かるび(@karub_imalive)です。
7月7日に公開された新作「ジョン・ウィック :チャプター2」を見てきました。一度は引退したスゴ腕の殺し屋が、妻の形見の犬を殺されたことをきっかけに現役へと復帰した前作。
再び簡単には引退できるわけがないのが殺し屋の世界・・・ということで、続編へと繋がったストーリー。今作は、舞台をヨーロッパに移してスケールアップしていました。
早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、ほぼ全編にわたってストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。
- 1.映画「ジョンウィック2」の予告動画・基本情報
- 2.映画「ジョン・ウィック2」主要登場人物・キャスト
- 3.結末までの簡単なあらすじ
- 4.映画「ジョン・ウィック」の感想・評価
- 5.映画「ジョン・ウィック2」に関する8つの疑問点~伏線・設定を徹底考察!~
- 6.まとめ
- 7.おすすめの関連映画を紹介!
1.映画「ジョンウィック2」の予告動画・基本情報
予告動画
公式予告動画だけでなく、「戦闘シーン」を切り取ったハイライト特集動画が非常によくまとまっていて、見応えがあります。これを見ると、「カンフー」よりも柔術系の技をよく使っていることがわかります。予習や振り返りに是非どうぞ!
▶公式予告動画!
※下記画像をクリックすると動画が始まります
▶アクション技総集編!
※下記画像をクリックすると動画が始まります
映画基本情報
【監督】チャド・スタエルスキ
(「ジョン・ウィック」他アクション監督歴多数)
【製作総指揮】デヴィッド・リーチ
【脚本】デレク・コルスタッド
【配給】ポニーキャニオン
【時間】122分
メガホンを取ったのは前作に引き続き、チャド・スタエルスキと「製作総指揮」でクレジットされているデヴィッド・リーチ。1作目を上回るスケール感を出すため、アクションシーン、ドラマシーンなどが大幅に増えました。結果として、わずか93分とコンパクトだった1作目から30分近くも増量されています。
2.映画「ジョン・ウィック2」主要登場人物・キャスト
マフィアの出身地がバラバラなので、非常に国際色豊かなキャスト陣が揃った印象。2作目もそれほど潤沢とは言えない制作予算の中、決して見劣りのしない上手なキャスティングです。
ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
前作「ジョン・ウィック」で大復活を遂げて以来、キアヌ・リーブスの新たな代表作となりつつある本作。主演俳優として単に演じるだけでなく、製作初期段階から監督/脚本担当と同レベルで作品のディテールを企画・調整するなど、半端ない力の入れようです。こういう路線本当に好きなんでしょうね・・・。
サンティーノ・ダントニオ
(リッカルド・スカマルチョ)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
「イタリアのジョージ・クルーニー」とのあだ名を持つイケメンイタリア人俳優。「あしたのパスタはアルデンテ」「二ツ星の料理人」など、ヨーロッパ映画を主戦場としています。
アレス(ルビー・ローズ)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
昨年末の「バイオハザードザ・ファイナル」、年明けの「トリプルX:再起動」と立て続けにハリウッド大作映画で存在感を見せ、現在ブレイク中のオーストラリア人若手俳優。しかし最近本当にオーストラリア人俳優、増えましたね・・・。
ウィンストン(イアン・マクシェーン)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
顔つきから、いかにも悪そうな悪役やマフィアのボス役が似合うイギリス人のべテラン俳優。しかし、ハリウッド作品では「パイレーツオブカリビアン生命の泉」「スノーホワイト」など、見かける映画は意外にもファンタジー系が多いようです。1作目に続いて、謎に包まれた裏社会のドンを好演しています。
カシアン(コモン)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
元々はシカゴ出身のラップアーティストですが、恵まれた体格を活かして、数年前からアクション映画を中心に活躍中。前作「スーサイド・スクワッド」で一気に知名度を上げた感はありますが、リーアム・ニーソン主演の「ラン・オールナイト」でも敵方のラスボスを演じていましたね。
