【2017年9月1日更新】
かるび(@karub_imalive)です。
この夏公開されたスパイダーマンの新作「スパイダーマン・ホームカミング」を見てきました。3年ぶりに2度目のリブート作品として、【マーベル・シネマティック・ユニバース】(※以下、MCUと省略)に統合されて描かれ直された意欲作。
主人公の設定年齢も一気に下がり、今度のピーター・パーカーは若干15歳!ピュアでフレッシュな高校生が学園生活を満喫する中、等身大の活躍を見せる楽しい作品となりました!
早速ですが、映画を見てきた感想やレビュー、あらすじ等の詳しい解説を書いてみたいと思います。
※本エントリは、後半部分でストーリー核心部分にかかわるネタバレ記述が含まれますので、何卒ご了承ください。できれば、映画鑑賞後にご覧頂ければ幸いです。
- 1.映画「スパイダーマンホームカミング」の予告動画・基本情報
- 2.映画「スパイダーマン・ホームカミング」主要登場人物・キャスト
- 3.中盤までの簡単なあらすじ
- 4.映画「スパイダーマン・ホームカミング」の感想・評価
- 5.映画「スパイダーマン・ホームカミング」に関する10の疑問点・トリビア~伏線・設定を徹底考察!~
- 疑問点1:映画タイトル「ホームカミング」の意味とは?
- 疑問点2:映画冒頭でトゥームスが片付けていた瓦礫とは?また、トゥームスの仕事を奪った連中は誰なのか?
- 疑問点3:トニー・スタークは、なぜ・どうやってスパイダーマンをスカウトしたのか?
- 疑問点4:ワシントンDCでスパイダーマンが登った塔の名前は?
- 疑問点5:映画で出てきた全米学力コンテストとは?
- 疑問点6:アベンジャーズタワーは、なぜ引越し作業をしていたのか?
- 疑問点7:クモに刺され、叔父が亡くなる定番のシーンがなかった理由とは?
- 疑問点8:ハッピーのポケットに入っていた指輪は何だったのか?なぜ手渡したのか?
- 疑問点9:エンドロール中のポストクレジットシーンを解説!
- 疑問点10:未解決のまま、次作に持ち越しとなった伏線は?
- 6.今後予定されている続編やスピンオフ企画について
- 7.まとめ
- 8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など
1.映画「スパイダーマンホームカミング」の予告動画・基本情報
予習・復習に欠かせない!予告動画を2つ紹介!
まずは、全部で3つ公開されている公式予告動画から、一番再生数の多いバージョンを紹介しますね。
次に、是非見ておきたいのが、封切り後に追加公開された、映画の冒頭4分間の動画です!
この予告動画では、ピーター・パーカーのスマホ自撮り映像という見立てで、彼がスパイダーマンとしてアベンジャーズ戦闘現場へお試しデビューした時のシーンが、「シビル・ウォー」とは別角度で味わうことができるのです!
アベンジャーズ内の深刻な対立・戦闘シーンも、高校生のピーター・パーカーにはどこ吹く風といった感じ。無邪気な観光気分ではしゃいでます(笑)
映画の基本情報
【監督】ジョン・ワッツ
【配給】ソニー・ピクチャーズ
【時間】133分
引用:Wikipediaより
今回、新シリーズでの監督に起用されたのは、2017年現在、若干36歳と若手新鋭のジョン・ワッツ監督。2015年、低予算映画ながら映画通に高い評価を得た、ケヴィン・ベーコン主演のスリラー映画『COP CAR/コップ・カー』がマーベル上層部の目に止まり、本作での抜擢となりました。
なお、今回の「スパイダーマン・ホームカミング」シリーズでは、順調に行けばあと続編が2作、アベンジャーズでさらに2作予定されています。今のところジョン・ワッツ監督の続投は明言されていませんが、状況からみてまず間違いなく続投となるでしょう。
2.映画「スパイダーマン・ホームカミング」主要登場人物・キャスト
ピーター・パーカー【スパイダーマン】
(トム・ホランド)
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
若干20歳の新鋭俳優。演技力だけでなく、スパイダーマンに必要な身軽さを感じさせる身体能力も抜群!オーディションを受けた子役約7500人の中から大抜擢されたシンデレラ・ボーイでした。パルクールで鍛えた身のこなしの素早さをベースに、安定した演技力も光りました。
トニー・スターク【アイアンマン】
(ロバート・ダウニー・Jr)
引用:Spider-Man: Homecoming - Official Trailer 2 [HD] - YouTube
本作では、アベンジャーズのリーダーというより、めんどくさそうにしながらも、ピーターのピンチには必ず駆けつけて叱咤激励する父親的な存在として描かれたのが印象的でした。ロバート・ダウニー・Jrも、すでに50代。アベンジャーズが一区切りしたら、若い世代へ主役をバトンタッチするのでしょうか?
