彼女だったが、その反面、両親や親友たちとは疎遠になってしまった。思わぬ副作用に悩み傷つきつつも、メイは「全人類がサークルに加入し、一つにつながる」という「完全化」プロジェクトのリーダーに抜擢された。

そして、次の社内発表会で、SNSを活用した行方不明者の捜索を行う新サービス「ソウルサーチ」を実演発表することになった。発表は、うまくいくかに見えたが、オーディエンスに押される形で、疎遠となってしまった親友、マーサーを探すことになった時、とんでもない大事件が起こるのだったー。

スポンサーリンク

 

4.映画「ザ・サークル」の感想・評価

 ディストピア的な相互監視社会の出現を予感させる風刺映画でした

f:id:hisatsugu79:20171111203334j:plain
引用:The Circle | "Experience" TV Commercial | - YouTube

本作では、田舎で暮らす平凡な女性が、世界の90%以上のシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル社」へ入社したことをきっかけに、ネット上のインフルエンサーとして生活や仕事環境が激変していくストーリーを描きます。

「評価経済社会」というキーワードが登場してから久しいですが、映画中でのサークル社の社内はまさにSNS上での評価がすべてという、ユニーク(というか極端な)社風。同社のSNS「トゥルーユー」のオンライン上では、常時誰かから見られていて、同僚からの「いいね!」獲得が業績・評価と完全に連動する仕組みです。

いや、見ているだけでも疲れます(笑)こんな会社嫌だ・・・^_^;

f:id:hisatsugu79:20171112082554j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

そして、アットホームですが、同時にどこか「見られていること」を意識して、無理して行儀よく振る舞う【似非リア充】的な社員たちの痛々しさなどは、リアリティがあって良かったです。いますよね。日本でもこういう人たち。数年前から放置されている僕のFacebookのタイムラインは、こんな感じになっております(笑)

やがて、その「相互監視」は、同社が打ち出した新製品「シー・チェンジ」によって、同社の社内にとどまらず、社外のコミュニティまで広がっていきます。本格的な相互監視社会が、テクノロジーの力で広がっていくのです。民衆から支持を得るため、自ら24時間すべての行動を「透明化」する議員が出てきたり、同社のSNSを行政サービスのインフラにしようとする動きが出てきたり・・・。

このあたりも、すべてをワンストップサービスとして、どんどん取り込んでいこうとするGoogleやFacebook、Appleといった現実の多国籍IT企業の今後の方向性を先取りしているようで、非常に興味深いものがありました。

「監視社会」の主役は、政府から民間主導へと変わっていくのだろうか

本作でテーマとした、インターネット等を通じて、24時間見られているかもしれないという政府主導の「監視社会」の恐怖感や息苦しさを表現した映画作品は、過去にもいくつかありました。

f:id:hisatsugu79:20171111194133j:plain
引用:Amazon.co.jp

例えば、ネット黎明期にリリースされた映画「ザ・インターネット」(1995)では、フロッピーディスクに封入されたコンピュータウィルスの行方を巡って、天才ハッカーに扮したサンドラ・ブロックが政府筋の暗殺者から常に居場所を監視され、追い掛け回されます。また、ドキュメンタリー映画「スノーデン」(2016)なども、オバマ政権下、政府が秘密裏に行っていた特定人物への監視、プライバシーの侵害を取り上げてきました。

これに対して、本作「ザ・サークル」では、SNSをベースとして、民間人が自ら自分たちで好んで監視されることを選び、同時に他人への監視を深めていくプロセスをシミュレーションして描いている点が新鮮でした。

f:id:hisatsugu79:20171111203106j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

サークル社の考え方に心酔したメイは、同社のSNSを通じて民間人では初めてとなる「透明化」実験に参加します。自らのプライバシーを24時間カメラで生中継することで、一種の「ネットアイドル」になったメイは、これと引き換えに自らのプライバシーとオフラインでの友人・両親からの信頼を失ってしまいます。また、物語後半で、同社は小型高性能カメラとSNSネットワークを組み合わせた人力サーチ「ソウルサーチ」を開発し、諜報機関も顔負けのスパイ機能を実現してしまいました。

