かるび(@karub_imalive)です。
一部の読者さんにはお知りおき頂いているのですが、この春に一旦17年間続いた社会人生活を小休止させて、5月から1年間のお休みを自主的に取ることにしています。
そこで、今日は自分自身の社会人生活で、一番役に立った「資格」について考えてみたいと思います。
自分自身、マニアックで何にでものめり込みやすい性格なのか、「覚えこんで詰め込む」いわゆる受験勉強や資格勉強が苦にならないタイプです。これまで、割と資格試験には気軽に挑戦してきました。取得後にどう役立てるかよりも、とりあえず面白そうだし、ヒマだから取っておくか、っていう感じで。
結果としては、こんなに資格を受けなくてもよかったかな、と。もう少し学生時代に勉強しなかった哲学とか社会学、西洋思想みたいな人文科学系や社会科学系のリベラルアーツぽい勉強をじっくりやっときゃよかったな、とは思うものの、受け散らかした資格試験のうち、それなりに役に立った資格もありました。
よって、社会人生活に一旦区切リを付ける前に少しブログにまとめておいてどなたかの役に立てられればと思った次第です。
それでは、いってみましょう。
これまで受けてきた資格群について
17年間も仕事をしていれば、時には会社業務の要請で、時には自分自身の業務や趣味に関連して、色々と資格に挑戦する機会が発生します。
僕はこれまで、会社的には2社(製造業大手、Sier中堅)、職種的には4つ経験してきました(経理、SE、営業、採用)。この中で受験してきた資格は以下の通りです。
★17年間で受けてきた資格一覧
こうやって見てみると、ちりも積もれば山というか、戦略もなくいろんな資格を受け散らかしてきたなぁという感じ。どれも全く役に立たないわけじゃなかったけど、いわゆる資格試験ビジネス、協会ビジネスにハマった感のある資格もありました。
あるいは、厚労省の「ジョブカード・キャリアコンサルタント」など、労務行政と利権ビジネスの中で誰もが不毛だと考えている中、仕方なく会社業務として受けさせられたりしたものもあります。
役に立つ資格とは何か
こうやって見てくると、役に立つ資格っていうのは、以下の3つの条件を満たすものなのかなと思います。
- 就職・転職活動に役立つ
- 取得したステータスや知識が仕事や生活で幅広く応用できる
- 一度取得したら陳腐化せず、長期間使える
就職・転職活動に役立つのはもちろん、かつその後の仕事や生活でも幅広く汎用的に応用できる。そして陳腐化が遅くて、一度取得したら長期間使える、そんな条件を満たす資格が最強だと思います。
上記の観点から、これまで受けてきた資格の中から、いくつかは一生ものと思えるような資格もありましたので、個別にピックアップしてみたいと思います。
役に立った資格①:日商簿記2級
地味なんですが、実は簿記の知識は一番役に立ちましたし、一生ものだと思っています。まず、仕事での応用範囲がメチャ広い。
1社目の製造業で経理をやっていた時に、仕事の傍ら上司に薦められて受験しました。部署全員が日商簿記2級以上を持っていたためです。商業簿記部分は仕事内容がそのまま出題されましたが、体系的に学べたのが大きかった。取得後は、会計ソフトを使って子会社数社の経理全般を苦もなく回せるようになりました。
また、原価計算、工業簿記も、2社目のSierでシステム開発を行う際、案件見積で活用する機会が増えました。意外に棚卸の概念って、きちんと学ばないととっつきにくいんですよね。
そして、業務系システム開発で企業内の基幹業務系のプロジェクトなら、まず設計段階で会計知識が必須になりますが、意外に会計知識があるSEって少ないです。何度も別プロジェクトから呼ばれて、ひっぱりだこになりました。
2社目でSEを引退して、営業~経営側業務に回った際にも、月次決算、経営分析、予算作成などで遺憾なく使えました。それから、B/S、P/Lが苦もなく読めるので、キャリア後期で、中小企業のM&Aのお手伝いや、経理の人と連携してデューデリジェンス等をお手伝いする際でも2級レベルの知識があれば何とか足りました。
また、私生活などでも、もう今はやっていませんが、株を買ったりする際の企業分析などもやりやすくなりますね。
そして、何よりも一番嬉しいのはそのコスパの高さ。集中的に勉強すれば、2ヶ月間程度で簿記2級レベルには到達します。短期間で習得可能な割に、応用範囲は広く、しかも枯れた技術・知識なので陳腐化しないのです。僕が日商簿記2級を取得してからもう15年経ちますが、その間に簿記の基本的な概念は変わりませんでした。
自分がSEになる前に必死に覚えたVisual Basic 6.0やPerlといったプログラム言語がすでに現場で使わないものになってしまったことに比べると抜群の安定感です。