エイドリアン・トゥームス【バルチャー】
(マイケル・キートン)
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 3 - YouTube
元祖アメコミヒーローとも言える1989年版バットマンを演じ、2015年の「バードマン」で鳥人間になったマイケル・キートン。今回の【バルチャー】と何かとイメージが重なる絶妙の起用でした。悪役なのですが、部下思い・家族思いで憎めない、味わい深いキャラでした。
メイ・パーカー(マリサ・トメイ)
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
ピーターを育てるメイ叔母さん。前シリーズまでと違い、ものすごく若返りました。とても50代には見えない若さ。しかしキャリアは30年以上で、「いとこのビニー」(1992)ではアカデミー賞助演女優賞も獲得しています。
リズ(ローラ・ハリアー)
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
ピーターの彼女役。学校一の美女という位置づけですが、人種の多様化を反映してか、白人ブロンドではないヒロインは珍しいですね。最初見た時、てっきりリズの横にいた白人の小さな子がヒロインだと思ってました・・・
ネッド(ジェイコブ・バタロン)
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
今作、ピーターの親友は、前2作までのオズコープ社の御曹司ハリーではなく、太めのオタク&ハッカーなネッド。非リア充ながら決して卑屈な感じでもないのがいい!喜々としてストームトルーパーのフィギュアを愛おしそうに触る姿が最高です(笑)
学校のコンピュータ室で平凡なデスクトップを駆使して必死にピーターのサポートに徹する姿も、ローカルヒーローの良き相棒という感じが出ていました。案外続編でアベンジャーズに加入してたりして・・・
時系列で過去作シリーズを整理してみる
本作は、映画単体としても十分楽しめますが、過去のスパイダーマンシリーズと見比べてみると、更に味わい深いです。簡単に整理してみます。
【スパイダーマン・シリーズ】
①「スパイダーマン」(2002)
②「スパイダーマン2」(2004)
③「スパイダーマン3」(2007)
オズコープ社でクモに刺され、自らの過失で通り魔に刺殺された叔父の言葉「大いなる力には大いなる責任が伴う」を胸に、NYの摩天楼で華麗に活躍するスパイダーマン。そのストーリーの原型を作り上げたのが、サム・ライミ版のスパイダーマンでした。叔父の遺言通り、自らの活躍と引き換えに、親友や恋人の危機・葛藤に悩みつつも、一歩ずつ成長していく主人公が魅力的です。マーベルヒーロー映画で最初に大成功したシリーズでした。
【アメイジング・スパイダーマン・シリーズ】
④「アメイジング・スパイダーマン」(2012)
⑤「アメイジング・スパイダーマン2」(2014)