個人個人の「誰かに私のことを見てほしい」という承認欲求と、「もっと知りたい」という知識欲は、簡単に企業に悪用されてしまうんですよね。個人の素朴な欲求とテクノロジーがが結びつき、これがネット上の仕組みとして圧倒的な情報インフラを持つ多国籍IT企業によって実装されたなら、もはや政府が企むまでもなく、民間ベースでの監視社会がテクノロジー主導で簡単に実現してしまう可能性も十分ありうるのかもしれません。

パンフレットにコラムを寄稿した古市憲寿も指摘したように、「強制されたわけでもないのに、僕らは監視されたがっている」のでしょう。

それにしても評判の悪い本作。なぜアメリカで大コケしたのだろうか?

f:id:hisatsugu79:20171111165334j:plain
引用:The Circle (2017) - Rotten Tomatoes

主演にエマ・ワトソン、トム・ハンクスという超一流のスターを起用し、現代社会と深く関係のある、旬のテーマを扱った作品であったにも関わらず、オンライン評価サイト「Rotten Tomatoes」では驚異の低評価「16%」と、ちょっと他に類を見ない数値に驚かされる本作。その評価がそのまま映画の興収にも現れたようで、アメリカではわずか2000万ドル(≒約22億円)の興収にとどまりました。

個人的には、あいまいな終わり方や、少しひねったプロットのおかげで、いつもよりも深く考えさせられるきっかけとなったため、B級感はあったけど、悪くはないかなと考えています。

ただし、一つのドラマとして見てみると、この映画には2つ大きな問題点があったように思います。

1つは、主演のエマ・ワトソンがクライマックスで取った行動原理には根本的に共感しづらかったこと。自ら「透明化」プロジェクトに手を上げ(させられ)、ネット上でアイドルになったものの、自らのプライバシーと友人や親からの信頼を失い、ボロボロになったメイ。また、最初は「リア充」だった親友のアニーでさえ、プライバシーのないムラ社会のような企業で働き続けることに疲弊し、ネットリテラシーのない「情報弱者」である両親たちもひどい目にあってしまいます。

それなのに、特に伏線もなく、最後で普通に「監視社会」をあっさりと肯定してしまうラストシーンの展開には、心情的に納得しづらいものがありました。

また、2つ目として、結局最後に「サークル社」とメイはどうなったのかをきちんと描ききれていないこともモヤモヤが残りました。彼女の下した決断の結果、会社やSNSの各種サービス、社内の人間関係がどう変化したのか、すべて描かれることはありませんでした。オーディエンスは、まさにその結末を知りたかったのではないかなと・・・。あまりにも不親切というか、中途半端にストーリーを放り投げすぎ(?)という感想を持つ人が続出したのも不思議ではありません。

スポンサーリンク

 

5.映画「ザ・サークル」に関する10の疑問点・ポイント~伏線・設定を徹底考察!~

本作をより深く理解するため、ストーリーや設定について、その要点となりそうなポイントを考察してみました。内容上、映画を1度見終わった人向けのコンテンツとなりますので、ここからはネタバレ要素が強めに入ります。予めご了承下さい。

疑問点1:サークル社の「キャンパス」はAppleが建設中の本社新社屋にそっくり?

f:id:hisatsugu79:20171111200427j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

サークル社は、明らかにFacebookやGoogle、Appleといった多国籍IT企業をモデルとして描かれていますが、特に劇中で「キャンパス」と表現された社屋は、現在Appleがシリコンバレーに50億ドルをかけて建設中の新社屋に酷似していました(笑)どれだけ似ているか、ちょっとチェックしてみて下さい^_^;

