あいむあらいぶ

東京の中堅Sierを退職して1年。美術展と人事労務系の記事が多め。

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【ネタバレ有】「パトリオットデイ」感想・レビューとあらすじ徹底解説!/テロに負けなかった人々の強さが感動的な傑作実話映画!

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かるび(@karub_imalive)です。

6月9日にリリースされた新作「パトリオット・デイ」を見てきました。2013年のボストン・マラソン当日を狙って起こされた無差別テロ事件と、事件の収拾・解決に尽力した警察メンバーを中心とした実話ベースの感動ストーリーです。

僕は、陸上やマラソンが大好きなので、この映画は特に注目していました。思った以上に実話に忠実な語り口で、非常にドキュメンタリータッチな硬派な仕上がりでした。

早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承下さい。

1.映画「パトリオット・デイ」の基本情報

<映画「パトリオットデイ」公式予告>
※下記画像をクリックすると動画がスタートします

動画がスタートしない方はこちらをクリック

【監督】ピーター・バーグ(「バーニングオーシャン」他)
【配給】キノフィルムズ
【時間】133分

「ローン・サバイバー」「バーニングオーシャン」と、ここ数作はマーク・ウォールバーグを主演固定にして、実話ベースの大作映画路線が続いているピーター・バーグ監督。現実に起きた事件を振り返り、その中に人間ドラマを再構築する実話ベースの映画作品を作らせるなら、実績十分。今作では主演と監督のコンビががっちり噛み合い、2013年の「ボストン・マラソン」でのテロ事件と、危険を顧みず不眠不休で解決に尽力した捜査官や無名の市民たちを取り上げました。

2.映画「パトリオットデイ」の 主要登場人物とキャスト 

ボストン警察巡査部長/トミー・サンダース
(マーク・ウォールバーグ)
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「ローン・サバイバー」「バーニングオーシャン」に引続き、ピーター・バーグ監督の実話シリーズ3部作で全て主演を務めました。「製作総指揮」としてクレジットされるなど、特に今作では製作にも深くコミットしています。今年は、2017年夏「トランスフォーマー 最期の騎士王」も待機中。ちなみに、俳優になる前、ボストン在住だった若い頃は、ボストン警察に何度も世話になった経験があるそうです(笑)

FB特別捜査官/リック・デローリエ
(ケヴィン・ベーコン)
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警官役は過去幾度となくこなしている名俳優ですが、特に「刑事」は彼のハマリ役ですね。近年だけでも、「ブラック・スキャンダル」(2015)、「COP CAR/コップ・カー」(2015)など。「ミスティック・リバー」(2003)のような名作から、「ゴースト・エージェント/R.I.P.D.」(2013)のような大コケした作品まで幅広く出ております(笑)

ボストン警察警視総監/エド・ディヴィス
(ジョン・グッドマン)
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俳優歴40年以上の大ベテランで、近年も毎年1~2作は話題作にバイプレイヤーとしてコンスタントに出演をこなします。近年も「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」(2015)、「10 クローバーフィールド・レーン」(2016)、「キングコング:髑髏島の巨神」(2017)など。うるさ型のオヤジキャラが本当によく似合いますね。

ウォータータウン警察巡査部長/ジェフ・ピュジリーズ
(J・K・シモンズ)
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日本でも大ヒットした「セッション」(2011)での鬼教官ぶりが鮮烈だったJ・K・シモンズ。2017年「ラ・ラ・ランド」でも嫌味な劇場支配人役として出ていますね。今回は、地元の町の頼れる警官として、久々に「良い」シモンズを見れて良かったです。


キャロル・サンダース(ミシェル・モナハン)
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トム・クルーズ主演の大ヒットシリーズ『M:i:III』(2006)ではヒロインに抜擢されてブレイクしました。直近の出演作は「ミッション:8ミニッツ」(2011)、「ピクセル」(2015)など。大学時代、モデルの仕事で頻繁に来日しており、一時期は乃木坂に住んでいたこともあるのだとか。愛犬に「ロッポンギ」という名前をつけるほどの日本通なのだそうです(笑)

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3.結末までのあらすじ紹介(※ネタバレ注)