クモに刺され、叔父の死をきっかけにスパイダーマンとしての自覚に目覚めるストーリーは前シリーズと共通。本シリーズではスタート時点で実の両親が登場し、両親の残した謎を追いながら悪と対決していきます。ややダークでサスペンス色の強い作風となったからか、お膝元の北米での興収が伸びず、残念ながら2作目で打ち切りとなりました。
3.中盤までの簡単なあらすじ
アベンジャーズ達が、ニューヨークにて宇宙からやってきたロキ率いる強敵チタウリを倒した後、エイドリアン・トゥームス率いる清掃会社は、今日も瓦礫の撤去作業に従事していた。しかし、政府がトニー・スタークと共同設立したダメージ・コントロール局によって、彼らの仕事は突如奪われてしまう。トゥームスたちは、家族や従業員を守るため、瓦礫に含まれていた宇宙の特殊素材を使って、不正な武器製造・販売に乗り出すのだった。
一方、その数年後、アベンジャーズ内では、深刻な意見対立からアイアンマンのグループとキャプテン・アメリカのグループにて内部闘争が勃発していた。トニー・スタークは、かねてから目を付けていたピーター・パーカーにスパイダーマンスーツを与え、戦場でテスト登用を行った。ピーターは完全に舞い上がり、一人観光気分でいた。
アメリカに戻ってから、トニーから次の招集を待つピーターだったが、一向に連絡が来ない。気持ちが空回りして学業やクラブ活動(全米学力コンテストの準備)に身が入らなかった。そんな中、ピーターはパトロール中に地元の銀行のATMで不審な人物たちを見つける。チタウリの残した素材から作った相手の武器に苦戦しながらも、何とか撃退に成功したが、トニーに認めてもらうため、独断で敵を深追いしてしまう。しかし、ウィング・スーツに身を包んだトゥームス(バルチャー)によって、湖の上空から投げ出されてしまった。
危機一髪の状況で、遠隔操作で駆けつけたアイアンマンに救出され、無茶をするなと警告を受けるピーターだったが、功を焦ったピーターは、バルチャーを追ってワシントンDCへ向かう。それは、奇しくも全米学力コンテストの開催地でもあった。
オタクで最強のハッカーでもある親友のネッドに自らの存在がバレたピーターは、ネッドの協力でスパイダーマンスーツの訓練モードを終了させて、ワシントン塔でバルチャーに挑む。しかし歯が立たず、逆に学校の仲間達を危険な目に合わせてしまう。
諦めがつかないピーターは、さらにトゥームスを追って船上での武器取引現場を押さえるが、またしても乗客を危険な目に遭わせてしまった。
失敗続きのピーターに、トニーは怒り、ピーターからスーツを取り上げてしまう。ピーターは普通の高校生に戻り、学年一の美人、リズとのホームカミングパーティに臨むが、なんとリズの父こそが彼の追っていた武器商人だった・・・(クライマックスへ続く)
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4.映画「スパイダーマン・ホームカミング」の感想・評価
前2作までとは違う「新しい」スパイダーマンが新鮮だった!