キング(ローレンス・フィッシュバーン)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
名作「マトリックス」シリーズでのネオ・モーフィアス以来の共演が10年ぶりに実現!最近さらに重量感を増した独特の存在感がたまりませんでした。今後3作目も重要な役割となってきそうな予感がします。
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3.結末までの簡単なあらすじ
ジョン・ウィックに訪れたつかの間の平穏
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
ジョン・ウィックは、アブラム・タラソフの所有する倉庫へと向かっていた。妻との思い出が詰まった愛車を取り戻すためだ。アブラムは、兄弟のヴィゴ、甥のイオセフをジョンに殺されたが、彼の命もまた危機に瀕していた。なぜなら、イオセフがジョンから奪った彼の愛車が、アブラムのアジトに置いてあったからだ。
ジョンはアブラムの手下たちを難なく倒すと、彼の車のところへと近づいていく。ジョンが車で去ろうとすると、アブラムの沢山の手下たちがジョンの車へと襲いかかった。車はパンクさせられ、手下たちの車がジョンの車へと次々体当たりしてくる。しかし、ジョンはここでも手下たちを殺して、アブラムの居場所へとたどり着いたのだった。
ジョンは、アブラムは酒を酌み交わすと、交戦の意思を失ったアブラムは殺さずに見逃した。彼は皆殺しが目的ではなく、あくまで平和な日々を取り戻したかっただけだからだ。
ジョンは自宅へと帰ると、新しい飼い犬(名前はまだついていない)の世話をした。彼はオーレリオを呼んで、ボコボコになってしまった愛車の修理を依頼した。車は修理可能とのことだ。彼は、前回の戦闘で使った武器を、再び地下の秘密の格納スペースへ無造作に埋め戻し、平和な日々へ戻る決意を固めた。そして、相変わらず携帯電話に保存した前妻ヘレンとの思い出の動画を見て楽しむのだった。
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
しかしその夜、「血の誓い」を交わしたイタリアマフィアの大物、サンティーノ・ダントニオがジョンを訪ねてきた。サンティーノは、ジョンから預かった「誓印」を取り出し、「誓印」の借りを今こそ返すようにジョンに迫った。ジョンが前妻ヘレンとの結婚を決意し、組織を抜ける時、組織から指示された最後の大仕事を実行する時、サンティーノと交わしたものだった。しかし、裏組織を抜けたジョンはサンティーノの申し出の内容も聞かず、一方的に依頼を断わった。
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
サンティーノはジョンを脅迫するため、家の外から焼夷弾を放ち、ジョンの家を焼き尽くした。家とともに妻との思い出も焼け出されてしまったが、ジョンも犬も幸いなことに無事だった。
家を焼け出され、ローマへと旅立つジョン
家を失ったジョンは、コンチネンタルホテルの支配人、ウィンストンと話し合うため、同ホテルへと出向いた。彼の「誓印」と、サンティーノの依頼内容についてだ。ウィンストンは、ジョンに、まず「誓印」の借りをサンティーノに返すように迫った。裏社会で何よりも大切な「誓印」は当人同士でやりとりするべきものであり、さすがにウィンストンは事態を見守るしかなかった。
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
ジョンは、犬をホテルのコンシェルジュに預けると、タスクの内容をサンティーノに確認した。サンティーノは、ジョンに彼の姉ジアナを殺害してほしいと依頼した。ジアナは、近いうちにイタリアギャング組織の一つ、「カモッラ」の主席に就任し、世界規模で組織されるその上部組織「主席連合」12人のうちの1名へと上り詰めようとしていた。近日中に、ローマ市内にて、その就任式典が行われるという。その式典中に暗殺してほしいというのだ。
彼はシアナを暗殺するためイタリアへ飛び、ローマのコンチネンタルホテルへとチェックインした。オーナーのジュリアスとジョンは旧知の仲だった。ジョンは、ジアナを倒すためにローマ市内の地下組織を回り、必要な武器を現地で調達していった。
