かるび(@karub_imalive)です。
このブログでは何回か会社を辞める直前や、退職直後に断続的に「40歳を超えて無職になった」心境や経過を報告しています。
前回のエントリはこちら。多くの方に読んでいただいたみたいで非常に恐縮です・・・
上記の記事の通り、わりと気まぐれに「退職します」と宣言し、約45日の有給取得を経て2016年6月15日に前職を退職しました。そして、早くもそれから3ヶ月が経過しました。
退職する、と言っても、働かない期間は1年くらいにしようかなと思っています。1年限定のセミリタイア/サバティカル生活。このブログでは、退職後の自分の心境や周囲の環境の変化なども、個人情報が特定されない範囲で素直に書き残しておきたいと考えています。少々露悪趣味ですが、人柱になろうかなと。
というのも、一応退職する前に、「あてもなく40代で会社を辞めた人ってそのあとどうしているのかな」と思ってネットで検索しても、あまり例がなかったためです。
実際、過去に僕がアップした「退職」「無職生活」関連のエントリは、思っていたより検索で見に来る人が多いんですよね。「40歳 無職」「会社 やめたい 40歳」とか、、、。そうだよね、休みたいよね・・・。
それでは、やや長文になります。以下、お時間のある方はお付き合い下さいね。
1.40歳にして無職生活がしたかった理由
これは前回エントリにも書きましたが、初めて読んで頂く方のために、再掲しておきますね。こんな感じです。
- 40歳くらいで、1年間程度の長期サバティカル休暇を取りたかった。
- 会社での起用法や立ち位置、自分のやりたいことがよくわからなくなったので、一度リセットしてみたくなった。
- 会社生活に疲れ、愛社精神がなくなった。
- 40歳でアテもなく無職になるというのは珍しいので、やってみたいと思った
前職は東京の中堅の2次請、3次請中心の中堅Sierで人事労務や営業をやっていました。強く有能なオーナー社長の独裁政権下、昇進すればするほど会社に縛られ、心身の自由が利かなくなってくるというパラドックスを経験、年収も2008年~2014年までほぼ据え置かれ、先も見えてしまったので心を病む前に退職となりました。(そのあたりの詳細は前のエントリに書きました)
2.退職3ヶ月後の生活状況
特に大きな計画もなく、「休みを取る」「将来をゆっくり考える」ことを目的に1年間限定のセミリタイア生活に入ったのですが、大卒後、切れ目なく社会人を17年もやっていると、すでに「日中に仕事のない状態」がどんなものなのかすっかり忘れており、妙に新鮮な気分です。大学生の時はそれが日常だったんですけどね。
2-1.前職の交友を最小限に切りました
前職では会社指示にて強制的にFacebookで社員全員と「友達」にさせられました。退職してからは、迷いましたが、前職の人は全員友人解除させてもらいました。ついでにLINEも。嫌いだからではなく、新しい出会いのための心のスペースを意識的に開けたかったからです。
本当にコンタクトが必要なときは向こうから連絡が来ると思いますし、これで切れてしまうなら所詮「会社」にいる時だけのご縁だったということです。
その代わり、ブログを中心に色々と新しく交友範囲が増えて、趣味の「美術」クラスタの方々や、はてな系の同期ブロガーの方々とオフでお会いしたり、狙い通り交友範囲がリセットされつつあります。
「断捨離」っていうと言葉がキツいですが、新しいことを始める前はある程度思い切って古いものを処分しなきゃいけないのは、物理的なものだけじゃないんだなと実感中です。
2-2.生活習慣が夜型に変わり、少し太りました
朝晩は、家族のお世話や家事分担などもあるので、規則正しく保たれています。しかし、やっぱり運動量は落ちました。週に3~4回は図書館や美術館、落語会へ出かけるのですが、残りは家で読書やiPadで映画を見ていて、家から出ない日々が増えました。家の外に出てもコンビニ行って帰ってくるだけ、、、みたいな。
すると、ものの見事に退職後1ヶ月で3キロ増達成(T_T)