引用:http://www.spiderman-movie.jp/
見始めて数分でわかるのは、今回のスパイダーマンは、とにかく若い!ということ。演じるトム・ホランドはわずか20歳、映画内での設定年齢はわずか15歳と、これまでのマーベルヒーローものの中でもダントツの若さとなりました。
ラジオ映画評論「ライムスター宇多丸のムービーウォッチメン」でも真っ先に言及されていましたが、映画の全体的なトーンは青春アクション映画というよりは、ハイスクール学園モノや、ジュブナイル冒険活劇に近い感じがします。個人的には、ハリーポッターの初期作品を見ているようでした。
そんな主人公の行動半径は「学校」と「自宅」の数キロ範囲内です。親代わりのメイおばさんや近所のスーパーのおっちゃん、クラスメイト達と交流しながら、日常生活や学校行事の延長線上にピーターの行動がガッチリ紐付けられているんです。
盗まれた自転車を取り返したり、喧嘩を仲裁したり、道案内をしてあげたり、彼のヒーローとしての活動は、どちらかというとボーイスカウトやボランティア的な牧歌的な内容ばかり。(しかも活動中にしょっちゅうスマホいじってるし/笑)
クイーンズ地区。高いビルがない・・・
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
また、マンハッタン近くのNYの都心が活動拠点だった前2作と違い、今回はNYの郊外、クイーンズ地区が今回のピーターのホームグラウンドです。NYの象徴でもある摩天楼もなく、ビルの谷間を華麗にウェブスイングすることすらできないという(笑)このあたりの設定も、上手いなぁと思いました。
若干15歳で、身の回りのことに一生懸命なピーターが、宇宙規模の危機対応にあたり、敵と戦うアベンジャーズが見向きもしない地元の事件を必死になって追い続ける様子は、古くて新しいアメコミヒーロー像なのかなと思いました。制作陣が「地に足の着いたヒーロー像を描き直す」と事前に強調していた通りでしたね。
物語終盤にかけて、少しだけ成長するピーター
そして、まだ何者でもない見習いヒーローが、早く誰かに認めてほしくて必死に頑張る様子も微笑ましいのです。ネットの批判コメントでは、「自分勝手で思慮が足りない」など厳しい意見もありましたが、そもそもまだ15歳の段階で、物分かりが良すぎたら逆に若年寄みたいでつまらないですよね?
前2作では、自らの過失が招いた叔父の悲劇的な死が、ピーターにスパイダーマンとしての自覚と責任を持たせる触媒になるのですが、今回はそれがありません。15歳のピーターに同じ悲劇を味わわせたら、ショックのあまり、そのまま引きこもってしまうかもしれませんね(笑)
だからなのか、今作では前2作のような「劇薬」は用意されず、ピーターはトニーをメンター(擬似的な父親代わり)にして愚直に行動し、失敗を積み重ねる中から自分の力で少しずつ精神的に成長を重ねていく、という描写が取られます。
動けば動くほど騒ぎだけ大きくなる物語序盤
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 3 - YouTube
トニーに早く認められたい、大好きなリズにいいところを見せたい、という功名心だけが先走り、取った行動がことごとく思慮を欠いて失敗続きに終わるという中盤までのシークエンスも、青春真っ只中!という感じで僕は好きでした。まさに「見習いヒーロー」が必死にもがいている様子が微笑ましいです。
今回は3部作(アベンジャーズを入れると5部作)用意されているので、ピーターが時間をかけてゆっくり成長していく姿を味わっていくのも本シリーズの醍醐味だと思います。
いつのまにかハイテク化したスパイダーマンのスーツ
今回のピーターは、スパイダーマンとして覚醒してからも、その超人的な感覚「スパイダーセンス」が身についていません。自宅の部屋にいたネッドの姿にも気づかないくらいですから。まだ、半覚醒くらいのレベルでしょうか。
ハイテクスーツが凄い!
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 3 - YouTube
その代わり、ほとんどアイアンマンのスーツと変わらないくらいハイテク化したスーツが楽しかったです!ラピッドファイア(連写モード)、テーザーウェブ(電気ショック)や、音声が変わる尋問モード、ボディーヒーター、ムササビのようなウェブウィング、小型ドローンなど、至れりつくせりの高性能ぶりが面白い!
ウイングも出る!少しなら空も飛べる高機能!
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 3 - YouTube
そして、見事に全然使いこなせず、習熟に苦労するシーンを描くことで、コメディ要素もきっちり確保されていました。映画終盤で、トニーから新しいスーツをプレゼントされていましたので、次回作以降でも、新たなスーツの新機能が見れるのが楽しみです。
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5.映画「スパイダーマン・ホームカミング」に関する10の疑問点・トリビア~伏線・設定を徹底考察!~
疑問点1:映画タイトル「ホームカミング」の意味とは?