▶Apple社の新社屋がすごい!
※画像をクリックすると動画がスタートします


動画がスタートしない方はこちらをクリック

疑問点2:サークル社の創業者たちの関係は?彼らは会社で何をしているのか?

f:id:hisatsugu79:20171111200007j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

サークル社は、元々天才的な技術者タイ・ラフィートが起こしたスタートアップ企業でした。彼が趣味の延長線上で開発した新型SNS「トゥルー・ユー」は、思いがけず爆発的に民衆の支持を得て、広がっていきます。

元々職人肌な技術者で、マネジメントが得意でなかったタイは、そこで「経営のプロ」を2人採用することにしました。それが、天才的なプレゼン能力とカリスマ性を備えたイーモン・ベイリー(CEO)と、数字や経営に強い手腕を発揮する実務家タイプのトム・ステントン(COO)です。

技術のトップ、カリスマ経営者、プロ実務家であるこの3人が役員としてがっちりタッグを組んだサークル社は、あっという間に世界に冠たる多国籍IT企業に育ったのでした。

f:id:hisatsugu79:20171112083803j:plain
引用:https://www.thextraordinary.org

創業者セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジが、プロ経営者エリック・シュミットを招き入れ、社内三頭政治で一気に大成長したGoogleをモデルにしているのは明らかですね。

疑問点3:メイとマーサーの関係は?恋人だったのか?

f:id:hisatsugu79:20171111202512j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

マーサーは、映画内ではメイの幼なじみで、ちょっとメイから見下されている感のある(都合の良い)親友として描かれていました。メイの両親は、こまめに自宅に来て世話をしてくれるマーサーを、メイの将来の花婿候補として好感を持っていましたが、映画では二人の過去について描かれてはいません。

小説版では、マーサーは過去にメイと付き合ったことのある「元カレ」という設定になっています。高校時代は、メイにとってマーサーは頼りがいのある男性でしたが、特にメイが「サークル社」に勤務してからは、価値観の違いによって、互いに疎遠になってしまったのは、映画・小説ともに共通しています。 

疑問点4:メイの両親は、どんな問題を抱えていたのか?

f:id:hisatsugu79:20171111203018j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

メイの父は、「多発性硬化症」という、中枢神経系が冒される難病にかかっていました。人種によって罹患率に差がある病気で、最も多いのは白人男性で、約1000人に一人が罹患すると言われています。視神経や脊髄がダメージを受け、真っ直ぐ歩けなくなったり、ものをきちんとつかめなくなるなどの症状があります。

これによって、メイの母は介護にかかりきりになって慢性的に疲弊していました。また、彼らは経済的にも困窮していました。メイの両親は保険に加入していなかったため、治療費がかさんで生活を圧迫していたのです。アメリカ現代社会における下流家庭の抱える問題を体現したような描写が痛ましかったですね。 

疑問点5:サークル社の「ギャング40」とはどんな存在なのか?

f:id:hisatsugu79:20171111202743j:plain
引用:The Circle | "Experience" TV Commercial | - YouTube

「ギャング40」とは、「サークル社」社内で、特に企画やデータに通じている特権的なエリート社員を指す呼称です。メイが当初入社した際、親友のアニーは若くしてすでに「ギャング40」の一員でした。後日、「透明化」プロジェクトに参加したメイもまた、ギャング40の仲間入りを果たします。彼らだけが参加できる商品開発会議に参加するシーンがありましたね。

疑問点6:サークル社の新製品「シー・チェンジ」とは何なのか?

f:id:hisatsugu79:20171111200309j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

 サークル社が自社のSNSサービスのコンセプトやクオリティを大きく向上させるきっかけになった、自社SNS「トゥルーユー」と連携して機能する携帯型の超小型高性能カメラです。テロリストや政治家の行動を隠し撮りして、24時間SNSに流すことで、世の中の不正を是正したり、絶景や観光地などに設置することによりSNSユーザーによりリアルな映像体験をさせるために開発されました。(もっとも、普通の小型ウェブカメラにしか見えず、全くスペシャル感がないため、ここが映画のツッコミどころの一つなんですが・・・)