テロ事件当日の朝

2013年4月。トミー・サンダース巡査部長は、2名の同僚とともにアパートで犯人を追い詰めていた。ドアを蹴り破った際に膝を痛めてしまったものの、なんとか上司であるエド・ディヴィスが現場へ到着する前に、犯人を取り押さえることができた。つまらない傷害事件の捕物だったが、先日仲間の警官を殴ってしまい、停職処分を受けていたトミーの復帰に向けての研修を兼ねていたのだった。

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4月15日。今日は「パトリオット・デイ」だ。その日、朝は遅めの起床となったパトリック・ダウンズとジェシカ・キンスキーは、朝食の後この日行われるボストンマラソンを沿道で見ようと考えていた。

MITでは、学生グループがゼミのプロジェクトについて検討していた。学内警備担当のショーンは、中国人留学生を次の週末にデートに誘い出そうとしていた。

一方、トミーは、前日の晩に夜遅く帰宅し、わずか数時間の休息の後、ボストン・マラソンの警備担当として、早朝から出勤のため起床していた。警備用の制服は、決してかっこいいものではなかったが、この警備を無事に勤め上げた後、彼は正式に復職できる見込みだったので、張り切っていた。

中国人留学生のダン・マンは、朝から最近購入した新車の黒のメルセデスを前に、中国本土に住む両親とビデオチャットを楽しんでいた。チャットを終えると、ダンは朝のランニングにでかけるのだった。

キャサリン・ラッセルは、夫のタメルラン・ツァルナエフと彼の弟、ゾハールがテロの計画を話し合っている時、娘をあやしていた。弱気になる弟、ゾハールを激励し、本日のテロを2人でやりきる予定であった。

また、ウォータータウン警察巡査部長、ジェフ・ピュジリーズは、朝起きると妻と近くのダンキン・ドーナツへ朝食を食べに行くのだった。

ゴール前で起きた爆破事件

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毎年4月15日、パトリオット・デイには世界でも有数のマラソンのビッグレース、ボストンマラソンが開催される。2013年4月15日も、朝から、マラソンコース沿道には参加者や観客など、大勢の市民が続々と集まってきていた。

トミーは、その日ちょうどゴール前の警備を担当する予定だった。前日夜に痛めた足が腫れてきたので、彼は妻のキャロルに電話して、ゴール前に膝のサポーターを持ってきてほしいと連絡した。

そして、いよいよスタート直前となった。スタート前、ニュータウンスクールでの銃乱射事件で死亡した26名の犠牲者へ黙祷が捧げられた。

タメルランとゾハールは、レースのゴール会場へと到着した。彼らは、互いに爆薬がたくさん詰まったバックパックを背中に背負い、ふた手に別れて待機していた。男子マラソンの優勝者が決まり、続々とランナーがゴールへと帰ってきていた。そして、ゴール前の賑やかさが頂点に達した時、巨大な爆発が2度起こった。

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トミーは、現場責任者として現場付近のランナーを退避させ、警察官と救急スタッフに連絡した。まもなく、メディカルチームがやってきて、負傷者は市内の病院へと順次運ばれていった。パトリックとジェシカの足は、ひどく負傷していた。彼らは別々の病院へと緊急搬送された。スティーブは、爆発で気を失っていたが、ケガはなかった。メディカルチームがスティーヴを救助し、レオを安全なところへと連れ出した。トミーは、キャロルが無事でいることを確認すると、自宅へと帰させた。現場には、なおも多数の負傷者が手当を受けるのを待っていた。

テロと断定され、捜査が始まる

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状況が落ち着き、現場から人がいなくなると、FBI捜査官のリック・デローリエが捜査担当として現場へと赴いてきた。状況を把握すると、リックは、すぐにこの爆発事件を「テロ」と断定することを避けた。市民の間に混乱が広がるのを懸念したからだ。しかし、状況的にはテロと断定せざるを得ない状況だった。リックは、全ての捜査関係者をブラック・ファルコン・ターミナルという巨大倉庫に捜査本部を設置させ、本格的な捜査に取り掛かった。