学校はホームカミングの準備中
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
「ホームカミング」には、2つの意味が掛けられていると思われます。
まず、第1に、本作がMCUの世界線の中で再びリブート作品として戻ってきたことを示唆しています。「ホームカミング」とは直訳すると「帰宅、帰郷」という意味があるからです。
そして、第2には、物語中盤で開催される「ホームカミングパーティ」のことを差しています。日本人にはあまり馴染みがない「ホームカミングパーティ」とは、ざっくり言うと、アメリカの高校で年間行事として秋頃に行われる文化祭と体育祭が一緒になったような学園祭です。昼間はフットボールの交流試合や、学校にOBなどを招いて楽しみ、夜間はダンスパーティがあります。
疑問点2:映画冒頭でトゥームスが片付けていた瓦礫とは?また、トゥームスの仕事を奪った連中は誰なのか?
ロキが連れてきたチタウリの戦士!
引用:Chitauri | Marvel Cinematic Universe Wiki
映画冒頭でトゥームスが処理していた瓦礫は、映画「アベンジャーズ」で、アイアンマン達がロキ率いるチタウリと戦った時、その時の戦闘で散らばった敵味方の機材・武器の残骸でした。
アベンジャーズの戦闘で毎回大量発生する大量の瓦礫や、地球外のレア物質がテロや戦争に軍事転用される恐れから、アメリカ政府とスターク・インダストリーは、合弁で「ダメージコントロール局」を設立し、トゥームスのようなローカル業者を現場から排除したのでした。
疑問点3:トニー・スタークは、なぜ・どうやってスパイダーマンをスカウトしたのか?
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
宇宙規模での危機に備え、トニー・スタークはアベンジャーズのメンバー拡充を狙い、常日頃から自社開発したAI搭載のスーパーコンピュータで候補者の探索に余念がなかったのです。そんな中、彼はピーターを見つけ出しました。
ちなみに、映画公式パンフレットによると、「シビルウォー」の時、トニーがスパイダーマンをわざわざベルリンまで連れて行ってテスト登用した理由は、スパイダーマンなら敵方を傷つけることなく捕獲してくれるのではないかという期待があったようです。対立して戦うことになったとはいえ、もともとの仲間を傷つけたくはなかったのです。
疑問点4:ワシントンDCでスパイダーマンが登った塔の名前は?
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
建国の父ジョージ・ワシントンを記念して建てられたオベリスク、「ワシントン記念塔」です。塔内は窓が極端に少なく、スパイダーマンが登るにはぴったりの建物でした(笑)エレベーターで一直線に上まで上がって、小窓から景色を楽しめるようになっています。アメリカ建国の歴史が詰まったワシントン観光必須の訪問スポットですね。
引用:Wikipediaより
ちなみに、ハリウッド映画では過去14本がこのワシントン記念塔でロケを行っています。有名なところでは「フォレスト・ガンプ」(1994)、「インディペンデンス・デイ」(1999)、「ボーン・アイデンティティ」(2002)など。
疑問点5:映画で出てきた全米学力コンテストとは?
引用:http://www.digitalspy.com/movies/spider-man/feature/a832503/spider-man-homecoming-easter-eggs/
映画中、ミッドタウン高校の選抜メンバーがワシントンで「全米学力コンテスト」なる大会に出場していましたね。これは、Academic Decathlonと言って、1960年代~80年代にかけて、高校生の学力向上を目的としてアメリカ全土に普及した団体戦でのコンテストです。日本の「高校生クイズ」をよりアカデミックにしたような感じでしょうか?
各学校から選抜された9人のメンバーが、Decathlon(十種競技)になぞらえて、ペーパーテスト やスピーチ、プレゼンなどあらゆる形態で知識や教養を問われ、高得点を目指すコンテストです。
2015年の映像ですが、こちらに実際に競技中の動画がありましたので、参考に貼っておきますね。クイズ大会みたいで楽しそう・・・。こういう青春もありですかね^_^;
このあたりは、続編でもハリー・ポッターシリーズでの「クィディッチ」のように、「スパイダーマン・ホームカミング」の毎回の定番行事となるでしょうか?