疑問点7:「サークル社」のロゴに隠された意味とは?

f:id:hisatsugu79:20171111200711j:plain
引用:The Circle Movie Trailer : Teaser Trailer

サークル社のロゴは、「Circle社」の「C」をかたどったマークで、映画内では同社の社員が持つタブレットやPC、スマホに刻印されていました。広島カープや中央大学のように、「白地に赤」のデザインが印象的です。

ところで、サークル社の社屋は、上空から見て完全な円形をしていました。「円形」は森羅万象で最強の形の一つでもあり、同社にとって、情報の「完全化」を成し遂げた理想状態を表すシンボルです。

これに対して、同社の「C」字型のロゴは未だ会社が「発展途上」であることを表すメタファーでした。このロゴを日々目にすることで、初心を忘れず「完全化」へ向けて社業に邁進するという意味で、「C」字形のデザインとなったのです。

なお、映画内の様々なシーンで目立った鮮やかな「赤」は、どことなく同社の目指す「完全化」が行き着く情報共産主義~全体主義を想起させるものがあり、不穏さを演出するひとつのキービジュアルになっていました。メイが一番会社の考え方に心酔していた時期(中盤の幹部会議や2回目の社内発表会)に着ていた洋服の色が「赤」だったのも非常に効果的でした。

疑問点8:「完全化」とはどういう意味だったのか?

f:id:hisatsugu79:20171111201010j:plain
引用:The Circle | Official Trailer | YouTube

映画内で詳細な説明はありませんでしたが、「完全化」とは、恐らくすべての人々がサークル社のSNS「トゥルーユー」に加入することが法律で義務付けられ、多数の人々がメイのようにプライバシーのない「透明化」した状態で、互いにオンラインで濃密につながりあうコミュニティを実現することだと思われます。

それは、人々の「知る」権利が最優先され、知識はサークル加入者全体の財産として共有される、一種の情報共産主義が実現された状態です。また、「完全化」した状態では、ほぼすべての政治・行政業務もサークル社が担い、あらゆる人間がサークルの市民になるのでしょう。

しかし、ステントンとベイリーだけはその例外であり、彼らは、彼ら以外のすべての情報へアクセスできる特権的な権限を得て、世界の支配者になる可能性がありました。

疑問点9:曖昧だったラストシーン・エンディングの解釈は?

タイからSNS「トゥールーユー」の「完全化」によって、すべての情報を支配できるようになったサークル社幹部が、世界を独裁的に支配する悲観的な未来像を聞かされたメイ。

その後、最後の社内発表会でプレゼンターとなったメイは、同社幹部のステントンとベイリーに率先して「透明化」するように誘導し、同社の機密書類をすべて「トゥルーユー」内に公開してしまいます。不意打ちで、まず彼ら二人と「サークル社」から隠し事を一掃する奇策に打って出たのです。

なぜ、メイはこのようなことをしたのでしょうか?

恐らく、メイはたとえプライバシーのない社会になっても、仕組みや使い方を間違えなければ隠し事のない理想的な社会が作れると楽観視していたのでしょう。「透明化」によって彼女は親友を失いましたが、その代わり無数の支援者と、インフルエンサーとしての影響力、健康や富を得ることができました。テクノロジーのお陰で、得るものも大きかったのです。プライバシー侵害が苦にならない彼女にとっては、「完全化」は望むところだったのでしょう。

また、今さらSNSのない時代に後戻りできるとも考えていなかったのかもしれません。映画内では90%以上の世界中の人々が「トゥルーユー」を通じてワンストップ・サービスを得ており、これに替わるものは出てくるとも考えづらいですし。