一方、犯人の二人は、テロの後、一旦自宅へと戻っていた。彼らは、報道で事件の状況を知った。彼らは、引続き身を隠すことに決めた。

トミーは、手がかりを得るためにボストンのあらゆるところを捜査して回っていた。事件で足を切断する重症を負ったジェシカの両親を始め、彼の近所や友人たちに様々なヒアリングを行った。トミーは、明らかに苛立っていた。そして、現場で感じた爆発の恐怖、自身の無力感に打ちのめされていた。しかし、彼は必ず犯人をこの手で捕まえると固く決意するのだった。

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一方、捜査本部では、捜査官達がセキュリティカメラが捉えた犯人の姿を探り当てることに成功していた。まず、映像から白いキャップをかぶったゾハールを割り出すことに成功すると、周囲に設置された他のカメラ映像から、一人の犯人がタメルランであることを特定した。

しかし、リックは、一旦彼ら2名の犯人映像を公表することを控え、様子をみることにした。なぜなら、未だセキュリティカメラの映像は解像度が低く、犯人として断定するには証拠になりづらいレベルだったからだ。これでは、犯人側に対して捜査の進捗が思わしくないことが伝わってしまう。また、市民の間にイスラム教徒への偏見が広がってしまう懸念もあった。リックは一旦映像の公表を取りやめたが、ディヴィスは公表するよう激しく迫った。

一方、ピュジリーズも、地元のウォータータウン警察を率いてボストン警察やFBIから捜査協力の声がかかるのを待っていた。

ゾハールの大学生の仲間たちは、大学寮でゲームをしながら大麻を吸っていた。大麻が切れたので、ゾハールの部屋で大麻を探してバッグを探っていると、爆弾を作るための沢山の材料がバッグの中に入っていることを見つけ出した。彼らは、怖くなってこれら証拠資料を隠したのだった。

犯人の二人は、夜になって移動しようとしていた。次のテロのターゲットがニューヨークだったからだ。彼らは銃を手に入れようとして、MIT構内で待機しているショーンを見つけ出した。彼らは抵抗するショーンに至近距離から何度も発砲し、ショーンを射殺すると、彼の腰から拳銃を奪った。その後、近くに停車していた黒のメルセデスに乗っていたダンを銃で脅し、車を奪い取るとダンを人質にして逃げ去るのだった。車中で、9.11事件の本当の犯人は、アメリカ政府そのものだ、とダンに話すのだった。

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犯人の兄弟が給油のためにガソリンスタンドに立ち寄った時、一瞬のスキをついてダンは逃げ出し、近くのコンビニにで警察へと通報した。兄弟は逃げ去ったが、その直後に警備中だったトミーがダンの元に現れた。彼は、トミーに対して、兄弟がボストン・マラソンでのテロの首謀者であり、次はニューヨークでのテロを計画していると話した。ダンは、トミーの捜査に協力し、彼の車に取り付けたGPS装置の追跡番号を告げた。

警察は、犯人たちを追ってウォータータウンへと向かっていた。ゾハールとタメルランは、ウォータータウンの住宅街で増援にかけつけた警察部隊と激しい銃撃戦になった。タメルランは、数カ所撃たれ、まもなく病院へと運ばれたが、病院で死亡した。ゾハールは現場から逃げ去ってしまった。

犯人の逮捕へ

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次の日、警察はボストン市全域を封鎖し、全力でゾハールの行方を追ってくまなく捜索を行った。ゾハールのルームメイトたちは、ドミトリーにいるところを逮捕された。タメルランの妻、キャサリンも、警察に拘束され、夫タマランのテロ計画に関わっていたかどうか厳しい尋問を受けた。キャサリンは、婦人警官の説得工作にもかかわらず、この件について黙秘を続けていた。

ウォータータウンに住むある男が、芝生の上に置いていたボートの中に、不審な侵入者が入ってきた様子を発見した。通報を受けたトミーは、男を地下室へと避難させると、シートの下に隠れているゾハールを見つけ出し、すぐに応援を要請した。夜までかかり、FBIの専門捜査官たちに取り囲まれ、威嚇射撃を受けたゾカールは間もなく投降し、その場で拘束された。捜査本部は、犯人逮捕の一報を受けると沸き立った。トミーは、同僚たちと事件の解決を祝うためにバーに繰り出していった。