ジョンは、首尾よくジアナの式典に潜り込んだ。彼女は、側近に信頼するカシアンという屈強な護衛をつけていた。ジョンは、ジアナが一人きりになった時に対面し、サンティーノから派遣されてきたと彼女に告げた。死が逃れられないと悟ったジアナは、殺されるより自ら死を選んだ。
仕事を終えたジョンが会場を出る時、護衛役のカシアンがジョンを見つけた。カシアンがジョンを狙撃しようとしたが、ジョンは素早く身を交わした。ジアナが殺害されたことを知ったカシアンの部下が追いすがって来たが、ジョンは敵を地下道へ誘い込み、殲滅した。
そして、サンティーノの腹心の部下、アレスがジョンへ襲い掛かってきた。ジアナの殺害完了を見届けた後、ジョンを始末するようサンティーノから言われていたのだ。ジョンはアレスたちを撒くと、地上へと出た。すると、そこへカシアンが追いついてきた。1対1のバトルとなったが、ちょうど戦いながらコンチネンタルホテルへとたどり着いた二人は、そこで戦闘を中止して、ホテルのバーで向かい合った。
ジョンは、カシアンに対して自らの事情と今回のローマでのミッションについて話した。カシアンは事情は納得するも、彼が護衛するジアナが殺害されたことは許容できなかった。カシアンは先に会計をすませ、ホテルを出ていった。一人になったジョンは、いつの間にかバーにアレスがいた事に気づいた。アレスは、また会いましょう、と手振りでサインを送ってきた。
帰国後、サンティーノとの対決へ
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
ジョンがニューヨークへと戻ると、サンティーノはジョン殺害のため、地域のすべての暗殺者たちに、700万ドルの報奨金を掲げていた。表向き、姉ジアナを殺された復讐をするためだ。ジョンは、見事にサンティーノにはめられたのだ。コンチネンタルホテルへと戻る道中、地下鉄で、バイオリニストに扮した殺し屋や相撲取りのようなアジア人など、複数の刺客がジョンを襲った。
地下鉄の駅構内に入ると、カシアンがジョンを見つけだし、地下鉄の中で戦闘になった。最後にはジョンがカシアンの心臓へとナイフを突き刺した。なおも、二人の暗殺者たちがジョンへと迫ったが、ジョンはそこで出会ったホームレスの姿をした殺し屋に、二人をなんとかしてくれと頼むと、ホームレス姿の殺し屋は、二人を殺害した。
ジョンは、バワリー・キングに会いに行った。キングとは、過去に戦ったことがあったが、キングはギリギリのところでジョンと対決を降りたため、生きながらえた。そして、現在はニューヨークでホームレスと伝書鳩を情報収集ネットワークとする、独自のギャング組織を形成していた。キングもまた、ジョンにかかった懸賞金を知っていたが、ジョンはキングの力を得て、サンティーノの居場所を突き止めることができた。
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
ジョンは、ジアナの亡き後、サンティーノが「主席連合」の地位を継承する式典が開催されている美術館へと向かった。ジョンは、舞踏会会場で暴れまわり、サンティーノの部下を倒し続けた。サンティーノの最強の護衛、アレスが立ちはだかったが、なんとかアレスも倒して殺害した。
サンティーノは、難を逃れようとコンチネンタルホテルへと向かった。ジョンは、ラウンジでサンティーノを見つけると、ウィンストンの制止を振り切ってサンティーノを射殺した。そして、預けていた犬をピックアップして、焼け落ちた自宅へと戻った。
ラストシーン:裏社会を追放されたジョン、そして物語は続く・・・
翌日、ジョンは犬を連れてウィンストンと公園で面会した。ジョンは、慣習を破ってコンチネンタルホテルの中で殺傷事件を起こしたため、今や「カモッラ」によって懸賞金は2倍に引き上げられ、世界中の殺し屋に狙われていた。ジョンは、人殺しがご法度とされるコンチネンタルホテルでサンティーノを暗殺したことにより、ウィンストンによって「主席連合」からも追放処分を受けた。最後の情けで、ジョンはその場で1時間だけ逃げる猶予を与えられた。
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
公園内に目を凝らすと、周囲を殺し屋に取り囲まれていた。ジョンは、ウィンストンに対して、「もし自分を殺そうとするやつは、誰でも全員反撃して、殺す」と告げて、愛犬とともに足早に公園をあとにするのだった。
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4.映画「ジョン・ウィック」の感想・評価
さらに充実!パワーアップしたアクションシーンが凄い!