その後、映画はメイがいつものサンフランシスコ湾でカヤックを楽しむところで終わりますが、冒頭と違う点は、「透明化」した彼女が、引き続き2台のドローンを引き連れていたことです。サークル社は何らかの形で存続し、引き続きメイはサークル社の幹部として活躍を続けているということを暗示しているものと解釈できます。

疑問点10:原作小説とはどう違っているの?主な相違点を考察!

f:id:hisatsugu79:20171111202137j:plain
引用:Amazon.co.jp

本作は、映画と原作小説でラストシーンが少し違っています。映画では、上記のようにメイはタイの助言を聞き入れ、サークル社の経営者を「透明化」させ、タイの懸念した「サークル社」による全体主義的な世界支配の芽を摘み取りました。

しかし、小説版では、ベイリーの思想に染まり、より「サークラー」として純化したメイは、タイの助言を聞くふりをして、タイから聞かされた「サークル社解体計画」をSNS上で暴露し、ステントンとベイリーにタイの計画を打ち明けてしまいます。こうして、「サークル社」によるディストピア的な世界支配が始まることを予感させるシーンで終わります。

また、映画と小説ではアニーについての結末も違っています。SNSにスポイルされ、疲弊していく象徴的存在だったアニーは、映画版ではイギリスの故郷に帰って静養し、平常心を取り戻したところで終わりましたが、原作では過労のため昏睡状態となったシーンで終わります。

総じて言うと、小説版では、より映画版よりも暗く、ディストピア社会の到来を予感させる、救いのないビターエンドであったといえるでしょう。

6.まとめ

決して名作とはいえないと思いますが、ディストピア的相互監視社会がどのようにして作られうるのか、その仕組みや構造を考えるきっかけとしては、面白い映画だったと思います。おおらかな気持ちで見に行って下さい^_^;
それではまた。
かるび

7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

原作小説「ザ・サークル」

アメリカでは、ベストセラーとなった原作小説。映画版ではカットされてしまったプロット、商品やサービス、それぞれの人物についてのより詳細な背景描写など、映画にはない魅力が詰まった作品でした。文庫版では上下巻合わせて500P以上あったのですが、次のページをめくる手が止まらない面白さでした!これはおすすめ!

ザ・サークル「映画パンフレット」

主要キャスト陣や製作スタッフへのインタビュー、各種コラムがコンパクトに収められたパンフレット。特に、映画の鑑賞ポイントに踏み込んだ解説・コラムが見どころでした。より映画の世界を理解したい人向けの副読本として最適です。 

トム・ハンクス&エマ・ワトソン作品は、まとめてU-NEXTで!

f:id:hisatsugu79:20171111193347j:plain

それぞれ、俳優として実績を重ねてきたトム・ハンクスとエマ・ワトソン。もし、本作を見て他にも作品が見てみたいなと思ったら、代表作を含め、ほとんどの出演作が網羅されているU-NEXTがオススメ!2人あわせて、実に40本以上の作品を24時間いつでも好きな時に見れるようになっています!

本作を見て、もう少し見てみたいなと思った人は、1つずつDVDを買うよりも、まずはビデオ・オンデマンドで時間とお金を節約してみてはいかがでしょうか。

★最初の31日間は無料!
加入後、最初の31日間は会員料金が無料です。見放題以外の有料作品も、初月付与される600ポイントを使えば、2本まで無料で見れます。さらに、毎月自動的に1200ポイント付与されるため、月額料金も、実質上業界最安クラスの800円なのですよね。国内最大120,000点の品揃えは映画ファンにはたまりません!

★100誌以上の雑誌も読み放題!
DVDだけでなく、雑誌まで読み放題サービスがついてくるんですね。僕も、映画以外にもサブカル、マンガ、エンタメ系の情報はU-NEXTで無料購読できる雑誌から仕入れています!毎月付与される1200ポイントで、電子書籍を購入することもできますよ!

U-NEXTへのお試し申込リンク
U-NEXTを無料で試す!