これはいかんな!と思い直し、今は万歩計を購入して、1日1万歩を目標に(あくまで目標)毎日Evernoteにログをつけています。(そのうち別途エントリを上げる予定)
2-3.家計分担について
無職となりましたが、だからといって家族全体の生活レベルは急には落とせません。自分の出費は抑えていますが、退職金や貯蓄から取り崩せば、一応2年分位は蓄えがある計算です。
退職に踏み切れた一つの裏付けとして、妻の年収が僕の2倍以上に拡大したから、というのもあります。つまり、セーフティネットは貯金と妻の収入の2本立てということです。最悪2年経過して僕の貯蓄がゼロで、再就職できなくなっていたとしても、情けない話、妻の稼ぎで家計は回る感じ。
2-4.家事分担について
妻がフルタイム勤務なので、自然と僕の立場は「準専業主夫」状態になりました。退職前の家事分担比率3:7くらいから、退職後は6:4~7:3くらいに増えました。通常の家事ルーティーン(食事・洗濯・掃除等)は全部引き受け、妻の得意な子供の教育と小学校のPTA活動は妻に任せる分担になっています。
2-5.税金/保険負担が結構重い
収入がなくなったからと言っても、税金や公的年金は払い続けないといけないのです。しかも、これまでサラリーマン時代に会社が半分持ってくれていた健康保険、厚生年金を全額支払わなきゃいけないし、住民税も昨年度収入をベースに計算されるのです。
健康保険、厚生年金、住民税だけで、なんと1ヶ月合計の支払額が8万5千円もあるんですけど!生きていくだけでこんなにコストがかかるのか!と唖然としてしまいました。健康保険料なんて5万5千円ですよ!!そんなに病気しないって!!
・・・いや、わかってるんですよ。こうなることは承知で退職したのですから、単なるグチです。だけど、退職後は食費等を切り詰めても、生きているだけで自然にお金は出て行くんだというところはこれから無職になる人は覚えておいて頂ければと。
2-6.会社を辞めても1日はあっという間に過ぎていく
退職前に色々とやりたいことをToDoList化しておいたおかげで、「やることがなくて暇だ」という状況からは程遠く、毎日時間が足りないくらいやりたいことが山程あります。
退職前にやりたかった最優先事項として、読書を週2~3冊程度、美術館・博物館回りを月10件程度、落語会を週1程度でこなしています。これに小旅行、トレッキング、日帰り温泉めぐり、ダイエット、マンガやゲームなど色々やることがあって、退職してからもそのToDoListが溜まっていく一方です。それに加えてブログ書くのも楽しいですし、毎日怠惰な生活にはならずに済みました。
2-7.ハローワークに行っています。ブログ収入を突かれました
一応、職探しも並行してやっているので、失業者らしく普通にハローワークに失業給付の申請をしに行きました。説明会で、失業給付受給にあたり収入を報告しなければならないらしく、判断に迷ったので、「ブログ収入」はどうなのか、あとで個別に質問すると、「内職にあたります」と。「内職」ね・・・。うーん(笑)
しかし、係員も慣れていないらしく、説明会終了後、申請窓口に行って、微々たるブログ収入(アドセンス等)を一応正直に報告したところ、前例が無いらしく窓口で15分待たされ、アドセンス等の仕組みについて説明を求められました。
まさかハローワークでブログでのマネタイズの仕組みについてレクチャーさせられるとはね!(笑)結局、これを受けて、10月以降、エビデンスとして毎日の収入状況をExcelにつけてまとめて提出するように言われました。やはり、「内職」に当たるので、失業給付受給にあたり給付調整(減額)されるらしいです。
インチキしてまで給付をもらおうとは思わないですが、別にブログは労働じゃないんだけどなと(笑)なんとなく納得感が薄いわけです。申告したって給付が減らされるだけですからねぇ。面白い経験でした。
3.セミリタイア生活で気づいたことや考えたこと
3-1.少しずつ仕事の感覚は低下していっている
退職してからも、前職の知見等を活かして人事タックル様に寄稿させて頂くなど、仕事的なものも少しはこなしています。ですが、基本的には、誰かの指揮命令系統下で組織的な業務活動に携わっていないので、多分営業やお客さんとの交渉スキルなんかは低下してる自覚はあります。