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
93分間で合計84人を殺した前作から、今回は122分で141人と、アクション時間も、殺した人数も、アクションの密度も大幅にパワーアップ。上映時間で平均すると、1分に1人以上死んでいる計算です(笑)
今回「2」撮影にあたってのキアヌ・リーブスの意気込みが凄いんです。例えば、
・ブラジリアン柔術に4ヶ月取り組んだ。
・カーアクションでは車の180度ターンをマスターした。
・実弾射撃訓練は週3~4回、毎回1000発以上のボリュームを10週間継続した。
1本の映画を撮るのに、これだけの準備をこなしているのは凄い!聞きしに勝る完璧主義者ですね!そして、完成した映画のアクションシーンを見ると大納得!CG/VFXを一切使わず、キアヌを始め生身の人間が普通にスタントをこなしています!よくここまでプロ意識を持って仕上げてくれたなぁという印象です。
今回、公式サイトを含め、ネット上でキアヌの格闘・銃撃練習シーンが幾つかUpされていましたが、特に銃撃の練習シーンは興味深かったです。(プロ並にかなり上手い!)30秒ちょっとと短い動画なので、是非チェックしてみて下さい!
▶キアヌの練習シーン!
※下記画像をクリックすると動画が始まります
よりリアリティを増した、痛々しいガンアクション
仕立屋で作った超高性能実践スーツ
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
前作は、かなり都合よく敵方の弾は1つも被弾しませんでしたが、「2」では違います!ガンガン敵方の弾もキアヌにヒットしまくります(笑)今作では、ローマに行ってから装備を揃えるシーンで、ジョンが仕立て屋で、特注の防弾チョッキ機能がついたスーツをオーダーするこんなシーンがあります。(パンフレットより引用)
仕立屋「裏地は?」
ジョン「実践用を」
仕立屋「セラミック基複合材と炭化ケイ素を重ね合わせた最新式ボディアーマーを裏地に縫い込みます。弾の貫通は防ぎますが、激痛が走ります。」
勘の良い人ならここで、「これはあとで撃たれるな・・・」とニヤッとするところですが、果たして、その後の戦闘で撃たれまくり!(笑)背中から撃たれるわ、至近距離から撃たれるわ、、、かなり痛そうに被弾するシーンが、凄いリアルでこれがまたいいんですよね・・・。
全体的にはスタイリッシュな仕上がり
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
前作同様、戦闘シーンそのものは非常にリアルですが、作品全体の雰囲気を形作る音楽や映像表現は非常にスタイリッシュでサイケデリックな仕上がり。ジョン・スタエルスキ監督がこれまで仕えてきたウォシャウスキー姉妹や、ガイ・リッチー監督の影響が色濃く出ているような気がします。
ジアナの就任式典でのライブが、モロに2000年代初頭に大流行したヨーロピアンなエレクトロ・ゴシック・メタル調だったり、ラスボス手前の最後のアクションシーンが、銀色一色で複雑に反射する美術館の鏡面部屋で行われたり、監督の個性が良く出ています。
結構ガッツリ人は殺している割に、グロ・ゴア系に走りすぎず、画面が決して汚くならないところも良かったかなと思います。
アクション以外の部分はその分軽くなりすぎた・・・
数少ない葛藤シーン(前半、自宅にて)
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
アクションの充実ぶりは確かに素晴らしかったのです。しかし、力の入れ所がほぼアクションシーンに全振りな感じになった分、ストーリーやキャラクター描写は今作もかなり弱めでした。
特に、ストーリーテリングでは安易なアプローチが目立ちました。映像表現でスマートに語っていた1作目に比べると、重要な伏線や設定がほぼセリフで全部説明されるようになって少し残念。わかりやすいんだけど、まるで説明過多な日本映画を見ているようでした。
「1」に比べ、裏組織の厳然たる「ルール」やスケール感の増した物語設定は良かったですが、ジョンの孤独な内面や葛藤、奥さんとの前日譚などは今回も後回しになった感があります。
おそらくそのあたりは世界中が敵に回る3作目か、後述するTVドラマスピンオフで描かれるのかもしれませんね。今後に期待です。
5.映画「ジョン・ウィック2」に関する8つの疑問点~伏線・設定を徹底考察!~
疑問点1:なぜジョンは冒頭でアブラム・タラソフを襲ったのか?
