あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と映画にがっつりはまり、丸一日かけて長文書くのが日課になってます・・・

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ある日の夕食前の日常会話を大学入試問題みたいにしてみた

問題

次の文章は、ある都内在住のサラリーマン、かるび氏のある日の夕食前の妻との会話である。本文を読んで、以下の設問に答えなさい。(制限時間5分)


「ネタがないんだよ」

「何の?」

「決まってるだろ、ブログのだよ、ブログ」

「ブログ?」

「そう」

「あー、最近なんか急にはまりだしたよね。」

「うん。なんか早くもネタに詰まった・・・」

「いいじゃない。1日位更新しなくても。それよりさー、洗濯物、これ早く干すの手伝って。昨日ポケットにティッシュ入れっぱなしだったでしょ。おかげで洗濯物に細かいティッシュがちぎれてついちゃって手で取るの大変だったんだから」

「はいはい」

「ていうかさー、そもそもブログとか先月から唐突に始めてるけどどうしたの?夜遅くまで起きて一生懸命やってるみたいだけど」

「いやさ、会社辞めるって言ったでしょ」

「うん」

「ブログ飯っていう言葉知ってる?」

「ブログ・・・なに?」

「ブログめし。ブログでご飯食べるってこと」

「なにそれ。そんな言葉あるんだ」

「うん、プロのブロガーとか、ブログ書いて生活してる人が書いた本があるんだよ」

「え、なに、ブログなんかでどうやってごはん食べてくの?」

「アフィリエイトとかさー、なんかそういうので稼げるんだって。アクセスとか上がってきたらそれなりにクリックしてくれたりバナーから買い物してくれたりとか。」

「それほんと大丈夫なの?すぐそうやってダマされるんだから。大体この前もなんかFacebookの塾とか入ってて高いお金払ってたけど結局朝活とかやめちゃったじゃん」

「いやだって、あの時は朝活の先に本当にやりたいことがなかったから」

「だいたいさ、朝活とかっていんちきっていうか自己満足で終わるよね。お互い朝起きたらいいねつけあって。ほとんどコメントもおはようございます、とかだけなわけでしょ。これだったら、友達とかむやみに増やしても、そんなつながりじゃビジネスやろうっていってもついてきてくれないでしょ」

「あー、だから!それはもうやめたんだからいいでしょ?」

「じゃあ今やってるブログがやりたいことなの」

「そう。少なくとも今の会社で働くのはもう無理。限界だから」

「何がそんなに最近つらいの」

「うーん、もうなんか全体的にやる気が全くおきないんだよね。やりたくない仕事ばっか追いかけてきて、全然やりたいことができてない感じ」

「もうそんなこと言って5年くらいたつけど」

「あとはそうだな、土曜出勤が多いこととか、残業多いところとかかな。あともう今の多重下請け構造とか、派遣とか常駐ばっかの開発案件ばっかりで正直営業とかもうやりたくない。あと給料も5年くらい上がってないし・・・」

「ふーん。まぁちゃんと毎月今まで通り貯金とかから崩して家にお金入れてくれるんだったらいいよ、やめても」

「じゃあさ、1年くらいブログやってみてダメだったらその時は就活する」

「あ、これ、もう乾いてるからこれタンスの2番目にの段にとりこんで」

「はいはい」

「あ、その私の服はいいから。おいといて」

「うん」

「でさ、1年やって稼げる勝算はあるの?」

「大丈夫。ネットビジネスなら、なんとなく成功すると思うんだよね。前もちょっとせどりとかやって割と簡単にかせげたでしょ」

「もうやだよ、せどりは。家の中汚い本だらけになるから」

「いや、もうせどりはやらないよ。あれは飽きたし。例として挙げただけだから」

「ふーん、ならいいけど。そういえばさ、ワイン好きなんだからワイン関係のネットショップやったら」

「いや、あれは前も言ったと思うけどワインショップやるには実店舗じゃなくてネットでも免許がいるんだよ」

「そうだっけ」

「そう。酒販免許とんなきゃいけなくて、なんか3年くらい実務経験がないと開設できないことがわかったんだよね。」

「ふーん」

「だからワインは難しいよ。あと大手がいっぱいいてマーケットがもう飽和してる感じもあるし。」

「なるほどね。まぁいいや、かるびの好きにすればいいよ。無職の間私が支えてあげるから」

「・・・ありがとう、さ、洗濯物終わったし夕食にするか」


設問

★設問1:主人公のかるびは、いままで副業でいくつのネットビジネスを失敗してきているでしょうか?実際にやってなくて、構想段階で頓挫したものも含めて答えなさい。

★設問2::以下の選択肢より、この文章の内容に最もあてはまらないものを1つ選びなさい。

ア)主人公のかるびは、最近ブログに取り組みはじめたが、才能の欠如からスタート1か月で早くもネタ切れに苦悩している。

イ)主人公のかるびは、ブログで生計を立てたいと淡い期待を描いているが、その具体的手法については漠然としたイメージしかないため、成功の可能性は薄い。

ウ)主人公のかるびは、給与が安く会社への不満から退職を検討しているが、唯一の救いとしては共働きの妻がかるびの倍近く稼いでいることである。

エ)主人公のかるびは、福利厚生やワークライフバランスへの配慮が行き届いた今の会社に満足し、社畜と言われようとも定年まで働くと固く心に誓っている。

★設問3:主人公のかるびが、今後会社を辞めて1年以内にブログで食べていけるようになるにはどうしたらいいか、100字以内で自由に記入しなさい。解答用紙はコメント欄かブックマーク欄を使用すること。

 

問題用紙終わり

かるび