疑問点6:アベンジャーズタワーは、なぜ引越し作業をしていたのか?
スターク・インダストリー社が、このビルをどこかの大企業に売却することになったからです。売却先は明らかにされていませんが、代わりにアベンジャーズタワーに入居するのは、スパイダーマンではおなじみの、「オズコープ社」かもしれません。社屋のシルエットも、どこかしら似ているんですよね。
引用:http://amazingspiderman.wikia.com/wiki/Oscorp_Tower
「ホームカミング」1作目では、ピーターの両親もオズコープ社も出てきませんが、ひょっとしたら続編で話に絡んでくるかもしれません。
疑問点7:クモに刺され、叔父が亡くなる定番のシーンがなかった理由とは?
「ホームカミング」では、ストーリーが始まる半年ほど前に、すでにピーターはクモに刺され、スパイダーマンとしての活動を始めていたからです。だから、クモに刺されるシーンはネッドとの会話の中でアッサリ消化して流れていきましたね。また、叔父が亡くなったのもストーリーが始まる前の話です。こちらは、叔母のメイから「叔父に先立たれた」ことを軽く示唆するレベルでしか触れられませんでした。
もっとも、期間を置かずすぐのリブートだったこともあり、毎回クモに刺され、叔父が死ぬシーンを繰り返すのはややくどいので省略した、という配慮もあったのでしょうね。
疑問点8:ハッピーのポケットに入っていた指輪は何だったのか?なぜ手渡したのか?
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 1 - YouTube
アベンジャーズの最新式武器を横領しようとしたトゥームス(バルチャー)を捕まえた後、ピーターはトニー・スタークの新社屋に招待され、そこでご褒美の新型スーツと正式なアベンジャーズ加入を促されます。奥の部屋では、すでにトニーの恋人、ペッパーも記者会見をセッティングして万全の準備で待機していましたが、それにもかかわらずピーターはアベンジャーズ入りを断り、クイーンズへと帰ってしまいます。
そこで、慌てたペッパーに対して、トニーはお供についてきていたハッピーのポケットの中から、婚約指輪を取り出させます。(2008年から入れていたとか)これは、トニーの用意していたバックアッププランだったのでしょう。万一ピーターがアベンジャーズ入りを断わってきた時、代わりに記者会見の場でペッパーとの婚約発表をしてしまおうという粋なはからいでした。(それにしても、つい3ヶ月程前の「シビルウォー」でペッパーと別れた直後だったのに、どうやってよりを戻したんでしょうか・・・/笑)
疑問点9:エンドロール中のポストクレジットシーンを解説!
MCU作品では今や当たり前となったラストシーン後のポストクレジットシーン。今回も2つありました。(しかし、今回もメイ叔母さんが「What the fu---」と言い放った瞬間に席を立った人がいました。もったいない・・^_^)
まず、1つ目は、刑務所内で密造武器の取引相手、ガーガンとの会話。彼は腕にサソリのタトゥーがしてあった通り、2作目以降、「スコーピオン」という名前のヴィランとして登場しそうです。
ガーガンから、「スパイダーマンが誰なのか教えろ」と言われたトゥームスは、知っていたのにガーガンに教えませんでしたね。これは、恐らくトゥームスが墜落した時、自らの命を助けてくれたのがスパイダーマンであり、彼に恩義を感じているからだと推測されます。(ワシントン塔で彼の娘、リズを救ったスパイダーマン=ピーターにきっちり借りを返し、パーティ会場へ向かう車中で襲えたはずなのに逃げるチャンスを与えるなど、仁義に篤い性格)
また、ガーガンにスパイダーマンの居場所を教えると、オレゴンに逃したリズの安否も危なくなる可能性があります。かつて歴代スパイダーマンのヒロインは、何度も敵の手に落ちましたからね・・・。
引用:Spider-Man: Homecoming - Official Trailer 2 [HD] - YouTube
2つ目のシーンは、キャプテン・アメリカの学校用教則ビデオの撮影シーンでした。これはストーリー的には特に何の関係もなく、オチとして使われただけでしょう。ただ、ジョン・ワッツ監督の発案で、何パターンも撮影しているらしく、DVD化された時収録されるようですね。楽しみに待つとしましょう^_^
疑問点10:未解決のまま、次作に持ち越しとなった伏線は?