来るべき復帰の時に備えて、このあたりの感覚を研ぎ澄ませておく必要があるよな~と思っています。
3-2.貯金は2年分あるけど再就職は少し心配
今は妻の収入で生きる「ヒモ」状態なわけですが、17年間のサラリーマン生活でちょっとずつためた貯金があって、一応2年分くらいは、家賃を入れつつ自分の生活レベルを下げずに生きられるだけの蓄えがあります。
それがなくなる直前に働きに出たいわけですが、果たして「40代無職でセミリタイア明けのオッサンを雇ってくれる会社があるのか」正直なところ不安です。(でも夜も眠れないほど、というわけでもない)
転職フェアでは、40代の転職事例が急増してはいますが、あくまでそれは就業中の人がステップアップするケース。ブランクがあるオッサンは多分厳しいです。未経験からのゼロからの転職ができないのが、40代以降の苦しいところです。
3-3.退職したと義理の母に言えないでいる
実の両親には伝えたのですが、少し考えが古めである義理の母(別居)に、どうしても言い出せずにいます。会うたびに「かるびくんもお仕事頑張ってるのねぇ」なんて言われると少しつらいわけですが、カミングアウトすると物凄い騒ぎになると思うので黙っているしかないかなぁと思います。
また、最近小学校1年生の子供から「パパは最近ずっと家にいるじゃん」と突っ込まれていますが、「パパはねぇ、ブログを書くお仕事をしてるんだよ(爆)おばぁちゃんには内緒にするんだよ」みたいな感じで答えています。まぁ、子どもと遊ぶ時間は増えたのでそれは良かったのかなと思います。夏休みのラジオ体操の付き添いも皆勤しましたし!
このあたりはずっと黙っているわけにも行かないので、おいおい整理していかないとなぁとは思っています。
3-4.「無職」をカミングアウトしても良い人、悪い人
「会社辞めたんですよ~。え?次?そんなもの決まってるわけないじゃないですか。疲れたから1年間休むんです、ええ」みたいな話をすると、まず地元のPTA関係や保育園のママ友、パパ友には高確率で引かれました。うわっ、このあたりの地元クラスタには話をしてはいけないんだ、と学習しました。
反対に、大学の同窓会や、ブロガーのオフ会などで「会社辞めました、無職です!」みたいなことを言っても、「面白いじゃんそれ!」とか「ふーん」みたいな感じで、面白がられるか特に何も言われません。
物理的に利害関係がない人たちや、個性的な人たち、元々雇われない状況で生きてきている人たちからは、特に突っ込まれない感じですね。そっとしておいていただけるほうが嬉しいです(笑)
まとめ
退職したらもっとダラけて不毛な生活になっちゃうかなと自分自身危惧していましたが、現状のところはそれほど生活リズムやパターンは変わっていません。仕事一辺倒だったのが趣味一辺倒+ブログに変わっただけでした。想定していたより忙しいですが、会社でのストレスフルな生活からは解放されましたので、無職生活もまずまず楽しむことができています。
ただし、やっぱり税金等の支払いは多いし、将来これからどうなるんだろう?という不安は常につきまといます。会社辞めてサバティカル休暇を自主的に取って、ブログだけ書いてますって言う人ってそうそういないですからね。(いや、まぁ普通の人は会社辞めても、もりもりブログ書かないんだろうけど/笑)
自分で決めたことですが、周りに「お手本」となるような先輩がおらず、自分の人生は自分で切り開いていかないといけないんだな、という実感をひしひしと感じています。
僕の場合は、たまたま17年間働いた貯蓄があり、妻が高給取りになったというラッキーが重なり、金銭的なリスクをかなり取り除いたうえで、石橋を叩いての無職生活が実現できました。正直なところ非常にラッキーでした。
「無職生活いいですよ。まだサラリーマンで消耗してるの?」なんて人に勧めるつもりはさらさらありませんが、せめてリスクを取って辞めた分、もとは取りたいなぁと考える今日このごろです。
それではまた。
かるび