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別の日、ボストン・レッドソックスはテロ解決を祝って、試合前にセレモニーを行った。事件解決に尽力した警察官や、州知事、ボストン市長などが挨拶した。その日のレッドソックスのユニフォームは、胸にいつもの「RED SOX」ではなく、「BOSTON」と縫い付けられていた。ゾハールは、30もの余罪とともに結局死刑が宣告され、現在は連邦刑務所にて服役中も、控訴の準備中である。ゾハールのルームメイトは、捜査妨害の罪で逮捕された。また、警察は、キャサリン・ラッセルを爆破事件への関与がなかったかどうか、なおも捜査を続けている。

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そして、事件捜査に関わった本物のエド・ディヴィス、リック・デスロリエ、ジェフ・ピュジリーズたちのインタビューが続く。彼らは、事件当日の悲劇を乗り越え、より強い連帯とつながりを手に入れていた。最後に、事件で片足を失ったパトリックが、後年のボストン・マラソンに義足で無事に完走を果たしたシーンが映し出された。

そして、最後にこの事件で死亡した4人の犠牲者の写真が映し出された。映画は、被害者・捜査担当者・メディカルスタッフら、この事件に関わった全ての人達に捧げられた。

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4.ストーリーの感想や評価(※ネタバレ注)

リアルな事件の再現から感じる、底知れない恐怖感

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本国ではR指定を受けているだけあって、爆発時の大混乱や、負傷・死亡した各被害者のリアルな流血といったキツい映像表現から、シリアスな捜査シーンまで、詳細に再現されているのです。おまけに映画内で出現する「F***」ワードは約150回ほど。最初から最後までみな遠慮なく連呼しております(笑)そうそう、やっぱりこうでないと!

僕は、大抵のゴア描写・グロ描写は全く平気なのですが、ピーター・バーグの実話3部作に限っては、どうもダメです。本物のリアルさが心底怖いんですよね。

ピーター・バーグの映画の場合、映画内で再現されているディザスターは、実際に起こった実話ベースに基づいた情景なんだと思うと、2011年の震災時に感じた底知れない恐怖感に似たような感情を思い起こさせるのです。映画「バーニングオーシャン」でも、逃げ場のない海上油田火災の恐ろしい情景に、思わず泣きそうになりましたが、今作の爆発シーンの惨状は、これが本当に起こったことなのだと想像すると、前作に匹敵する怖さを感じました。非常にリアルな映像表現は、秀逸だったと思います。

現場の緊張感もリアルで見応え十分だった

事件は、わずか102時間でスピード解決するのですが、その間の捜査状況も非常にシリアスで、丁寧に描かれていました。下手な刑事モノドラマなんか比べ物にならないくらいの緊迫感です。

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空き倉庫に臨時の捜査本部が設置され、知事・市長・FBI・ボストン警察・CIAなど、あらゆる関係者が協力・連携し、時には意見を激しく違えながら、事件の手がかりを一つ一つ追っていくシーンが非常に丁寧に描かれます。立場も人種も考え方も違う、様々な人たちが一致団結して不眠不休で事件を追っていく流れに、アメリカ人の火事場での強さを見たような気がしました。

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犯人を追い詰めた現場での銃撃戦も、非常にリアルでした。アクション映画などでよく見られる「武器を放り出し、なぜか素手で殴り合う主役と悪役」だったり、「激しく撃ち合うも、弾がなぜか当たらない」といったいわゆる映画的な様式美は排され、非常に泥臭い描写が印象的でした。圧倒的多数で犯人を取り囲み、容赦なく蜂の巣にしてみたり、犯人がボートの中に潜んでいるとわかっても、すぐには手を出さず、増援を呼んで、満を持して夜まで待機してから一気に踏み込む描写などは、実際の犯人制圧シーンっぽくてよかったです。

「BOSTON STRONG」~テロに屈せず、より強く結びついた人々の姿

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(Wikipediaより)