引用:Spider-Man: Homecoming - Trailer 3 - YouTube
実質上、連続ドラマ化が進むマーベル作品。今回も、大量に次作へと未解決の伏線が残りました。一覧にピックアップしてみます。
・オズコープ社は出てくるのか?(アベンジャーズタワーへ入居するのでは?)
・メイ叔母さんに正体がバレてしまった後、叔母さんとの関係は?叔母さんはその後どんな役割になるのか?(歴代のコミック・映画・アニメを通して、メイ叔母さんに正体がバレることはほとんどなかった)
・ピーターの両親との逸話は今後語られることがあるのか?
・新しいスパイダーマンスーツはどんな改良がなされているのか?
・スパイダーマンは今後アベンジャーズにどう絡んでくるのか?(MCUで世代交代を図るなら、50代になったトニーが引退し、代わりにピーターが入る可能性も?)
・オレゴンに引っ越していったリズとの仲はどうなるのか?
・部活の部長を引き継いだミシェルは今後どうストーリーに関わるのか?
・トゥームスは、再びバルチャーとなって絡むことがあるのか?
・ガーガン(スコーピオン)はどうなるのか?
個人的には、部活の部長に就任したMJことミシェルが、ネッド同様、スパイダーマンを補佐する重要な役割を負わされるのではないかなと予測。リズが完全にフェードアウトするなら、恋人に昇格する可能性も?
6.今後予定されている続編やスピンオフ企画について
MCUベースでの続編作品
引用:Wikipediaより
「スパイダーマン:ホームカミング」は、アベンジャーズへの参加も含め、以下の通り残り4作品が続編として確実に予定されています。下記に列挙してみました。
このうち、すでに「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」はすでに撮影が開始されていますね。なお、ロバート・ダウニー・Jrはアベンジャーズ4以降、MCU作品には出演しない予定なので、ホームカミング2以降では、別のMCUキャラクターが絡んでくる可能性が高そうです。
(2018年2月・ルッソ兄弟)
②「アベンジャーズ4(仮称)」
(2019年5月3日・ルッソ兄弟)
③「スパイダーマン・ホームカミング2(仮称)」
(2019年7月5日・監督未定)
④「スパイダーマン・ホームカミング3(仮称)」
(2021年・監督未定)
その他、トム・ホランドは未契約ですが、MCUシリーズの別の映画にもスパイダーマンが参加する可能性があるようです。
アニメ映画作品
また、実写とは別にハリウッド版アニメ映画(タイトル未定)も2018年12月14日での公開が決まりました。ちゃんとクモに刺されるところからストーリーが始まるようですが、こちらは、コミック版で人気に火がついた黒人とヒスパニックのハーフ、マイルズ・モラレスが主役です。ちなみに、ホームカミングで出てきた武器商人の彼は、マイルズの従兄弟という設定でした。
マイルズ・モラレスの従兄弟は武器の密売人
引用:Spider-Man: Homecoming - Official Trailer 2 [HD] - YouTube
ここ数年で一気にダイバーシティ(人種の多様化)が進んでいるハリウッド映画の流行を反映し、とうとう有色人種が主役を務める画期的な作品となりそうです。こちらも楽しみですね!