役に立った資格②:TOEIC
TOEICへチャレンジしたきっかけは、2社目のSierに未経験者として入った時、ゲタを履かされて「英語ができる」エンジニアとして大手電機メーカーの国際的なプロジェクトに派遣されたことでした。世界中のプロジェクトメンバーと英文メールでやり取りしたり、TV会議システムで英語で会話をしたりする必要性に迫られ、1年ほどビジネス英語を身につけるために割と必死に勉強しました。
結果、まぁまぁのスコアまで到達しましたが、どうも英語は、使わなくなると忘れていくので、コスパは悪いです。日本在住で、普段英語を話さなくなれば、だんだん忘れていきます。また、英語は中学生から膨大な時間をかけています。習得するのに膨大な時間が必要なんですよね。「聞き流すだけで3ヶ月でTOEIC900点」とかマジでありえない(笑)
でも、これがきっかけで、英語のブログとかも読むのが苦にはならなくなったので、仕事でも私生活でも自分の世界が一気に広がった感はありました。苦労した分、見返りはあります。
役に立った資格③:キャリアカウンセラー(CDA)
これは2社目で採用業務を行っていた際に挑戦しました。結局2次試験で落ちて、嫌気がさして2回目はチャレンジしなかったのですが、ここで得たコミュニケーションの技法は一生ものになりました。
人とのコミュニケーションにおいて、何よりも大切なのは相手の話を聞くこと。世の中には自分の話を聞いて欲しい人がたくさんいます。でもどうやったら相手の話を効果的に聴けるのか。
簡単なのですが、体系的に学ばないとなかなか気づかない「傾聴」技法を始め、カウンセラーとしての基本的なスキル演習ができたことで、その後営業職・採用職として大きくコミュニケーションの質を高めることができたのは一生ものの成果となりました。
これを取得してから、商談では雑談ばっかりになりましたし(笑)でも仕事は取れるという(笑)
また、日常生活においても応用範囲は無限にあります。何より敵を作らないのですよね。話を聞くだけでみんな味方だと思ってくれる(笑)
お金は30万程かかり、資格という形で結実しなかったけれど、無形の財産としてはまさに「プライスレス」な自分へのギフトになりました。
英語・会計・ITの3大スキルについて
よく自己啓発の書籍などでは、「英語・会計・ITの3大スキル」をまんべんなく伸ばして成功しよう、って言われますが、これはある程度真実だと思います。色んな統計がありますが、これら3つのスキルレベルは、ある程度年収や社会的地位とゆるい相関があります。
17年間の社会人経験では、目の前の必要性に迫られて一つ一つ取得していったにすぎないのですが、後から振り返ると、この3分野のうち、英語と会計については資格取得がスキルの効率的な獲得手段になっていたんだなと実感しました。TOEICと日商簿記で英語と会計が30歳までに得意分野になったのは本当に仕事に役立ちました。
資格取得で必要な知識やスキルセットは、いわゆる現場の様々な実務からエッセンスや考え方を体系的・最大公約数的に抽出した理論部分です。これらを、試験勉強という形で短期間に詰め込むことで、効率的に勉強し、習得できることはやはりスキル向上の近道になっている部分は大きいと思います。
ゲーム感覚で楽しくやろう
また、後で振り返ると、意外にSJC-P(Javaの民間試験、基礎的なJavaの知識を問われる)みたいな簡単な資格でも取得できなかったり、かと思えば膨大な勉強量が必要とされた社会保険労務士でも1発合格できたりと、色々ありました。この合格/不合格を分けた分水嶺は、「やってみて面白かった」かどうかだったのかな、と思います。
例えば、社労士の試験は、基本テキストでも1000ページ以上あるなど、1年がかりの試験勉強を必要とされ、大変でしたが、たまたまTACの通信講座の先生が面白かったりとか、楽しく最後まで取り組めたのがよかった。その反面、Javaの試験勉強はどうしても「生きた知識」に思えず、つまらなく感じました。今振り返ると簡単な資格でしたが、どうしても勉強する気が起きず、試験合格につながらなかったのです。
単純な結論ですが、資格試験はやっぱり取り組んでみて楽しかったかどうか、につきるんじゃないでしょうか。
まとめ
こうやって俯瞰してみてみると、自分の社会人前半戦では、自分自身のキャリア構築に結構役に立ってくれました。さすがに40歳になり、人生も折り返し点まできましたので、もう今後は資格試験は趣味で英語を受けるか位しかやらないと思いますが、節目ということで、少しまとめてブログに書き残してみました。皆さんも是非楽しく、役に立つ資格に挑戦して頂ければと思います。
それではまた。
かるび