本作は、オバマ大統領のスピーチシーンが使われたり、ラストシーンでジョン・F・ケネディの肖像画が映ったり、レッドソックスのセレモニーのシーンで「自由」の尊さについてレッドソックスのオルティーズ選手がコメントしたりと、若干アメリカ国民向けの愛国プロパガンダ映画的な側面があることは確かです。

しかし、それを差し引いても、テロを終えてより結びつきを強め、自由のために連帯する市民の力強い姿には、勇気づけられるものがありました。特に、観客として爆発に待っこまれ、片足ずつ失った被害者のカップルが、2016年には義足をつけて今度は参加者としてマラソンを完走するシーンは、深い感動を呼ぶとともに、彼らがテロを乗り越え、精神的に強く成長したことを強く印象づけました。

ラストシーンのインタビューでも彼らは「大勢の人に支えられ、助けられて強くなった」的なコメントを残していましたが、アメリカ国民だけでなく、映画を見たひとりひとりが勇気づけられる普遍的な描写だったと思います。

5.映画の伏線・設定をめぐる7つの疑問点を徹底考察!

本作は、事件当日の状況や、事件後の捜査状況について詳しく迫っていましたが、その反面、事件そのものが起こった背景や、犯行動機などの描写は省略されています。ここではより映画を掘り下げて理解するため、映画で分かりづらかったいくつかの伏線・設定等の疑問点について解説してみたいと思います。(※随時更新予定)

疑問点1:パトリオットデイ(愛国者の日)とは?

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毎年4月の第3月曜日は、マサチューセッツ州では「パトリオット・デイ」(愛国者の日)という祝日を設けています。1775年の4月19日、ボストン北西部で起こったアメリカ独立戦争が始まる契機となった英米間の戦闘「レキシントンとコンコードの戦い」を記念して設けられた州立記念日なのですね。つまり、「パトリオット・デイ」とは、アメリカ独立と自由の象徴でもあるのです。

映画中でも半分冗談めいて言及されますが、熱狂的なボストン市民はこの日、

①ボストン・マラソンに出場する
②ボストン・マラソンを応援する
③ボストン・レッドソックスの試合を観戦する

それ以外はやってはいけないとされますが(笑)、ボストン・マラソンやレッドソックスは、それだけ地元で愛されている存在だということですね。

公式HPでも、以下の通り簡単に動画で説明してくれていますので、参考に是非チェックしてみてくださいね。

<「パトリオットデイ」とは?>
※下記画像をクリックすると動画がスタートします

動画がスタートしない方はこちらをクリック

疑問点2:ボストン・マラソンとは?

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ボストン・マラソンは、毎年「パトリオット・デイ」に実施されるマラソン大会なのですが、現在では、東京・シカゴ・ベルリン・ニューヨーク・ロンドンと並んで、世界最高峰の「ワールド・マラソン・メジャーズ」大会となっています。(要するにマラソン界のG1レースみたいなもの)

だから、ボストン・マラソンでテロが起きたということは、いわばワールドカップがテロで中止されたのと同じような強いインパクトがあったのです。

2017年大会、3位になった大迫傑
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日本からも毎年多数の参加者が出走しています。例えば、瀬古利彦は、1981年、1987年と2度優勝しています。2017年は、大迫傑選手が3位になったことで、陸上競技界ではちょっとした話題になりました。高速コースなのですが、35キロ過ぎで魔の上り坂があり、難易度は割りと高めだと言われます。日本では深夜の時間帯ですが、毎年衛星放送やCSで完全中継されています。

疑問点3:映画はどれだけ実話を反映しているの?

最初からラストまで、実際の出来事の再現度は非常に高く、ロケーションの約70%が、実際の出来事が起こったところと同じ場所で撮影されました。

また、バーグ監督と制作チームは、正確な出来事の再現のため、地元の警察署、FBI、州警察、様々な法執行機関、地域や組織のリーダーたち、被害者などに会って、徹底したリサーチを行いました。

唯一フィクションだったのが、主役のマーク・ウォールバーグ扮するトミー・サンダースと、その奥さんのキャロルです。

主人公は実在の人物ではない!f:id:hisatsugu79:20170609155945j:plain

トミー・サンダースは、事件の重要シーンのどこにでもタイミング良く神出鬼没でしたね(笑)テロの爆発シーンに始まり、人質救出シーン、タメルラン・ゾハールとの銃撃戦、ゾハール逮捕シーンと全てのシーンに必ず居合わせる大活躍でした。

これは、いわゆる実話系ドキュメンタリー映画でよく使われる「合成キャラ」という手法で、実際に事件に関わった何人かの警察官達の行動を合体させたキャラクターだったそうです。映画的なストーリーのフックを持たせ、主人公を語り手にするための手法としてここは致し方ないところでしょうか?