ソニーの独自計画「スパイダーマン・ユニバース」企画
引用:https://www.wikiwand.com/en/Spider-Verse
これ以外にも、スパイダーマンのコミックシリーズで過去に人気のあったヴィランを「アンチヒーロー」的な主人公に立てて、ソニー独自の「スパイダーマン・ユニバース」(Spider-verse)を進める計画があります。すでに、以下の2つの企画が進んでいます。
(2018年10月5日、主演:トム・ハーディ)
②「シルバー&ブラック」(仮称)
(2019年2月8日、監督主演未定)
残念ながら、契約上この「スパイダーマン・ユニバース」系の作品群にはトム・ホランド演じるスパイダーマンの出演はなく、MCU作品との接続性はないとのことです。まずは「スパイダーマン3」でも出てきた「ヴェノム」がどんな悪役ぶりを発揮するのか楽しみですね!(確か音波に弱いという意外な弱点があった)
7.まとめ
今回リブートされた「スパイダーマン:ホームカミング」はコメディ色や学園ドラマとしての面が強い映画です。スパイダーマンはMCUのキャラクターの中では圧倒的に若くローカル色の強い、異色なヒーローとして復活しました。意外な方向性でしたが、これが非常に心地よく、楽しい映画に仕上がっていました。
日本ではやや苦戦しているようですが、情報量も多くハイクオリティな作品なので是非2度、3度とチェックしてみて下さい!
それではまた。
かるび
8.映画をより楽しむためのおすすめ関連映画・書籍など
スパイダーマン・トリロジー(サム・ライミ版)
サム・ライミ版のスパイダーマン3部作をワンセットにまとめたブルーレイボックス。死んだ叔父の「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉の通り、大切な人を守るため、常に自分自身の心と向き合い、葛藤しながら成長していく主人公の姿が心を打つ、マーベルアメコミヒーローの原点とも言える作品群です。オススメ!
アメイジング・スパイダーマン(マーク・ウェブ版)
サム・ライミ版の3部作が終了し、ソニーの肝いりでリブートされた「アメイジング・スパイダーマン」。「ダークナイト」シリーズに影響を受けているのか、よりリアルでシリアスな路線で描かれました。自身のルーツと両親の残した謎解きが未完で終了したのは残念ですが、2作とも単体としてしっかりドラマを楽しめる良作。本作をきっかけに、本格的にスター俳優として人気に火がついたアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーンが若々しくて良い感じ!
「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」
「スパイダーマン・ホームカミング」をより深く楽しむため、いわば本作のプロローグ編として抑えておきたい作品です。スパイダーマンがマーベルヒーローたちの前でデビューするベルリンでの戦闘シーンや、トニー・スタークがピーターをスカウトするシーン、最終的にトニーとペッパーの恋仲がどうなるか?などは要注目!「ホームカミング」の3ヶ月前を描いており、ストーリー的にも密接につながっています。
アメコミ映画2017完全読本
この夏、「スパイダーマン・ホームカミング」と「ワンダーウーマン」の2大ビッグタイトルが劇場公開されるタイミングで、各社からアメコミ映画を特集したムックや雑誌が相次いで発売されました。その中でも、一番内容が充実していて、マニアでも楽しめる深い内容になっていたのが、本書。特に冒頭でのスパイダーマン特集は、実写映画、アニメ、コミックなどの過去作のレビュー・紹介が時系列でしっかり網羅されており、これ1冊あればスパイダーマンについての基礎知識はがっつり抑えられます!
現在Huluで過去作・関連作品を配信中!
どんどん広がるスパイダーマンの世界。人気作品なので、基本的には作品は全て楽天やAmazonで手に入ります。でも、まずはちょっと見てみたいという人は、動画配信もオススメ。現在、Huluにて「スパイダーマンシリーズ1~3」「アメイジング・スパイダーマン」が無料配信中。また、定期的に「アベンジャーズ」等のMCU作品も配信されています。(今回は9月3日まで)
★最初の14日間は無料!
僕は、今回映画公開前にHuluで配信されている過去作全部と「アベンジャーズ」等関連作品を復習してから映画に臨みました!登録後最初の2週間は無料で視聴できるので、無料期間中に見てしまえば、実質タダで見れますね!