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
映画冒頭は、1作目からのストーリーの続きとなります。愛車1969年型マスタングをアブラムの甥ヨセフに奪われたジョンでしたが、1作目ではそのヨセフと、父ヴィゴに復讐を果たしたところで終わります。しかし、マスタングはヨセフによってアブラムの倉庫に格納されたままでした。
マスタングの中には、亡き妻ヘレンとの思い出のアイテムが入っていました。彼は車そのものより、妻との思い出の品を何よりも取り返したかったのです。だから、オーレリオに代車を用意させ、改めてアブラムからマスタングを取り返しに行ったというわけです。
疑問点2:背中のタトゥーはジョンの過去を物語っている?
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
予告編でも写りますが、帰宅したジョンがシャワーを浴びるシーンで、背中いっぱいに彫られた意味ありげなタトゥー映り込みます。作中では特に説明がありませんでしたが、これは、ラテン語で“Fortis Fortuna Adiuvat”と書かれており、日本語に訳すと「幸運は勇者に味方する」という意味です。
このモットーは、実際にハワイのカネオヘ・ベイ海軍基地の海兵隊第三大隊のキャッチフレーズとして使われていました。このことから、ジョンは殺し屋になる前に海兵隊として働いていた前歴があることを示唆していると思われます。
疑問点3:ジョン・ウィックの「誓印」とはどういう意味なの?
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「誓印」とは、ジョン・ウィックの世界では2つの機能・意味があると思われます。
1つは、裏切りや殺戮が当たり前の殺し屋の世界で、絶対に裏切られてはならない大切な約束事をする際、その誓約の証拠・エビデンスとして。そして、もう一つは、その「誓印」を介して貸し借りができた場合、借りがある方は、相手のどんな要望であれ、かならず借りを返さなければならないということ。
約束事をお願いした方は、「誓印」の右半分に、自らの血で拇印し、その借りを返した時、左半分に相手方の血で拇印して、「誓印」は効力を失う、、、、古風ですが、裏社会独特の「掟」感がビシビシ感じられる設定でした。
疑問点4:なぜジョン・ウィックは「誓印」をサンティーノと交わしたのか?
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
ジョン・ウィックは、殺し屋稼業の全盛期に出会った亡き妻、ヘレンと結婚するため、裏社会からの引退を目指しました。しかし、彼を手放したくない雇い主、ヴィゴ・タラソフは、彼に到底なし得ないであろう難題を押し付け、彼を裏社会に引き留めようとしました。
ジョンは、押し付けられた難題に対して、イタリアの「カモッラ」の有力者であるサンティーノの助力を経て、仕事をやりきりました。非常にリスクの伴う危険な行動でもあったので、彼らがその際にお互いの信義に基づいて交わしたのが「誓印」だったというわけです。
疑問点5:なぜサンティーノは、姉ジアナをジョンに殺害させようとしたのか?
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
サンティーノは、イタリアギャング組織「カモッラ」のトップを父から継承し、12名で構成される「主席連合」に上り詰める野心を持っていました。しかし実父はサンティーノではなく、姉ジアナを「カモッラ」のトップにすえるという遺言を残していたので、彼はNo.2に甘んじていたのです。
家族の絆を何よりも大切にするイタリアマフィア。大義名分もなく自分自身で手を下すことは絶対できません。そこで、「誓印」で貸しがあるジョンが復活したという噂を聞きつけて、裏でこっそり彼に姉を暗殺させようとしたのです。
疑問点6:ラストシーンでウィンストンはジョンに何を渡したのか?
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
ラストシーンで、ウィンストンは、ジョンとの長年の友情の証として、「追放処分」まで1時間の猶予を与え、ジョンに「誓印」を渡しました。しかし、フタが空いていないので、この「誓印」が誰のもので、どういう状態だったのか不明です。そこで、いくつかの解釈ができそうです。
「誓印」のステータスとしては、主に2パターンの解釈が分かれるところです。
ケース1:ジョンの使用済み「誓印」を返却した
サンティーノが捺印完了して使い終わった「誓印」を返却した説。将来ジョンが復権する際、サンティーノとの貸し借りが終わっていた(=サンティーノ殺しを正当化する)ことを証明するために使えるようにするため。
ケース2:未使用の「誓印」をプレゼントした
将来ジョンが困窮した際、裏社会の誰かの助力を得られるように、未使用の「誓印」をジョンにプレゼントした。
個人的にはケース2かな・・・と思うのですがどうでしょうか?