疑問点4:ゾハールの友人たちはなぜ逮捕されたのか?

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(Wikipediaより)

ゾハールは、大学内でドラッグの仲介人をしていました。学生寮の仲間たちは、ゾハールの部屋でドラッグを探していたところ、爆薬を作った材料と思しきブツが大量に見つかりました。その前にテロ事件でのゾハールの関与を疑い、ゾハールとメッセージのやりとりをしていた仲間たちは、(実際には無関係だったが)ゾハールとの共犯関係を疑われてはいけないと思い、爆薬を隠して、嘘の供述をしたのです。これにより、テロ事件の証拠隠滅を図った罪に問われて収監されました。

疑問点5:犯人の2人はどんな人物だったのか?

ゾハール(実物画像)
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(Wikipediaより)

二人は、チェチェン人の父、アヴァール人の母から旧ソビエト連邦自治領内(現ロシア)で生まれ、自らを「チェチェン人」として位置づけています。ツァルナエフ家は、2002年にアメリカへと移住してきました。二人は、特に母親の影響で、熱心なイスラム教徒でした。成人するとともに、彼らはより過激な思想へと傾倒するようになっていきました。そのため、事件前からイスラム過激派の要注意人物として政府から目を付けられていました。

事件後、余罪としてアメリカ国内で起きた他のテロ事件への関与や、自爆テロなどさらなるテロ事件を計画していたことが判明しています。 

疑問点6:犯人の動機は何だったのか?

事件後のゾハールの自白によると、彼らはイラクやアフガニスタンにおけるアメリカ軍のイスラム国家への侵略行為への報復として、爆破事件を計画したのだそうです。ただ、アルカイダ等の組織との直接の関与はなく、彼らが自分自身で思い詰め、実行したテロでした。

ちなみに、自作した爆発物製作のノウハウは、イエメンにあるアルカイダ系組織のオンラインマガジンの内容からネット経由で学んだものだったそうです。

疑問点7:犯人の妻、キャサリンを尋問した謎の捜査官は誰だったのか?

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直接は説明されている資料はありませんが、(弁護士を呼ばせないなど)尋問中に国内法を適用せず超法規的な尋問を行っていたため、明らかに警察関係者ではありません。

具体的には、HIG(High-Value Detainee Interrogation Group)というオバマ大統領直轄の国際テロ捜査機関だと思われます。2009年に設立されたこの組織は、CIAやFBI、国防省、外交省から、諜報活動の担当者を集め、大統領の指示により国際テロ犯罪を中心に捜査を進めることを主目的としていました。映画内でも、彼らが到着した途端、FBIも事情を察したのか、何の文句も言わずにキャサリンの尋問を彼らに任せていたのが印象的でした。

6.まとめ

 一部、映画的な脚色や過剰演出はあったものの、基本的には事実関係を丁寧に取材した中で、リアルに再現されたハイクオリティな映画でした。テロの恐怖と、そこから立ち上がる人々の強さが非常に印象的な傑作だと思います。オススメ!

それではまた。
かるび

他にもレビュー書いてます!
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7.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など

「ローン・サバイバー」

マーク・ウォールバーグ主演のピーター・バーグ監督の実話モノ第1弾にして、大傑作の戦争エンタテイメント作品。2005年6月、アフガニスタンにて「レッドウィング作戦」という敵ゲリラの掃討作戦に失敗し、多数のタリバン達に囲まれながら生き延びたネイビー・シールズ所属のある兵士の1日をリアルに描き出した作品。2014年アカデミー賞2部門にノミネートされ、全米で大ヒットしました。これはオススメ!

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