疑問点7:ラストシーン~エンドロールの意味するものとは?
「3」でストーリーのカギになりそうなキング
(C)2017 Summit Entertainment, LLC.
裏社会から完全追放され、彼を付け狙う暗殺者で溢れた公園内を逃げるように去ったジョンは、今度どうなっていくのでしょうか?
コンチネンタルホテル内で、衝動的に掟破りの殺人を犯してしまったジョンは、これから敵対する世界中の裏社会のメンバーと対峙していかなければなりません。また、作戦行動中、武器・防具の調達、宿泊、移動の安全など、様々なサービスを受けられたコンチネンタルホテルも使えなくなります。
Chapter3以降で、ジョンが自分自身の居場所と平和な日々を取り戻す戦いを進めるためのカギとなるのは、今作ではまだほとんどその素性が明らかになっていないバワリー・キングの存在だと思われます。ラストシーンでもキングを象徴する「鳩」が街灯止まっていましたし、彼の部下、アールがホームレス姿でジョンを見ていました。
そして、下記でも書きましたが、今作シリーズの制作にも深くタッチしているキアヌ・リーブス自身がインタビューで次回作への構想を語っています。
疑問点8:続編「ジョン・ウィック3」やスピンオフTVドラマはあるの?
もともと3部作を想定して製作されているジョン・ウィックシリーズ。2作目の興収もまずまずの状況なので、監督:チャド・スタエルスキ体制での続編製作はほぼ決定と見て間違いないでしょう。
アメリカのWebメディア、cinemablendがロサンゼルスでキアヌ・リーブスに続編構想についてインタビューした際、彼はこう回答しています。(翻訳:管理人)
もっとジョンが文字通り自分自身の命のために戦うシーンを見たいんだ。そして、彼はちょっとしたアンチ・エスタブリッシュメントのような存在になっていくはずだよ。それこそが、(ジョン・ウィックという)キャラクターが発展する拠り所になるはずだ。
彼の住む世界でのルールが、もう通用しなくなっていくはずだ。そこら中で彼の犯した犯罪に対して彼を捕まえようとする人たちであふれかえるはずだから。我々制作陣は、もっとジョンが苦しむところが見たいんだよ!
基本的にアメリカ国内には居場所がないはずなので、海外のどこか人里離れた場所や砂漠のど真ん中などで苦しげな表情を浮かべながら野宿をしているシーンから始まるかもしれません。
2作目も、アクションシーンにやや偏りすぎた印象なので、3部作ラストとなる次作ではいよいよ彼の葛藤するシーンや内面を掘り下げる描写に期待ですね!
また、ジョン・ウィックシリーズの前日譚をスピンオフ作品として、TVドラマシリーズでの企画が進行中とのこと。どうしてもアクションシーンに焦点を当てざるを得ない映画シリーズとは違い、時間をたっぷり使って、ジョンがどのようにして裏組織から足を洗い、ヘレンとの新婚生活を実現していったか、ジョン本人の内面を掘り下げて描くシリーズになるのではないでしょうか?まだどのTV局やネット配信になるか決まっていませんが、楽しみです。
6.まとめ
アクションシーンてんこもりの本作ですが、一連のメイキング映像やインタビュー記事を読むと、監督や脚本家、主演のキアヌ・リーブスがものすごく楽しんで製作しているのが伝わってくるんですよね。そういう映画ってやっぱり見ていてどこか気持ちがいいものです。
頭をからっぽにしてスカッするのもよし、裏社会独特のダークで不穏な緊張感を思い切り味わうのもいいと思います。大画面をガッツリつかったアクションなので、映画館で是非チェックしてみてください!
それではまた。
かるび
7.おすすめの関連映画を紹介!
ジョン・ウィックのように「引退した殺し屋」が復活して大活躍したり、善良な一般市民だと思っていたら「凄腕のスナイパー」だった、という「意外性」を売りにする犯罪スリラー映画は、最近の洋画を中心に非常に大豊作。おすすめの作品を幾つか紹介したいと思います。
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